シナリオ名 「冷たい頬を伝うもの。」第一話

オープニング
東京、冬。
空も街も舞い落ちる雪でまっ白にそまっていく。
その雪の中で、黒尽くめのコートの二人組が草間探偵事務所の扉を叩いた。
「…どうぞ」
東京には珍しい大雪の日、夜も遅くに来る依頼はマトモなものではないだろう。
やや辟易した顔で探偵事務所の主、草間武彦は来客者に入室を促した。

目深にかぶったコートから覗く髪は抜けるような銀髪。赤い瞳。
ロシア系と思われる少年と少女が、静かに入ってきた。
「…依頼がある」
歳のころは10代と思われる幼い顔だちにも関わらず、流麗な日本語が流れ出る。
無遠慮とは知りつつも、武彦は不審な目を向けざるを得なかった。

少女は表情がなく、虚ろな目をしており、首と手首には手錠らしきもの。
何より口元には血糊がついていた。
少年は目を硬く閉ざしており、そのコートに包まれた右腕は、乾き切っていない血がいまも滲み出している。

半ば呆然と、ふたりを見つめていた草間武彦と草間零は少年の一言で我に帰った。
「…怪奇探偵、草間武彦。どうか力を貸してくれないか」

少年の依頼は次の通り。
『とある事情により、この妹の体内には悪霊の類いが数多く封じ込まれている。
しかし、妹の肉体も精神もいまや限界であり、このままでは死んでしまう。
腕のいい退魔師を探し出し、悪霊を排除してほしい』

渋る草間であったが、少年の提示した報酬は目を見張るものであった。
待ち合わせと連絡先を指定し、二人を帰した後。
草間は浮かぬ顔で、電話の受話器をとるのだった。

「…もしもし、草間だ。頼みたい事が有るんだが…」

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今回のPCへの依頼は、「少女から呼び出した魔物を、結界の中で倒す事」です。
戦闘が開始されると、倒すまで結界から出る事はできません。
また、結界内には少女もいますので、戦闘終了まで少女を守る事も必要です。

◇予測される敵の系統◇
幻獣系腐敗生物(神話や英雄譚に登場する幻想生物。そのなれの果て)
◇プレイングアプローチ◇
Q1.戦術を指定して下さい。
 使用する能力や、攻撃の傾向(消耗を気にせず全開、やフェイントをまぜて堅実に等)
Q2.仲間との協力方針を決めて下さい
 連繋プレイをとるか、個人行動か、または臨機応変か
Q3.防衛対象の少女の護り方を教えて下さい
 抱えて逃げる、盾になる、防御法術をかける、等

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■参加可能人数は1〜4人です。連続参加、一話のみ、どちらも可能。
■参加には退魔師、霊能力関係のPCが望ましいです。
 このシナリオで登場する敵は霊体が多いため、物理攻撃がほとんど無意味です。
■戦闘難易度は高め。負傷、重症、の可能性があります。
■劇中の重要な謎に迫るプレイングをしたPCは重要な役どころになります。
 積極的にシナリオに介入するプレイングを書くと吉(全て反映は無理かも)
■PCの行動の蓄積によって物語は回ごとに変化していきます。
 最悪、PCのせいで依頼人や無関係な人々が数多く死傷する事になります。
■PC同士で対立し、本気での戦闘を行う場合があります。
■PCが今後継続して登場する場合、負傷状態が継続します。
■注意事項
 ※メカ、SFキャラ、魔王や神などのPCはその能力などから、活躍できないと思われます。
  能力によってはすべての謎がとけてしまう危険があるためです。
 ※PCの能力では使用に際して生命力を奪います。
  時間停止や原子崩壊など、「大技」を使用される場合は、使用後に
  極度の疲労状態になるようにします(使用する程度にもよりますが)
  倒しきれない場合も考慮して使用してください。
 ※ギャグ要素が一切ありません。お笑い系でも参加できますが、
  ギャグ系の描写は一切いたしません。
 ※ヒューマンドラマです。人が人である故の悩みや葛藤がテーマです。
  「人間じゃないし〜」とか心理葛藤が苦手な方は御遠慮ください。
オープニング


主要NPC紹介。ロリとフランシェ。
ロリには意識がなく、自発行動もほとんどありません。
自傷、他傷行動を防ぐ為、精神拘束されており、手錠で暴走時に対処しています。
フランシェは医術、魔術に精通した医療術師です。
また、強力な結界や拘束魔術を扱う事もできますが、理由は不明です。
かなりの資産を有していますが、本人達は何も語りません。