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<期間限定・東京怪談ダブルノベル>


蓬莱館で肝試し
「肝試し……」
 いったいどんなかっこうをしようかしらと、松浦絵里佳はひとり、考え込んでいた。
 ひとり、というのはある意味では正確ではない。
 絵里佳はいつも、ペットのうさぎを連れている。もこもことした茶色のうさぎで、名前はぴょんこ。絵里佳の大切なお友達だ。
「ねえ、ぴょんこ。やっぱり肝試しっていったら、なにか怖いもののかっこうをした方がいいのよね?」
 絵里佳が語りかけても、ぴょんこは首を傾げているのみだ。
 けれども絵里佳には、ぴょんこが「そうしたらいいんじゃないのかな」と言っているのがわかった。
 絵里佳には動物と話ができる、という能力があるのだ。
「でも、怖いものっていっても……」
 絵里佳は首を傾げてしまう。
 とっさに、なにか怖いものの仮装をしようと思っても、なかなか思いつかない。
 そんなとき、ぴょんこがぴょこぴょこと跳ねながら絵里佳の荷物のほうへ行った。
「どうしたの?」
 絵里佳が声をかけると、ぴょんこは振り返って耳をひくひくさせる。
 どうやら、こっちへ来いと言っているらしい。
 絵里佳はぴょんこに呼ばれるまま、自分の荷物のほうへ行く。
 するとぴょんこは絵里佳の荷物に首を突っ込む。
「あ、ぴょんこったら、ダメよ」
 絵里佳が声をかけても、ぴょんこは顔を上げようとしない。
 こうなったら実力行使しかないのだろうかと絵里佳が手を伸ばしたそのとき、ぴょんこが顔を上げた。
 見ると、荷物の中から、宴会芸用だと榊杜夏生に言われて持ってきてしまった、中国の変わったかぶりものが顔を出している。
 たしかに、これは怖いかもしれない。
 なんとなく目もぎょろりとしているし、ある意味、無気味な笑顔だと言えなくもないように思う。
「よし、これにしようか」
 絵里佳はそうぴょんこに語りかけながら、これをどうやってもっと怖くしようかしらと考えるのだった。

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■   登場人物                  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
【0046 / 松浦・絵里佳 / 女 / 15 / 高校生】

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■         ライター通信          ■
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 はじめまして、発注ありがとうございます。ライターの浅葉里樹と申します。
 今回は絵里佳さんは夏生さんと一緒に――とのことでしたので、共通ノベルでは一緒に行動していただきましたが、いかがでしたでしょうか。
 お楽しみいただけていれば、大変嬉しく思います。
 もしよろしかったら、ご意見・ご感想・リクエストなどがございましたら、お寄せいただけますと喜びます。ありがとうございました。