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■小さな願い事■

雨屋森
【0086】【シュライン・エマ】【翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員】
その日、草間興信所から騒々しい物音が響いていた。
入り口から覗いてみると見慣れぬ制服姿の少女が零にしきりに謝っている。と、ふと彼女達の足元に目を向けると割れたティーカップとティーポットが。
「ああ、もう私ってどうしてこう、何をやっても駄目なのか…あれ?」
・・・どうやら目が合ってしまったようです。あなたは面倒事に巻き込まれそうな予感を感じつつも取り合えず興信所へと足を踏み入れた。

「実は私、幽霊なんです。」
少女の名は宮田佳代。
ある日、彼女は車道に飛び出した子供を救うべく走る車の前に飛び出してしまっと言う。
「それはいいんですけど、子供は自力で車道を渡りきってしまって車の前に飛び出した私が車に惹かれてしまって…。ドジだと自覚していましたけど最後までこんな情けないとは思いませんでした。」
心底情けなさそうに彼女は言った。
けれどもそれはそれで自分らしいのかもしれない。そんな後ろ向きなことを考えた彼女だったが成仏できずにいくらたっても半透明の体で漂うばかり。
いくらトロイ彼女でもそんな状況に焦りだした頃、どうやら自分は未練があるらしいことにやっと気が付きつぶやいたのだった。
「私、一度で良いから人様の役に立ってみたかったんだわ…。」


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何度かゲームコミック描かせてもらってます、御幸と申します。
今度も単発シナリオで、一名様一枚ずつ、1〜3回(名)の受注を予定してます。
お客様ごとに内容、結末は違ったものになります。
少女の悩みを解決する以外にも諭す、説得する、自らの過去を振り返るなどなんでもありなので自由に行動してみてください。