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<東京怪談ウェブゲーム アトラス編集部>


神の膝元【ブレイカー】


■序■

 リチャード・レイの毎度の要請に応えて、月刊アトラス編集部の応接間に行った者を出迎えたのは――灰色のイギリス人ではなかった。黒ずくめのフランス人と白いアメリカ人だった。
 フランス訛りの英語を話す男は、ケイオー・ピトフ。
 スラングまみれの英語を話す男は、ブラック・ボックス。
 イギリスの結社A.C.S.の幹部ふたりだ。
「レイは、クサマとやらの興信所に行っている。別の問題も発生してな。あの男はそっちを何とかしたいらしい。……ここに来たと言うことは、荒事を頼まれてくれるんだな? レイからはそう聞いているぞ」
 ケイオーの言葉は相変わらず、聞き取りにくいフランス訛りだった。
「ブリチェスターって町ァ知ってるか? シュブ何とかってェクソ女神様がいらっしゃるトコだ。『キングダム』っつうイカレたグループの本拠地になってる。タコ女神がいるせいでこっちは手ェ出せなかったが、どうも、月の光が届かない夜はあのバカ女神がいなくなるっぽい。オレたちはあのクソッタレな女神様がいないうちに、洗濯をしてェのさ」
 ボックスの言葉は相変わらず、fuckとshitにまみれていた。

 イギリスは、かねてから悪名高いブリチェスター。
 A.C.S.が動いていて、世界からはすでに隔離されている。何でも、IO2から助太刀の話まで来ているそうだが、A.C.S.の総裁はそれを断ったそうだ。
「ニッポンの協力者の力があれば充分だ、とな」
 ケイオーは肩をすくめ、
「手伝ってくれるか? 人を殺すことになりそうなんだがよ」
 ボックスはぼそぼそと言うのだ。照れた若者のような態度で。

 ブリチェスターには、女神の化身を喚ぶための装置がある。もとより化身を喚ぶためのもので、女神そのものを喚び続けるには力不足だ。不安定な力は月の光に左右されている。明後日は新月、月の光が力を失う夜だ。
 月の光が届かない新月に、この装置を解体する。
 報酬は出す。
 この世を救いたい。
 A.C.S.は、そう言っているのだった。


■枕木

 『スタンド・バイ・ミー』よろしく、ざくざくと線路を辿って歩く影がある。
 4人だ。
 夜鷹も黙る新月のよるに、4人は最終電車が端から通らない路線を辿っている。
 ササキビ・クミノ、武田一馬、九尾桐伯、それと――ブラック・ボックス。

 ケンブリッジ行きの列車は何本もあって、そのうちの1本が、ブリチェスター経由だった。しかし、『ムーンレンズ』の存在が確認され、月光を浴びて女神が瞬くようになってからは、この周辺で土砂崩れが起き、線路は封鎖されていることになっている。ブリチェスターから伸びる一般道3本も、似たような理由で封鎖されていた。A.C.S.が、この陰気な町を外界から隔離したのだ。
 世界から切り離されても、ブリチェスターの民は何一つ不自由していないと見えた。
「それにしても、大味な隔離の仕方ね。『彼ら』でももっとスマートにやるわ」
 リボンを結び直しながら毒づくのは、ササキビ・クミノ。
「大味でも問題ないのでしょう。中にあるものが大騒ぎしないのであれば、黒い布をかけるだけでも人の目からは隠せます」
 フォローしているのかクミノに便乗しているのか、九尾桐伯。
「黒い布かけられても怒り出さないなんて、やっぱりまともじゃないのかなあ」
 ぼろぼろの迷彩服姿の武田一馬は、暗い顔で口を尖らせる。
「真正面から行こうとしてる俺たちもまともじゃねェがよ」
 ブラック・ボックスは、片腕で不器用に煙草に火をつけた。



「二手に分かれる? 何の為に」
 出発前、月刊アトラス編集部、応接間。
 隣では三下がいつも通りに駆けずり回り、碇麗香がいつも通りに没原稿をシュレッダーにかけている。鳴り響く電話のコール音。談笑と会話。取り上げている話題はぞっとしないものが多いのだが、和気藹々としている。
 その隣の応接間では、こうして殺し合いの相談をしているのだ。
 ブリチェスターの地図を眺めていた九尾桐伯が、線路側から行く班と、一般道から行く班に分かれることを提案した。ブラック・ボックスはつまらなさそうにジッポーをいじっているだけだったが、ケイオー・ピトフは難色を示した。
「どちらかが堂々と中に入って大暴れし、どちらかがその場をなるべく動かずに頑張って、退路を確保しておくのですよ」
「町の外に繋がっている道は、線路も入れると4本だ」
「あとの2本を封鎖する程度の人数、そちらで出していただけませんか」
 天樹昴は、桐伯の考えに賛同していた。初めて往くことになるブリチェスターの資料に目を通しながら、彼は事も無げにA.C.S.に期待してみせる。
「まさか生き残りはリチャード・レイとあなたたちだけ、ってことはないでしょうね?」
 横合いから冷めた(しかもある意味で笑えない)突っ込みを入れたササキビ・クミノ。彼女は昴が読み終えた資料を回してもらって読んでいた。あまり彼女はその内容に興味がなかった。正面から突っ込んでも、何とかなるメンバーだと踏んでいたからだ。
 二手に分かれようが、全員が火の玉となって一気に突っ込むか、それは彼女にとってどちらでも良いこと。そう思っているのはクミノだけではなく、応接間の片隅で一行とは一線を置いている田中緋玻もそうなのだ。彼女は何も言わず、また資料には目もくれていなかった。呪われた町など、核なり鬼火なりを飛ばしてさっさと滅ぼしてしまえばいい。
「道の2本程度なら塞げる人数はある。おまえたちがそう言うのなら、総裁に相談してみよう」
「あいつ携帯持ってねェだろ。連絡つかなかったらどうすんだ」
「私の独断で動かして、あとで説明する」
「最初ッからそうしろよ」
「踏むべき手順というものがある。世間知らずは黙れ」
「要領悪ィな、このクソ野郎!」
「ま、まあまあまあまあ」
 こうして激昂したブラック・ボックスを諌めるのは、きまって武田一馬の役目だった。ボックスが離せちくしょうと喚く中、一馬は暗い顔をケイオーに向けた。
「あの、これって甘いかもしんないスけど、……なるべく人を殺さないほうがいいんじゃないスかね? 探してみたら、そういう道もあるんじゃないかって、オレは思います」
 応接間備えつけの電話に向かっていたケイオーが、顔を上げた。
 彼は少し意地悪な笑顔になった。
「おまえは政治家になれ。いい国を作れるだろう」

 緋玻が、だまって顔を上げた。
 鈴の音を聞いたのは、彼女と、桐伯だけであった。桐伯は何も聞かなかった素振りを見せている。だが事情を知らない緋玻は、そんなふりが出来なかった。
 鈴の音。
 神の息吹。
 てん、てん、てん……。
 すべては聞いたぞ、心得た――そう言いたいらしい。
 緋玻は、自分の足元に転がってきたはずの手鞠を拾い上げようとした。だが、瞬きをしたあとに消えてしまっていた。鈴の音は聞こえる。
「……誰だか知らないけど、手伝ってはくれるのね」
 緋玻の囁きを聞いた者はいなかった。
 ちりん、
 今度こそその鈴の音は確かに聞こえて、全員がぴくりと顔を上げたのだった。



 月は、出ているのだろうか、見ているのだろうか。
 低い雲が空を覆いはじめていて、星の光も頼りないものになってきた。
 一馬が、ぼろぼろの暗視ゴーグルをどこからともなく取り出した。クミノもまた、どこからともなく人数分のナイトクーガーを取り出した。
「そんなもん、いらねェだろ」
 ぴぃん、
 ボックスがジッポーの蓋を開けた。
「すぐに明るくなる」
 暗闇の中に浮かび上がった黒色の影は、ブリチェスター駅のものであるらしい。
 空には、何もいなかった。


■馬鹿ども死すべし

 ブリチェスター駅が、燃え上がった。
 確かに、暗視ゴーグルは必要なかった。強いて言えば、ボックスのジッポーも必要なかった。桐伯の赤い一瞥が、古いプラットホームに火をつけたのだ。
 ボックスの金の瞳に睨まれて、炎が焦り、法則を無視した勢いで燃え広がった。ものの10秒と経たないうちに、駅は完全に炎に包まれた。
「どこまで頭が悪いの? 私たちはどこから町に入ったらいいのよ」
「転ばないように俺についてくりゃいいんだよ」
 ボックスが進むと、炎がさっと道を開けた。
 桐伯が苦笑した。
「なるほど、『焔の首領』、刃向かう部下はいませんか」
「ちょっと派手なやり方だと思うんスけど」
「なに、残らず燃やし尽くしてしまうのが吉です。そうでしょう、ボックスさん」
 桐伯はボックスに英語で呼びかけた。いつも日本語で話しかけられていたボックスは、それが意外だったために、さっと振り向いた。しかも、桐伯が紡ぐ英語は、鈴を転がすような正しい発音で――
「害虫には勿体無いくらいですよ。炎はすべてを浄化する、聖なるものであるのですから」
 気を利かせたように、ところどころにスラングが混じっていたのだ。

 燃えている。
 人が。
 クミノは興味がなかった。すぐに目をそらした。リボンの端や、コートの裾が燃えやしないか、それが心配だった。
 放っておけなかったのは、一馬だけだ。燃えている人間を、思わず助けようとした。ぼろぼろの消火器を、地獄から呼びつけたほどだ。彼の親切心は本物だった。
 だが――彼は、すぐに消火器を引っ込めた。
 燃え盛る人間の腕は、人間の腕ではなかった。すでに肉が焦げ落ちてしまったかのように筋張っていて、ふたつに裂けているようにも見えた。裂けていたのだ。肘から下は、腕ではなく、鉤爪になっていた。
「ばぅわぁあああぁア! 出ていけ! 出て行けえううううウ!」
 燃えながらも、男は敵意を露わにした。一馬はたまらず一歩後ずさった。姿かたちは人間ではなかったが、放つ臭気は、肉と髪が焦げるたまらない悪臭だったのだ。
 4人が駅に向かってきていることはすでに知っていたのか――
 よく見ると、多くの者が駅とともに燃えている。
 どさりばたりと倒れ伏し、また燃えながら襲ってくる者たちは、皆一様に身体がひどく変形していた。まるで一度溶かされ、頭のおかしい芸術家がつくった鋳型に注ぎ込まれたかのような姿だった。鉤爪を備え、顔は捻じ曲がっていて、歯が額に並んでいる者さえいる始末だ。
 燃える男のひとりが、クミノに突進してきた。クミノは避けもしなかった。大人しく体当たりを受け止めて、次の瞬間には44マグナムを発砲していた。燃えていた男が四散した。
「ササキビさん――大丈夫ですか?」
「ええ。脆いものよ」
「相手してちゃキリねェ。走るぞ。カズマ、おめェなに消火器なんか持ってんだ!」
「いやあの……」
「武田さん、彼らは森の黒山羊に祝福されたものたちです。……日本で、村をひとつ滅ぼしてくれた、あの黒山羊ですよ」
 桐伯は一馬の目を覗きこんだ。
 一馬は――消火器を捨てた。消火器は、ずぶずぶと溶けて、地獄に帰っていった。

「『ムーンレンズ』?」
 ブリチェスターを貫く河があり、その河川敷の公園には、かの女神の化身を呼ぶ装置がある。そこに辿りつくまでに、一体どれほどの敬虔な信者を灼けばいいのか、まったくもって想像がつかなかった。町は蟷螂の卵嚢をつついたかのような大騒ぎになっていた。
「それだけを壊したところで何になるのよ。この火の回りじゃ、どうせ焼け野原だろうけど」
 クミノは冷静だ。炎が、彼女の冷徹な顔を照らし出す。空すらも燃えているようだった。
桐伯が生み出した炎は、ボックスの無言の命令で家々を舐め尽くし、群れから千切れ飛んで、新たな犠牲者に燃え移った。一馬はすでに消火器を捨てて壊れた(ようにしか見えない)G3を手にしていたが、これまで一度も引鉄を引いていなかった。クミノは落ち着いて火から離れ、堂々と信者の爪の一撃や体当たりを食らっては(食らってはいるのたが、彼女はよろめきもしなかったし、怪我一つしていなかった)、因果応報とばかりに銃弾やナイフをお見舞いしていた。
「本当に、やり方が大雑把ね。優雅さが感じられないわ。私、買いかぶっていたかしら」
「やってるのが俺だからな。俺ってエレガントか?」
「つまらない冗談」
 容赦のないやり口には、クミノが嫌うある組織の面影があった。だがきっと、ボックスが言っている通り、今ここにいるのがボックスだからいけないのだ。A.C.S.にもきっと、優雅なやり方で戦局を動かす者もいるはずだ――
「見えました! あれですね」
 桐伯が――
 河川敷を指差し――
 装置『ムーンレンズ』の姿を、優雅な動きの男が遮った。


■器の男

「ブリチェスターへようこそ、日本の方々」
 それこそが、クミノの求めていた優雅さなのかもしれない。いきなり火をつける素振りも見せない。
 炎と『ムーンレンズ』を背景に、濃灰のスーツを着た紳士が立っている。一馬が思わず、その男に銃口を向けた。男は「おっと」と呟くと、素直に両手を上げた。
「撃たれる前に、燃やされる前に――自己紹介など、させてはくれないかな」
「フロンサック・リトル総裁ですね」
 桐伯はにこりともせずに、紳士の自己紹介を遮って、目礼した。
「総裁? あなたが『キングダム』の? ……もっとひどい顔だと思ってたわ」
「でも、普通が一番怖いよ、ササキビさん」
「大丈夫、充分普通じゃないから」
 クミノが言ったことは正しかった。一馬は改めて紳士の顔を見て、……思わずぞくりと肩をすくめた。紳士の顔は空白のようで、仮面のようで、おおよそ感情らしいものをとらえることが出来なかったのだ。まるで空っぽだった。
「C4を一度使ってみたかったのです」
 桐伯がベストのボタンを外して、中を見せた。A.C.S.が、桐伯の要請通りに用意してくれたプラスチック爆弾が、紳士の視界に入ったはずだ。
「道を開けていただけますか」
「きみたちの仲間が死にかけているよ」
 にこやかに、紳士は言った。
「だが、こちら側は大勢死んだ」

 『ムーンレンズ』は、奇妙な装置だった。有体に言えば、パラボラアンテナだ。金属ポールが剥き出しの塔の戴きに、アンテナの代わりに凸レンズがついている。凸レンズは、鏡に囲まれていた。かなり古いもののようで、あちこち錆びついていたが、しっかりと河川敷に固定され、熱を含んだ風に揺らぎもしないのだ。

「きみたちが『ムーンレンズ』を今壊しても、手遅れなのだよ。人間たちの生みの親が目覚める。理不尽な星の怒りに縛られていた、気の毒な神だ。信者を大勢殺されて、機嫌を悪くしているよ。『ムーンレンズ』は壊すといい。きみたちには、他に護るものがたくさんあるはずだがね」
「イカレてんな。話に聞いた以上にヤバいぞ、おまえ。お言葉に甘えさせてもらわァ!」
「待って」
「ちょい待ち!」
「お待ちください」
 大変な鼻息で一歩前に踏み出したボックスの左腕を、同時に3人ががっしと掴んだ。
「なにすんだ痛ェな、もうこっちしか腕残ってねェのに、引っこ抜けたらどうしてくれんだよ」
「……ミスター・リトル、地の女神も、水神も、風神も、火神も……あなたにとっては、礎だったのですね」
 ボックスの怒りを遮って、桐伯が紳士に尋ねた。
 紳士は――
 虚ろな顔に、狂気の笑みを浮かべた。


 銃声、

 フロンサック・リトルが倒れた。
 一馬が、呆然とライフルを取り落とした。
 あの笑みを見た瞬間に、一馬の正気が一瞬、恐怖で飛んだ。ここで撃たなければ、取り返しのつかないことになる――そう、思わせる笑顔だった。
「……よく暴発しなかったわね、こんな銃」
「……」
「仕事だ」
 桐伯は何も言わずに『ムーンレンズ』に歩み寄り、ボックスが一馬の手を引いた。自首した殺人犯のように、一馬は成す術もなく引っ張られ、歩いた。


 『ムーンレンズ』は容易く崩壊した。
 爆発音が、ブリチェスターを引き裂いた。
 フロンサック・リトルの身体が、炎に包まれていく。
 あとは、日本から来た仲間が封鎖している道を通って、この町を出るだけだ――
 それで、終わるのだ。この町は、もうおしまいだから。
 炎はすでに、町全てを覆い尽くそうとしていた。

「これで少しはほっと出来るのかな――」
「どうかしら。私たちは踊らされているだけなのよ。レイも含めてね」


■偉大なるもの、


来たる■


 見てはいけないものを見た。
 あれは何であったろう。
 湖水を滴らせながら飛来してきた、巨大なのか人間大なのかも定かではない存在。確かなのは、髪か髭かはたまた触手か、そういった類の何か長細いものが、感情持つ蚯蚓のようにのたうっていたことだ。黒のようで赤であり、透明であって、光を通さない。
 それが、フロンサック・リトルの身体の炎を消した。
 見てはいけないものだった。4人とも、その全てを見たわけではなかった。
 その髭/触手/髪のひとすじを見たときに、1分ほど意識を失ったからだ。

 火が消え、町のあちこちから笑い声と呻き声が聞こえ始めた。
 見てはいけないものは――瘴気を放ちながら、にじり寄り、ひょうひょうと揺らぐ水笛のような声で言うのだ。
≪信じるか? 拒むか? 吾は、50数えよう。その間に祈るがいい。吾はすべてを消し去り、始めからやり直す。あの古、そう、つい先ほどのこと、おまえたちを祝福したあの刹那の前こそが、始まりであった≫
 ひょう、ひょう、ひょうひょうひょうひょう――
≪ひとつ≫

≪ふたつ≫

 ……。


■封鎖終了

「『偉大なるもの』だよ」
 現場に駆けつけたA.C.S.総裁は、溜息まじりに話した。
「『キングダム』が本当に信仰していた神――どこに封じられているかは、我々も把握していなかったんだ。近くだろうとは思っていたけれどね」
「……無事目覚めたわけだけれど、どうなるの?」
「消えるのさ」
 紳士は、閉じた傘を弄んだ。
「人間たちが何もしないで、ただ手をこまねいていればね」

 ――星はとまり、その日から、確実に消え始めた。
 脳裏に浮かぶは、ロバート・ブロックのことば――
『時が止まった。
 死が、死にたえた。




<了>


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   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)
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【0332/九尾・桐伯/男/27/バーテンダー】
【1166/ササキビ・クミノ/女/13/殺し屋じゃない、殺し屋では断じてない】
【1559/武田・一馬/男/20/大学生】
【1943/九耀・魅咲/女/999/小学生(ミサキ神?)】
【2093/天樹・昴/男/21/大学生&喫茶店店長】
【2240/田中・緋玻/女/900/翻訳家】

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               ライター通信
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 モロクっちです。お待たせ致しました。『神の膝元【ブレイカー】』をお届けします。【ブレイカー】は2本に分割してあります。実はケイオーは見せ場もなく死ぬ予定でしたが(笑)、PCさんのプレイングのおかげで助かっています。
 さて、大変なものが目覚めてしまいましたが、もちろんこの展開はモロクっちのクトゥルフ大イベントでのみの出来事となります。気にせず、年越しそばを食べ、お正月を過ごして下さい(笑)。ちなみに『偉大なるもの』はモロクっちオリジナルのカミサマです。
 また、『ムーンレンズ』爆破によりブリチェスターは解放……というか焼け野原で、『キングダム』は総裁の生死も確認された今、無事崩壊していると言ってよいでしょう。構成員も全員地獄に突き落とされました(……)。残った問題はやぶれかぶれとばかりに呼び出されたカミサマです。
 お時間があれば、興信所側のノベルや、もう片方の【ブレイカー】にも目を通して下さると幸いです。
 それでは、また!