■街のどこかで■
神城仁希
【2787】【ワグネル】【冒険者】
 あなたが『明日に吹く風』という酒場に足を踏み入れたのには、大した理由は無かった。この街に来て、何も頼る術がなかっただけの事である。
 だが、テーブルでとりあえずの酒を飲んでいると、なかなか面白い連中が集まってきている事に気がついた。


「ジェイクさん。週末なんですけど……俺らの冒険に付き合ってもらえませか? 色違いの飛竜が手ごわくて……俺らだけじゃ突破できないんすよ」
「付き合うのはかまわんが……。あそこはまだ、お前らには早いぞ? 西の洞窟に獰猛な巨大猿が住みついたっていうじゃないか。そっちの退治が適当なとこじゃないのか?」
 歴戦の風格を漂わせる戦士に話しかける、若い冒険者たち。

「じゃ、頼んだよ。レベッカちゃん」
「うんうん。山向こうの村に手紙を届ければいいのね? 待ってるのって、彼女なんでしょ〜? 羨ましいなぁ……。OK、任せて! グライダー借りて、行ってくるよ!」
 手紙をしまい、肩までの髪をなびかせて、軽やかに走り出す少女。あなたのテーブルにぶつかりそうになったが、風のようにすり抜けていった。

「いや、会ってみてびっくり。そこの歌姫ときたらメロンが2つ入ってんじゃねえのかって胸をしてるのさ。だから、俺はハゲ親父に言ってやったね。あんたじゃ、あの子の心を射止めるのは無理だって。キューピッドの矢も刺さらねぇ、ってさ」「おいおい、カイ。いい加減にしとかないと、また彼女に相手にしてもらえなくなるぞ!」
「おっと、それだけは勘弁な!」
 背の高い男を中心に、酔っ払った男達が集まって何やら話に夢中になっているようだ。中心の男はよく口の回る軽いノリの男であったが、周りの男達もその話を楽しげに聞いているようだった。

 
 どうやら、この酒場にいれば退屈しのぎにはなるらしい。さて、誰のところに話を持ちかけようかな……?
 あなたが踏み出したその一歩は、新たな冒険譚の始まりであった。



『鉱石竜を貫け!』


●切っ掛け 
「ん……?」
 それに気がついたのは、ワグネルがある依頼を遂げてしばらくしての事だった。
 愛用のナイフがいつものところに無い。
 丁寧に施された装飾が気に入っていて、長らく使っていた物だったのだが。
「あいつめ……!」
 その仕事で一緒になった少年が、妙にナイフを気に入っていた事を思い出す。
 恐らく、目を付けられていたのだろう。
 盗られた事を怒る気は無かった。それは自分に隙があったという事だから。だが、ナイフが無いというのは、いささか不便な事ではある。
「また、あそこにでも行ってみるか」
 素直に金を払って買うのも馬鹿馬鹿しい。
 ちょっといい素材でも手に入れて、加工に出そうかとワグネルは考えていた。
 仕事で様々な街を渡り歩いてはいるが、こんな時に向かう先は……。
「やっぱ『明日に吹く風』かな」
 すっかり馴染みになった酒場を思い浮かべ、彼はゆっくりと歩き始めた。


●お仕事斡旋します
 酒場独特の喧騒の中、ワグネルは一人グラスを傾けていた。
 一人で飲む酒も案外嫌いじゃない。
 いろいろな事を考えさせてくれるから。
 薄い笑みを浮かべ、もう一度酒をのどに流し込もうとしたところで。 
「はろはろ〜〜。待ったか?」
 唐突に背中を叩かれ、噴き出してしまった。
 後ろを振り返ると、ニヤニヤと笑みを浮かべた男が立っていた。
 カイ・ザーシェン。
 この街での仲介人みたいな奴だ。
 ワグネルとて盗賊ギルドに籍を置く者の一人である。簡単に背中を取らせるつもりは無いのだが、この男の気配は周囲に溶け込むように希薄で、感じ取れなかった。
「……お前が来るまでは静かな酒が飲めたんだがな」
「まぁ、そう言うなよ。ちゃんと希望に沿う仕事は見つけてきたんだからさ」
 ふと彼の背後に目を向けると、漆黒の鎧に身を包んだ男が立っていた。
 浅黒い肌に赤い瞳が印象的だが、カイとは別の意味で気配を感じさせない男だった。
「こいつか……腕は確かなんだろうな」
「『あの時』、俺達と居た一人だぜ。心配はいらねぇよ」
 カイの言葉に、男は頷いた。
「ならば問題はないな。話を続けようか」
 カイの言葉にいくつか引っかかるポイントはあったのだが、それを問いただす前に彼は話を始めてしまった。
「えーとな、今回の依頼は『混沌の迷宮』絡みの仕事だ。この男はレグ・ニィ。ジェントスのギルドマスターの直属だ」
 男は軽く礼をした。
 その僅かな動きの中から、ワグネルは男が騎士かそれに近い地位にいたのではないかという印象を受けた。
「俺達はここしばらく迷宮の調査を進めていたんだが、ある特定のポイントを守る鉱石竜みたいな奴に止められていてな。もうちょい戦力が欲しかったんだ」
 エールのジョッキをぐいっと傾けるカイ。
 彼によれば、迷宮は現在一般の冒険者は立ち入り禁止になっており、ギルド直属の人間と一緒でなければ入れないらしい。
 信頼できて、腕も立つ人間というのが見つからずにいたようだ。
「鉱石竜なら、希少な素材も手に入る確率が高い。お前さんにとっても悪い話じゃなかろう?」
「そりゃまぁ……。しかし、そいつはかなり硬いんじゃなかったか? 俺の武器では荷が重いかもしれんな」
 ワグネルは普段、大刀とスライシングエアを得物として使っている。
 それらはどちらも刃の鋭さで斬りつけるタイプの武器であり、表皮が岩のように硬い鉱石竜とは相性が悪い。
「それならギルドから武器を貸し出そう。カイ、確かフレイムジャベリンの量産型が呉先生のところにあった筈だ。あれを貸してもらって来い」
「ん……? あー、あれか」
 軽く首を捻ったカイが、どこか上の空で頷いた。
「わかったわかった」
 レグは音もなく立ち上がると、そのまま扉に向かって歩き出した。
「出発は明後日の早朝。集合場所は迷宮の入り口。報酬はギルド規定のSAクラスで払う……他に質問は?」
「いや、特にない」
「そうか。では、宜しく頼む」
 最後の挨拶だけが、酒場の喧騒と共に聞こえてきた。
 それまでの会話は、盗賊ギルドで使う特殊な話し方を使っており、周囲の人間には聞こえないように配慮されていたのだ。
 静かに酒場を出て行った彼を見送り、カイがからかうように言った。
「ったく。酒場に来て酒も注文しねぇなんて相変わらずだな。まだ自分を許していないのか……」
 呟くような言葉に、ワグネルは視線で問いかけたが、カイはそれ以上は口を滑らさなかった。
「さて、そんじゃ頼むな。俺も可愛い我が子の様子でも見て寝るわ」
 それまでの会話以上に、その言葉に驚かされた。
「カ、カイ。あんた子供がいたのか!?」
「いんや? まだお腹の中だけどさ。絶対、可愛いに決まってる!!」
 それから5時間。
 カイに捕まったワグネルは、彼の嫁と未だ生まれぬ子供の可愛さについて惚気られる事になったのであった。


●ドリル?
 約束の時間に迷宮の前に着いたワグネルは、にが虫を噛み潰したようなレグの顔に出迎えられた。
 その横には、彼の背丈以上もある武器を手にしたカイが立っていた。
「カイ……俺はフレイムジャベリンを借りて来いと言った筈だが……?」
「馬っ鹿でー。本来、火山帯にしか生息しない鉱石竜に火属性の武器がどんだけ効くと思ってんだよ。やっぱこれよ、これ」
 嬉しそうに傍らの武器をぽんぽんと叩くカイ。
 見たところ、盾と一対になったランスのようであったが、かなりゴツかった。
「だからと言って、ドリルランスなんぞ持ち出すか、貴様は!」
「なんだと!? ドリルは男の浪漫だぞ!」
 低レベルな口喧嘩を始めた二人を尻目に、ワグネルはその武器をつぶさに観察し始めた。
(先端が特殊な形状のランスだな。盾の右上が欠けているのは……ランスと一体化させるためか。しかも、引き金もついてるな。何に使うんだ?)
 その引き金は、どことなく懐かしかった。
「もういい。どうせ今から戻る時間はないからな。……すまんな、ワグネル。今回はそれで我慢してくれ」
 微妙な表情を浮かべるレグと、満面の笑みを浮かべるカイ。
 どちらを信じるべきかは、自ずと知れたことであったが。
「いいか、ワグネル。引き金を引くのは、俺が合図をした時だけだ。それも、必ずランス本体と盾を合体させてから引くんだぜ?」
 盾の欠けた部分を本体に合わせ、カイはそう説明した。
「あまり解りたくはないが……解ったよ」
 溜息を一つついて、ワグネルは頷いたのであった。


●それぞれの思惑
 混沌の迷宮の内部は、来るたびに変化している。
 それらに法則性などは無いのだが、何度も潜っている内に、ある事に気がついたらしい。
「特定のポイント?」
「ああ。道順はランダムなんだが、必ず通過しなければならない場所ってのが何箇所かあるんだ。今回の鉱石竜もそこに居るんで迂回できないのさ」
「まぁ、言うなれば門番だな」
 迷宮の浅い階には、弱いモンスターしか出てこない。
 無視して突っ切る事も可能だったが、慣れない武器を抱えたワグネルの為に、そいつらを相手にする事もあった。
「……珍しいタイプだな」
「盾を使わずに回避だけで戦うとは、器用な奴だなぁ」
 傍観者二人からの言葉である。
 元々、攻撃を受けるような戦いをワグネルはしたことがない。したがって、大きな盾を持った武器を担いでいても、どうしてもステップで回避しようとしてしまうのであった。
 何度かの実戦で慣れた頃を見計らい、本格的に探索を開始する。
 先頭を行くレグはまったく戸惑う様子も無く、迷宮の中を突き進んでいく。
「彼は何度もここを通っているのか?」
 つい、カイに尋ねてしまう。
 それくらい、自信を持って歩いていくのだ。
「いや、この造りは初めてのはずだぜ。ただ、あいつは特殊な『眼』を持ってるからな。俺達には見えない何かが見えるんだろ」
 もちろん彼と会ったのも、この前が初めてなはずなのだが。
 以前、どこかで会ったような気もするのである。
「……そうだ、ワグネル」
「ん?」
 記憶を辿ろうとしていた彼の眼前に、カイの手がにょっと突き出された。
 その手のひらに、金色に輝く石が載せられていた。
「なんだ? これ?」
「ロクト石というマジックアイテムだ。入る前に入り口にもう一つ片割れを置いてきてある。あそこを思い浮かべながら念じるだけで、転移出来るはずだ」
「ほぅ……」 
 造りが変化する迷宮だけに、脱出の手段は必要だと聞いていた。
 これがその手段なのだろう。 
「鉱石竜を倒しても、俺達はもう少し先まで行くつもりだ。その時は、お前は先に帰ってくれ」
「なんだよ。俺も付き合ってやってもいいぜ」
 しかし、カイは珍しく真面目な表情で首を横に振った。
「そこから先は俺達の仕事だ。お前は、お前の仕事をきっちりこなしてくれればいい……解ったか?」
「解ったよ」
 恐らくはギルドに関係する事なのだろう。
 また先で詰まったら依頼してくることもあるさ。
 その時のワグネルは、そう思ったのであった。


●死闘! 鉱石竜!
 待ち構えていたのは、小さな屋台であれば踏み潰せそうな大きさの鉱石竜であった。
 これでも幼生体であるらしい。
 三人は散開し、それぞれの角度から各個に迎え撃った。
 そこまでの狭い迷宮の通路から一変し、大きなフロアになっている為に動きに困る事はない。
 黒い甲冑に身を包んだレグは、両手持ちの大剣にオーラを巡らせて、真横から斬りかかって行った。
 振りかぶっての一撃を当てると、すばやく回避。
 さっきまでレグが居た位置を、鉱石竜のハンマーのごとき尻尾が薙ぎ払っていく。
 カイは正面から鉱石竜を牽制し、注意をひきつけていた。幾度と無く溶岩のようなブレスが彼を襲うが、アミュートの特殊能力である『氷結盾』を形成し、それを受け止めていた。
 ワグネルも相手の回転を観察した後、思い切って懐に飛び込んでみる。
 細かく動き回りながら、至近距離で突きを繰り出していく。
 たまに大きなモーションから繰り出される体当たりにだけ気をつけて、それだけはきっちりと盾で防御する事を意識した。
「離れろ! ワグネル!」
 カイの忠告に、とっさにバックステップを繰り返して距離をとる。
 先程までと同じモーションから、周囲に毒の煙が噴出された。武器とグローブがその効果範囲に入り、グローブは悪臭と共にどす黒く変化していった。
「ちっ!」
 使い物にならなくなったグローブを投げ捨て、予備のグローブを引っ張り出す間、レグが代わりに懐に飛び込んでいた。
 体重ごとぶつける様に叩きつけられた大剣を、反動を生かして左に右に振り回していく。
 それは小さな竜巻の様でもあった。
 オーラを纏った大剣がぶつかる度、鉱石竜の表皮が削り取られていく。
「離れろ! レグ!」
 カイの叫びに、レグが転がりながらその場を離脱する。
 確認してからでは遅かったのだろう。離脱する事を信じきっていたとしか思えないタイミングで、カイの『氷雪嵐』が炸裂した。
 範囲を限定し、大砲のように噴出したそれが、足元から鉱石竜を凍らせていく。
「でぇぇいっ!」
 動きの止まったところへ、ワグネルは体ごとぶつかって行った。
 甲高い残響音と共に、鉱石竜の胸の甲殻が砕け散る。すかさず、レグがラッシュで追い討ちをかけた。
 足元の氷が溶ける頃には、もう鉱石竜は半死状態であった。足を引きずるようにして、その場から逃げようとしていた。
「ワグネル、今だ!!」
 カイの声に、無意識で反応する。
 本体と盾を合体させ、狙いを定め、引き金を引く。
バシュッ!
 彼の突進をさらに加速させるような爆風が吹き出した。
 鉱石竜にチャージした瞬間、盾から三方向に杭が飛び出し、
ギャリギャリギャリギャリッ!
 高速で回転したドリルが剥き出しになった胴体に食い込む。
バスッバスッバスッ
 三発の薬莢が飛び出し、ドリルの回転が止まるのと同時に、鉱石竜の首ががっくりと崩れ落ちていった。


●ワグネルの仕事 
 力尽きた鉱石竜の体からは、希少な素材が幾つも取れた。
 いかんせん、先に進むレグとカイは荷物になる鉱石など持ち歩けない。その殆んどはワグネルのものとなった。
「お、輝凰石か。こいつで作ればいいナイフが出来るぞ」
 傍らから覗き込んだレグが口を挟んだ。
 非常に硬質で、かつ発火性も高いらしい。
「太行の百炎槍も、確か輝凰石で出来てるんじゃなかったか?」
 カイも興味深そうに覗き込む。
 孫太行といえば、東のカグラのギルドマスターだったはず。
 どうやらかなりの値打ち物が作れそうな感じだ。 
「呉先生には話を通してあるから、上に帰ったら店に行ってみるといい。ナイフに加工してくれるはずだ」
 他の希少鉱石もまとめて袋に放り込む……ずっしりと重かった。
 どうやら一度帰る他は無いようであった。
「俺達はもう少し先まで調査してから帰るよ。どのくらいずれる?」
 カイの言葉に、レグはやや考えてから答えた。
「月齢的にも、それほどのずれはないはずだ。恐らくは上での時間で、一週間と言ったところだろう」
「そうか。それじゃ、呉先生にでも伝えておいてくれ。一週間ちょいで帰るって」
 お互いに荷物を抱え、先に進む。
 ワグネルは地上へ。
 カイとレグはさらなる迷宮の奥へ。
「分かった。気をつけてな」
 軽い挨拶をかわし、ワグネルはロクト石を発動させた。
 転移までの短い時間、遠ざかっていく二人の背中がとても小さく見えたのが、彼にとっては気がかりであった。
 地上に戻ったワグネルは、希少鉱石を呉文明の店に持ち込み、加工料を差し引いてもそこそこの金を手に入れることが出来た。
 ギルドに仕事の終了を告げ、ナイフが出来上がるまでの間はレクサリアの街に留まる事にした。


●それから
 10日後。
 店にナイフを取りに行こうと『明日に吹く風』を出たワグネルは、同じ冒険者の猛明花につかまった。
「ワグネル、あんたカイと『迷宮』絡みの仕事を請け負っていたって本当?」  
「ああ。それがどうかしたか?」
 常に無い歯切れの悪さが明花にあった。
 それだけで、ワグネルにはピンと来た。
「……戻ってないのか?」
 肩をすくめ、頷く明花。
「うん。ギルドでも一部の人間にしか伝えられていない情報なんだけどね。ジェントスのギルドの話だから、カグラの方には最低限しか伝わってないし……」
「そうか」
「あいつの事だから、簡単にはくたばらないとは思うんだけどさ」
 そう言いながらも心配そうな明花に、ワグネルは笑いかけた。
「大丈夫。嫁さんと子供を遺して死ぬような甲斐性無しじゃないさ、あいつはな」
 5時間に渡る惚気話を思い出しながら、彼は迷宮に思いを馳せたのであった。





                                      了





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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

2787/ワグネル/男/23歳/冒険者

【NPC】
 
カイ・ザーシェン/男/27歳/義賊
レグ・ニィ/男/34歳/ギルドナイト
猛明花/女/20歳/魔法拳士

※年齢は外見的なものであり、実年齢とは異なる場合があります。

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■         ライター通信          ■
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 どうも、神城です。
 相変わらずお待たせして申し訳ありません。どこかで戦ったような奴シリーズパート2ですw
 この話は別の連中の話と微妙にリンクしています。
 今後の話の発端となるかもしれません。気が向いたら、眺めてみてください。
 それはまた、レクサリアの街でお会いしましょう。 



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