<聖獣界ソーン・PCゲームノベル>
■逃げたカンテラ■
逃げたカンテラ。
隠れたカンテラ。
出てきて僕らの胸を照らして。
** *** *
「だっておかーさんうるさいの!」
「駄目だって言ってる事を何度もするからでしょう!」
「だめじゃないもん!」
「あなたが――……もういいわ。お部屋戻りなさい」
「はぁい」
まるで堪える様子のない娘の幼い背中を見送って深く息を吐く。
こちらに叱る気力が無いのもあるが、いつからあれほどに我侭になったのだったか。
癇癪を起こして引っくり返された器を拾いながらまた息を一つ。溜息がまた心を疲弊させる。
最近は、声を荒げるのさえ少なくなり諦めばかりが嵩を増した。
人に話す分には大した事ではない、他愛ない我侭にしかならない娘のそれは、けれど日増しに酷くなる。何が、というのではないのに、気付けば娘は自分の言葉を聞かず甲高い声で叱責を遮るばかりの子供になってしまった。
ほんの少し。
ほんの少しでいいのだ。
諦めずに最後まで叱ったり、腰を据えて娘と会話したり、それをするだけでいい筈。
なのに自分の気持ちはそれをせず、毎日くたびれて諦めて過ごしている。他には何も、問題は無いのに。
こめかみを強く揉み解す。気持ちまで荒れて物の扱いも荒くなりがちだ。
なんとかしないと。
思いながら器を片付けた、その耳が音を拾う。
ノッカーの音。妙に力強い叩き方のそれに幾度か瞬いてから応えを返して玄関へ向かい、扉を開けばそこに居たのは。
「腹黒抜筋打ち家庭訪問です★」
きらん、と眩しい笑顔を浮かべる体格のいい中年男だった。
最初の挨拶からしてなにやら首を捻りたくなるものでありながら、何故だかそのまま素通ししてしまう愛想の良い男はオーマ・シュヴァルツと言うらしい。はて聞き覚えが、と思うものの学校関係者という事ならばその繋がりだろうと判断する。
どちらかといえば女子供には萎縮されそうな強面の類だろうに、見事にそれを打ち消してにこやかに自分の出した菓子に礼を言う。娘を呼ぼうかと、下ろしかけた腰をまた上げる。そこでそのオーマに制された。
「いやいや、まずは親御さんからお話を」
ならばと向かい合うも、娘の様子なぞ最近では話しようもない。
そう考えていたのだけれど、しばらく問われるままに話してみればいつの間にやらあれこれと娘について語る事があった。多くは愚痴というべきものであったが、オーマは嫌な顔ひとつせずに穏やかな瞳で自分の話を聞いている。
理由らしい理由は無いのだ。
娘が我侭ばかり言うようになり、自分が叱りそびれて諦めるようになり。
それらに「これ」という切欠は無く、ただ小さな事の積み重ねだった。
オーマの訪問前に思った事を改めて声に出して話してみると、何をしているのだろうと思う。
自分は何をしているのだろう。娘にきちんと話も出来ずに溜息ばかりを吐いて。
話す程に胸の内で主張し始めるその気持ちを見透かしたように、そこで身じろいでこちらを見るオーマ。
「まあ、擦れ違いの結果としても……それで叱らないってぇのは、つまり親が子に心を閉ざしているのと同じだと思いますね」
「子供に、心を」
小さな石が落ちたように、何かが波を打った。
子供に、娘に、自分は。
「子は繊細で敏感だ。親が思う以上に親を見ているし、心の動きだって確かに見ている」
それは確かにそう、だと。
思わず娘の部屋へと視線を投げて、次いでオーマを見る。スーツ姿の彼は、赤い瞳を優しげに向けて。
ふと、この男も子供がいるのだろうかと考えて、それからいるだろうと勝手に結論をつけてみる。父親の眼差しを思わせるそれだったからだ。
「子にとって親は心の拠り所だってのに、その親に迷い――ましてや子に対しての迷いがあれば、寂しいでしょう」
迷い、戸惑い。
口煩いといけないかしらと唐突に思った事があった。
躾は大切だからと不意に考えた事があった。
傷付けてはいないか、甘やかしてはいないか、両極に揺れていた。揺れている。
「だが幼さ故に、寂しさから愛情を求めるにも上手く表現出来ない。表現方法を知らない。結果的に、反抗して我侭を言う、それで愛情を確かめる。そんなところでは?」
己の内を探る感覚で居る間にもオーマはまるで、そう、まるで教師だとか医者だとかのような口調で言葉を連ねる。いや学校関係者だと名乗っていたのだから不思議は無いのだった。
波打った場所に繰り返して落とされる小さな何か。その波紋。
もう一度、娘の部屋を見る。
自分達の会話は聞こえているだろうか。聞いているだろうか。
粟立つ感触とも似た衝動が足元から駆け上がり、途方に暮れる。
見越したのだろう、オーマが促すように大きな手を娘の部屋の方へと延ばし、それから告げる。
「思い切り、ぶつかるのが一番絆を深めるというのが持論でして」
失礼、と小声で言うと席を立った。
「娘を、連れて参ります」
何度か顔を合わせた書棚の主に協力を即座に申し出て、さて問題は相手が三人である事で。
短い思案の後にオーマ的に言うならば『ゼノビアビバ腹黒八千年腐れ電波』にてユンナとジュダを呼び出し大胸筋ゲッチュ(はそれぞれから蹴られ殴られ沈められたが)協力を求めた今回。
「やっぱり頼れるねぇ」
洩れ聞こえる母子の怒鳴り合いを聞きながらウンウンと満足そうに頷いているのは、ユンナがカンテラを発見したという報告に来た人面草&霊魂軍団に向けてである。怒鳴り合いがお互いの溝を埋める方向のものである事は無論しっかりと確かめながら、オーマはこれから音楽祭へと向かうユンナに感謝の電波を送ってみた。
遮断されていそうな気もするがとりあえず朗らかに送ってみた。
「お前達も連絡ありがとうよ」
労うと、一団はもさりと誇らしげに揺れて熱く視線を飛ばす。
それをにこやかに受け止める間にも母子の怒鳴り合いは収まらない。それでもじきに母親が娘を連れてくるだろう。
さて、その時にはどうしようか。
それは考えるまでもなかった。ユンナが灯火のないままのカンテラを連れて音楽祭へ向かうというのだから、一緒に向かえばいい。
ぶつかって、それで近付いてもささくれ立った心を柔らかく癒す何かは必要だろう。
そんな風にして、放り出されたままの客、という状況ながら気にする事もなくオーマは二人が出てくるのを待っていた。
母親は、話す間に何か思うところでもあったのだろう。瞳に光があったから、上手くいくと信じている。
「しかし、心の光が消えたせいでぶつかれなかった、ってぇなら気の毒な話だな」
もさりと群れなす人面草&霊魂軍団に半ば語りかけながら、いや、と同時に思う。
気の毒なのは今娘と向き合っている母親だけではないだろう。他の二人――少年と老人もそうであるし、あるいはカンテラ自身もではないか。
心の光、灯火。
物語から逃げ出すようなカンテラに、心が無いとは思わない。
カンテラもまた、小さな明かりを見失ってしまっているのだろうか。
「だっていつだってほっとくでしょぉ!」
「どうしていつも閉じこもってしまうの!」
「――おうおう、本音が出て来てるじゃねぇか」
一際大きく洩れてきた二人の声。
人面草&霊魂軍団が跳ねる中で悠然とそれを聞いて満足そうにオーマは笑う。
音楽祭の開催までには、間に合うだろう。
その予想を裏切らず、鋭く言葉を交わしながらも母子はじきに揃って現れて人面草&霊魂軍団に仰天しながらもオーマの舌に言い包められてするすると一緒に家を出る事に相成った。
もさりもさりと傍目には奇妙な一団に従われながらも歩くオーマは途上で母子へと視線を流す。
母が、あれこれと言いながらも娘の手を握っている。
娘が、高い声で言い返しながらも母の手を振り払わない。
大丈夫だ、と頼もしい笑みを一瞬浮かべて彼は再び前を向いた。
** *** *
少年と、その胸に隠れていた物語のカンテラを抱えてユンナがまず音楽祭の会場に着いた。
進行役と打ち合わせる間にジュダ、そして母子を連れたオーマと現れる。
「ジュダ、いいかしら」
「……ああ」
舞台に上がる者達が手を馴らしているのか、幾つもの音が鼓膜を叩く。
半ば引き摺られる勢いで一緒に来た少年が楽器を抱えてその音達を拾う様を見ながら、まずユンナはジュダを手招くとその長身を滑らかな指先で引いて少しばかり屈ませた。心得たもので、表情を変えず耳を寄せるジュダ。
「歌に乗せる詩を紡いで頂戴。愛しいものやそれぞれが還る場所へ向けた想い、それを語る詩よ」
寄せられた唇から洩れる言葉に、ジュダは何も問わずに少年だとか母子だとかに視線を走らせてから最後にユンナの抱えるカンテラを見た。今も灯りを抱えないその硬いシルエットを眸に映し、それからユンナへ向けて囁き程の大きさで「わかった」と返すと屈んでいた背を伸ばす。
陽が空の端へと逃れ藍の色を濃く滲ませつつある空。
その下で明かりを灯してさざめく人々。街路にも点々と灯が入りつつある時間。
無意識だろうか指が弦を求める少年。人の多さに身を寄せる娘を抱く母。
老人は今頃職人と話をしているだろうか。
大きなものではなく、小さな、ささやかな事柄を言葉にしようか。
ジュダがそのように思ったかは、表情からは読み取れない。
ただユンナに伝えられた詩が何気ない暮らしの中で見る事の出来るものへ向けた言葉が多かったというだけだ。歌姫が、心の灯火を取り戻して貰う為にと考えた、その意図を組んだのかもしれない。
「やっぱり、素敵な言葉だわ」
「そうか」
そうよ、と満足げに微笑むユンナが持っていた件のカンテラをジュダに差し出す。
無言のまま、手入れされた指から硬質のそれを預かると桜色の髪を名残のように翻して背を向けて彼女は舞台へと歩き出した。
気付けば音楽祭は、さざめきの中で始まろうとしている。
幾人もが歌い奏で踊り。
その様々な世界に少年が瞳を輝かせているのがユンナには確かに見えた。
ジュダに紡いで貰った言葉は頭の中、唇の向こうの舌の上、胸の内、いまや息づく程に己の中に満ちている。
少年が特に聴き入るものはどれも想いの篭ったものばかり。混ざる上っ面だけの楽にはさほどの反応を返さない彼の姿に瑞々しい唇をついと笑みの形に引いて、静かに舞台へと歩き出す。
――彼が紡いだ詩。私が歌う詩。
それはきっと少年の瞳に想いの光を灯す。
ジュダの会った老人にも、オーマが連れてきた母子にも。
そしてカンテラ自身にも。
あ、とも、ら、とも、不明瞭な一音を滑り出させると後は周囲の何もかもが歌声に溶けて広がるようだった。
それを聴いてオーマは母子を見る。
途切れがちながら、いまだあれこれと言い合う手を繋いだままの二人。
「きれいなこえ」
娘が無意識に零した言葉に母親もまた無意識に頷き返す。
スーツ姿のままのオーマは流れ広がる歌姫の声に聴き入る母子へと数歩近付いた。
微かな砂利を踏む音に母親が視線を向ける。
「歌はお好きですか」
連れ出しておいて今更だが、彼女は素直に頷いて再び舞台へとその目を戻す。
合わせてユンナの歌う姿を眺めながら、オーマは更に言葉を連ねていく。
「歌われたことは……いや、やはり子守唄ですかね」
「そうですね。子守唄なら」
こんなに綺麗な声ではないけれど、と付け加えるのには笑って否定する。
声の質が良くても想いの無い歌は心には響かないものだ。
「まだ小さな子に聞かせる子守唄は、まるで贈り物のようじゃないですか?」
「贈り物、ですか」
「母が最初に贈る、子が最初に贈られる、深い愛情の篭った唄」
体格からの威圧感は多少あれど、初対面から変わらず丁寧な口調のオーマが微笑みさえ湛えて言うのに母親は舞台から僅かに目線をずらして空を見る。繋いだ手の先の娘もいつのまにか、舞台から母親へと目を移していた。
「そのときどんな気持ちで唄われたのか」
「宝物のような、ほんとうに、愛しくて」
ユンナの声。言葉はジュダが紡いだ詩。オーマの仲間は世界の様々なものを想い愛し、それを示す。
彼らの示すそれが、母子と、そしてユンナの会った少年とジュダの会った老人と、今ここで聴く人々と、それぞれに伝われば。
人面草や霊魂がもさりもさりと歌に誘われるように足元で揺れている中で、母子は立っている。
「唄を贈った時の想いを、少し思い出してみても良いかもしれません」
言うまでもない事だろうと思いながら、オーマ自身も浮き上がる想いに瞳を揺らしてそれだけを告げた。
カンテラに何事か語りかけるジュダをうかがう前に見たのは、母親と娘が繋いだ手を互いに包むように握り直す姿。
その母子の姿はジュダからも見えていて、手に持つカンテラに瞳があればカンテラにも見えていただろう。
呼びかけるように軽く揺らすと蓋が側面と触れて微かに音を響かせる。
「……お前が消した光を、取り戻しつつある」
かた、と今度はジュダの手によらず小さな音。
冷ややか、と言ってもいい眼差しでカンテラを一瞬見て舞台の上で今も己の紡いだ詩を歌う彼女を見る。
昼よりも朧な明かりの中で優しげな髪色は光のようだ。声が聴く者達の心に少しずつ染み渡り火を灯す。
その姿から目を離さぬままカンテラへと語りかける言葉。
「物語へ還らぬのであれば、具現にて代わりを生み其れを還してもいい」
かたん。
蓋が風も吹かないまま跳ねた。
「だが、代わりが還り其れで十分であったならば、お前は」
カンテラが揺れたのはいっときの事だった。
緩やかに、淡々と語るジュダの言葉の先はカンテラにも容易く察する事が出来たのか。
錆びた軋みを最後に動きを止める。
「お前は還る場所を失う」
「いやいやいや、そんな厳しい事はちょっと置いといてだな――ぐは」
「……反射だ」
「いやいや気にすんな気にすんな、気に」
言葉の先を告げたところで乱入してきた見知った相手を瞬間沈めてしまった。
頑丈な相手は平然と起き上がり何やら繰り返していたがぴたりと動きを止める。見ればユンナが物言いたげな厳しい目付きでこちらを見ながら歌っているではないか。一瞬だけ視線を交わしてジュダも意識をカンテラに向けた。
多分あの視線は「馬鹿にかまけてるんじゃないわよ」という類だろう。
女王様には素直に従うのが懸命だ。
「どうする」
カンテラを顔近くまで掲げて問うてみる。
だが再びオーマが割って入るとカンテラへと笑いかけた。
「だからちょっと待てって。まあアレだ、お前もちっとユンナの歌聴いてみな。もう聴いてるか?」
その笑顔を横目に見、オーマの意図する所を理解してジュダがカンテラをユンナの側へと向ける。
歌であるしどんな風にしていても聞こえるかもしれないが、多少は違う筈だ。
紡いだ詩は少なくない。
それをゆったりと響き渡る声で歌うユンナ。
彼女の歌をカンテラに改めて聴かせる。
ジュダはそのまま唇を閉ざしてオーマが働きかけるのを待った。
「ユンナを見て、それから歌を聴いてる皆を見てみな。それぞれよく見れば心に光が灯ってる――解るだろう?お前が隠れ歩いたヤツだってそうだ。消えた胸の明かりを灯そうとしてる」
真摯に語るオーマの正面に、カンテラの側面が来るようにとジュダは僅かばかり腕を揺らす。
軋むような音をカンテラの角が立ててまるで返答のようだ。
「カンテラよ、お前自信はどうなんだ」
「繰り返しの物語から飛び出したのだったか」
「知ってるか?お前が照らしてた二人は今、暗い森の中で震えてるんだ――別に一方的に責めたりしねぇよ。ただな、そんな二人を想像して考えてみて欲しいんだ」
オーマが、そこで指差したのは舞台の上の歌姫。
旋律は更に力強く朗々と空をも震わせるかと思う程に大気を泳ぐ。その源の美女。
ジュダが美しいそのシルエットへとカンテラを掲げれば、陽に代わって天に躍り出た月がカンテラの硝子に誇らしげに姿を映す。それはさながらカンテラの灯りのように。
「この音楽祭、ユンナだけじゃなく皆の唄でどれだけ聴衆が力を得たと思う。その唄でどれだけ心に力を受け、光を灯していると思う」
ジュダの手の先で震えるカンテラ、その振動は持ち手の肘辺りまで軽く走った。
長身の男が掲げているのだから、周囲より随分と高い場所からカンテラは見下ろしているだろう。
「なあ、本の中の少年達にとってのその唄ってのはよ」
「心を照らす、光になるものだ」
「そういうこった。それは」
一拍だけ。
ユンナの声が余韻を残して霞み、滲み、消える。
オーマはそれを待った。
「それは、お前が灯すその光そのものじゃねぇのか?」
がたがたと一際大きく震えるカンテラ。けれど光はまだ灯らない。
ジュダが今度はカンテラへと言葉を連ねていく。
たいした言葉ではない、ただ思い出す何かがあるだろうとそれだけの。
「繰り返しの物語の中で、二人の道と心を照らしながら抱いた想いは、ないのか」
――がたん、と。
強く強く、硝子の側面が割れるのではと瞬間思う程に強くカンテラの蓋が跳ねた。
がたんがたんと今も繰り返す。それは例えば、大変な忘れ物に気付いた様子。
微かな熱が、硝子の中で煌いて。
歌い終えたユンナが男共の元へ向かいかけ、そこで遠目にも解るカンテラの灯り。
よしよしと頷いて笑んだユンナへと駆け寄る少年の姿が目に入ったのは、そんな時だ。
興奮さめやらぬ表情は力に満ちていて、きっと明日にでも自分の望む道を両親に話すだろうと確信させる。少し探せば母子が互いに優しげに笑いながら語り合っている姿。
完璧ではないか。
思いかけて老人の事に気付く。けれど微かな達成感を滲ませる人影が会場に入りジュダに近付くのを見かけて、やはり完璧だと判断する。
足を止めてユンナがあれこれ考えている間に、少年が彼女の元に辿り着いた。
「うた、ほんとに」
体中で賞賛を示す少年の正直な様子に流石に苦笑を浮かべてしまうが、すぐにそれも消える。
大切な楽器を抱えたままの彼の腕を取り歩き出す。
怪訝そうにしながらも付いて来る少年と共にカンテラの元へ。
少年へとユンナは、手前で一度振り返ると、こう言って笑いかけた。
「一曲頼むわね。私が歌うから」
オーマに並んで話しかける母子。
ジュダに箱を開いてみせる老人。
ユンナの言葉に慌てながらも頷く少年。
そこかしこから唄と想いが響く中、カンテラにも確かに小さな小さな光。
** *** *
震える僕らの胸を照らすカンテラ。
小さな光を抱えて戻ったカンテラ。
君の中の光がほら、僕らを照らす。
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■ 登場人物(この物語に登場した人物の一覧) ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
【1953/オーマ・シュヴァルツ/男性/39歳(実年齢999歳)/医者兼ヴァンサー(ガンナー)腹黒副業有り】
【2083/ユンナ/女性/18歳(実年齢999歳)/ヴァンサーソサエティマスター兼歌姫】
【2086/ジュダ/男性/29歳(実年齢999歳)/詳細不明】
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■ ライター通信 ■
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解りにくいオープニングだったかと思います。ライター珠洲です。
それぞれのNPCの視点からPC様へという代物で、前半をそれぞれのPC様にしてあります。
NPCの悩みだとかが曖昧な状態となってしまいまして、考えが浅かったと反省しつつお届けさせて頂きます。揃って御参加、本当にありがとうございました。
・オーマ・シュヴァルツ様
スーツ姿となれば丁寧な言葉!としてみたはいいものの、脳内では普段どうりのオーマ様が朗らかに母親と話している姿が浮かんでおりました。凄く刷り込まれていますね!
カンテラ自身の光、という部分はライターが目から鱗な気持ちでいました。そこまで気を回して下さって嬉しいです。そして己の浅さにやはり反省してみるライターでした。
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