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【ハンバーガーパニック☆ ver2.5】
■切磋巧実■

<森里碧/Beast's Night Online(fa4905)>
<サミィ・ライナー/Beast's Night Online(NPC)>

 ――ドラマを1本制作して欲しい。
 ジャンルは不問。代表者1名は簡単なプロットを纏めてくれると助かる。
 アクターはプロットに沿った設定を基に台詞や行動を打ち合わせて演じて欲しい。
 特別参加者も必要なら検討しよう。
 キミ達の理想とするドラマを楽しみにしている。
 尚、このテープは自動的に‥‥。

●続編の軌跡
「あーん♪」
 艶やかな愛らしい唇を開き、森里碧は両手で抱えたハンバーガーにパクついた。じゅッとホワイトクリームが口元を彩る中、少女は器用に舌で舐め取ると、幸せそうに満面の笑みを浮かべる。
「ん☆ おいし♪」
 彼女が冬場限定メニュー『ぐらどりバーガー』を堪能する中、サミィ・ライナーは対面の席で頬杖を突き、生暖かい眼差しを向けていた。白髪を揺らし、碧が小首を傾げると愛らしい微笑みを投げる。
「食べないのですか監督? これも取材ですよ」
「私はいいわ。それより、どお?」
「はい、熱くトロリとしたグラタンクリームが堪らないです☆ なんて例えれば良いでしょうか、柔らかくなったパンと共に唾液を吸い込んで喉に絡みつくというか‥‥」
 何故か頬を紅潮させた少女はバーガーを見つめて緑色の瞳を潤ませた。サミィが二ヘラと微笑む。
「ふーん、テラスポ大食堂まで足を運んだ甲斐はあったみたいね。あなたが希望していた白いソースに追加できそうだわ」
 眼鏡を煌かせると、ノートパソコンを開いて碧の感想を叩き込んでゆく。指が激しく唸る度、サミィの長い金髪が舞う。B級ホラー映画は爆発だ!
「それじゃ、これも食べてくれない? そうね、体内に入り込もうとして口に飛び込んで来るの」
 少女監督はトレイの乗った『テララップ〜そーせーじタルタル〜』を差し出す。タルタルソースを掛けたソーセージを薄いパン生地で包んだホットドックのような代物である。
「これですか? はい‥‥ッ!」
 白髪の若い女優は神妙な色を浮かべると、両手で握ったテララップを徐に口へ突っ込む。細い眉にハの字を描かせ苦悶の色で頬張る様は、周囲の来客が思わずトレイを落下させる迫真の演技だ。
「んーっ、んんーっ」
「も、もういいわッ! 食べて頂戴っ」
 サミィが慌てて腰をあげ「カット!」の一声と共に制した。碧は瞬時に愛らしい笑顔を取り戻し、口に含んだソーセージを躊躇い無く齧ると、ニッコリと感想を述べる。
「ん☆ もっちり皮に包まれたソーセージが良い感じです♪」
「そ、そう‥‥」
「でも監督? 私は構いませんが、大丈夫なんですか?」
「提案しておいて何を言うのよ。セクシー系アイドルDVDでは常等手段じゃない。他にもソフトクリームを舐めながらボタボタと水着に滴らせたりする映像も珍しくないものよ」
「ソフトクリームを零す‥‥私は(やっても)」
「却下! 前向きなのは良いアクターの心構えだけど、そもそもハンバーガーじゃないもの。それに敢えて付け加えるなら、体内に潜り込む生物は実際にいるから設定的に破綻しないわ」

 サミィはピッと人差し指を覗かせると、嬉々として続ける。
「カンディルってアマゾンの魚を知っているかしら? 身体のあらゆる穴から潜り込んで内臓を食べるという怪魚よ」
「身体のあらゆる‥‥」
 気のせいだろうか? 碧が恍惚とした色を浮かべたような気がする。
「あのっ」
「NGよ。シチュエーションとして描くのは構わないけど、現実はあなたが想像するようなビジョンじゃないわ」
 流石の碧も頬を染めて抗議する。これではアブナイ少女ではないか。
「わ、私は何も言っていません! やれと言われれば‥‥演じますけど‥‥」
 口元に手を運び、視線を逸らすアクター。
 ――碧よ、清純派じゃなかったのか?
 二人の続編へ向けての話し合いは、談笑を交えながらプロットまで辿り着いた。
 ここからサミィは監督の色を強めてゆくが、不意に素っ頓狂な声を響かせる。
「私が友情出演!?」
「はい☆ 謎の美少女として特殊アイテムをミドリに渡すんです♪」
「い、いやよ! 私は監督の癖にアクターも務める作品って好きじゃないのっ!」
 頬を染めながらソッポを向き、断固拒否の様相を見せると、碧は両手を胸元で組み瞳を潤ませた。
「そんなーっ、この撮影権利は私が保有しているんですよ」
 ――そうだった。
 そもそもこれはTV局からの依頼であり、碧が成立金を支払った上でサミィにオファーを掛けたのである。言わばアクター兼プロデューサー。多少の無理は効く筈だ。
「し、仕方ないわね。でも、特殊アイテムを渡すって事は‥‥敵? 基地の惨状も考慮すれば‥!」
 金髪の少女が再び真っ赤に染まる。脳裏を過ぎったのはソース塗れになったアクターだ。碧が小首を傾げる中、サミィは苦笑しながら口を開く。
「ま、まあ、フルCGって手もあるわよね」
「何を言うんですか? アクターにやらせて自分はやらないつもりですか?」
 ――正論だ。
「わ、私は見栄えを優先させているの! むっちむちな肢体だから絵になるのよ! それに‥‥」
 ナイスバディーへの当て付けなんて‥‥言えない。
 極めて凹凸の少ない少女は或る意味コンプレックスを抱いていた。だからこそ、豊満なキャストが揃うと色っぽいシーンを追加する。その結果、B級ホラー監督として定着したともいえるだろう。
「可愛いと思いますよ☆ それに、やらないなら撮影の話も無しですね。滞在費や交通費は負担しませんよ♪」
 ニッコリと釘を突き刺す碧。この少女は羊の皮を被った悪魔か、と思った程である。
「‥‥い、いいわ。やれば良いんでしょっ! その代わり、あなたにはこれを着てもらうわ!」
 パソコンのモニターを向けられると、少女は驚愕の色を浮かべた。
「な、なんですか? この、脇がガラ空きの一枚布地は‥‥横から丸見えじゃないですか?」
「手術を受ける方の衣装よ。なんかの映画で観た覚えがあるでしょ? 女優なら、これを着なさいッ! この条件が呑めるなら、私も出演してあげるわ!」
 優位に立っているのはあくまでも碧の筈だが、何故かサミィは強気だ――――。

●碧出演パート
 ――ミドリ・葛西は緑色の瞳を開いた。

 <CAST>

 困惑の色を浮かべる瞳が捉える視界は、白い壁と天井、そして幾つもの小さな照明だ。

 <ミドリ・葛西:森里碧>

 ミドリは倒れている事に気付く。否、正確に例えれば寝台の上で横になっているのだろう。背中に硬質なベッドの感触が伝わり、寝室と例えるよりは粗末なシートに寝かされている感じがする。
「ここは‥‥? 皆は‥‥?」
 おぼろげな意識を鮮明にさせるよう、少女は緩慢な挙動で何度も瞳を泳がせた。ベッドの直ぐ横に威厳を湛えるような機器が鎮座しており、幾つもの発光ダイオードが煌く中、小さなモニターに心電図のようなグラフが揺れ動いている。彼女は導き出された答えを半信半疑で呟く。
「治療室‥‥?」
 ミドリはゆっくりと視線を我が身に下ろした。視界に飛び込んだのは白いペンシェントウェアに包まれた肢体だ。薄い布地は少女のラインを浮き上がらせており、照明の灯りにスレンダーな起伏を模っていた。外気が足元から柔肌を擽り、肢体の両脇を通り抜ける。
「これ? 術着だわ‥‥」
 彼女は白髪をサラリと揺らし半身を起こすと、腕をあげて腋の下から腰を窺ったり、肩越しに背中へ視線を流し、自分の身なりを確認してゆく。ミドリはペンシェントウェアのみに肢体を包んでいた。幾つかの紐で結ばれた両脇は白い肌を覗かせており、驚愕の色を浮かべたものだ。
 静寂が室内を包み込んでいる。少女は記憶を辿り出す――――。

 ――小さな町を混乱と恐怖に彩ったハンバーガー型エイリアンの来襲。
 ハイスクールガールの一人だったミドリは、クラスメイトが次々と食われてゆく中、持ち前の大食いで難を凌いだ。敵は地球上の如何なる武器も効果を示さないものの、唾液とコーラの成分のみに弱点を窺わせた訳である。程なく『ハンバーガー特殊対策機関』に『フードファイター』として召集された後、敵旗艦と予測される超巨大バーガー『テラバーガー』内部に突入した彼女は、奮闘虚しく呑み込むのも困難な白いソースの洗礼を浴びせられ、志半ばに意識を失ったのだ。
 そして再び目覚めたのが、現状である――――。

 <友情出演:サミィ・ライナー>

「ここがハンバーガー特殊対策機関の治療室と分かったけど‥‥どうしてこんなに静かなの?」
 ミドリは愛らしい風貌に訝しげな色を浮かべる。白い壁の隅にカメラのレンズが施されていた。意識を取り戻したと医療班が知れば、何らかの対処に訪れる筈である。一つの推測に戦慄が過ぎった。
「まさか! 私は隔離されている!? でも‥‥」
 私は正気だし、白いソースに侵蝕されていない――――。
 少女は寝台から立ち上がる。一瞬、眩暈と共に足元が傾いたが、直ぐに体勢を整える事が出来た。
 覚束ない足取りで開く気配の無いドアへ近付く姿をカメラのレンズが追う。刹那――――。
「あっ」
 ドアは当たり前であるかの如く左右にスライドした。彼女は警戒を緩めず通路に出ると、周囲を窺ってゆく。室内同様、基地内は無人の如く静寂に包まれていた。照明は全て機能しており、返って不安を駆り立てる。
「ドアが、開いている‥‥」
 丁度治療室から隣室に当たる部屋のドアが開け放たれていた。医療班だろうか? ミドリが神妙な色を浮かべて室内を覗き込む。刹那、緑の瞳が大きく見開かれた。
 彼女の視界に映ったのは、オーソドックスなサイズのバーガーが職員を襲っている光景である。既に食われた者が倒れており、壁や床が白い部屋を鮮血に塗り替えていた。まだ息のある者は必死に浮遊するバーガーを掴もうとしながら、白衣を鮮血に染めてゆく。咄嗟に少女は飛び込んだ。
「させないッ!」
 新たな獲物の気配に、バーガーが振り向く。ミドリは再び驚愕した。
「なに? 今までのバーガーと違う!?」
 何かが普通のバーガーと異なっている。形状は同じだ。しかしこの違和感は――――。
 一瞬の躊躇が戦慄に染まる。
 バーガーはパンズを開くと『口』の中を覗かせた。次の瞬間、こんがりと焼けたパン粉に覆われた中心部が弾け、濃厚な白いクリームをミドリの愛らしく開いた唇目掛けて放出する。
「いやぁッ! うぐっ‥‥!」
 まともにクリームの洗礼を喰らった少女は体勢を崩し、床で四つん這いになりながら苦悶の色を浮かべた。口の回りに飛び散ったクリームが白い雫を滴らせる中、懸命に喉を鳴らす。
(くっ、なんて熱くてトロリと絡みつくの! 今までのソースと比べ物にならないわッ)
 そう。呼吸器官を遮る程の濃厚さは液体ではなく粘液に等しかった。後に判明するが、このタイプは新種の『ぐらどりバーガー』と命名され、濃厚に煮込まれたホワイトクリームが武器らしい。
 だが、弱点は他のバーガーと遜色は無かった。ミドリに気を逸らされたぐらどりバーガーは、満身創痍の職員が放ったコーラガンの洗礼により、容易く落下したのである。
「ん、んんーっ」
 少女は飲み下せないクリームに悶えながら這い、ノズルを手から滑らせ絶命した職員に近付くと、腰を反らせて一気にコーラを流し込んだ。口の端も洗い流す中、弾けて滴るコーラが薄いペンシェントウェアを濡らす。
「ハァハァ‥‥」
 ようやく呼吸が許されたミドリは、虚ろな眼差しで天井を見上げながら、放心した色で荒い吐息を弾ませた。何とか落ち着くと泳がせた視界にモニターを捉える。映し出したのは、死屍累々の構内と、生き残ったフードファイター達の死闘の姿だ。
「行かなければ‥‥そして皆と戦わなくちゃ!」
 ミドリは闘志を瞳に滾らすと、僅かな戦闘物資を掻き集めた。コーラタンクを背負い、ガンベルトを細い腰に巻き、コーラの注入された2丁のハンドガンを収納してタンクと連結したノズルを構える。
「待っていて! 皆!」
 荒涼とした構内へ決死の第一歩を踏み出した少女を構内カメラが追ってゆく――――。

 ハンバーガーパニック☆ ver2.5

 ――構内での戦闘は熾烈を極めた。
 通路の曲がり角や開け放たれた研究室から次々とぐらどりバーガーは襲い掛かる。とくにポテトを供に従えた『ぐらどりセット』は厄介な相手だ。周囲に散開するポテトは狙い撃つのも困難であり、こんがりと焼けた矛先に貫かれれば無事では済まない。
「当たれッ、当たれーっ!」
 コーラガンのノズルを振り回して応戦するミドリは、躱し切れなかったポテトに衣服を破かれ、危うい状況だ。何とか掃討した頃には疲弊の色も濃い。
「このまま遭遇戦を続けていたらコーラが切れてしまうわ」
 少女の瞳が天井を伝うダクトを見上げた。
 徐にポケットからペンライトを取り出すと、口に咥えて覚悟を滲ませる‥‥。
 ダクトを選択するという事は、メリットもあるがデメリットも課せられるものだ。
 狭い為に這い進む必要があり、物音を立ててしまえばポテトに貫かれる危険性もある。コーラガンのノズルも前に向けなければならないし、ハンドガンを引き抜くにも時間が掛かるだろう。まして、後方から襲われた場合、容易に対処は困難を極める。
 ペンライトが照らす中、緊張の面持ちでミドリは進んでゆく。
「‥‥ッ!!」
 刹那、視界に横を通過しようとする浮遊体を捉えた。薄いパン生地に包まれたフォルムは細長く、これまでのバーガーとは異質なシルエットを模っている。後に『テララップ〜そーせーじタルタル〜』と命名される敵は、通り過ぎようとして少女に気付いた。直ちにノズルのトリガーを絞ってコーラを放つが、テララップはユラユラと軌道を変化させると、洗礼を潜り抜けミドリに突っ込んで来る。
「(速いっ!)‥‥あっ!?」
 彼女の側面に周り込んだ敵は咥えているペンライトを突貫と共に弾き飛ばす。乾いた音がダクトの壁に響く中、灯りは遥か前方まで転がり、ミドリを照らしたまま停止した。闇に浮かび上がる少女が唖然とした刹那、テララップが障害の取り除かれた口に潜り込む。咄嗟に両手で口いっぱいに含んだモノを掴み、引き剥がそうと努める。
「はむッ!? んんッ」
 敵は口に飛び込んだ魚の如く、ビクビクとのたうち暴れ捲くる。恐らく体内に潜り込むタイプのエイリアンなのだろう。少女を宿主とするつもりか定かでないが、侵入を許す訳にはいかない。唾液を滴らせながら苦悶を彩る攻防は続いた。
(皮にしっかり包まれて‥‥あ、頬張ると奥までソースが‥‥!)
 思わず歯を当てた生地が弾け、タルタルケースに口内でブチ撒かれた。何だか分からないものが口の中に溢れるのは身震いする程に気持ち悪い。それでも固く瞼を伏せて流し込んだ。
「ん、んん‥‥っ、ハァ、ハァ‥‥コ、コーラで流さなきゃ‥‥」
 テララップを口から引き抜くと、再び前進を試みる。転がったペンライトに手を伸ばす――その時だ。
「はっ!? えっ!?」
 ぼんやりと視界に浮かび上がる夥しい数のテララップ。後方に視線を流すと、セットと化した『テララップバリュー』が浮遊していた。少女はビクンと戦慄に震える。
「このタイプは確か体内に入ろうとする筈‥‥」
 ミドリは焦りを覚えながらノズルを前方に向け、引き抜いたハンドガンを後方に流すと、トリガーをフルオートで絞り捲くった。同時にダクトの側面を蹴り、脱出を試みる。
 ――この状況はかなりヤバイ!
 身体が警鐘を鳴らす中、コーラの洗礼は次々と敵を沈黙させてゆく。同時に弾丸に匹敵する残量メーターが急速に数字を減らす。
「早くッ、早く逃げなきゃっ! ひッ、きゃああぁぁッ!!」
 鈍い音が響き渡ると、視界が大きく揺れた。落下するような浮遊感が強襲すると、少女は仰向けに床へ背中を叩き付けられ、痛みが意識を朦朧とさせてゆく。おぼろげな瞳にバーガーの軍勢が映る。
(私‥‥また遣り遂げられないの? クリーム塗れにされた挙句洗脳でバーガー信者になっちゃうの? それとも体内に入り込んだ敵に‥‥?)
 ――いやっ! そんなの絶対いやっ!! 助けて‥‥私を助けて!!
 少女を取り囲むバーガー郡が一気に飛び込んでゆく。覚悟と共に瞼を閉じた刹那、まるで気絶したかのように敵の群れは彼女の傍でバタバタと落下した。
『大丈夫?』
 高い女性の声が聞こえる。泳がせた視界に長い金髪の少女が見下ろす姿を捉えた。照明に晒されたスレンダーな肢体は白いソースに塗れている。‥‥何やら恥ずかしそうな色を漂わせ、頬を染めているのは気のせいだろうか。
 ――バーガー信者? それとも、敵の‥‥?
 ミドリは警戒しながら痛みに耐え、ゆっくりと身構えた。対する少女は円らな青い瞳を和らげ、長い金髪を揺らして小首を傾げる。
「警戒する必要はないわ。私は生存者を探していたの。この施設の人よね?」
「‥‥そ、そうよ。私に何の用なの!?」
「何故この施設がこんな惨状になったか知ってる? 私達の大切なものが運び込まれたからよ」
「‥‥大切なもの?」
「それを探して持ち帰って欲しいの。この施設のどこかにある筈だもの、見つけてくれる?」
 突如舞い込んだ取引にミドリは困惑した。しかし、事実なら打開策がある。
「でも、それを取り戻してどうするつもり?」
「ここを離れるわ。だって、残る意味がないもの☆ 生き残りたい‥‥でしょ?」
「貴女は‥‥判った、必ず持ち帰るわ!」
 金髪の少女を擦り抜けようとした刹那、ミドリは呼び止められた。振り返る少女に差し出されたのは小さなカードだ。
「これは『クーポン』と呼ばれるもので、周囲3mにいるバーガーの行動を2回まで停止できるわ」
「‥‥か、回数があるの?」
「本当は3回だけど、私がさっき使ったから☆」
 なるほど。ともあれ、半額ならぬ体力を半減させる効果よりは有り難い。
 ミドリはクーポンを受け取ると、両手にハンドガンを構えて駆け出した。
 少女の背中を見つめ、金髪の娘が薄く微笑む。
 ――待っているわ。必ず生き残ってね‥‥。
 そして次に訪れる時まで、餌を増やしておいて――――。



●マスター通信
 この度はイベント発注誠に有り難うございました♪ お久し振りです☆ 切磋巧実です。
 こちらこそ最低野郎物ではお世話になりました(コチラの感想もお聞きしたいものですね)。
 サミィをお誘い頂き有り難うございます。
 OP文章の都合上、碧さんが主導権を握っている形で演出させて頂きました。
 それにしても、碧さんのイラストが無いのが残念です。切磋はBUや他のイラストから容姿演出します。イメージと相違が発生しないよう、無い場合は色のみとしております事をご了承ください。
 でも、4なら容姿は可愛らしいのでしょうね。
 いかがでしたでしょうか? 先ずは一度撃沈されています。遅くなり申し訳ありません。
 碧さん‥‥清純派女優じゃ‥‥(笑)。アクターの鏡というか前向きなチャレンジャーとして演出しております。サミィから窺える範囲なので、気にしないで頂ければ幸いです(笑)。
 しかし、いきなりクーポンとは‥‥どんな展開になるのかは兎も角、エピローグだけ覗かせて頂きました。思惑通りとなるのか、打破するのか、全てはミドリ次第ッ!!
 テララップですが、TVCM観てたら口から侵入するエイリアンの映画が上映されるみたいですね。何気に碧さんのアイディアは先取り? B級ホラー監督のセンスあるのかも(笑)。
 楽しんで頂けたら幸いです。最後となるかもですのでよかったら感想お聞かせ下さいね☆




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この小説は株式会社テラネッツが運営するオーダーメイドCOMで作成されたものです。

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