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■-ドッグファイト- 通常要撃戦闘■

あきしまいさむ
【5902】【乃木坂・蒼夜】【高校生/第12機動戦術部隊】
 パイロット待機所内に控えめの警報が響く。
「こちら管制指揮所『シュヴィンデルト』、高月サキ。対空警戒レーダー・甲が空間異常を探知しました。敵は浮遊型、降下型多数、飛行型妖類少数が指揮をとっているものと思われます」
 不意にスクリーンが点灯し、東京周辺の空図が表示される。
 その上で赤い輝点がゆっくりと、群をなして首都へ近づいている。
「敵勢力、方位087方面から一斉に東京上空へ向けて接近中。待機中のパイロットは直ちに配置に付いて下さい。繰り返します、待機中のパイロットは直ちに配置に付いて下さい」
 サキの落ち着いた声がスピーカー内に鳴り響いた。
 通路を抜け、ハンガーへ。操縦席へ駆け上る。
 計器チェック行程を実行。
 振り向いて各翼の正常動作を確認する。
「まあ、ザコばっかりじゃ。気楽に叩き落としてこい! 特注のメダルくれてやるわい」
 みると高月のおっさんが、下で親指を立てている。
「サキです。『シュヴィンデルト』は出撃行程の終了を確認しました。貴機の滑走路へのタキシングを開始します」
 自機がハンガーから外へ牽引されていく。
 ハンガーランプの点滅がキャノピーを反射してはまた去る。
「離陸後、ただちに高度制限を解除します。敵勢力、要撃ラインまであと3000」
 思わず中空を見上げる、満天の星空だ。
 日常の前提、地からの離脱。
 形容しがたいその実感が全身を撫ぜた。
「こちら『シュヴィンデルト』。離陸滑走開始位置への到達を確認しました。貴機の幸運を祈ります――出撃。」
-ドッグファイト- 通常要撃戦闘


 乃木坂・蒼夜は高月との挨拶を適当に済ませると、ハンガーで機体を見ていた。
(成る程、この黒い奴。カナード翼、しかも速度域で収縮可変。制御はなんだ? 装甲もただの金属じゃない)
「おまえさん」
 蒼夜は気づいていたが、後ろに高月・泰蔵がポケットボトル片手に立っていた。
「ただの高校生じゃないじゃろ。いや、詮索するわけじゃない」
(視察が第一義ではなかったが……仕方ないな)
 向き直る。
「そうだよ、カンがいいな、おっさん。伊達に歳くってないってわけだな」
「機体を見る目がプロじみとるよ。歳は関係ない、カンというなら」
 高月は口元を拭う。
「おまえさんがそうあくどくないちゅうことぐらいはわかるかの」
 ふーん、と言って蒼夜はもう一度、『ニイツキ』を見上げた。
 明るいハンガー内でさえ、光を全く反射しない漆黒の機体。
「俺んとこへのデータ反映材料として、そうは無い機会なんでね……動かせるだけ動かさしてもらうさ」
「かまわん。うちの空軍機に機密はない。生きてもどりゃ文句はない」
「……ハハ、おっさんも相当のもんだな」
「おだててもなんもでん」
「まあ、いい。俺はこいつで出るとするよ」
「うむ。他の参戦者もそろそろ集まる。追って敵の詳細もわかる」
「じゃ、いくとするかな」
 ソラ、か。
 そこに俺の記憶の欠片はあるのか、とふと思う。
 どちらにせよ未知の領域だからな。
 感傷を振り払うように蒼夜は足を早めた。

-Flight-

 三人が集まったころ、搭乗員待機室では、すでにあらゆる警告ランプが騒いでいた。
「これではどれがどれかわからないわね、至急ということはわかるけど」
 ササキビ・クミノが手首のジッパーを閉めながらこともなげにいう。
 この細腕が元腕利きの傭兵のものと誰が知るだろう。
「フン、要はすべて叩き落せばいいんだろう……動くボギーは全て、破壊する」
 乃木坂・蒼夜(ノギサカ・ソウヤ)がそう応じた。
 不敵な口元。
「私も一機も逃がしませんっ。ご安心を」
「……あなたは?」
 クミノが制服を着込んだ少女に尋ねる。どう見ても自分と同じ年頃だ。
「アリス・ルシファール、アリスでいいですよ」
「アリスか。死線をくぐろうって様子じゃないな」と蒼夜。
「大丈夫ですよ、誰も死なないし死なせません」
 達観というか余裕というか。
 クミノと蒼夜はそれを自信ととっていいのか、計りかねている様子。
 その時、かすかなノイズが割り込み、落ち着いた声がスピーカーから響いた。
<こちら、空中管制指揮所『シュヴィンデルト』。高月・サキです。対空警戒レーダー・甲が敵勢力規模を精密探知。敵は浮遊型、降下型非常に多数。飛行型妖類が指揮をとっているものと思われます。『ガーゴイル』級の存在を確認。警戒してください>
 沈黙していたスクリーンがいきなり点灯し、東京周辺の空図とおぼしきものが表示された。
 その上で赤い輝点がゆっくりと、群をなして首都へ近づいている。
 数え切れない。
スクリーンが紅く染まっている。
「こいつら全部がそれってわけね……」
 クミノはその位置・数から戦略思考を経て、既に戦術レベルの作戦を考えている。
「場合によっては乱戦が予想されるな。お互い死ぬときは。一人、でな」
 蒼夜はジョークのようにそう言って笑う。
「そんなことさせません、私が。お任せ下さいっ」
 アリスの言葉に、蒼夜の眉間に一瞬の困惑が走り、すぐに影を潜める。
「そう、まあそれに越したことはない」
<敵勢力、方位087方面から一斉に東京上空へ向けて接近、降下中。待機中のパイロットは直ちに配置に付いて下さい。繰り返します、待機中のパイロットは直ちに配置に付いて下さい>
「いきましょう」
 クミノの呟きにはじかれるように三人が動く。
 通路を抜け、それぞれがそれぞれの機体ハンガーへ。
<『シュヴィンデルト』は、全機の出撃シーケンスの終了を確認しました。滑走路へのタキシングを開始します>
 各機がハンガーから外へ牽引されていく。
 ハンガーランプの点滅がキャノピーを反射してはまた去る。
<全機体の武装及び、ミサイルセーフティピン解除を確認。オールグリーン。離陸後、ただちに高度制限を解除します。敵勢力、要撃ラインまであと3000。>
 思わず中空を見上げる、満天の星空。
 当たり前だった日常の前提、地からの離脱。
 形容しがたいその実感が全身を撫ぜる。
<こちら『シュヴィンデルト』。各機、離陸滑走開始位置への到達を確認。ササキビ機、タックネーム「デュンケローゼ01」、『レンヒョウ』、出撃>
「こちらデュンケローゼ01。出るわ」
 闇色の薔薇とはね、とクミノはタックネームを聞いて思う。自分の障壁を詩的に例えればそんなものか。ただの棘ではないけれど。
<続いてアリス機、『ニイツキ』、出撃>
「はいっ、じゃあちょっといってきます」
 ショッピングにでもいくような口調だ。
<蒼夜機、タックネーム「蒼葉木莵(アオバズク)03」、『ニイツキ』出撃。各機編隊を維持しつつ要撃エリアへ巡航>
「ふん、そんな悠長な事……。まあいい、アオバズク、出る。好きにやるさ」
 蒼夜はすぐさまアフターバーナに点火、地を蹴飛ばして虚空へと跳ね上がった。
 先行するクミノ機、アリス機を一気に追い抜き、最大推力で加速しつつ敵の群へ飛び込んでいく。
(『PUBLIC』対異掃討戦術戦闘・第二要綱。奇襲。こいつのステルス能力を見極めてやる)
<『シュヴィンデルト』より蒼夜機・蒼葉木莵03、間もなく敵浮遊型の先頭を射程に捉えます>
 オペレーターのサキは突出する蒼夜をとがめるでもなく淡々と報告。
「こちら蒼葉木莵、エネミータリホー。エンゲージ」
 聞くまでもない。蒼夜はすでに視認している。
「全くうじゃうじゃと、大サービスだな。すぐに……大出血サービスにしてやる」
 蒼夜は機体をポリマーで包みステルス性をさらに高めつつ、HUDに確認できる全ての敵をロック。
「完了、リリース。いけ」
 ニイツキのミサイルが一斉に、それぞれの目標へ食らいつく。
<蒼葉木莵03、『モスキート』6体、いえ8体を撃墜。さらに戦闘機動中>
「奇襲成功。次――」
「うーん、一番乗り、蒼夜さんにもってかれちゃいました。クミノさん、どうします?」
 アリスはポート側を並行飛行している、クミノ機「デュンケローゼ01」にむかって尋ねる。
「今のところは問題ない、と思う。蒼夜機の奇襲に対して敵は明らかに混乱してる。捉え切れていない」
 索敵に優れたレンヒョウに乗っているクミノは、レーダーに目を落としている。
 前席には持参のオートマシン。
 それに操縦を任せ、強火力を自らがあやつり敵を落とすつもりだ。
「まだ急がなくても大丈夫ってことですか?」
「そういうことね」
 クミノがみるレーダー上、蒼夜機「蒼葉木莵03」を示す点は、恐慌状態の敵の間を縫ってめまぐるしく動いている。
<『シュヴィンデルト』は蒼葉木莵03の『モスキート』7体撃墜をさらに確認>
「んー、でもなんか心配ですし。クミノさん、私も行きます」
「先行してかまわない。私も加速してすぐに追うから」
「ではでは、お言葉に甘えてっ」
 返答をうけてアリス機はふわりと高度を取り滑空加速。アフターバーナ点火。
 あわせてレンヒョウも出力を上げるが、重制空機である手前やはりアリス機が速い。
 遠ざかるアリス機をちらりと見て、クミノはまたレーダーに目を落とした。
「さて、迂回して指揮官タイプを先に潰すという手も可能だったけど。やはり全滅が優先ね」
 一方、蒼夜は激しい戦闘機動のさなか。
<蒼葉木莵03、『モスキート』3体撃破。『ペスト』集団が方位040上方から降下中です>
「とっくに見えてるよ」
 急旋回、上昇。
 内臓に響くGに耐えながら、グロテスクな降下甲虫型一体に突進、真下からガン掃射で木っ端微塵にする。
 キャノピーに死片と体液が一瞬くっつき飛びさる。
「――キリがないな、人海戦術ならぬ妖海戦術か、くだらない――」
 大きく息をつく。意識ははっきりしているが、急激な機動の大Gに耐え続けたため、さすがに息苦しい。常人ならとっくにブラックアウトしているところだ。
<『シュヴィンデルト』より「蒼葉木莵03」へ、回避を。スターボード>
「ちっ……」
 急旋回、緩降下しつつ機体を左右に振る。
 視界をどす黒い光条がすりぬけていった。回避成功。
「こちら蒼葉木莵03。『シュヴィンデルト』へ。どういうことだ? 俺は発見されたのか」
<『シュヴィンデルト』は敵指揮官型が貴機を探知、攻撃位置を指定したものと予測。他の敵勢力には依然見えていない模様>
(ならば、そのように動くまでさ)
 瞬時に背面飛行へ。敵影の濃いコースを見極めて機体を走らせ自機の盾にする。
「同士討ちはしないらしいな。見てろ、いまにそのスキ、つけこんでやる……」
 その刹那だった。
 闇に広がる無数の燐光。
「アリスです。エンゲージ」
「何だ……これは、唄?」
 クミノも蒼夜も、星空が降りたような周囲の風景に瞬間気を取られた。
 全速で飛び込んでくる漆黒のアリス機。
 それを護り付き従う、四騎の、淡く光るサーヴァント、アンジェラ。
 その旋律は強く響くいて優しい、天上からの鐘のように大空に響いた。
「花咲く丘に涙して、愛は限りなく――カンツォーネ。私は歌う」
 見とれる忘我から帰ったクミノと蒼夜は、レーダー上の下級妖魔が次々と消えていくのを見る。
「これは、なに……」
「ったくド派手なお嬢さんだな」
 空に舞う歌姫。アリスの謳術による、広域浄化攻撃だ。
<『シュヴィンデルト』、アリス機の能力広域迎撃による撃破を確認――『モスキート』4、5、8――戦果増大中>
 虚空をふるわすアリスの歌声に呼応するように、彼女のサーヴァントがさらに浮遊型に襲い掛かる。
「悪くない声だ。ま、これで俺もやりやすくなったしな」
 蒼夜が呟く。
「『シュヴィンデルト』へ。こちらデュンケローゼ01。敵を射程圏内に捉えた。エンゲージ」
 クミノのレンヒョウがついに追いついた。
「浮遊型はアリス機とサーヴァントに任せてよさそうね。私は降下型を叩く」
 レンヒョウに向かって、降下型甲虫が一斉に向かう。
「かかった」
 クミノの機体は唯一ステルス性がない。
 それめがけて敵が群がるのは自明のことだ。
 蒼夜はクミノ機の、一回り大きな機影を見た。
 敵に覆われている。
「おい、大丈夫か!?」
「わわ、クミノさん、応答してくださいっ」
 応答はない。 
 完全に蜂の巣――。
 にされているはずに見えたレンヒョウには傷ひとつなかった。
「ぬるいわ。その程度、通さない。私の障壁、なめないで」
 さらにクミノの障気は目の役割をも果たす。
「……全部、見える……射程内標的オールロック、発射」
 四基の大口径機関砲塔が同時に吼える。白銀の弾幕。
「まだよ。チリも残さない」
 さらにマイクロミサイルの無数の白線が走る。
 無軌道、無鉄砲に見えるその射撃。
 しかしミスショットは美しいほどにひとつもない。
「無駄弾なんて、期待しないことね」
 近づこうとした敵降下型は一寸の狂いもない射撃によって無残に爆散していく。
 まるで自ら炎に飛び込む羽虫の群れが焼け落ちていくように――。
 そして、何事もなかったように飛ぶ彼女の機体だけが残った。
「さよなら、害虫さん。……おかげで食欲、うせた」
 編隊飛行に移る三機。
「あー、ヒヤヒヤしました」
「悪くない戦術だな」
「それはどうも。私が確認出来る限りでの敵影は消えた。そっちは?」
「アリス機、確認できません。やりましたねっ」
「まだだ。俺にザコをけしかけてきた奴がいる、はしゃぐのはそいつをキッチリ潰してからだ」
「うーん、でもレーダーには。クミノさんの機でも発見できないんですし」
「いや、いる。俺は借りは返す」
「事前情報のガーゴイル級かしらね」
「ですねぇ、こちらアリス機、『シュヴィンデルト』、確認してくだ――きゃあっ!?」
 衝撃音。
 アリスの機体が傾ぐ。
<こちら『シュヴィンデルト』。アリス機、被弾。遠隔ダメージコントロール開始>
「ち、指揮が遅い!」
 蒼夜が毒づく。
「損傷はどう?」
「驚いたなぁ。チョット待ってくださいね。右尾翼一部欠損、うん、たいしたことないです」
「俺の機と同じステルスタイプか」
 唇を噛む。
「じゃあ『シュヴィンデルト』はあてにできない。デュンケローゼ01、散開する。厄介だわ」
 クミノが編隊をとこうとした矢先だった。
「……というより、向こうさんのダメージが大きいみたいです」
 とアリス。
「いやそれは、どういうことだ……」
「私のサーヴァントが自律反応で迎撃しました。褒めてあげちゃってくださいっ」
「と、いうことは、だ」
「そうね。攻撃時には姿を隠せないということだわ」
「だから褒めてあげてくださいよぉ、蒼夜さんもほら」
「ふーん、なるほどね。……じゃ、二人ともまたあとでな」
「なに?」
「えっ? 蒼夜さん?」
 間髪なく通信。
<『シュヴィンデルト』より各機へ。蒼夜機「蒼葉木莵03」が事象遮断ポリマー起動。通信を封鎖しています。探知不能>
 とっさにアリスとクミノは、先ほどまで蒼夜機の居た位置へ目を走らせる。
 姿はない。
 まだ敵がどこからか隙をうかがっているというのに。
「いない、です、ね……まさか帰った、とか」
「彼の性格からしてそれはない……筈。蒼夜機、蒼葉木莵、応答して」
 クミノが呼びかけるが、返事はない。
 静寂が二機を包む。確実に狙われている……。
「風がイヤな震えかたをしてます。さっきのヤツ、絶対また仕掛けてきますよぉ。私の謳術が届く範囲にいるかもわからない」
「そう、きっと安全な場所からこちらを伺っている。不意をとられる前に、お互いを見える位置に置いて、警戒を」
「! クミノさん、後ろ!」
 黒い翼の兇鬼がクミノの背後に闇を剥いで現れ牙をむく。
 同時、だった。
 虚空から白条の束が妖魔へ直線を描き、その背中を抉るのと――。
「同じ戦術をとるまで、だ」
 紛れもない蒼夜の声だ。
 苦悶を上げもがく飛行妖類の背後に、ステルスを解いた蒼夜のニイツキが浮かんでいる。
「借りは返すと言った。散れ」
「そうなら、そうと言ってよね……」
「アンジェラ、トドメいっちゃえっ!」
 鬱憤を晴らすようにクミノがガンの豪雨を放つ。
 さらにアリスのサーヴァントが四色の光を曳いて貫いた。
 吹かれて崩れる砂のように消えていくガーゴイル級。
<……こちら『シュヴィンデルト』。敵指揮官級の撃破、確認しました。残存勢力、ありません。オートランディングシステム全機グリーン、オートパイロット。ミッション完了です。RTB。>
 一転して安堵の空気が流れる。
「終わったわ、帰りましょう」
「ああ。今こうしてみると、悪くないもんだな、下界の景色は」
「そうですね、綺麗。上下に星空があるみたいなっ」
 少しの間、三人が三様の感慨にふける。
「……それにしても」
 クミノが口を開いた。
「突然通信をきって消えることはない、と思う」
「説明の時間が惜しかったのさ」
 と蒼夜。
「戦術上、一理はあるけど」
「相当数の敵に囲まれて無傷だったクミノを俺は一度見ている。一撃で落ちることはないと判断した。だからそれを襲う一瞬を姿を消して待った。どこに矛盾がある」
「僚機のパイロットの混乱が不確定要素。それは完全ではない――」
「ふふ、あはははっ」
 アリスの笑い声が遮った。
「いえ、ごめんなさい。なんだかんだでどっちも信頼した上での行動だったみたいに聞こえちゃいまして」
 蒼夜が通信越しにふう、と息をつく。
「……まあそういうことにしておいてやってもいい」
「……過ぎたことは、別に私はいい」
「あはは、やっぱりなんだかそんなって感じです、うんうん」
「そういうが、アリスの戦術的寄与は大きい。あれがなければ俺は気付かなかったからな」
「だから、アンジェラを褒めてあげてくださいてば」
 ゆっくりと滑走路が近づいてくる。
 その誘導灯が、妙に温かみをもって三人の目に映った。


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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【1166/ササキビ・クミノ/ 女性 / 13歳 /殺し屋じゃない、殺し屋では断じてない。】
【6047/アリス・ルシファール/ 女性 / 13歳 / 時空管理維持局特殊執務官/魔操の奏者】
【5902/乃木坂・蒼夜/ 男性 / 17歳 / 高校生】

-NPC-
【NPC3583/高月・泰蔵(たかつき・たいぞう)/男性/58歳/整備士兼指揮官】
【NPC3587/高月・サキ(たかつき・さき)/女性/16歳/航空管制オペレーター】
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■         ライター通信          ■
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 乃木坂・蒼夜様

お初にお目にかかります。
この度は、ややっこしい設定ながらご参加ありがとうございました。
蒼夜様の偽悪と心根の優しさで揺れる美しい危うさ、敵への徹底した苛烈さ。
個人的に共感しつつ良い意味で楽しく描くことができました。
自分の拙筆でうまく織り込められたかどうか…、とにもかくにもお気に召していただければ幸いです。
尚、冒頭部分のみ各個別となっています。

それではかなり乱文ながら、これにて失礼します。
乃木坂様の益々のご健勝をいのりつつ…。

 あきしまいさむ