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<東京怪談ウェブゲーム 草間興信所>


輪禍

【オープニング】

 叶えたい夢があった。
 目指していた夢があった。

 そのための努力もしていた。
 いつか、現実に、なるはずだった。

 だけど……。

 輪禍は、全てを、一瞬で、奪い去る。



 物凄く、寒い日だった。
 朝から、ちらちらと雪が降っていた。
 夕方を過ぎて、夜になっても、雪はなかなか止まなかった。暗い夜空に映える、真白い結晶が、冷たく全てを包み込む。東京では珍しいほどの、大雪。
 
 授業がはけた後も、俺は、学校の自習室に残って、勉強していた。
 俺の夢は、弁護士になること。同じく弁護士だった、死んだ父さんの跡を継ぐこと。今、父さんが経営していた事務所は、人手に渡ってしまっているけど……いつか、「笹村法律事務所」を、俺のこの手で、甦らせたい。
 だから、K大学の法学部に入るために、一生懸命、勉強している。俺は、やらなくても出来るような、そんな素晴らしい頭脳の持ち主ではない。夢を叶えるためには、地道に努力するしかなかった。
 K大学は、難関だ。でも、こつこつと、二年生の時から受験勉強を始めていたから、模試の成績は、夢物語では終わらないまでに、上がっていた。
 とりあえず七時まで勉強して、それから学校を出る。家には向かわない。次は、塾の大学受験コースに出席する。全部が終わるのは、夜の十時だ。眠い目をこすりながら、ようやくの、帰宅。
 地下鉄を降り、バスに揺られ、いつもの帰り路。目を瞑っていても、戻れる。それほど慣れた道だった。暗い空の下を、歩く。
 ここら辺は、夜になると、急に人通りが少なくなる。道が綺麗に整備されて広いだけに、一層、物寂しい雰囲気だ。少しでも暖を取るために、途中、自販機で温かいお茶を買う。それを飲みながら帰るのが、最近の日課になっていた。
 交差点の信号は、青。
 参考書が大量に入って重い鞄を背負い直して、横断歩道を、歩き始めた。
 
 その瞬間。

 いきなり真横から湧いて出た、黒い巨大な影。
 きーっと耳障りな音が、鼓膜を貫く。あまりに一瞬のことで、何が何だかわからなかった。凄まじい衝撃と、激痛。
 気が付くと、道路の真ん中に、放り出されていた。
 
 立ち上がろうとしたが、足が、ありえない方向に曲がっていて、出来なかった。
 ぬるぬると嫌な感触のものが、頭から流れ出しているのがわかる。


 車に轢かれたのだと自覚するのに、ものの五分も要しなかった。体が痛い。体が……冷たい。
 雪が降る。止んでくれないと、俺も白い幕に覆われてしまう。誰か助けを呼ばなければ、そう思うのに、やはり体は動かない。自分のものではないようだった。
 小さな白い無数の悪魔が、氷の祝福を投げかける。目を閉じる。眠ったら死ぬかもしれないと思ったが、死神は容赦なく俺の首筋に触れてくる。
 ふと、母さんの顔が、脳裏をよぎった。

 うちは母子家庭だ。
 父さんは、俺が十二歳の時に、死んだ。
 俺は一人っ子だった。母さんには、俺しかいないのに……。
 
 駄目かもしれない。
 そう思った。
 俺を轢いた車の運転手は、逃げてしまっていた。降りてきて、すぐに病院に連絡してくれれば、俺は助かったかもしれないのに。
 誰も来ない。圧倒的な暗闇と、静寂。

 雪が、雨に変わった。
 全てを洗い流す。俺を轢いた犯人が残した、少ない痕跡までも……。



 結局、俺は、五時間後にようやく病院に収容された。
 治療室に運ばれたとき、俺の心臓は既に止まっていて、もう手の施しようがなかった。
 間もなく、死亡診断書が、出された。

 犯人は……わからない。
 
 俺は、いわゆる幽霊という奴になって、未だに家に縛られている。
 母さんが、俺を思い出して泣くから、何処にも行けない。
 俺の部屋は片付けられもせずそのままで、食事はちゃんと二人分作られる。仏壇に花も線香も供えられているのに、母さんは、未だに、俺の死を認めない。
 
 五年だ。五年が、経とうとしている。
 五年は、死亡轢き逃げの、有効期間。一週間後の、十二月十六日。時効は、成立する。

 犯人は……まだ、捕まらない。

 俺は、逝けない。
 母さんは、終われない。





【初仕事】

「どうして私がこんなことを……」
 草間興信所、と看板の掲げられた小さな雑居ビルを前にして、新野サラは、本日三度目の溜息を吐いた。
 彼女の手に握られているのは、貴重な閉架書庫の貸し出し中リスト。
 本来、閉架書庫の本は持ち出しが禁止になっているものの、そこは蛇の道は蛇。借りる方法など、うんざりするほどたくさんある。
 草間、という探偵も、何やらおかしな知識友人を総動員して、まんまと本を持ち出したようだった。それだけでも腹立たしいのに、さらにはその後がよろしくない。
 三日で返すと言っていたのに、もうかれこれ一ヶ月も経つのである。あの本泥棒めと、ついつい淑女らしくなく、見えないところで鉄拳を握り締めてしまうサラなのだった。
「待っていて。古代魔術全集のお婆さん。あの探偵のもとから、必ず貴女を取り戻してみせます!」
 決意を胸に、扉を開ける。
 部屋の中には、書物の天敵、草間武彦と、高校生の女の子がいた。二人が同時にサラを見て、同時に何やら頷き合う。
「ああ、ちょうどいいところに来た」
 そう言って、草間が、ほれ、と、バインダーを手渡す。色々な種類の新聞の切抜きが、収められていた。同じ事件のようだ。死亡轢き逃げ事故……とある。
「あの……」
 未だ、自分の置かれている状況がわからないサラ。
 高校生の女の子が、にっこりと微笑みかけた。サラが目指している淑女を彷彿とさせる笑顔だった。
「私は、篠宮夜宵(しのみややよい)と申します。この事故の捜査を担当します。一緒に頑張りましょうね」
 一緒に??
 なぜ??
 サラの頭の中を、疑問符が飛び交う。
「私は、本を返してもらいに……」
「あと四人にも、応援を頼んである。ほら、座れよ。ええと……」
「あ……。私は、新野サラと申しますが……」
「よし。新野。初仕事だ。それがいきなり死亡轢き逃げの捜査ってのが、申し訳ないといえば、申し訳ないが」
「は、初仕事、ですか???」
 どうして、私が、興信所でアルバイトをしなければならないのだろう……。ますます疑問が募ってゆく。
 そのとき、不意に、玄関の呼び鈴が鳴った。
 草間が応対に出て、立っていたのは、大学生くらいの若い男だ。バイトに来ました、と、頭を下げる。草間は、その大学生バイト志願者と、サラの顔を、交互に見やった。
 頭をかく。
「あんた、バイトじゃなかったのか」
「私は、図書館の司書です。本を返してもらいに来たのですが」
「……しまった。間違えた」
 おいおい。
 だが、草間は、悪びれる風もなく、だったら改めてうちで調査員をしてみないかと、サラに持ちかけた。バイト目的で来た大学生の方は、返してしまった。
「よろしいのですか? 今お見えになった方が、本来の臨時雇用者なのでは……」
「あんたの方が、確実に数十倍は使えそうだからな」
 肩を竦め、マルボロを懐から取り出す。面白い探偵だ、と、サラの唇に、知らず笑みがこぼれた。
「死亡轢き逃げ事故捜査……ですね。私でよろしければ、ご協力しましょう」
 これが、新野サラと、草間探偵の出会いだった。







【調査員たち】

 日本在住の特別捜査官ウォルター・ランドルフは、親友ユーリ・コルニコフから、人気の無い交差点で起きた轢き逃げ事故のことを、聞かされた。
 交通事故捜査は、実は、ウォルターにとっては管轄外だった。彼が扱うのは、いわゆる強盗や殺人などといった凶悪事件であり、さらにはそこに超常現象がからむ霊障事件こそが、専門分野なのである。
「放っておけないよな。それは」
 だが、担当云々は、この際、関係ない。
 犯罪があれば、取り締まる。苦しんでいる人がいたら、助けてやる。彼は根っからの警察官だった。彼が動くのは、いつも、そういう理由からだ。つまらない損得勘定など、初めから無いし、働かない。
 とにかく行動力のあるウォルターは、この日も、自室にはいなかった。時々世話を焼いてやっている草間探偵のもとにいた。本職である刑事と、草間のボランティアと、既に八つも事件を抱える身だったが、面倒くさがる様子も無く、やる気満々で任せておけ!と豪快に笑った。
 こういうときの親友は、体力に底が無いのではないかと、ユーリはしみじみ感心してしまう。
「……新聞の年鑑を調べるとか、目撃者を探すとか、警察でなくても出来る仕事は、全部、俺がやる。だから、キッドには、警察の文書を調べて欲しいんだ。これは、残念ながら、キッドでなければ出来ないことだから」
 ユーリは、親友を、「キッド」と呼ぶ。これは単なる愛称ではなく、尊称でもあった。
 二十一歳の短い生涯を鮮やかに生き抜いた、西部の伝説のガンマン「ビリー・ザ・キッド」になぞらえているのだ。実際、そのガンマンの再来かと思われても仕方ないほどに、ウォルターの射撃の腕前は、神技に近いものがあった。
「ああ、いいぜ。んじゃ、今から行くか」
 と、ウォルターが早速立ち上がる。これには頼んだユーリの方が慌ててしまった。あまりに素早い。素早すぎる。
「……今からって。今は夜の十時だぞ!?」
「だからいいんだろ。昼間の署は人がウジャウジャいやがるけど、さすがに夜は静かになるからな。警察文書をこそこそ読むには、夜のほうが都合いいのさ」
「……こそこそって。なんで捜査官のお前がこそこそしなければならないんだ? いくら管轄外とはいっても、キッドは、広域特別捜査の権限を持っているんだろ?」
 ユーリが訝しげに首を捻る。確かに、俺にはコソコソする必要は無いけれど、と、ウォルターは笑った。
「そっちのお嬢さん方三人が、私も連れてけ!って顔してるからな。美人の願いは可能な限り叶えてやるのが、筋ってもんだろ?」
 ああ、また、親友の悪い癖が始まった。
 ユーリは密かに溜息を吐いた。米国人の親友は、根っからレディーファーストが身についてしまっており、女性には、親切に、丁寧に、常に敬愛を持って接するのが、当前となっているのだ。それは素晴らしい心掛けに違いないのだが、早い話、完全天然のタラシなのである。本人にその意識が皆無なあたり、厄介といえば厄介だ。
 美人、と言われた女たちは、まんざらでもない顔をした。まぁ、綺麗といわれて嬉しくない女性はいない。
「……ですが、さすがに、四人で行けば、目立ってしまう気がしますね」
 新野サラが、思慮深そうに、考え込む。理知的な雰囲気が、そのまま姿形に現れているような女性だった。モデルのように長身で、モデルのように美人で、そしてモデルより三十倍は頭の中身が詰まっていそうだ。
「私は、今回は、遠慮します。ランドルフさんたちが読んだ文書について、後で細かく教えてください」
 残る二人の女性たち、篠宮夜宵と村上涼が、思わず顔を見合わせた。
「私たちも、遠慮した方が良いのでしょうか」
「ランドルフ君にお任せする?」

 黙って話を聞いていた森村俊介が、初めて、口を開いた。
「いいえ。お二人は、付いて行った方が良いでしょう。警察の文書には事実しか書かれていませんが、それでも、読み手による受け取り方はまちまちです。一人よりも、三人が読むほうが、より確実です。だからこそ、ランドルフさんも、同行を許可したのだと思いますよ」
 そうでしょう?と、森村がウォルターを振り返る。捜査官は、聡い奴は嫌いではないね、と、頷いた。
「ステイツでも、日本でも、捜査は他人数で行う。基本中の基本だ。様々な視点、様々な思考、様々な判断、それら全てが一つになって、ようやく真実が見えてくる。独りよがりな捜査は事故と失敗の元だ。現実は、下手なドラマのようにはいかない」
 ウォルターは、行動力がありすぎて、逆にスタンドプレーが得意と思われがちな人物だが、一方で、協力することの重要さもちゃんと知っている。
 人間の個々の能力には限界があるのだ。その両腕に抱えきれないときには、素直に誰かに助力を請う。常に一番に考えるのは、被害者のことだった。一方的に、身体、精神、あるいは生命そのものに重大な損失を被った彼らのために、捜査官である彼がしてやれることは、極めて多い。
 
「ふーん。なるほど」
 村上涼が、それなら、と、全員を見回した。彼女は、全身から生き生きと活気が染み出している、太陽のような女性だ。裏表の無い、くるくると良く動く表情は、ただそこに在るだけで、目にする者に無条件に明るさをもたらす。
「だったらこうしない? 役割分担するの。私は、今回、警察の調書を読みにいく。証拠品を調べたり、目撃者を探したりなら、私にも出来るからね。でも、私は、はっきり言って、幽霊と会話とかは出来ないわけよ。そういう力は無いしね。だから、幽霊関係に強い人は、そっち担当! その代わり、足での捜査は任せて! 役に立ちそうな話、たくさん仕入れてくるから!」
「それでしたら」
 今度は、篠宮夜宵が口を開く。涼とは対照的に、彼女は闇から切り取った月のような印象だった。物静かで儚げにすら見えるのに、しっかりと、だがあくまでも淑やかに、自己だけは堅持する。
 彼女らが並んでいると、陰と陽が、程よく組み合わさっているような感覚だった。
「私は、森村さんやコルニコフさんと一緒に、霊視やそれに準じる事象を担当しますわ。お二人とも、かなり特殊な力を持っているようですし」
「それは心強いですね。闇の寵児にお手伝いいただけるのでしたら、事件は、間違いなく、何らかの進展を見せてくれるでしょう」
 森村の言葉に、夜宵が、はっと息を呑む。衝撃の中にもひどく冷徹な光を瞳に宿して、彼女はマジシャンと名乗る男を見つめた。が、森村は、相変わらず、謎めいた微笑を浮かべているばかりだった。
「……わかりますの?」
「わかることは、ほとんどありませんよ。ただ、貴女には、闇が似合うと思っただけです」
「……不思議な人、と、貴方、よく言われませんこと?」
「三度に一度の割合で、言われます。……貴女のほうが、よほど千里眼ですね」
 二人とも、どちらかと言えば「闇」に属するものたちなのだと、新野サラはふと思う。あけすけに本心を語らない。常にベールでその身を覆い、淑女紳士を求められれば、完璧なまでに演じてみせる。
「今回の依頼には、うってつけの人物なのかもしれませんね。五年もの間、闇の中に隠れ続け、逃げ続けている犯人を追い詰めるには」
 
「じゃあ、新野さんは、私と一緒に足での捜査担当ってことで!」
 サラが何か言う前に、村上涼が、宣言する。私もですか?と思わず目を丸くするサラを急きたてて、涼は立ち上がり、車のキーを取り出した。
「おっしゃ! 行くわよ! ランドルフ!」
 自分よりもせっかちな女を見たのは、初めてだ。勢いに押されるまま、ウォルターは、おう!と反射的に応じていた。そのまま、サラの腕を引っつかみ、外に連れ出す。
「あの、私、まだお二人と一緒に行くとは……」
 と、言いかけたサラの発言を封じるように、二人の行動派は、同時に振り返り、同時ににまっと笑った。笑顔は爽やかなくらいなのに、なぜか、怖い。
「もっちろん来てくれるよなぁ〜。ミス・新野?」
 来てくれるも何も、そもそも手を離す気は無いらしいウォルター。サラに選択の余地は無い。全然無い。
「一緒に行こう! それに、か弱い私を、こんな天然タラシと二人っきりにしたら危ないでしょ!?」
 いや。涼なら、間違いなく一人で撃退できるだろう。それに、基本的に紳士のウォルターがまさか彼女を襲うはずもない。むしろ、この上もなく頼もしいボディーガードである。
「わ、わかりました! 行きます! 行きますから、私を引きずって歩かないで下さい。ランドルフさん」
「お。悪いな。んじゃ、改めて」
 ウォルターが、今度は、冗談めかして恭しく腰を折る。強引なアメリカ人から、中世のイギリス紳士に早替わりしたようだ。日本人がやったら、ただ滑稽にしか見えないはずの動作も、彼の場合、実に様になる。純粋な白系民族の血のなせる業だろうか。
「協力してくれ。新野。死亡轢き逃げ、しかも犯人未検挙の捜査文書ってのは、気が遠くなるほど分厚いんだ。厚さ20センチのファイルが、最低三冊はあると思って間違いない! 協力者は多ければ多いほどいい!」
 思わず、ぐらりと、体が傾いてしまうサラ。
 もうすぐ深夜の11時を回ろうかという時に、厚さ20センチのファイルを三冊も読まなければならないのか。
 私は謹んで辞退をさせていただきます……と訴える彼女の声を掻き消して、村上涼の元気な叱咤が脳天を直撃した。
「ほらほらほら! 車まで駆け足! 行くわよ! しゅぱぁーつ!!」
 相変わらず、やっぱり元気な涼だった。





【警察文書】

 警察は余所者の介入を嫌う組織だが、ウォルターが「広域特別捜査官」の免状を提示すると、内心はともかく、外面は、愛想良く応じてくれた。
 ウォルターが事前に忠告したとおり、警察文書はとてつもなく分厚かった。
 当時の事故の状況、捜査線上に欠片でも浮かび上がった人々の供述、死亡した少年の身上に至るまでが、事細かに記されている。事実だけを淡々と述べた文章の中に、何かしらのヒントが無いか、三人は黙々と読み進めた。
 車両は、既に発見されていた。日本の交通捜査の技術は、やはり優秀だったのだ。だが、にもかかわらず、犯人は、依然として不明のままである。

 何故か?
 答えは、単純だった。

 少年を轢き殺した車両は、盗難車両だったのだ。盗まれてわずか数時間後、被害者が交番で被害届けを出しているその間に、あの忌まわしい事故が起きてしまっていたのである。
 盗難車両は、東京の片隅の高架下に、捨てられていた。犯人は、自らの痕跡を跡形もなく消し去るため、車に火を放っていた。
 爆発炎上した車からは、指紋の一つ、髪の毛の一本も採取できなかった。それどころか、その燃え尽きた車が本当に盗難車両かどうかを確認するだけで、二年もの月日を要したのである。
「嘘……」
 書類を読み進めていた三人の手が、ふと、止まった。
「ひどい」
 涼が呻き、サラがぎゅっときつく目を閉じた。ウォルターは、青い瞳に明らかな怒りの炎を湛えて、爪跡が付くほど拳を握り締めている。
「やりきれねぇな」

 少年の死因は、「凍死」だった。

 重傷のまま放置された五時間。出血と怪我で体力の低下した体を、冬の冷気が容赦なく包み込む。すぐに病院に運ばれていれば、間違いなく助かっている負傷程度だったのだ。

 だが、犯人は、逃げた。
 
 誰もいなくなった道路の上に横たわる少年の体の上に、雪が降り積もる。やがて雨に変わる。
 命が流れ出してゆく。薄れてゆく。消えてゆく。
 
 何もかもが、曖昧に……。





【過去視】

 翌日、ウォルターは、事件現場に行ってみた。
 警察の捜査は、完全に行き詰っていた。それは当然だろう。被疑車両が盗難車両であり、しかも爆発炎上して何も残っていないとあっては、そこから辿ることは不可能だ。
 この上は、捜査技能ではない、もう一つの「能力」に頼るしかない。
 残留思念を、採取する。その場に残された思いを拾うのだ。

 憎むべき犯人の、驚愕を。恐怖を。悔恨を。苦悩を。

 何かしらが残されているはずだ。轢き逃げ犯は、轢き逃げを起こす前までは、ごく普通の人間だった。人ひとりの命を奪っておいて、何も感じないはずがない。

「駄目だ……。遠い。何かは感じるのに……」

 五年の歳月が、邪魔をする。
 五年の間に蓄積された、別の関係のない思いが、古い思念を、上から塗り潰してしまう。

「補佐しますよ。余計な思念を、まずは排除しましょう」

 森村俊一の声がした。彼が何をしたのかは、よくわからない。ただ、確実に視界が開けてきた。音が聞こえた。雑音だらけの受信機が、急に調子を取り戻してきたかのように。
 映像はまだひどく曇っていたけれど、鮮明に、聴覚のみの世界が広がる。



「おまえが……おまえが、悪いんだ」
 震えながら、囁く声。
「だから、だから、俺は……」
 倒れた被害者に、同調していた。暗い夜空を背に、誰かが佇んでいる。墨絵のように、その姿は黒く沈んでいて、顔は見えない。だけど、泣いていることだけは、わかった。
 泣いている? どういうことだ?
 轢き殺しておいて、泣いている。肩を、声を、全身を戦慄かせて、泣いている。
 静かな慟哭。殺意の中にある、絶望。
「翔(かける)……翔……ごめん。ごめん。ごめん……」
 謝りながら、人影が身を翻す。
 それが誰か、確かめなければならないのに。追いかけなければならないのに。映像は、相変わらず、ひどく暗いままだった。
 何も見えない。闇が、全てを、濃く覆い尽くして……。



「眠りを導くもの。恐怖を導くもの。其は一つの闇。癒しの闇よ、贖いの闇よ、其を体現する闇の娘と共に在れ」

 上空から、降り注ぐ雪に混じって落ちてきたのは、闇の娘の言霊。篠宮夜宵が、闇を払う。私に従えと、命令する。全てを隠していた漆黒の帳が、逃げるように去ってゆく。闇は、決して、彼女には抗えない。
「ああ……」

 見えた。

 振り返った、泣き腫らした目の犯人。
 何度も何度も謝り続けていたその犯人は……少年だった。
 殺された少年と、同じ制服を身に着けた、少年だった。





【裏切り】

 犯人は、同じ学校の生徒。
 翔、と、親しげに名を呼ぶくらい、被害者と仲の良い人物。
 だが、それを聞く前に、村上涼と新野サラは、既に真実に近づきつつあった。涼が調べ上げてきた笹村親子の交友関係と、サラが目を付けた葬式の出席者の名簿が、ある一人の少年を、捜査線上に浮かび上がらせたのだ。

「宮原洋一。笹村翔の、幼馴染。親友」

 その大親友が、なぜか、笹村翔の葬式に出席していない。通夜にも顔を出していない。彼の死後、ただの一度も、笹村家を訪れていないのだ。笹村翔の母親が、たまには遊びに来てくれませんかと手紙を出しても、完全に無しのつぶてだった。ぶつりと、交友を断ってしまっている。
「ですが、親友でしょう? 幼馴染でしょう? なぜ? なぜ……」
 信じたくない、と、サラが幾度も疑問を投げかける。親友が、犯人。親友の、裏切り。
 かつて、彼女も、親友と信じていた人物に、手酷い裏切りを受けたことがある。その心の傷はあまりにも深く、あれから数年経った今でも、ささくれ立った茨の棘は、心臓に突き刺さったままだ。時々、息が詰まるような痛みを伴って、甦る……。
「翔くんの学校のほう、当たってみたんだけどね」
 涼が、いつもの陽気さからは考えられないほど打ち沈んだ声で、疑問に答える。彼女もまた、知らなければ良かった事実に、五年分も老け込んだような顔つきになっていた。
「五年前から、翔くんの高校、K大学の特別推薦制度が、始まったんだって」
 五年前の冬、突然決まった話だった。学校から、特に優秀な生徒を一人、奨学生として迎え入れるというものだ。
 高校側が選んだのは、笹村翔。父親が早くに亡くなり、何かと苦労してきた母子家庭の子供ながら、その学業の優秀さには目を見張るものがあった。剣道部の主将をつつがなく務め上げた事実も、高い評価に花を添えることになる。
 加えて、彼には夢があった。弁護士になりたいと、父親の跡を継ぎたいと、情熱を傾けられる夢があった。高校は、努力するものには好意的である。笹村翔以上にK大学に相応しい人物など、いなかったのだ。
「でも、笹村翔は、交通事故で亡くなった。高校が、彼に、推薦の話を切り出す、わずか二日前のことだった……」
 笹村がいなくなり、高校は、別の生徒を推薦せざるを得なくなった。そうして白羽の矢が立てられたのが、宮原洋一だったのだ。
「宮原家ってね、いわゆる司法一家で。父親が裁判官。兄貴二人が、検事。当然、末っ子の洋一も、司法の道に進まなければならなかった。でも、正直、洋一は、K大学に入るほどの頭は無かったみたいね。翔くんが死んでくれて、推薦が決まって、万々歳ってこと」
「死んでくれて?」
 サラが、鋭く問い返す。涼は弱々しく首を振った。
「訂正。翔くんは……」
「殺されたのですね。親友に」
 
 宮原洋一は、K大学の卒業生。
 志半ばで夢を断たれた笹村翔とは違い、何度でも、彼は司法試験を受けることが出来る。





【犯人】

 宮原洋一が、実は、コソコソと笹村翔の家に行っていたことを、庭の植物たちだけは、知っていた。
 天気の悪い人気のない夜に、ただ、部屋の明かりを確かめに行く。
 声をかけるわけでもなく。話をするためでもなく。
 その唇から洩れるのは、五年前から変わることのない、謝罪の言葉。

「ごめん。翔。ごめん……」
 
 推薦の話を聞いたとき、羨ましくて、気が狂いそうだった。
 また、父親や兄たちに何と言われるか、考えるだけで、全身が、おこりのように震えてくる。
「死ぬなんて、思わなかったんだ。この時期に、怪我をすれば、推薦の話が俺に来るかもって……魔が差してしまったんだ」
 イライラして、家にも帰りたくなくて、見知らぬ繁華街をうろついていた時、ふと、鍵のかかっていない車を見つけた。
 免許は持っていなかったが、動かし方は、何となく知っていた。助手席で覚えた、見よう見まねの技術で、車の操作に挑戦する。思ったより簡単だった。ゴーカートを乗り回しているような感覚だ。
 慣れてくると、不意に、翔の様子が気になった。
 まだ勉強しているのだろうか?
 やらなくても十分な成績なのに、それでもあいつは努力を止めない。どちらかと言えば地味で控えめな性格にもかかわらず、なぜか、周りには人が集まる。
 彼の父親もそうだった。そのおおらかな性分で、あらゆる人間の信頼を手に入れた。
 翔の母親もそうだ。彼女は、もともとは、洋一の父親の友人だった。その関係が恋人に発展する前に、翔の父親に盗られてしまったのだった。
「宮原は、笹村には、何一つ、勝てないんだ」
 死んだのは、笹村。生き残ったのは、宮原。
 だけど、五年前から何も変わることのない、この、圧倒的な、敗北感。

「……でも、お前のしたことは、絶対に許されることではない」

 気付くと、少し離れた道の上に、一人の青年が立っていた。
 長い薄茶の髪に、金の瞳の、外国人。すらりとした長身で、見栄えのする顔立ちだ。だが、いつも穏やかに微笑んでいるはずの双眸が、今は、獲物を狙う獣のように、うっすらと獰猛性すら帯びて見える。
 あくまでも柔和に造られた優しい顔立ちとの、そのギャップが、かえって、対峙する者に恐怖を与えずにはおかなかった。

「自首しろよ。御上にも、多少の慈悲はあるんだぜ?」

 逃げようと振り返った先にも、また、金髪碧眼の外国人がいる。テキサススタイルが目を引いた。映画の中から抜け出してきたみたいだ、と、場違いな感想が心に浮かぶ。こんな状況でなければ、ハリウッドの人ですかと、本気で聞いてしまっていたかもしれない。
「自首って……」
 動揺のあまり、声が掠れる。
 背中に汗をかきすぎて、それがおさまった時に感じた外気が、異様に冷たかった。

 宮原洋一は、だっと駆け出した。
 本気で逃げようと思ったのか、ただ恐ろしかったのか、自分でもわからない。あるいは、逃げ癖が付いてしまっていたのかもしれない。
 彼はいつも逃げ出したかった。父親の拘束から。母親の顕示欲から。兄たちの影から。自分自身の罪から。
 いつだって、自由になりたいと、ただ、それだけを、願ってきたのだ……。
「そうやって、あんたは、いつもいつも逃げ出すから、中途半端なままなのよ!」
 村上涼が、走る彼の横から、足を出した。見事なまでに引っかかり、派手に転んだ。立ち上がろうとしたコートの裾を、すかさず新野サラが踏み付ける。
「見苦しい真似は、止めてください。私を本気で怒らせる前に。今ならまだ、貴方のような人間にでも、多少は慈悲を持って接することが可能です。これ以上逃げるというのなら、その限りではありませんが」
 涼が、倒れた男に歩み寄った。不公平だな、と、思う。
 五年分の歳月は、少年を青年に成長させていた。翔の時間は奪われてしまったのに、それを取り上げた犯人には、もっと、ずっと、先まで未来が約束されているのだ。
 これが、生ある世界の、鉄則。
「やめなさいよ。もう、逃げるのは。疲れているんでしょ? この五年間、まともに眠れないくらい、いつもいつも、怯えていたんでしょ?」

 惨めに転倒した格好のまま、轢き逃げ犯は、彼を取り囲む四つの人影を見上げた。

 ああ、これで、終われるのだ。

 心にあったのは、安堵感。
 そして、死なせてしまった友人への、哀愁。

「憎かったの?」
 涼が聞く。
「親友なのに、憎かったの? たかが大学の推薦と天秤にかけて殺せるほどの、そんな価値しかなかったの? キミにとっての親友って」

「……この五年間、ちゃんと満足できたのか? 自分の友人を踏み台にして得られた、張子の名誉は、何かを与えてくれたのか?」
 ユーリの声が、犯罪者の頭の上に、降ってくる。
 惨めな敗者への同情が、その口調の端々に、滲み出ていた。

「構いませんよ。逃げても。その時点で、宮原さんは、自らが人間であるという事実を、放棄することになりますが。自分の犯した罪の責任も取れないような人間は、もはや人とは呼べません。私たちは、強要はしません。選んでください。一つくらい、自分の意思で」
 それくらい、出来るでしょう?
 むしろ優しげに、サラが尋ねる。
「それとも、断崖絶壁への道を、指し示して欲しいのですか?」

「やり直したいのなら、協力はしてやる。言っておくが、お前のためじゃない。お前に殺された笹村翔が、それでも、お前を助けてくれって言うから、チャンスを与えてやるんだ。忘れるなよ。これ以上……絶対に、間違えるなよ」
 ウォルターが、警察手帳の中から、小さなメモ用紙を引っ張り出す。
 この事件の管轄警察署の住所と電話番号が、白い紙面に書かれていた。
「警察は、二十四時間、開いている。行きたきゃ行きな。自分で……決めるんだ」





 翌朝、ひっそりと、新聞の社会欄に、ある記事が掲載された。
「時効間際! 轢き逃げ犯、自首!」
 




【闇より来たりて】

「お母様には、優しい夢を、見せてあげましょう。それが、生きる力を、少しでも、与えてくれるように」
「母子が、語らう時間を、作りましょう。最後の言葉が、そのまま、生の源になるように」

 事件が解決を見たその夜に、被害者宅の前にたたずむ、二つの人影。
 闇の娘と、魔術師の青年。
 闇が似合うと言われた二人が、お互いに、肯き合う。
 篠宮夜宵が、祈るように、願うように、朧月の輝く空に、手を差し伸べた。

「眠りを導くもの。恐怖を導くもの。其は一つの闇。癒しの闇よ、贖いの闇よ、其を体現する闇の娘と共に在れ」
 森村が、彼女の言霊を、引き継いだ。
「我が求めしは、鎮めの闇。退廃の王よ、破滅の主よ。汝が娘の望みのままに、今は疾く去れ。安らぎを司る女神よ、癒しの母よ。汝が娘の呼び声に、耳を傾けよ」
 
 夜の静寂に吸い込まれて消える、声。
 篠宮夜宵が、傍らに立つ青年を振り返った。
「あなたも、闇を従えることが出来ますの?」
「いいえ」

 森村は、やんわりと、だがきっぱりと否定する。
「僕に、そんな力はありません」
「ですが、今、あなたから、確かに闇の力を感じましたわ」
「それは、篠宮さんご自身の力です。僕はマジシャンです。マジックには、コピーという技もあるのですよ。自らを鏡に見立て、同じものを作り出す」
「私の、力の……コピー」
「気を悪くされたら、申し訳ありません。ただ、今この場において、癒しの闇以上に相応しい力が、思いつかなかったものですから」

 いいえ、むしろ、光栄ですわ。

 そう言って、嫣然と、篠宮夜宵が微笑む。
「私の力、役に立つでしょうか。残されたお母様の、少しでも、力に……」
「その答えは、近いうちに、出るでしょう」

 森村が歩き始める。
 魔術師の背中を、夜宵も追いかけた。闇が、背後から、二人を守るように包み込む……。





【光あるうちに】

 一人きりで暮らすには明らかに大きすぎる家を、後日、四人の客が訪れた。
 笹村婦人は、奇妙な取り合わせに、目を白黒させっぱなしだ。
 外国人二人は、高校三年で逝った息子の友人には、とても見えない。
 長身の知的な女性は、担任にしては若すぎるし、だからといって、先輩という雰囲気でもない。
 唯一、村上涼だけが、いかにも息子の高校時代の同級生といった風情だった。
 こんな可愛い恋人を、もし生きていてさえくれれば、あるいは連れて来てくれたかもしれないのだ。そう思うと、諦めきれない思いが、自然と涙になって溢れ出す。
「すみませんね……。せっかく、来ていただいたのに」
 笹村婦人に案内された仏間で、時の止まってしまった翔の写真が、四人を出迎えた。翔自身の気配はない。
 犯人が捕まり、ようやく、本当の意味で逝くことが出来たのだろう。少年は、既に家を離れていた。ここには、母親しかいない。
 ふと、テーブルの上に、養護施設のパンフレットが乗っていることに気が付いた。客人の視線を受けて、母親が、照れくさそうに説明する。
「事故や病気で、親御さんを亡くした子供たちの、養護施設なんです。私、ここで、働くことにしたんですよ」

 息子に、怒られてしまいまして。

 母親が、笑った。
 笑うことが出来るほどに、何かが、彼女の心を癒していた。
「夢の中で、翔に、会ったんです。五年ぶりに話しました。たくさん、話しました。夢みたいな未来も、翔が、見せてくれました。翔と、主人が、向こうで、待っていてくれるんです。私が、年を取って、いつか向こうに行ったら……そしたら、また、三人で暮らすんです。今度こそ、ずっと……」
「夢じゃないですよ」
 ねぇ、と、村上涼が皆を振り返る。サラが、それは来世の現実かもしれないですねと、答えた。
「翔の後を追おうかと、何度思ったか知れません。それが出来なかったのは、轢き逃げ犯が、捕まっていなかったから。犯人がわかったら、本当は、私も死ぬつもりでした。でも……」

 出来ませんね。

 母親が、呟く。
 向こうで待っていてくれる息子のために、情けない真似は出来ない。
 絶対に生きてやる。どんなに辛くても、孤独でも、生き抜いて。生きて、生きて、生きて……やがて迎えが来たときに、堂々と胸を張って、家族に会いに行けるように。
「あの子の最後の願いを、私は、母親として、叶えてやらなければなりませんから」



「母さん。頑張って。それから……先に逝って、ごめんな」





【輪禍】

 叶えたい夢があった。
 目指していた夢があった。

 そのための努力もしていた。
 いつか、現実に、なるはずだった。

 だけど……。

 輪禍は、全てを、一瞬で、奪い去る。



 あの子は、私の誇りでした。
 あの子が、私の生き甲斐でした。

 共に暮らす時間は、かけがえのない宝でした。
 それ以外に望むものなど、無かったのです。

 だけど……。

 輪禍は、全てを、一瞬で、奪い去る。





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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

【381 / 村上・涼 / 女性 / 22 / 学生】
【1005 / 篠宮夜宵 / 女性 / 17 / 高校生】
【1955 / ユーリ・コルニコフ / 男性 / 24 / スタントマン】
【1956 / ウォルター・ランドルフ / 男性 / 24 / 捜査官】
【2104 / 森村・俊介 / 男性 / 23 / マジシャン】
【2142 / 新野・サラ / 女性 / 28 / 司書】

並び順は、整理番号によります。
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■         ライター通信          ■
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はじめまして。篠宮夜宵さま、ユーリ・コルニコフさま、ウォルター・ランドルフさま、新野サラさま。
そして、二度目の参加、ありがとうございます。村上涼さま、森村俊介さま。

今回の話は……長いです。ありえないくらい長いです。
もっとコンパクトに纏められなかったのか、自分。
新人ライターなので、お目こぼしを……もらえるハズがありませんね。精進します。はい。

腕は未熟ですが、お一人お一人、大切に書かせていただきました。
また、今回は完全全員参加型なので、随所にキャラ同士の会話が出てきます。
少しでも楽しんでいただけると、ライターとして嬉しいです。

親友同士、恋人同士、腐れ縁同士、など、特別な関係にあるPCさんが同時お申し込みをされた場合は、よろしければ、プレイングにその旨をお書きください。
二人きりの登場シーンを増やす、シチュノベ(ツイン)に近い形式にするなど、こちらも工夫してみます。

サラ様。
初参加、ありがとうございます。
今回は、草間探偵との出会いから書かせていただきました。これから調査員として扱き使われることでしょう……超低額で。
そして、うちの草間探偵は、本の天敵です。要注意??
今回は、奇しくも「親友の裏切り」という話が出てきますので、そちらとも絡めて、もっとサラ様を踏み込んで描写したかったです。
設定と違うことを書いてしまいそうなので、自重しました。(笑)
それでは、今回はありがとうございました。