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<東京怪談ウェブゲーム 草間興信所>


『すいきょうさま』の怪【完結編】
●オープニング【0】
 LAST TIME 『『すいきょうさま』の怪』――。
 師走に入る前後よりゴーストネットの掲示板にて見られていた話題。
 それは自分の未来を見ることが出来るかもしれないという、『すいきょうさま』の噂。
 だがその噂には、『すいきょうさまの機嫌が悪いと、神隠しに遭う』という物騒な物も含まれていた。
 最初の内は『何ともなかった』という報告が相次いでいて、よくある噂話の類だと皆が思い始めていたその時――書き込みの傾向が変わってきた。神隠しに遭ったという報告が、行方不明当人の友人縁者から見られるようになってきたのだ。
 この話を知り、調査を始めた者たちが居た。実際に行方不明が起こった池に赴いたり、行方不明者の家族を尋ね歩いたりして、地道に情報収集を行っていた。そして見えてくる共通項と、全くそれに括ることの出来ない物事。
 そんな時、事態は急変した。
 真名神慶悟と渋沢ジョージが訪れていた池にて、食いちぎられたと思しき右手と左足が浮かび上がったのである。
 それだけではなかった。同じ頃、別の池を訪れていた七森沙耶が件の『すいきょうさま』によって、瀬名雫や天薙撫子の目前で池の中に引きずり込まれてしまったのだ……。
 雫は泣きながら草間武彦に連絡し、奇妙な縁もあって調査を行っていた者たちは草間興信所に集結することとなった。
 事態は一刻を争っていた――。

●囚われの沙耶【1C】
 薄暗い狭い空間で、時間だけが静かに流れていた。けれども今がいったい何時なのか、腕時計が全く動かなくなってしまっているので分からない。無論、朝なのか夜なのかも分からない。
 しかし、時間だけは確実に流れていることは分かる。何故ならば、囚われの少女たちのすすり泣く声が、全く絶えることがないのだから……。
(今頃、皆……心配しているのかな)
 膝を抱え込むように座っていた沙耶は、ぼんやりとそんなことを考えていた。3人の兄たちの顔や、草間や雫たちの顔、それに慶悟の顔が次々と浮かんでは消えてゆく。
(それにしても、すいきょうさま……人を食べるバケモノだったなんて……)
 正直言って、沙耶には凄く怖かった。でもそれを表に出してしまうことは、はばかられた。
 沙耶まで恐怖心を表に出してしまっては、少女たちはますます絶望することだろう。ここに捕らわれている少女たちのためにも、自分は頑張らなければいけないと思っていたのだ。
 それに囚われの身となって、何もしていなかった訳でもない。一応、この牢屋らしき場所から脱出は出来ないのか考えてみた。
 この牢屋にあるのは鉄格子ではなく水格子。水であるがゆえ、簡単に出られそうな気もするのだが――触ってみて驚いた。
 水に適度な粘度と弾力を与え、さらに鉄以上の硬度を与えたらこうなるのだろうかと思われる触り心地だった。言い換えれば、日常生活ではまずあり得ない感触。
 それに肝心の扉が見当たらないし、霊的な物も感じられる。たぶんある種の結界が施されているのかもしれない。脱出が無理だということは、その一触りだけで沙耶も把握した。
 ならば壁はどうかというと、こちらも似たような物。見た目や普通に触れている分には石と何ら変わらないが、必要以上に押してみると妙な弾力の反作用が返ってくる。
(……ひょっとして、ここ全体が水で出来ているのっ……?)
 恐らく沙耶の想像は大きく間違っていないと思われる。何たってここは、水の中の世界であるのだから。
 そんな時、少女たちから悲鳴が上がった。
「ああ……来たわっ!」
「また1人食べるつもりなのよぉっ!!」
「嫌ぁぁぁ……あたしまだ死にたくないぃぃ……」
 どうやら次なる生贄を、連れ出しに来たようだ。
 やがて牢屋の前に、薄絹をまとったような女性が2人現れた。だがただの女性たちではない。まず顔が全くない、いわゆるのっぺらぼうであったこと。そして何より、向こうの景色が透けて見えてしまっていたことだ。
(これがすいきょうさま?)
 一瞬そんなことを沙耶は思ったが、すぐに違うと思い直した。『すいきょうさま』が2人居るというのも妙な話だし、何より2人とも引きずり込まれる時に見た腕ではない。きっと2人は『すいきょうさま』の下僕なのであろう。
 2人は水格子を空気のごとく通り抜け、近くに居た少女の腕を両側から抱え込むようにつかんだ。
「いっ、嫌っ……死にたくないよぉ! ママァ……パパァ……!!」
 ぶんぶんと頭を振りまくり、抵抗する少女。けれども2人はそんな少女を、ずるずると引きずってゆく。
「待ってください!」
 沙耶が2人に向かって叫んだ。足を止め、振り返る2人。沙耶は銀の十字架のペンダントを握り締め、大きく深呼吸してからこう言葉を発した。
「私にしてください」
 それは身代わりとなる、沙耶の決意の言葉だった。

●『すいきょうさま』の姿【2B】
「ひっ……!」
 2人の女性に連れられ、生臭い匂い漂う広間らしき場所へやってきた沙耶は、短い悲鳴を上げて目の前に鎮座する物体から顔を背けた。
 怖さもある。けれども目の前の物体は、怖さ以上に気持ち悪さの方が勝っていたのだ。
 出来ることなら、直視なんかしたくない。だが女性が目の前の物体を見るよう、沙耶に強制した。
 仕方なく従う沙耶。気持ち悪さをぐっと堪え、沙耶は目の前の物体を見据えた。
 そこに居たのは、巨大な肉の塊。2本のぶよぶよとした白い手が生えていた肉の塊だ。どう例えたら分かりやすいだろう……心臓と肝臓を足して、円周率を掛けたような感じか。簡単に言えば、何らかの臓器のように見えた。
 恐らく、広間に漂う生臭い匂いはこの肉の塊が発しているのだろう。女性たちからは、そんな匂いは感じられなかったのだから。
「あ……あなたがすいきょうさま……?」
 震える声で、沙耶が目の前の物体に尋ねた。何かが頭の中に、直接語りかけてくる。
「そうだ。我がすいきょうさまだ」
 本人が言っているのだから、これは間違いない。沙耶はさらに言葉を続けた。
「どうして……どうして人間を食べるんですか? おまじないを餌に……餌にして人をおびき寄せるなんて……卑怯です!」
 相変わらず恐怖に震える沙耶の声。その時、『すいきょうさま』が笑ったような気がした。
「しれたこと。我が力を得るためよ……娘子の血肉は美味で、力を得るにはもってこいだ。くっくっく……娘子がおまじない好きだという助言もあったが、こう上手くゆくと笑いが止まらぬわ」
「助言? 誰か他に……?」
 いったい誰が『すいきょうさま』に助言したというのか。
「話す必要もない。お前はここですぐ、我の餌となるのだからな。我の肉体の一部となることを、光栄に思うがよい!」
 『すいきょうさま』のその言葉と共に、ぶよぶよとした白い手がうねうねと動き始めた。
「きっと真名神さんが……みんなが助けに来てくれます。あなたになんか負けないんだから……!」
 恐怖に震える声で強がる沙耶。本来なら強がれる状況ではない。けれど……強がっていないと、恐怖に飲み込まれてしまいそうな気がしたのだ。
「くっくっく、我が力持つ人間を招き入れると思うたか? 我が求めしは、我に害をなすことの出来ぬ娘子のみ……何人たりとも、我の邪魔をさせぬわ!」
「卑怯……」
 これで分かった。選んでいるようなんじゃない、本当に選んでいたのだ。それも巧妙に……。
「くく……お前のように、微力な力を持つ娘子はまた格別に美味でな……」
 ぶよぶよとした白い手が、ゆっくりゆっくりと沙耶に近付いてくる。まるで沙耶の怯える様を、楽しむかのように。
 沙耶は思わず両目を閉じた。さすがにもう限界だった。
「さて、足がいいか……? それとも手か……? いいや、やはり新鮮な心の臓か……?」
 万事休す。そう思われた時だった。
「……む? くっ、食事時に……」
 忌々し気に『すいきょうさま』が言った。沙耶はゆっくり目を開いてみた。
「我を愚弄する輩が居るとは……ええい、勘弁ならん! 主義に反するが、我の肉体の一部にしてくれん!!」
 するとどうだ。突然ぶよぶよとした白い手が、動きを変えたではないか。沙耶の方ではなく天井、恐らくはどこかの池へと。
「そいつを牢に戻しておけ!!」
 怒ったように言い放つ『すいきょうさま』。かくして沙耶は、再び女性たちに連れられて牢に舞い戻ることとなった。
 沙耶が戻ってきた時の、少女たちの驚きは言うまでもないだろう。何しろ死んでしまったものと思われた人間が、無事に戻ってきたのだから。
(何が起こったの……?)
 牢の中、少女たちに質問攻めにされながら、沙耶はそんな疑問を覚えていた。その答えを、沙耶は間もなく知ることとなる。

●沙耶に出来ること【4B】
 異変が起こっていたのは、傍目にも分かった。女性たちが、次々と牢の前に現れたのだ。
「何……? 何が起こってるの?」
 困惑する沙耶。ひょっとして大量に『すいきょうさま』の前に連れてゆく気かとも思ったが、牢の中に入ってくる気配はないからどうやらそうではない。
 よくよく見てみると、守りを固めているようにも見える。ということは……。
(助けに来てくれた!?)
 だとしか考えられないだろう。では、ここで沙耶が出来ることといえば、ただ1つ。
「みんな! なるべく奥に集まってじっとしてください!!」
 沙耶は少女たちにそう指示をした。なるべく、救出に来てくれた者たちの邪魔にならないようにするために。
「ここです! みんな、ここに居ます!!」
 少女たちを壁際に集めてから、沙耶は1人水格子に近付いて叫んだ。

●正面突破!【5A】
「ここです! みんな、ここに居ます!!」
 4人の進む方角から、少女の叫び声が聞こえてきた。
「沙耶様の声です!」
 さくらがすぐに答える。ジョージのカードの導きは正しかったのだ。
 通路を走ってゆくと、やがて突き当たりとなる少し広い空間に行き当たった。そこに居たのは薄絹をまとったような女性たち。けれども顔はなく、向こうの景色が透けて見えてしまっている。
「きっと水で作り出したんですね」
 みなもが嫌な物を見てしまったかのように言った。
「向こう……牢になっていますね」
 ぼそりと撫子がつぶやく。視線の先には鉄格子らしき物のはまった牢があり、その向こうには沙耶の姿があった。
「沙耶様、助けに参りました!」
 沙耶に聞こえるよう大きな声で言うさくら。沙耶もそれに気付かぬはずもない。すぐに叫び返してきた。
「ああ……助けに来てくれたんですね!」
 沙耶の背後で、少女たちが歓喜の声を上げた。助かるかもしれないという、希望の声だ。
「その前に……邪魔者を片付けないと、ネ」
 笑みを浮かべ、ジョージがカードを捲ろうとした瞬間だ。脇を擦り抜けて、見覚えのある蛇や龍たちが女性たちに突進していったのだ。それは慶悟の放った式神、十二神将の蒼龍と騰蛇であった。
「行きます!」
 この機を逃さじと、『神斬』を抜き女性たちへ向かってゆく撫子。そして、撫子を包み込まんと立ちはだかる女性たちを、次から次に薙ぎ払ってゆく。薙ぎ払われた女性たちは、たちまち飛沫を上げて消え失せる。
「危ない!」
 そこに、女性たちの妙な動きに気付いたみなもが叫んだ。背後から撫子を襲わんと、女性たちがまとめて向かっていこうとしていたのだ。
 みなもは神社でもらってきた聖水が入った小瓶を取り出すと、蓋を開けて女性たちに向かって投げ付けた。
 どうしたことか聖水は次第に形を変えて檻となり、撫子に襲いかかろうとしていた女性たちを閉じ込めた。女性たちは何とか檻から抜け出ようとしていたが、聖水の力で阻まれてしまっていた。
「出る幕ないなァ」
 やれやれといった様子でジョージが言った。ジョージが動くまでもなく、立ちはだかっていた女性たちは、『神斬』と妖斬鋼糸を駆使した撫子によってほぼ全滅させられていた。残っているのは、檻に閉じ込められた者たちだけだ。
 さくらが牢に向かって走っていった。
「沙耶様、皆様、大丈夫でしたかっ!?」
「……どちら様ですか?」
 きょとんとした沙耶から、そんな言葉が返ってきた。それはそうだろう、見覚えない15歳くらいの小柄で可愛らしい金髪の少女が、自分の名前を呼んでいるのだから。
「私です、さくらです」
「え……」
 びっくりして叫びそうになった沙耶に対し、さくらは自分の唇に指1本当ててみせた。『黙っててください』、そういうことだ。
「結界を破ります、手伝っていただけますか?」
 鉄格子、いや水格子に手をかけてさくらが言った。沙耶はこくんと頷き、さくらの手の上に自らの手を重ねた。
 精神集中すること数秒。全ての水格子が飛沫を上げて崩壊した。結界が破られたのだ。

●脱出行【6A】
 捕らわれていた少女たちを牢から救出したのも束の間。突然、檻に閉じ込められた者たちが飛沫を上げて消え失せた。
「今のは……?」
 困惑するみなも。いったい何が起こったというのだろうか。
 直後、皆の耳に妙な音が聞こえてきていた。そう、何かが崩れ去ってゆくような嫌な音。
「早くここから逃げましょう!」
 何かに気付いたのか、みなもが皆に向かって叫んだ。
「何事ですか?」
 眉をひそめ、さくらが尋ねた。
「たぶん、すいきょうさまが退治されたんです! だとしたらこの空間は、長い時間もたないと思います! さっき、檻の中の女性が消え失せたのもきっとそのためで……!」
 説明するみなも。その最中、少女たちから悲鳴が上がった。先程まで閉じ込められていた牢の、天井が崩れ落ちてきたからだった。
「一刻の猶予もなりませんね……行きましょう」
 撫子が怯える少女たちを促し、自らが先頭となって通路へ導いてゆく。その後に、沙耶、さくら、みなもと続いてゆく。
 殿となったジョージは、タロットカードを1枚取り出した。そのカードは逆位置の『塔』。
「これで少し時間が稼げるかな」
 笑みを浮かべ、つぶやくジョージ。そうしてジョージも、皆の後を追って通路を駆けていった。

●帰還【7】
 一行は分かれ道の所で無事に合流を果たし、懸命に現世に続く階段を駆け昇っていった。
 全員が現世に脱出して間もなく、『すいきょうさま』の居た空間へ繋がっていた扉が崩壊していった。光の階段は消え、穴も塞がり――再び池に静寂が戻ってくる。
「終わった……んだろうな」
 水面を見つめ、ぼそっと草間がつぶやいた。そして煙草を取り出そうとする。
「終わりました、きっと」
 撫子は静かに答えると、大きく息を吐いた。もうこれから、行方不明になる少女は出ないだろう。
「あら……」
 意外とばかりにシュラインがつぶやいた。シュラインの視線の先には、慶悟の腕の中で泣いている沙耶の姿があったのだ。
「怖かったです……でも信じてました」
 ずっと我慢していたのだろう、沙耶の瞳には涙が溢れていた。そんな沙耶の背中を、慶悟は無言でぽんぽんと叩いてあげていた。
「もう大丈夫。大丈夫だからネ」
 視線をずらせば、ジョージは捕らわれていた少女たちを慰めている最中であった。適材適所とはこのことか。
「結局……すいきょうさまは何だったんでしょうね。誰があんな噂を流したのかは、分からずじまいですし」
 みなもがさくらに話しかけた。行方不明の理由付けに、誰かが後から噂や証拠品を残したのだとみなもは考えていたのだが、『すいきょうさま』が倒された今となってはもう確かめる術もない。
「さあ……何でしょう。ですが、決して許されぬことをしていたのは、間違いないことですよ」
 きっぱりと言うさくら。みなもはその言葉に大きく頷いた。『すいきょうさま』が何者であれ、絶対に許すことの出来ない行為をしていたのは事実なのだから。
「沙耶ちゃん、無事だったんだね! よかった……よかったよぉっ!」
 ずっと待機していた雫が、沙耶に飛びついていった。よっぽど心配だったのだろう、目には涙が浮かんでいた。
「……おい、誰だ? 俺の煙草ケースに、よく分からん足の写真入れたのは?」
 草間の間が抜けた声が聞こえてきた。少女たちからくすくすと笑い声が起こる。ようやく現世に戻ってこれたのだと、草間の言葉で実感出来たようだ。
「きゅぅぅっ♪」
 こんこんは楽し気に鳴くと、草間の背中から定位置の頭の上へと駆け上がっていった。

【『すいきょうさま』の怪【完結編】 了】


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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【 整理番号 / PC名(読み) 
                   / 性別 / 年齢 / 職業 】
【 0086 / シュライン・エマ(しゅらいん・えま)
  / 女 / 26 / 翻訳家&幽霊作家+時々草間興信所でバイト 】
【 0102 / こんこん・ー(こんこん・ー)
               / 男 / 1 / 九尾の狐(幼体) 】
【 0134 / 草壁・さくら(くさかべ・さくら)
         / 女 / 20前後? / 骨董屋『櫻月堂』店員 】
【 0230 / 七森・沙耶(ななもり・さや)
                   / 女 / 17 / 高校生 】
【 0328 / 天薙・撫子(あまなぎ・なでしこ)
               / 女 / 18 / 大学生(巫女) 】
【 0389 / 真名神・慶悟(まながみ・けいご)
                   / 男 / 20 / 陰陽師 】
【 1252 / 海原・みなも(うなばら・みなも)
                   / 女 / 13 / 中学生 】
【 1273 / 渋沢・ジョージ(しぶさわ・じょーじ)
                / 男 / 26 / ギャンブラー 】


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■         ライター通信          ■
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・『東京怪談ウェブゲーム』へのご参加ありがとうございます。本依頼の担当ライター、高原恵です。
・高原は原則としてPCを名で表記するようにしています。
・各タイトルの後ろには英数字がついていますが、数字は時間軸の流れを、英字が同時間帯別場面を意味します。ですので、1から始まっていなかったり、途中の数字が飛んでいる場合もあります。
・なお、本依頼の文章は(オープニングを除き)全15場面で構成されています。他の参加者の方の文章に目を通す機会がありましたら、本依頼の全体像がより見えてくるかもしれません。
・今回の参加者一覧は整理番号順で固定しています。
・お待たせいたしました、『すいきょうさま』の完結編をお届けいたします。若干の謎を残しての終わり方となっていますが……『すいきょうさま』復活ということはないので、ご安心を。
・で、『すいきょうさま』の意味の解説を。皆さんのご推察通り、『水鏡』『酔狂』『水凶』『水狂』などの意味を含んでいました。まあ『すいきょうさま』本人だけを見ると、『水狂』が一番しっくりきそうなんですけれど。
・これは蛇足だったんで本文で触れるのを止めたのですが、条件に当てはまっていたはずの雫が無事だった理由を少し。実はですね……本当に偶然だったんですが、ほぼ同じタイミングで『すいきょうさま』のおまじないを唱えた少女が居た訳ですよ。そして『すいきょうさま』はそちらの少女の方に向かってしまい、結果的に雫は助かっていたと。ですから今回、雫を囮にすることも可能だったんです。
・今回は場所をまたがった連続の依頼だった訳ですが、この先も展開次第で場所をまたがる依頼が増えてゆくのではないかなと思います。皆さん、お疲れさまでした。
・七森沙耶さん、23度目のご参加ありがとうございます。本当によく頑張りましたね……という言葉しかないでしょうね、やっぱり。皆さんとは違った視点でのお話となっています。
・感想等ありましたら、お気軽にテラコン等よりお送りください。
・それでは、また別の依頼でお会いできることを願って。