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蓬莱館で肝試し
肝試しといえば、やはりおばけ。
そう思って、榊杜夏生は心をおどらせていた。
なにしろ、夏生は怪奇現象大好き少女なのだ。月刊アトラスは毎号購入、ゴーストネットOFFもこまめにチェック。
西に幽霊の出る廃病院があると聞けばいそいそと出かけていき、東に心霊トンネルがあると聞けば喜んで足を運ぶ。それが夏生だ。
そんな夏生であるので、肝試しと聞くと、それだけで胸がおどる。
さあ、いったいどんなかっこうをしよう?
本物の幽霊には出会えるだろうか?
期待がどんどんふくらんでゆく。
「でも、どうしたらいいのかしら……いきなりだもん、さすがにあんまり、なにも持ってきてないし……」
メイクだったら、大丈夫だという自信はある。
普通のメイク道具でだって、夏生の手にかかれば、立派なおばけメイクができてしまう。
けれども、服となるとそうはいかない。
普通の服ではあまりおばけには見えない。やはりこういうときは和服だったりドレスだったり、とにかくなにか普通ではない服や、血糊なんかが必要なのだが……。
「あ、そうだ!」
そのとき夏生は、絵里佳とおそろいで、宴会芸用に、と持ってきた中国風のかぶりもののことを思い出した。
あの、ちょっと不気味な感じのする、マダムっぽいかぶりもの。
あれを少し改造して、ここのゆかたと一緒に着込めば、ちょっとはそれっぽくなるかもしれない。
そう、たとえば額にお札をはりつければ、立派なキョンシーのできあがりだ。
「うんうん、なかなかよさそうだわ」
夏生はなんだか嬉しくなって、胸の前で手を組む。
そうと決まれば早速着替えだ。
夏好きの夏生には、ゆかたの着付けもおてのものだ。
夏生は早速、浴衣を着込むべく服を脱ぎはじめた。
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■ 登場人物 ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
【0017 / 榊杜・夏生 / 女 / 16 / 高校生】
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■ ライター通信 ■
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はじめまして、発注ありがとうございます。ライターの浅葉里樹と申します。
今回は夏生さんは絵里佳さんと一緒に行動を――とのことでしたので、このような感じに描写させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。個別ノベルでは別々に描写させていただいてしまったのですが、お楽しみいただけていれば、大変嬉しく思います。
もしよろしかったら、ご意見・ご感想・リクエストなどがございましたら、お寄せいただけますと喜びます。ありがとうございました。
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