<聖獣界ソーン・黒山羊亭冒険記>


分配金攻防戦
●オープニング【0】
 酒場というのはいくつもの顔を持っている。
 酒を嗜む場であるのは当然だが、時には思いもよらぬ密談が交わされていることもある。
 そう、ちょうど今夜の黒山羊亭のように……。
「今日だったよな」
「ああ、今日だ」
 近くのテーブルで、顔寄せ合って小声で話している人相の悪い男2人が居た。盗み聞きする気はなかったのだが、何故だか気になってそのまま聞き耳を立てていた。すると――。
「チャリティバザーの分配金、結構な額だからな」
「そうだ。それが今、街外れの孤児院にあるんだ……待った甲斐があったよな」
「やるなら今夜だな。なーに、いざとなりゃガキの1人や2人……な」
「よし。仲間を集めるぞ」
 そこまで話すと、男2人は代金をテーブルに置いてそそくさと店を出ていった。
 そういえば思い出した。先日行われたチャリティバザーの分配金が、孤児院や病院に届けられたのが確か今日だったはず。その金額は、意外と馬鹿にならない額だという話だ。
 ――ちょっと待て。今の会話……まさかあいつら、孤児院を襲うつもりか!?
 そうだとすれば、阻止しなければなるまい。
 だが……この話、孤児院に知らせていいものだろうか?

●他人の物を取ってはいけません【1A】
 大切な話は、こんな所でするもんじゃあない。誰が聞いているのか、分かったものじゃないのだから。特に、悪巧みを考えているのであらばなおさらだ。悪巧みというのは、誰にも知られず進めてゆくからこそ成り立つ訳で――。
 夜まだ浅い時間、1人のシフールがきょろきょろと何かを探すように黒山羊亭の周辺を飛び回っていた。
「あ〜ん、どこ行っちゃったのかな〜……」
 シフールのジュエルマジシャン、ディアナは先程出ていった男たちの姿を探していた。しかし夜の闇に紛れてしまったのだろうか、残念ながら見失ってしまった。
 しばらくして、ディアナがしょんぼりとした様子で店へと戻ってきた。そして、自らの居たテーブルへと向かう。1人で店に居た訳ではない。先に知り合いが来ていたので、そこのテーブルにちゃっかり居座ったのである。
「その様子だと、見付からなかったようだな」
 と、ディアナに話しかけたのはエルフの騎士、ウィリアム・ガードナーだった。ウィリアムの向かいには、同じく騎士であるアーシエル・エクストがワイングラス片手に厳しい表情を浮かべて座っている。男たちの会話は、2人の耳にもしっかりと聞こえていた。
「……他の人のものを取っちゃうのは悪いことだよね〜。悪いことホントにするのかな〜……」
 ディアナは小さく頷くと、しょんぼりとしたままつぶやいた。悪い人は居ないと信じているだけに、ディアナの言葉には悲しさと残念さが入り混じっているように思えた。
 間近に迫る悪巧みを耳にして、ウィリアムとアーシエルがこのまま見過ごしておけるはずがなかった。
「孤児院を……」
 アーシエルはそう言って、半分ほど残っていたワインをくいと飲み干し、グラスをテーブルに置いた。
「行くぞ、ウィリアム」
 席を立つアーシエル。ぐずぐずしている暇はない。遅れればそれだけ男たち――盗賊たちに猶予を与えることになってしまうのだから。
 と、そんな時である。大きめの眼鏡をかけた、薄い青色の髪を首の後ろで束ねた青年がウィリアムたちのテーブルへやってきたのは。
「お見受けした所……さっき出ていった男たちの企みを、聞いていたようですね?」
 青年――軽戦士のアイラス・サーリアスはそのように話しかけ、にこっと微笑んだ。

●相談、あるいは意志統一【2】
 アイラス・サーリアスに声をかけられ、男たちの悪巧みを耳にした者たちはひとまず1つテーブルに集まった。ディアナ、レイ・ルナフレイム、天鏖丸、ウィリアム・ガードナー、ケイシス・パール、アーシエル・エクスト、そしてアイラスの合わせて7人である。
 もっとも悠長に相談をしている暇はない。手短かに要点をまとめ、孤児院へ向かう必要があった。
「幼き子らに血を見せること、そして浅ましき大人の姿を見せる必要は未だあるまい」
 との責任者を引き受けた天鏖丸の言葉に、レイやアーシエル、そしてウィリアムが同意の声を上げた。
「……子供たちにはまだ、バザーの金を狙うような汚い大人が居ることを知って欲しくはないからな」
 これはアーシエルの言葉である。他の者たちも口には出さなかったが思いは同じである。やはり秘密裏に動くべきのようだ、子供たちに事件のことを微塵も感じさせぬように。
 だが、万一のことを考えて、しかるべき者たちには襲撃計画のことを知らせておいた方がよいという意見もケイシスやレイから出た。
 しかるべき者とは誰か? それはもちろん、アロマ・ネイヨットをはじめとする孤児院の大人たちのことだ。
 そして一同は店を出て、孤児院へと急いだ。

●子供たちには知らせるな【3】
「呼んできたよ〜」
 孤児院の裏口から、パタパタとディアナが飛んできた。そこにはケイシスとレイが待機をしていた。他の4人は一足早く、孤児院周辺の警戒についていた。
 ややあって、裏口からこそこそと現れ近付いてくる女性の姿が見えた。アロマである。
「どう……されましたか、夜更けに? 誰にも気付かれないよう、こっそりと出てきてくれと言われましたが……?」
 訝し気な表情のアロマ。それはそうだ、今夜孤児院への襲撃計画があるなどとは、夢にも思っていないのだから。
「実は……」
 そんなアロマにレイが黒山羊亭で耳にした話を伝えると、驚愕の表情に一変した。
「えっ……! た、大変……皆に知らせないと……!」
 と言って戻ろうとするアロマ。それをケイシスが呼び止める。
「待った! 子供たちを混乱させたくねぇ。大人以外には黙ってろ」
「ですが……!」
「その代わり、子供たちを安全な場所に誘導しておけ」
「ああ。ガキどもは1ケ所に集めておけ」
 ケイシスの言葉を受けて、レイが言った。
「後はこっちに任せろ。あんたたちはガキどもの言うことを聞かせておいてくれ」
 アロマはしばし悩んでいたようだったが、やがてこくりと頷いた。
「分かり……ました。子供たちは1つの大部屋ですでに眠っていますから……このままそっとしておくべきなのでしょうね」
 確かに、寝ている所をわざわざ起こして別の場所へ移動させると、怪しまれてしまう。1ケ所に集まっている以上、このまま寝かせておいた方がよいだろう。盗賊たちに孤児院へ足を踏み入れさせなければよいのだ。
「……どうか子供たちを守ってあげてください」
 アロマは深々と頭を下げると、足早に建物の方へ戻っていった。
「じゃあディア、中に居るからね〜。頑張るからね〜、頑張ってね〜」
 ディアナはレイとケイシスにそう言うと、アロマの後を追って飛んでいった。残された2人は視線を交わすと、自分たちも孤児院周辺の警戒に向かった。

●怖くないからね【4】
 時間はあっという間に過ぎてゆき、真夜中を迎える。孤児院の中では子供たちがすやすやと眠る一方、大人たちは厳戒態勢を取っていた。その中にはもちろんディアナも含まれている。
「ひっく……う……ひっ……」
 その最中、少女が1人泣きながら寝室から出てきた。どきっとする大人たち。
「どうしたの?」
 アロマが少女へ駆け寄って、泣きじゃくっている事情を尋ねた。すると少女はこう答えた。
「あのね……ひっく……あのね、夢見たの……怖かったの……ひっく……」
「怖い夢を見たのね。大丈夫、大丈夫だから」
 アロマが安堵の表情を浮かべ、泣いている少女の頭を優しく撫でた。
「うんっ、大丈夫だよ〜♪」
 ディアナの励ましの声に、少女が顔を上げた。
「あ……妖精さんだ……」
「みんなはディアが守るもん☆」
 どこで拾ったのか、ディアナは裁縫用の長い針を構えて少女に言った。
「だから安心してディアの背中に隠れていてね♪」
「妖精さん……ちっちゃいから隠れられないよぉ……」
 涙を浮かべつつも、少女がくすっと笑った。
「妖精さんも居るから、もう怖くないでしょう? さあ……今度は楽しい夢が見れるはず」
 アロマはそう言い、少女の手を引いて子供たちの寝室へと連れていった。
「みんな大丈夫かな〜……」
 ディアナは窓にぺたっと張り付いて外を見た。ここからではよく分からない。しかし、確実に悪人たちは孤児院に忍び寄っていたのである。

●オーバースペック【5】
 孤児院の裏手――そこを目指して怪しい人影が5つ現れた。いずれも悪そうな顔付きをした盗賊たちであった。
「よしよし……誰も居ないな。裏に着きゃ、後はこの塀を乗り越えりゃいいだけだ」
 盗賊の1人がニヤリと笑って言った。だが、世の中そんなに甘くはない。
「……待て、貴様たち。こんな夜中にどこへ行く? この先には孤児院しかないぞ」
 盗賊たちの背後から、警告の声が聞こえてきた。
「誰だ!」
 一斉に振り返る盗賊たち。その前に、人影が2つ現れた。アーシエルとウィリアムである。
「……貴様たちのような下衆なサンタは必要ない。さっさと立ち去るがいい」
「おとなしく立ち去るのであれば、それでよし。……警告はした。どう解釈するかは貴様たち次第だ」
 アーシエルとウィリアムが、盗賊たちをしっかと見据えて告げた。が、盗賊たちも『はい、そうですか』とまず言うはずもない。
「ふざけるな! 消えんのはてめえらだ!!」
 愚かにも盗賊たちは、5人揃って腰の短剣を抜いたのである。言っても分からない相手だったようだ。
「この状況でなおかかって来るとは……無謀を通り越して阿呆だな」
 呆れたように言うアーシエル。
「阿呆だとぉ?」
「アーシエル。それは的確な言葉だな」
 うんうんと頷くウィリアム。狙ってやった訳ではないのだろうが、結果的に盗賊たちの火に油を注ぐこととなった。
「おい、やっちまえ!!」
 そんな号令の下、一斉に襲いかかってくる盗賊たち。だが……あまりにも相手が悪かった。
 アーシエルとウィリアムはコマンドワードを唱え、何と精霊鎧アミュートを展開し装着したのである。さらにウィリアムは『オーラボディ』を発動し、オーラをその身にまとったのだ。盗賊相手の戦闘には、十分すぎる用意だ。
「フッ、貴様と肩を並べるのも久し振りだな……行くぞ!」
「おお!」
 盗賊たちへ立ち向かうアーシエルとウィリアム。2人の連携した戦い振りは見事なものであった。
 精霊武器エクセラを鞭状に変型させたウィリアムは、まず手を狙い片っ端から盗賊の短剣を落としていった。そこへアーシエルの長剣が叩き付けられる。斬るではない、まさに叩くという表現が相応しかった。
 これで終わりではない。止めとばかりに、さらにウィリアムの鞭の一撃が入るのである。一介の盗賊たちにはたまったものじゃない。
 かくして、5人の盗賊はあっという間に冷たい地面と仲良しになったのだった。
「……帰るぞ、ビル」
 ウィリアムが倒れた盗賊たちを縄で固く縛り終えた頃、アーシエルがすっと手を差し出した。
「まだバザーの時の話が途中だったからな」
「そんなに売り子の話が聞きたいのか……」

●後ろから前から【6】
 孤児院の右手の路地――こちらにも怪しい人影が6つほど現れていた。
「へへ……たんまりと金をいただこうじゃねぇか」
「だな。いただいたら、とっととトンズラするか」
「いざとなりゃ、火でも放ちゃいいよな」
 盗賊たちは口々に勝手なことを言いながら、路地を進んでゆく。
「仲間って6人だけでしたっけ?」
「馬鹿言ってんじゃねぇよ。全部で20人ほど居たろ? 4つに分かれて忍び込む手筈だったろうが」
「ここ以外のどこに居るんでしたっけ?」
「おいおい、しっかりしろよ。正面と裏手、それから左とここだろ」
「リーダーはどこに居ましたっけ?」
「覚えてろって。裏をかいて、正面から乗り込むって言ってたろぉ?」
 と、とんちんかんな会話がしばし続いていた時である。
「ん……?」
 違和感を感じた盗賊たちが、くるりと後ろを振り返った。
「こんばんは」
 そこに居たのは、サイを両手に持ちにこっと笑みを浮かべたアイラスだった。
「おっ……!」
 盗賊が誰何しようとした瞬間であった。一瞬早く、アイラスのサイが近くに居た盗賊2人のみぞおちを激しく突いた。
「ぐげっ!」
「がはっ!」
 崩れ落ちる盗賊2人。それを見て、アイラスが少し納得したように頷いた。
「うん、いい感じですよね……だいたいシミュレーションに近い感じで」
「おい、逃げろ!」
 残る4人は倒れた2人を残し、前の方へと逃げていった。ところが、ぴたっとその足が止まった。
「ウウ……グルルル……」
「ガルル……ウウ……」
 どうしたことか、黒狼たちが盗賊4人を通さぬとばかりに立ち塞がっていたのである。
「……影に潜ませておいてよかったな」
 黒狼たちの後ろから、別の黒狼1匹を連れたレイが姿を現した。黒狼たちはレイが召喚して潜ませていたのだ。
「くそっ! やっちまえ!」
 盗賊4人は、2・2に分かれてアイラスとレイに襲いかかっていった。けれども、無駄なあがきであった。
 アイラスの方へ向かった2人は、先の2人同様にサイの餌食となり撃沈した。反対のレイの方へ向かった2人はさらに酷く、黒狼たちに足を噛まれた上に、レイの大剣をまともに顎に喰らったのであった。
 こうして右手の6人も、地面と口づけをするはめに陥ったのだった。

●頭上注意【7】
 孤児院の左手の路地――こちらには怪しい人影が4つほど現れていた。敷地内にある大きな木が、まるで4人の姿を隠すかのように影を作っていた。
「いいか、慎重に行けよ」
「分かってるって。ばれる訳にゃいかねーもんな」
 盗賊たちがひそひそ声で言葉を交わす。
「ほんとに見付からねぇんだろな? 何か緊張するぜ」
「はっ、臆病だな! お前、足竦んでんじゃねーか?」
「足動かないってオチは困るぞ」
「いや……何かほんとに動かねぇぞ?」
「待て! まじかよ! 俺も動かねえ!」
「何だよこれ!! 何かにつかまれてる感触がすんぞ!!」
 突然の異常事態にパニックとなる盗賊たち。その時、頭上から狐の鳴き声が聞こえてきた。
「こんっ!」
 当然、人間の心理としては上を向き――顔面に大きな石が命中した。そのまま背中から崩れ落ちる盗賊4人。
「呆気ねぇなぁ……つか、こんなに上手くいっていいんか?」
 あまりにも上手く行き過ぎて、信じられない様子のケイシスの声。ケイシスは木の上から盗賊たちを見下ろしていた。
 実はケイシス、木の枝を依代にして式神を召喚し、盗賊たちの足をつかませたのである。その上で九尾狐の焔に一声鳴かせ、上を向いた所に石をぶつけたのだった。
 本来なら槍でも使って戦う所であったが、場所が場所なだけに激しい乱闘が起こらないように出来るだけ武器は使わない方向で考えた結果、地の利を活かしてこのような手段に出たのである。
 これで左手の4人も地面に平伏したのだった。

●成敗【8】
 さて、残った孤児院正面――ここには黒山羊亭に居た2人を含む7人の盗賊の姿があった。
「ふっふっふ……まさか正面から乗り込むとは思うまい」
 黒山羊亭に居たうちの1人が、口元を歪ませて笑った。嫌な笑い方である。この男がリーダーなのだろう。
「おい、野郎ども! 抵抗する奴は、子供だろうが容赦すんな! 手早く行くぞ!!」
「おう!!!」
 そうして盗賊たちは、正面から孤児院へ乗り込もうとした。ちょうどその時だ。
「待てい!」
 盗賊たちの前に、立ち塞がった者が居た。天鏖丸だ。
「誰だ!」
「お主たち……これより先、1歩たりとも進ませる訳にはゆかぬ!」
「……何だ? 変わった出で立ちだな」
 リーダーが天鏖丸を睨み付ける。しかし、そのくらいで怯むような天鏖丸ではない。
「拙者、戦いしか知らぬ者なれど……成すべき道と心根は具えているつもりでござる。しかし」
 天鏖丸が盗賊たちを睨み付ける。
「お主たちはどうでござる! 金のみならず国の宝にまで手を出さんとするとは……何という浅ましさか」
 嘆きの言葉を吐く天鏖丸。国の宝とは言わずもがな、子供たちのことである。
「へっ、知らんな。所詮親の居ないガキどもだろ。どうなろうが、知ったこっちゃねえ」
「……打ち据えられし痛みを以て其を罪と知り、己を悔いよ!」
 天鏖丸は恫喝すると、すらっと刀を抜いて盗賊たちへ向かっていった。
「野郎ども、返り討ちにしてやれ!!」
「おおう!!!」
 短剣を抜き、盗賊たちが天鏖丸へ襲いかかろうとする。と、そこに新たに姿を現した者が居た。何と天鏖丸がもう1人現れたのだ!
「うわ!」
 盗賊たちの中には、驚き怯む者も居た。だがよく見ると、もう1人の天鏖丸は先の天鏖丸と左右対称の姿を持っていた。実はこれ、予め『ミラーイメージ』の魔法で天鏖丸が作っておいた虚像なのである。
 けれども赤い武者鎧を纏い、黒い髑髏の面鎧に銀の獅子鬘をつけた出で立ちの者が2人幽霊剣士さながらに迫ってくると、精神的にくるものがあるのだろう。盗賊たちの戦意は半減していた。
 こうなれば、もう天鏖丸ペースである。天鏖丸はそれでもかかってくる盗賊たちの攻撃をかわしつつ、峰打ちで倒していった。そして最後に、体内に隠された機構の1つである捕縛網を用いて盗賊たちを捕えたのだった。
 これでようやく、盗賊の魔の手より孤児院を守り切ることが出来たのである。

●いつもの朝【9】
 不安が支配した夜が明け、いつも通り希望に満ちた朝がやってきた。孤児院の大人たちはほっと胸を撫で下ろし、子供たちは何が起こったのかを知ることもなく目を覚ます。
 捕えた盗賊たちは、夜明けまでに警備兵に全員引き渡されていた。事情を理解してくれたのか、事件の存在が表沙汰になるようなことはなかった。一応、後日にアロマが事情だけ聞かれることになるのだが、それはまた別の話。
 その日の昼間の孤児院には、眠た気な目を擦りながら子供たちとかくれんぼをしているディアナの姿と、子供たちに混じって遊びに触れている天鏖丸の姿があったという。
 子供たちはいつものように、明るい笑顔を振りまいていた――。

【分配金攻防戦 おしまい】


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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【 整理番号 / PC名 / 性別 
             / 種族 / 年齢 / クラス 】
【 0698 / ウィリアム・ガードナー / 女
             / エルフ / 24 / 騎士 】○
【 1248 / アーシエル・エクスト / 男
           / ヒューマン / 26 / 騎士 】○
【 1131 / ディアナ / 女
     / シフール / 18 / ジュエルマジシャン 】◇
【 1217 / ケイシス・パール / 男
          / 半鬼 / 18 / 退魔師見習い 】◇
【 1295 / レイ・ルナフレイム / 男
           / 人間 / 24 / 流浪狂剣士 】◇
【 1590 / 天鏖丸 / 男
         / カラクリ / 35 / 機構鎧剣士 】◇
【 1649 / アイラス・サーリアス / 男
              / 人 / 19 / 軽戦士 】◇


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■         ライター通信          ■
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・『黒山羊亭冒険記』へのご参加ありがとうございます。担当ライターの高原恵です。
・高原は原則としてPCを名で表記するようにしています。
・各タイトルの後ろには英数字がついていますが、数字は時間軸の流れを、英字が同時間帯別場面を意味します。ですので、1から始まっていなかったり、途中の数字が飛んでいる場合もあります。
・参加者一覧についているマークは、○がMT13、◇がソーンの各PCであることを意味します。
・なお、この冒険の文章は(オープニングを除き)全12場面で構成されています。他の参加者の方の文章に目を通されると、全体像がより見えてくるかもしれませんよ。
・大変長らくお待たせをし、非常にご迷惑をおかけいたしました。ようやく分配金をめぐるお話をここにお届けいたします。
・経緯を改めて説明いたしますと、昨年暮れにメインパソコンが突如動かなくなりまして。そして代替パソコンの入手、作業環境の再構築、データ回収、執筆再開……という過程を経たため、お届けするのがここまで遅れてしまいました。本当に申し訳ありませんでした、深くお詫びをいたします。
・今回のお話ですが、以前白山羊亭の方で行いました『秋のチャリティバザー』の後日談という形に一応なっています。一応というのは、内容が深くリンクしている訳ではないことと、方向性が180度違っているからですね。
・本文を通して読んでみると別に苦戦しておらず、意外とさらっとした印象を受けるかもしれません。これはやっぱり、プレイング内容による傾向変動の一例ですね。それだけしっかりしたプレイングが揃っていたということです、はい。
・ディアナさん、12度目のご参加ありがとうございます。プレイング内容からすると中だろうな……ということで、本文のようになりました。子供たちに危害が及ぶことはありませんでした。
・感想等ありましたら、お気軽にテラコン等よりお送りください。きちんと目を通させていただき、今後の参考といたしますので。
・それでは、また別の冒険でお会いできることを願って。