「あきた・・・・・」
先程修復された時に混ざってしまった花をぴょこぴょこと揺らし、不満そうな声で有人とブレッシングに訴えた。有人は掃除を、ブレッシングはゲームをしていた手を止めて机の上に立っている佐吉を「何に?」と言う目で見る。
「有人とブレスばっかと話すのにあきたんだよ・・・俺だってお前らみたいにこの家以外のヤツラと話したい!」
「無茶だよ、サキチ。いくら何でもハニワがぴょこぴょこ歩いてたらむかえのじーさんが入れ歯飛ばして失くしちゃうって」
ケラケラと笑うブレッシングに有人がそれは漫画の読みすぎだとたしなめつつも近隣の人が驚くのには間違いが無いと言うのには同意し、佐吉が外に出るのを止める。確かに魑魅魍魎が跋扈している東京とは言え、一般の方が多いご近所さんには何でもあり、と言うわけにはいかないであろう。
しかし、短気で人の言うことをあまり耳に入れない佐吉にそのようなことが通じる筈もなく―――
「うるせぇ!俺はお前ら以外の話し相手が欲しいんだーー!!」
と、聞く耳なく飛び出していってしまった。
「兄貴、捕まえてくる?」
「・・・まぁ、今はいいだろう。夕方まで帰って来なければ行け」
「あいよ」
『残念会』のために今日は佐吉の好きなものを作るか、とブレッシングが笑うと、有人は、
「わからないだろう?もしかしたら奇特な怪異好きがいるやもしれん」
と反論し、掃除を再開するのだった。
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