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■八角地質調査研究室の休日〜彼の笑顔〜■

柿花 凛
【0086】【シュライン・エマ】【翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員】
■八角地質調査研究室・高良■

「まずは親睦会と称して皆さんに集まって頂きます。本っ当に切実なんですよ。どうかよろしくお願いしますね!」
 高良は至極真剣な表情で集まった彼らに告げた。
 彼にとっては確かに死活問題だろう。ただし、ここまで真剣なのは単に、逃がしたお客が女性だったからに過ぎないが。
「お酒の持ち込み、ネタの為の持ちこみは構いませんから、どうにかして先輩…八角室長を笑わせて下さい。
もうホント…このままじゃ業務に影響が出ちゃいますよ。一応俺が対外担当ですけど…俺がいつもいるとは限らないんですから、先輩にも少しは接客に慣れてもらわないと…」
 高良は、あ、と気付いたように右手の人差し指を立てると、注釈を付け足す。
「でも今回は接客の訓練じゃなくて、固まっちゃってる顔の筋肉を緩ませるっていう目的ですからね?」

 最後に高良はカメラを取り出し、ちょっと構えてみせた。
「一応証拠ってことで…こっそりカメラで撮ろうと思ってるんですよ…内緒でね」