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<アナザーレポート・PCゲームノベル>


魔女とヤマアラシのジレンマ

 ごらん、約束の100年前となにも変わっちゃいない。『人的資源ノ飽和、物質世界ノ袋小路』ゴチック体のニュースの見出し、それは少女の髪にひるがえるレースのリボンとおんなじくらいに軽薄で、どすぐろい粘性の夢、シュガーピンクのやわらかすぎる幻、甘ったるい嘘の被膜は生まれる以前のぬくもりにそっくりだし、ちぎれた小指の骨が発芽する、葉を繁らせて枝をのばし超高層のBldngてっぺんの鳩時計を覆い隠す、人体模型の針が止まる、ガブリエルは終焉のラッパを手放した、花盛りの空中庭園での果実の一口は天上の智慧と至高の恍惚をもたらすだろう。これ以上なにを望むってんだい?

 いいえ、あなたは気づいていないふりをしているだけ。神のさしだしたてのひらをふりはらったその手でまぶたを覆っているだけ、己をもっと思いやりなさい、目を隠してもまだ耳殻がひらかれている。人形(型)であるあなたの腕はふたつっきり。不完全な肉片を完全な封印に昇華しようだなんて、思い上がりもいいところでしょう。
 そこはもはや楽園ではないのは、南の一等星よりあきらかな事実。
 どうして怯える気持ちを隠そうとするの。それとも、それがあなたの銀の十字架だっていうつもり?



 砂が吹く、否、岩石が風化したあげくの細粒を砂というというのなら、さんざんに散らされたコンクリートの成れの果てへ、レアメタルになりそこねた鉱物たちの瑣末をくわえたそれら、はなんと呼んでやるべきなのか。
 今日も、二酸化炭素は絶好調。世にもふてぶてしい多段層、排気まみれのミルフィーユ、どうぞ遠慮なくご試食なさってください。
 後生大事に緑の液体の詰まった壜をかかえ、そう叫んでから往来にうつぶせになる赤ら顔の男。粗悪なアブサンに精神の随までむしばまれた彼は、ありったけの骨折りで手に入れた地位、労働者階級にさえ、きっともう戻ってこられない。
「はじめの一杯のあとで、そうあってほしかったことがらを見、次の一杯のあとで、君はそうでないことがらを見、最後に君は現実を見、それがこの世で最悪であることを見るのだ」
 かつての世紀末の詩人、オスカー=ワイルドは「緑の妖精」の魔性をひどく的確に表象した。それでも墜ちる人々はあとをたたない、法はいつだって詩よりもはかなく、規制はほんものの鉄鎖より錆び付きやすい時代。
 銀髪にまとわりつく黒い埃をはらうとちゅうの手をとめて、高遠・弓弦(たかとお・ゆづる)は小さな墜落劇を目撃する。
 哀れといえば哀れなのだろう。しかし、これくらいのカタストロフィは今更どこにでもはびこっている。乳飲み子に母乳どころか蒸留水の一滴でさえ与えられない母親や、プレハブ小屋の奥の部屋で陽の光にもあたらずに無二の愛を切り売りする少年少女、翼がけして生えてきやしないことを分かっていながら13階の窓から飛びたった青年、そういう箱庭の悲劇が自動ピアノの奏でるメロディのように際限なくくりかえされている。弓弦だってどれだけ目撃者になったかしれやしない。そして、なけなしのものすらすっかり失ったままの彼女もまた、世紀末カタストロフィの織る絶対密室に閉じこめられた人間のひとりでもある。
 体をすこしねじるたびに蹠で、しゃり、と軽い音があがる。踏みつけたものの正体は、彼女の髪を汚したものとおなじ、この街をひっきりなしに荒らすサンドストームの残骸だ。風はいつも吹いている。廃城、の方角から。弓弦がこわばった表情でそちらに顔を向けると凪がある、世界の終末のような停滞はほんのいっしゅんの気まぐれで、またすぐに元の嵐が彼女の髪を吹き上げようとするから、弓弦は顔貌を伏せるしかなかった。
 すすけた大地が目に入る。世紀の単位で補修をおこたったアスファルトには、無数の亀裂がはしっている。それはまるで地下の王がはりめぐらした悪意の罠にも思われ、数秒も視界に入れれば白濁した恐怖が体ににじむ。
 連動して、別の恐怖を思い返す。

 ――‥‥『廃城』の最上階にはひとりの魔女が幽栖する、そこに辿りつくまでは様々な困難があるけれど、超えたさきでおまえはどんな願いも叶えることができる‥‥――

 酒場とは縁遠い――もちろん未成年だからという理由だけでなくって――弓弦がお伽噺めいた戯言を耳に入れられた理由は、酒場の経営者にたのまれて1日だけ清掃を手伝ったからだ。店を開けるまえに乱入してきた酔っぱらいは、薄暗い閉鎖空間ではよくめだつ弓弦の髪を宛てにしたのか、無遠慮に近寄ると彼女の髪をひとつかみ握り、アルコールの腐臭を吹きかけながら、抽象と欺瞞に充ちたことばでそんな内容のことを話しかけてきた。突き放せない彼女の代わりに経営者が酔っぱらいをひきはがしてくれたが、そのときの汗が安物の油脂のようにまだべとりと残っているような心持ちがして、気味が悪い。
 あのとき感じたものは、たしかに恐怖だったように思う。それと、すこしの嫌悪、絶望的な憐憫、目も当てられない焦燥‥‥なにか、なにか、なにか、なにか、ことばにできないなにか、がうしろから弓弦をおしてくるのだ。這ったほうがまだマシな摺り足で、弓弦はゆらりゆらり、と右足、左足。
 どうして自分はその『廃城』へ向かおうとしているのだろう。
 本気にとったから? まさか。いくらなんでも、それくらいの理屈は分かっているはず。虚言かもしれない、妄想かもしれない、それくらいの可能性は考慮に入れられないでない。だいいち、自分はそうまでしてかなえたい願望をもっていただろうか。ひとりぼっちの現実までは変えられないだろうに、なんのために。誰のために。
 てのひらをひらく。
 とじる。
 もう一度、もう一度。ゆっくりと、次には急いで、指を一本ずつ折りながら、角度を変えたりなどしながら。しかし、なにも生まれてはこない。虚無は、虚無。なにもない場所からかえってくる答えなど、ありはしない。
 思い直し、きびすをかえす。アブサンの中毒者のかたわらに歩み寄り、黙ってそのてをさしだした。そうっと、恋文をたたむときのつつしみで、てのひらにはいつしか蝶が止まるよな光が、それは線ではなく波の性質を示す、光子同士はぶつかりあいながらりゅうりゅうとこぼれおちる、中毒者の体にそそがれる、光の粒がひとつふたつ肌をたたくたびに中毒者の呼吸はおだやかに変質してゆき、最後、規則正しい寝息がとってかわったところで、弓弦は場を離れる。
 しびれるほどの吐き気が喉元からせりあがる。冷たい汗と、みえない幻。つたない酩酊が弓弦をしばらく苦しませる。
 あの中毒者は、それでも治らない。きっとまた懲りずに毒酒に酔いしれるだろう。弓弦は知っていた、予感ではなく確信だ。だが、さしのべずにはいられなかっただけだ、ただ。今はまだ嵐のまえのともしびよりも弱い光、だけれども。

 廃城は街の外にある。弓弦に話しかけた男はそれを好き勝手に形容していた、「バンシーのとりついた枯れ木」だの「ヤマアラシのばけもの」だの。しかし、あながち的はずれとはいえないだろう、子どもの積み木よりも乱雑にジャンク(それはどこかの建築物からばらしたのであろう鉄材だったり、水気のおおそうなコンクリだったり、元はけっこう頑ななプレハブの一端だったり)を重ねただけとしか思えぬ構造、支点力点作用点が紙一重のつりあいをみせている、運命のレールをふみはずしかけたやじろべぇ、しかしそれは未だ倒壊の憂き目をみていない。。
 扉までは、案外と、簡単にたどりついた。なにもなかった、といいかえてもよい。無関心の招聘ととるか、あるいは脱色した厭味ととるか、それはその人自身の資質によるところが大きい。弓弦はどちらともしなかった。ひたすら仔猫のような不安におびえた。
 扉にゆわえられた真鍮のノッカー――これはずいぶんとノーマルな形をしている、リングをくわえた獅子――を遠慮がちに鳴らす。金属のこすれる音が精神に重い。
「こんにちは」
 ちがうかしら、とも思ったが、初めまして、や、おじゃまします、も違和感を感じるので、妥協する。いらえはなかった。再び、今度はありったけ肩に力を込めて、ゴツ、とうちつけたが、あとには意地の悪い静寂だけがひろがった。この世でいちばん困惑するリアクションは無反応だ。しかたがないので、当初の目的を続行する、開放へ。
 両手で、扉を押す。
 すると、弓弦をまきあげるように、天風がめくれる。
 いや、めくれたのは大地かもしれない、ここからははるかな海洋かもしれない、もしかすると別に太陽の光熱が大気圏をつきやぶってきたのかもしれない。そう思わせるほどなにかとてつもなく圧倒的なもの、ひれふさずにはいられないもの、あまりに膨大な交響的変容にまぎれた不動の一点、人の一生をつづった記憶の辞書、生まれたばかりの赤ん坊の泣き声、野蛮な白い鳥の大群、赤い野百合の乱舞、それらに似たものが弓弦をおそう。網膜が灼ける。鼓膜が破れる。露出した部分が上方から順々に焦げてゆき、弓弦の知らない弓弦をさらけだしそうになる。
 それは次元を逸脱する、躯ごとの、ホワイトアウト。

 ねぇ、シアワセってどういうふうに綴ればよかったのかしら。

 ――――‥‥こちらへおいで。誰かがさしまねく。白くほっそりとして、植物めいた手が、おいでおいでと『あなた』を呼ぶ。ココニシアワセガアリマスヨ。ままごとあそびのよう、輪郭をなぞったきりのどこか嘘寒しい台詞。が、『弓弦』はためらうことなく足を踏み入れた、どこともつかない空間に。右の踵をぽん、と床につけたとたん、『そこ』はありふれたログハウスの内部へと変化する。木造の一室には、やはり木でできたテーブルが据え付けられている。どうみたって大家族用のサイズ。その中央に、籐の籠がひとつだけ、ことんと。
 籠のなかには焼きたてのバターロールがいくつも並ぶ、乾燥してはいけないから、うえに清潔なナプキンがのせられているけれど、食欲をくすぐる香ばしい芳香まではさまたげられない。弓弦はあせらずにちかづく。おいしそうだ。でも、あまりおなかは減っていない。
 ソレガシアワセジャナイノ? ソレトモマダ足リナイ、飲物モ用意スベキダッタカシラ?
「‥‥誰?」
 アナタニ光ヲニサズケルモノ。
「そうですか。‥‥でも違う、こうじゃないんです。私の幸せは」
 たしかに、パンは生くることに必要だ。それが充実した幸福、今はいらないからと拒否する幸福、どんなに贅沢な所行か弓弦には分かっている。だが、人はパンのみで生くるにあらず、胸元の十字架が象徴する教示は弓弦の心にしかとねづく。
 アァ、ソウネ。アナタニワマッタク正反対ノモノノホウガ入リ用デショウ。
 正反対、ということばとともにくるり、世界が反転する。
 今度はもっと見慣れた――夜。電灯のきられたキッチネット、だのに水道の蛇口ちかく無造作に投げ出されたナイフのところだけに、やけになまめかしい光がわだかまっている。はっと、弓弦は、息を呑む。これは、いつか通りすぎた、悪夢。
 肉厚のシルバーナイフが、婀娜な娼婦のごとくつやっぽいきらめきをおびている。あれで喉を掻けば、弓弦はもう何も見ない、聞かない、動かない。過去に一度、弓弦は挫折した。だけど今はできそうな気がする。自分じゃない力が見守っている、手助けしてくれる、己の癒しの力は己に対してははたらかないから、難なくイメージすることができた、真っ赤に濡れそぼりながらもどこにも痛みは感じないでいられるだろう、天にむかって終末の微笑を投げかける弓弦、見よ・かぼそくもしっかと立っていた肢体もついにはゆっくりとかしぎ地面に抱き止められ――。
「違う、違う、違う、そうじゃない」
 死にたいわけじゃあない。それを望んだときもいっしゅんはあったけれど。父も母も姉もいる世界へ飛び立ちたいと思ったときもあったが。
「でも、私は生きているから」
 弓弦はナイフを持つ、だが彼女は己の体躯にそれをのめりこませるために、手に取ったわけではなかった。ずっしりと堅牢たる手応え、一度二度、キラリキラリとなまめかしく弓弦を誘惑する、きらめく、閃光のなかで影絵のような3つの横顔、なつかしい、今すぐ駆け出したいほど愛しい人たちの、だけれども。
「逢いたい。でも」
 これ、は私には不要のもの。
 弓弦はナイフをキッチネットの窓にむかって放り投げる。墜落する複葉機のような不惑の放物線、窓枠にはめころしの硝子へ激突したナイフは高く澄んだ大音響とともに、夜のどこかへ消えてゆく。あと、ひとり残された弓弦に、無数の破片が七色の雨となってふりそそぐ。ひとつの雫がひとつの刃でもあるそれらは、しかし弓弦を傷つけない。
「生と死は等価でなく。今、私は生を選ぶ」

 生きて生きて。きっといつか生と死は天上の高みでまじりあうだろう、そのときまで。『私』からは死に歩み寄ることはない。

「あぁ」
 あどけない声が聞こえる。物理的に使い込まれた感のない発声器官からこぼれおちる、少女のきん、と鋭い声が、弓弦の放心領域をぶしつけにおかす。
「抜けちゃったよ、ぜったい死んじゃうかと思ったのに。だってアンチノミーのチェッカーはマイナス値をたたきだしてたんだもん。しかも催眠調整のレベルはMAXにしておいたのに。それとも、マキシマムの誤差修正が甘かったのかな」
 なにをいっているのだろう。立ち眩みを無理におさえつけ、弓弦は顔をあげて己の立つべきスペースの正体をつかもうとする。少女のくちぶりからさっきまでの風物がしくまれた幻影であることは疑いの余地がない、だが自分はそれを乗り越えた。生きている。夢幻における自己決定が、入城のときには微塵もなかった自信を、弓弦にもたらした。
「それとも、宗教を不確定要素にしすぎたかな? アプリオリはアポステリオリに自明的に勝利する? アポリアなんて、所詮は机上の論理?」
「‥‥あなた」
 弓弦には彼女のくりだすことばの大半は理解できなかったが、分かったところでたいした意味をもたない、ということはなんとなく推察できた。あの、アブサン中毒者とおなじだ、彼女の陶酔は彼女の内側からもたらされているというだけが唯一の違い。まるで真っ黒な人骨を組み合わせたかのように奇っ怪な一室のまんなか、おなじくやたらめったら奇っ怪なデザイン――奇っ怪な『だけ』これまた感動にとぼしい芸術――の椅子にもたれた少女が、子どもの頭蓋ほどの球形電脳をあいてに泡の独語をつづけている。弓弦が二人称の呼びかけをおこなったとき、初めてべつに会話の可能な相手に気がついたようである。
「あなたが『魔女』?」
「うん。そうだよ。ようこそ、一年ぶりのヴィクター。とてもいい実験ができた。おかげであたしの城はまたひとつ大きくなれそう、それが地下室か屋根裏かはまだ確証がとれてないけど。お礼をするよ、何がいい?」
「必要ありません」
 鈴のように、打てば響いて、凛と答える。
「私、はたぶん答えが欲しかったんです。私だけが何故生きているか」
 家族を失い、なぜ私だけが生かされたのか。
 弓弦の切望。それは過去への回帰でも、家族の甦生でもない。もちろん見えぬ蒼炎で身を妬くほどに狂おしいが、だけどそれはたったひとつじゃなかったのだ。弓弦にはまだ残されていたものがあった。
「‥‥私が‥‥生きたかったから‥‥」
 消えてなくなりそうなはかない現実、だけども消えない確固たる真実。
 ――‥‥ナイフを捨てた。
 あらためて、弓弦は背をただす。しゃん、と、それから首を下げる。
「教えてくださってありがとうございます。突然おじゃましてごめんなさい。もう失礼します」
 もうここに用はない。
 帰ろう、日常に。
 芯のある声で弓弦は意思をつたえ、体の方角を変えようとする。帰ってやらなければいけないことがいっぱいある。掃除も洗濯も炊事も、やぶれた靴下をつくろわなければ、熱を出した隣人のためにあたたかなスープを、いつも愛らしい唄でたのしませてくれる小鳥たちにはスープののこりの豆を。考えるだけで目の回りそうなありふれた有象無象、だが弓弦の閉じられたくちびるはだんだんとほころび、華やぐ。弓弦の小さなあたまが義務と権利に占領されかけたとき、それをくつがえすように突如ひびきわたった轟音、だけどそんなにも気に障らない音、が彼女をひきとめる。
 弓弦ははふりかえる。魔女が呵々大笑している。腹をかかえてころげまわっている。
「それ、本気?」
「え?」
「ここに来た人は、みんな怒るんだよ。利用されたって。なのにあなたはあたしに謝罪するの?」
「‥‥あぁ、そう。そういえば、そうかもしれません」
「やぁだ、今さら気づいたの。ほんと、おかしい」
 ほんとうにおかしそうだ。目尻から涙まで光らせている。
「なるほど、そういうものもあるのか。そうか、たしかにそれは考慮してなかった。スーパーエロゲーションは不確実ながらも存在する」
「あ、あの」
 往くか戻るか決めかねた弓弦にむかい、なにかが飛んでくる。知らずそれを胸のまえで受け止める。小さいけれど、硬く、意外とどっしりしている。魔女はほがらかに吐き捨てる。
「それ、あげる」
「これは‥‥?」
「あたしがデザインした方位磁針。ちょっと違うけど、まぁ似たようなもの。どんな磁界のなかでも、それが狂うことは絶対にないから」
 ためしたことないけどねー、爆発はしないでしょ、他人を不安にさせる一言のあと、
「あなたの行く末の、ひとつの指針であれ」
 窓へ向かって人差し指がつきつける、天。空。
 雲のきれまに、虹色の光。

 あの日以来、どうなったかというと、じつはどうとでもない。世界はあいもかわらず残酷なしぐさでかよわきものたちを研磨する、たまに日交ぜの営みにつかれて崩れそうなときもあるが、いまのところ、弓弦の消失する気配はない。
 ただ、すこし。
 風が弱まった気がする。気だけかもしれないが、顔貌をあげられる時間は多くなったかもしれない。

 魔女の磁針はときおりくるりくるりと迷いながら、空のあなたの手付かずの時間を示している。

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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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0002 / 高遠・弓弦(たかとお・ゆづる)
            / ♀ / 16歳 / エスパー

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■         ライター通信          ■
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 たいへんお待たせいたしました(ごめんなさい)。アナザーレポート・ゲームノベル「魔女とヤマアラシのジレンマ」をおとどけいたします。
 自分の恒例ですが(‥‥悪質なことに、恒例であることに最近、気がつきました)、捏造箇所がとてもとても多いです。「障害」の部分、シチュエーションノベルを拝見いたしました結果、すこしプレイングを加工してしまいました。ご家族の件をちょくせつ描写する自信なかったので。逃げてしまって、ごめんなさい。
 いちおう、結論はつけさせていただきました。といっても、禅問答のような結論ですので、弓弦さまがこの先いかようにでもとってくださってもだいじょうぶでしょう。‥‥じゃ、ないかな?

 あ、魔女の台詞ですが、ほんとうにただのたわごとの羅列ですので、あまりお気になさらないでくださいませ(懇願)。専門家に刺されるような内容ですから。