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■INNOCENCE / 属性変換■

藤森イズノ
【0086】【シュライン・エマ】【翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員】
本部の地下ラボ。
今日も藤二は、ラボでゆったりと自由気侭に過ごしている。
花に水をやったり、読書をしたり、書類整理をしたり。
気侭に時を過ごし、何だかんだで時刻は十一時。
そろそろ、お腹が空いてきたらしく、
藤二は、んーっと伸びをして、アジトにある食堂へ赴こうとした。
そこへ、来客。
魔銃を手にして来訪したエージェントに、藤二はニコリと微笑んだ。
「いらっしゃい」
INNOCENCE 属性変換

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OPENING

本部の地下ラボ。
今日も藤二は、ラボでゆったりと自由気侭に過ごしている。
花に水をやったり、読書をしたり、書類整理をしたり。
気侭に時を過ごし、何だかんだで時刻は十一時。
そろそろ、お腹が空いてきたらしく、
藤二は、んーっと伸びをして、本部一階にある食堂へ赴こうとした。
そこへ、来客。
ラボへ来訪したエージェントに、藤二はニコリと微笑む。
「いらっしゃい」

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タシとエクを肩に乗せて、地下ラボを訪れたシュライン。
シュラインは軽く会釈し「ちょっと御時間いいかしら?」と尋ねた。
「何かな?あ、もしかしてデートのお誘い?」
「ううん」
「即答かぁ」
「あ、これなんだけどね。御好きだって聞いて作ってみたの」
「へぇ。シュラインちゃんの手料理か。嬉しいな」
差し出された箱を受け取り、心からの笑顔を浮かべる藤二。
だがしかし、パカッと蓋を開けて、藤二は、うぐっ…と気まずい表情を浮かべた。
そこには、色鮮やかな、キャロットゼリーがプルプルと揺れていたのだ。
「お口に合うかしら?」
じーっと藤二を見つめつつ、心配そうな顔をするシュライン。
ここで食わねば男がすたる。ということで…。
藤二はパクリと一口、キャロットゼリーを口に運んだ。
シワリと額に滲むのは、嫌〜な汗である。
微妙に震えている藤二の手を見て、シュラインはクスクスと笑った。
「勘弁してよ…昨日といい今日といい…」
二日連続で、キャロットゼリーを差し出された藤二。
昨日は、武彦…ディテクターに差し出された。
まぁ、それもシュラインが差し金なのだが。
「仲直りできた?」
尋ねると、藤二は、おかげさまで…と苦笑し、頭を掻いた。
どうやら、成功したようだ。良かった良かった。

「で。まさか、これが目的…って即オチじゃないよね?」
ソファに座って苦笑する藤二。シュラインは頷いて言った。
「うん。あのね、魔銃について色々聞いておこうと思って」
「お。興味あるんだ?」
「私は持ってないけど、知っておいて損はないと思うのね」
「いいね。その勤勉な態度」
海斗や梨乃と一緒に仕事をする上で、
彼等が扱う武器について知っておいて損はない。
というか、知っておけば、色々と応用を効かすことができるはず。
そう思ったシュラインは、藤二にあれこれ聞こうと、ラボを訪れた。
「そうだな…んーと。属性があるのは知ってるよね?」
「うん。炎とか水とか、そういうのでしょう?」
「そうそう。それぞれ一番向いてる属性が一番なんだ」
「向いてない属性をつけたら、どうなるの?」
「威力が大幅に下がるね。まったく機能しないこともあるよ」
「へぇ…もしも、私が持つとしたら、何属性がいいのかしら」
「撃ってみるかい?」
棚から魔銃を取り出して言う藤二。
予備の魔銃だそうだ。
属性を宿す際には、オートと呼ばれる手法があり、
自分に向いている属性がわからなかったり、
得意な属性が複数ある際に用いる手法で、
何も考えずに発砲すると、
その時、一番適正な属性が自動でセットされるのだという。
シュラインは、じゃあ試しに…と魔銃を受け取り構えた。
「はは。いいね。様になってる」
「そぉ?ちょっと嬉しいかも」
「さ、撃ってみて」
「うん…っと」
クイッと引き金を引くシュライン。
すると、魔銃の銃口から、キュンッと白い光が放たれた。
レーザーのようなそれは、藤二の頬を掠め、
壁に当たって、跳ね返る。
ラボ内をピンポン玉のように行き交う白い光。
「光だね。千華と一緒だ」
頬を掻きつつ言う藤二。
「へぇ。光かぁ…何だか神々しいっていうか、大層ねぇ」
「光属性の子は美人が多いんだ。あ、千華は例外として」
「あら。そんなこといって、怒られちゃうわよ?」
「あんな凶暴な女、美人とは言えないよ」
「ふふふ。それにしても…面白い武器よね、これ」
「マスターが作ったもんだからね」
「それに、あれこれ手を加えたのが藤二さん…ってことね?」
「そうそう。いい仕事しますよ。俺ってば」

*

魔銃について、あれこれレクチャーしつつ、
藤二は気になっていることを尋ねた。
「シュラインちゃん、この組織…どう思う?」
「ん?どう、って?」
「手伝い甲斐があるとかないとか、色々」
「んー。そうねぇ。みんなの信頼の深さっていうか、絆はすごく感じるわ」
「お。いい感じだね」
「まだ知らないことばかりだから、偉そうなことは言えないけどね」
「そうかそうか。うん、安心した。で……あいつとは、どうなの?最近?」
「ん。あ、そうだ。そのことで一つ、質問があるの」
「何?」
「どこか、良い旅行先知らないかしら?」
向こう…東京での藤二の職業は、旅人兼作家だ。
あちこちを渡り歩いている彼ならば、
どこか楽しいオススメの旅行先を教えてくれるに違いない。
シュラインは、それを聞こうともしていた。
うっかり忘れるところだったけれど。
武彦と、どこか旅行へ行こうと思っているのだ。
事前準備は怠ることなく済ませなくては。
「あいつとかよ。羨ましいなぁ。っていうかムカつくなぁ」
「ねぇ、どこか知らない?」
「んー…?そうだなぁ…やっぱ、ヨーロッパかな」
「ヨーロッパ?」
「そうそう。あの雰囲気、楽しめると思うよ」
「ふむふむ」
「向こう限定じゃないなら、異世界…花の星とかでもいいんじゃないかな」
「え、何それ」
食いついた。花の星、というのは、地球外にある異星。
ここ、異界からいつでも行ける、その名のとおり、
色とりどりの花々で満ちたメルヘンチックかつ幻想的な星だ。
シュラインは、花の星についてあれこれと尋ねる。
とりあえず、参考程度に、と言ってはいるものの、
かなり食いつきがよろしい。
旅行目的というよりは、私的に興味津々な御様子だ。

その後も、あれこれとシュラインは尋ねてきた。
会話が、旅行の行き先中心になってしまっている。
シュラインと二人きりなのだから、
甘いトークを楽しみたい…などと思っている藤二。
相手が悪い。シュラインと、甘いトークなんて出来るわけがない。
彼女と甘いトークが出来るのは、世界にたった一人しかいないのだから。
クァァァ…と欠伸をしたタシとエク。
彼等と目が合い、藤二は、はぁ…と溜息を落とした。
延々と、ノロけを聞かされているようなものだ。
女の子の来訪で、ここまで落ち込んだことはない。
とはいえ、楽しそうに嬉しそうに話すシュラインを、
ないがしろに出来るはずもなく。
藤二は、しっかりと彼女の会話に付き合ってやるのだった。
手強いというか何というか。
もう、すっぱり諦めたほうが良いと思う。うん。

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■■■■■ THE CAST ■■■■■■■■■■■■■

0086 / シュライン・エマ / ♀ / 26歳 / 翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員
NPC / 赤坂・藤二 (あかさか・とうじ) / ♂ / 30歳 / INNOCENCE:エージェント

■■■■■ ONE TALK ■■■■■■■■■■■■■

こんにちは! 毎度さまです (^ー^* )
ゲームノベル ”INNOCENCE” への参加・発注ありがとうございます。
気に入って頂ければ幸いです。 是非また、御参加下さいませ。

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2008.04.18 / 櫻井 くろ (Kuro Sakurai)
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