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<期間限定・東京怪談ダブルノベル>


蓬莱館で肝試し
「うっわ〜あ、なかなかに広いなあ!」
 用意されていた部屋に入るなり、今花かりんは声を上げた。
 ひとり部屋だと聞いていたから、もっと狭い部屋だろうかと思っていたのだが、思っていたよりもずっと広い。
 8畳くらいの広さはあるだろうか。
 かりんは興味津々、あたりを見回した。
 部屋は和室のような感じなのだが、どこか中華風の雰囲気もただよわせている。
 多分、ベースは和室なのに、調度品が中国風なせいだ。
 かりんは荷物を部屋の片隅におくと、早速室内の探検にかかった。
 まずは、鮮やかな模様の描かれたふすまを開けてみる。
 中にはふとん一式と、ゆかたが入っている。
 ゆかたといっても普通のゆかたとはどこか違う。どことなく中華風だ。
「可愛い!」
 かりんは歓声を上げた。
 どうやって着たらいいのかいまいちわからないのが難点だが、よくよく見てみると、着付けの仕方が書いてある紙もはさんである。なかなかに親切だ。
「う〜ん、でも、そうだなあ。これは着替えるのに時間がかかりそう……」
 どうせなら、着替えはあとにして、あたりを探検したいところだ。
 けれどもせっかく来たのだから、このゆかたで歩きたいような気もするし……。
「あ、そっか、そうだ、お風呂に先に入ってから、このゆかたを着ればいいんだ」
 ふと思いついて、かりんはぽんと手を打った。
 そう、ここは温泉旅館。
 温泉に入らない手はないのだ。
「えーっと、じゃあまずはお風呂セットお風呂セット、と……」
 かりんは言いながら、ごそごそと荷物を探りはじめる。
 かりんの荷物は一応は整頓されているのだが、それでも、女の子なので量が多い。お風呂セットを取り出そうと思うと、いろいろなものを先に出さなくてはならなくなる。
 旅行かばんからは、どこにこれだけのものが入っていたのだろうかというくらい、たくさんのものが出てくる。かりんはそれをとりあえずは横に置いて、お風呂セットをなんとか取り出した。
「よ〜し、まずはお風呂に行かないとね!」
 そしてかりんは立ちあがると、ゆかたとお風呂セットを抱えて部屋を出た。
 そのあと部屋に散らかしておいたものは、どういうわけかきれいに片づけられていたが――かりんはそんなことには、ちっとも気づかないのだった。

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■   登場人物                  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
【2972 / 今花・かりん / 女 / 15 / 中学生】

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■         ライター通信          ■
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 はじめまして、発注ありがとうございます。ライターの浅葉里樹と申します。
 かりんさんはノベルの発注がはじめてとのことでしたので、私が最初なのか……とドキドキしながら書かせていただきました。かりんさんの可愛らしい感じが出ていれば、と思うのですが、いかがでしたでしょうか? お楽しみいただけていれば、大変嬉しく思います。
 もしよろしかったら、ご意見・ご感想・リクエストなどがございましたら、お寄せいただけますと喜びます。ありがとうございました。