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<期間限定・東京怪談ダブルノベル>


温泉を支配する者たち!


 上半身は銀狼のままでとっくりの中に入ったジュースを楽しみながらくつろいでいた大神は、先に湯船から出て身体を洗い始めた。しかし今は毛だくさんの状態で身体を洗おうにも一苦労だ。持ってきたタオルでは背中は届かないわ、いくらせっけんで泡立てても洗う個所がいつもよりも多いもので何度も何度も同じ作業をしなくてはならないわでそれはもう大変だった。さすがに困った大神は猫の手も借りたいと言わんばかりにアインと風宮を呼んで手の届かないところを洗ってもらおうとお願いする。

 「あのぉ、すみません……爪が長くってどうしても背中らへんが洗えないんですよ。ちょっと手伝ってもらえますか?」
 「……意外と実生活には不便なんだね、その身体。」
 「自覚してるつもりだったんですけど、実際に体験してみるとホントに大変ですよ。」
 「わかりました大神さま。アインさまもご一緒に背中を流して差し上げましょう。」

 とりあえずふたりには背中を中心に洗ってもらうことにし、前は自分で洗うことにした。シャボンが徐々に全身を包み込む。ところが頭まで狼になっているものだから、後ろを洗うふたりはどこまでこれで洗えばいいのかわからない。背中から上に向かってタオルをあげていたアインは風宮と顔を見合わせ、コソコソと喋り始めた。

 「あの……なんか背中も頭も同じ毛並みだし、このまま頭のてっぺんまで洗っちゃえばいいですかね?」
 「失礼ですが私、それ以前に大神さまのどこからどこが首なのかもわからない状態なのですが……」
 「ここかな、いや……ここが首だったらもう頭まで洗っちゃってますよ。どうしよう、ここからシャンプーにしますか?」
 「でも頭だけシャンプーで毛並みがしなってる狼というのも見かけはどうでしょうか……なんだかみっともないような気もしますが。」
 「言われてみればそうですけど……あっ、だったら最初から全部シャンプーで洗えばよかったんじゃないですか?」
 「そうですね、アインさまのそれが一番正しい論だと思います。ならばいったん身体を流して頂いて……」

 やっと方針が定まりそれを報告しようとした矢先に大神が振り向く。ふたりはあ然とした。すでに大神はせっけんで顔はおろか頭まで洗ってしまっているではないか。しかも口から大きなシャボン玉を作って空へ飛ばす……せっかくの気遣いが杞憂に終わってしまいガックリしたアインは少し歩き、風呂桶で温泉のお湯を汲むとそのまま遠慮もなしに大神めがけてかけた!

 「あちあちあちあちあち! な、何するんですかアインさん!」
 「風宮さんにはできそうにもない報復を俺がしただけですよ。遠慮しないで、ほらほらほら!」
 「あちち、あちちちち、あちちちち!」
 「あーあーあー、アインさまもそんなにお気になさらずに……」

 大神がヒドい目に遭っているのにも関わらず、風宮は泡が温泉に混ざらないからという理由からかそれを止めもしない。アインから浴びせられるお湯で身体の泡を無理やり流した大神は大きく身体を震わせた……そう、まるで犬のように。


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■   登場人物                  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

2078/大神・蛍       /男性/ 17歳/高校生(退魔師見習い)


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■         ライター通信          ■
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高峰温泉を舞台にした特撮ヒーロー系ダブルノベル、いかがだったでしょうか?
いつもとはがらっと趣向が変わってのんびりした感じが出てますね……(笑)

アカデミーの存在、幹部の能力など個別ノベルではいろいろと細工をして見ました。
皆さんの特徴やプレイングを生かしたものにしましたので、今後もお使い下さい!
蛍くんは露天風呂ではいつもの状態でしたねー。これでコメディするのは初めて?(笑)

今回は本当にご参加ありがとうございました! また依頼やシチュノベでお会いしましょう!