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温泉だよ！クイズでドボン！＝如月縁樹・たまにはこんな旅＝
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スタンプの台紙を手に、同時にスタートする参加者達。
縁樹もノイを肩に乗せて部屋を出た。
ちなみに、ノイにもちゃんと専用の浴衣が用意されていてちゃんと着ているのだからかわいい。
「さあ…まわる順番はどうする？ノイ？」
『順番に”子”から行けばいいんじゃない？』
「そうよね。わかりやすいし…」
ノーヒントだと厳しいという事で、由紀から式霊の居場所のヒントを一つだけなら得られるとの事で、
縁樹は子の式霊の居場所のヒントを貰い、早速そこへと向かう事にした。
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『お早いですね…』
子々（ねね）は比較的わかりやすい場所、憩いの部屋と言う卓球台やら雑誌やらが置いてある部屋に座っていた。
和室の座布団に座っている姿を見るとまるで座敷童のように見える。
「こんにちわ！えっと、はじめまして…宜しくお願いします」
『新堂様の御友人の方でしたね？こちらこそ宜しくお願い致します…では、問題です…
鼠をモチーフにしたキャラクターで、”黄色”や”電気”と言えば何でしょう？』
問題は別の誰かが考えたのか、子々は手に持ったメモを読みながら言う。
「えっと…黄色い電気のネズミと言えば…ピカチュウ！」
『正解です』
やんわりと微笑んで、子々は着物の袖からスタンプを取り出して琉人のスタンプ台紙にポン、と判を押す。
しっかりと”子”の文字が一番最初のマスに記載された。
『正解者には一つ、式霊の居場所のヒントをお教え致します…次に向かいたい式は…』
「えっと、子の次は…丑ですっけ？その”丑”さんでお願いします！」
※
『おい、縁樹！行き過ぎ行き過ぎ！あそこだろあそこ！』
「あ！ホントだ！…あのっ、こんにちわ！よろしくお願いします」
丑の式霊、憂志（ゆうし）は蓬莱館の中庭でサッカーボールを転がしながら待っていた。
『如月さんだっけ？俺の問題は簡単だと思うぜ？じゃあ問題な。
テレビ見てたらわかると思う…ウシとカエルのコンビのお笑い芸人の名前は？』
「わかります！答えは…」
『パペットマペット』
縁樹が答えるより先に、ノイがすかさず答えた。
『……正解』
憂志は少し驚いた顔をするものの、クールに笑いながらスタンプを押した。”丑”の文字が二番目のマスに押される。
『次はどこに行く？一箇所だけヒント言えるけど』
※
『いらっしゃ〜い！待っとったで〜！』
寅の式霊、大河（たいが）は、何故か縦縞のユニフォームに黄色いハッピを着てメガホンを手に待っていた。
「わあ…凄いですね…それって…」
『我らが阪神応援団の制服やー！気が引き締まるで〜！ほんなら問題行くで？はよせな追い抜かれるやろ？』
「あっ！そうですね！はい！宜しくお願いしますっ」
『ほな問題！我らが阪神タイガースの現在の監督は誰や！？』
「あ、良かった〜簡単で…岡田監督です」」
『よっしゃー！大正解っ！偉いっ！ようやった！』
大河は何故かメガホンを叩きながら狂喜し、首から提げたストラップからスタンプをポンと押した。
『ほんなら正解者への特典や！次に行きたい式は誰や？』
※
『いつもお世話になっております…わたし、月（つき）と申します』
「あ、えと…はい！こんにちわ」
卯の式霊の月は、静かな物腰で神秘的な光を放っているようでやたらと神秘的に見えた。
まるでその名前そのものである月のような式霊だった。
『では早速問題を読ませていただきます…”兔シチュー”という単語が出てくるファンタジー映画のタイトルは？』
「ええ？！映画…映画ですか？！どうしよう…わかんない…」
『旅ばっかりしてるからね、ボクらは』
「……うん、あんまり映画とか見られないから…悔しいですけど、わかりません…」
『…残念です…スタンプは押せませんが、今回は特別に次の式霊の場所をお教えいたしますね』
「本当ですか！？ありがとうございますっ！」
※
蓬莱館には何故か剣道場のような場所が渡り廊下で繋がって作られており、辰の式霊、達（たつ）はそこに居た。
老剣士のような風貌で正座したまま目を閉じ、縁樹が近づいてもまったく反応を示さなかった。
「あ、あの…はじめまして…僕、如月と申しますが…」
『よく来た…問題はそちらに用意してある…』
言われて見ると、壁に縦長の半紙に墨で書かれた問題がかけられていた。
”俳優、古谷一行の息子が所属していたミクスチャーバンドの名前は？”
「…ノイー？！」
『これもわからないわけだ？で、なんでそこでボクに聞く？』
「そ、そうよね…えっとあの、ごめんなさい！わかりません…」
『無念だな…』
達は残念そうに静かに言うと、懐から一枚の半紙を取り出し手渡す。そこには”巳”の式霊の居場所が書かれていて…
※
「順番に行こうと思ってるから巳を教えてもらえて良かった〜…」
『おい、ここだここだ！また通り過ぎてるぞ』
巳の式霊、大蛇（おろち）は、書庫と書かれた部屋で何故かのんびりと読書をしていた。
縁樹が声をかけると、読んでいた本を閉じて別の本を差し出す。
それは幻想図鑑と書かれている本で、様々な空想上の動物をイラストにした本だった。
『ここに描かれている蛇のようで蛇でない太くて短い未だ見つかっていない幻の生物は何だ？』
「ツチノコ？」
『やはりこれはあまりにも簡単だったな…』
ふう、と残念そうに大蛇は視線を落として縁樹から台紙を受け取りスタンプを押す。
『頑張って最後まで見つけてくれ…』
※
『よーっし！来た来たっ！待ってましたっ！』
「こ、こんにちわ…」
『えっと。新堂の友達の如月さんだっけ？宜しく！オレは午の式霊の宇摩（うま）』
「宇摩さんですね。宜しくお願いします…」
『じゃあ問題な。連敗し続けて人気の高知競馬の馬の名前は…？』
「ハルウララ！ウララちゃんです！」
『あ、やーっぱわかったかー？オレも簡単すぎるって言ったんだけど…ま、仕方ない！そいじゃスタンプとヒントな！』
宇摩はニッと笑みを浮かべると「頑張れ〜！」と手を振って見送ったのだった。
※
終盤に差し掛かり、ちょっと休憩をとロビーに座っていると、目の前の廊下を見知った顔が横切っていく。
スタンプ台紙を手にしたその人物は、どうやらまだ全て終わっていないらしくきょろきょろと探している様子だった。
まだ休んでいたい気持ちもあるのだがゆっくりしていると負けてしまうかも…という思いにかられ立ち上がった。
※
『如月さん、お疲れ様です』
「あ、ガイドさん！ガイドさんって、式霊さんだったんですね」
『はい…バスの中では如月さんとノイさんの漫才、楽しかったですよ』
「ええ？漫才？普通に会話してただけなんだけどなあ…」
『皆さん楽しんでらっしゃいましたよ…それではわたしからの問題です…ヒツジは英語でSheep、ではヤギは？』
「あ、英語の問題なんですね！わかります。Goatです！」
『正解です！』
未来はにこにこと微笑みながら、ペタリと”未”のスタンプを押して。
※
実に楽しそうな表情で待ち受けていたのは、司会でも張り切っていた焔だった。
『問題！”モンキーマジック”を歌ったバンドのメンバー名を最低二人答えてくれ！』
「いきなり問題なんですかー！？って、焔さんも式霊さんだったんだ…」
顔を見るなり出題して、縁樹は一瞬戸惑って問題を聞き逃しそうになった。
しかしまあ問題の内容は少しばかりマニアックというか、時代を感じさせるものである。
「モンキーマジックって事は…ゴダイゴですよね…えっと、ミッキー吉野さん、タケカワ・ユキヒデさん…
それから、スティーブフォックスさんに浅野孝己さん、最後にトミースナイダーさん！」
『凄…全員か！おめでとう！じゃあスタンプと次のヒントな…！あと少し、頑張れ！』
「はいっ！ありがとうございます！」
※
縁樹は必死で次の酉の式霊の翼（つばさ）を探したのだが、いくら探しても見つからなかった。
きちんともらったヒントを元に探してもみたのだが…やはりどこにみ見当たらなかった。
右往左往としているうちに、酉を通り越して…
※
『ラストスパートですね…お待ちしておりました』
「もしかして戌の式霊さんですか？」
『そうです。太郎と申します…』
「あー！酉飛ばしちゃった…でも、仕方ないか…」
『翼を見つけられていらっしゃらないんですね？ヒントを元に探せば見つかるはずなんですが…とりあえず問題に入りますね。
”ポチたま”に出てくる名物犬（ラブラドール・レトリーバー）の名前は？』
「はい！まさお君！同じ旅仲間ですから、これはわかります」
『正解です。スタンプとヒントをどうぞ…あと少しですね！どうぞ頑張って下さい』
※
最後の式霊、亥の瓜亥（うりい）は、なんとも意外？な場所にいた。
それはスタート地点である部屋を出てすぐの場所にあったお手洗いの前。それはさながら花子さんのように見えた。
「こんにちわ…えっと、問題を…」
『あのね…瓜亥、よくわからないの…でも、焔にいがこれを見せろって言ったから…』
そういって差し出したメモに書かれていたのは…”イノシシの肉を使った鍋ってなんて言う？”という問題だった。
「…イノシシのお鍋？猪鍋？」
『あー！やっちゃった…バカ！』
「え？違うの？ノイ！知ってるなら先に言ってくれれば…」
『答えはぼたん鍋だよ』
瓜亥は残念そうにそう告げて二人へスタート地点へ行けばゴールになると告げた。
もう一度、酉の式霊を探すか、このままゴールするか縁樹はギリギリまで悩みに悩んだ末、
結局、酉の式霊を探してみる事にして再びヒントを元に捜索開始したのだった。
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温泉入浴後の宴会前に、宴会場にて全ての結果が貼り出された。
今回のクイズでドボン！のランキングは以下である。
：Rnking：
1位＊西王寺・莱眞（12問中12問正解）
2位＊シュライン・エマ（12問中12問正解）
3位＊天薙・撫子（12問中11問正解）
4位＊向坂・嵐（12問中11問正解）
5位＊石神・月弥（12問中11問正解）
6位＊冠城・琉人（12問中9問正解）
7位＊相澤・蓮（12問中8問正解）
8位＊如月・縁樹（12問中8問正解）
9位＊新堂・愛輔（12問中7問正解）
10位＊松岡・吾郎＆夢野千尋チーム（12問中4問正解）
ルールに則り、10位と9位の3人は温泉には入ることが出来ず、
罰ゲームとして部屋に備え付けのお風呂に入ることとなったのだった。
まあ、それはそれで思い出にはなったのかもしれないが…。
→→→GotoMainStory…
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■ 登場人物 ■
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【1431／如月・縁樹（きさらぎ・えんじゅ）／女性／19歳／旅人】
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■ ライター通信 ■
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こんにちわ。この度は【高峰温泉〜神城便利屋番外編〜】に参加いただきまことにありがとうございました。
異界でのお話の番外的なお話だったのですが、多くの方に参加いただけて嬉しかったです。
特に、お世話になっている方々と集ったり懐かしい方との再会もでき、ライターとしてもNPC達としても喜んでおります。
個人的に今回のお話は番外、と言うことで色々とハメを外す感じで遊び心満載で書かせていただきました。
キャラ違う！という方もいらっしゃるかもしれませんが…番外と言うことでお許し下さいませ。
何はともあれ、楽しんでいただけていたら幸いです。
それから、これは謝罪になるのですが、オープニングの文章のクイズにおいて、
◇酉：2003年の第24回紅白歌合戦で白組のトリを飾った曲のタイトルは？（難易度低）
…と、記載しておりましたが、正しくは…
◇酉：2003年の第54回紅白歌合戦で白組のトリを飾った曲のタイトルは？（難易度低）
です。お詫びと共に訂正を記載させていただきます。惑わせてしまいまして申し訳ありませんでした。
※如月様のプレイングに、酉に関しての回答の記載がありませんでしたので、
今回は見つけられなかったとして執筆させていただきました。
もし、上記の記載が原因での欠落でしたら本当に申し訳ありませんでした。（汗）
また、皆様とお会いできるのを楽しみにしております。
：：：：：安曇あずみ：：：：：
※今回は文字数の事を考え個別のコメントではなく共通のコメントにさせていただいております。（一部を除く）
※誤字脱字の無いよう細心の注意をしておりますが、もしありましたら申し訳ありません。
※ご意見・ご感想等お待ちしております。<(_ _)>
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