悪趣味なネオンがちかちかと光る中、そのBARは存在した。
渋谷のはずれに『リゾート』と看板が置かれ、文字の部分がぴかぴかと明滅している。
BAR・リゾート――此処はあまり良い噂を聞かない場所だった。怪しげな薬物が売っていたり、少し強面の人が出入りしたりと悪い噂ばかりが飛び交っていた。
しかしそんな場所にも人は集まる、店内を見渡せば若い少年少女がDJの音楽に合わせて身体をくねらせながら踊っている。
良い噂を聞かない場所だと言う事は彼らも周知のはずなのに、それでも彼らはやってくる。
若いがゆえにスリルを求めて来る者も居るだろう。
いつも人が集まっている為、自らの心を蝕む孤独を誤魔化す為に来ている者も居るだろう。
「さぁ、今日も一夜の夢を楽しんでいってくれよ!」
店長らしき若い男性がマイク越しに叫ぶと、店内の若者達も沸きあがったのだった‥‥。
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