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■おなか大ぱにっく!?■

紫咲桂麻
【1522】【門屋・将太郎】【臨床心理士】
ピンポーン。

なかなか奇麗なマンションの一室。ようやく薄明かりが差し込もうとしている時間だが室内はまだ暗い。その音で、もそもそと起きてきたのはパジャマ姿の恵だった。
「…むぁー…誰よぉ…んな時間に……」
寝ぼけ眼でドアの前に立ち、のぞき穴をのぞく。穴の向こうは水色の世界が広がっていた。あれ?と小首を傾げ、眠い目を急いでこすってもう一度見る。やはりそれは間違いなく、あの人だと確信した。

「涼水くんっ!?」
「ふええええぇん。」
ドアを勢いよく開けたと同時にその水色頭の少年は恵の胸元に泣きついてきた。
「ちょっとどーしたのさこんな時間に…まだ夜明けてないよっ。」
突然の来訪者に狼狽しつつも、恵は彼を落ち着かせようと頭を撫でた。ぐしぐしと鼻をすすりながら涼水は恵を見上げる。
「ふえぇっ…めぐみしゃん……たしゅけてくださいぃ〜」
「なによなによ、一体なにがあったのよ。…って阿修羅くんは?」
「あすらさ、昨日から清水にお茶買いにいって、いないれす…それで、ひとりで留守番してたら、夜中に急に、急に…」
「急に…!?」


う〜い。


「…………何…今の音…」
「急に…おなかが『う〜い』って泣き始めたんです〜!」