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<期間限定・東京怪談ダブルノベル>


まったりしましょうよ。


 ひとっ風呂浴びた後は誰にも遠慮せず、弟を連れて自分の思い通りに動くことにした。恵はおみやげを血眼になって探すものの、そういうものはほとんど置いてないという説明を館の管理人らしき蓬莱という女性から受けた。あるものといえば温泉卵にデザートで食べた桃まんじゅうと揃いも揃って食べ物ばかり。司も恵と同じくここを観光名所と思っていたらしく、ある程度のものはあるだろうという予測していたようだ。だが、それが見つからない……それは意外なことであり、驚きでもあった。恵は心の中で思った。

 『高峰のねーさんの所有物だからなんかあるんじゃないかなとは思ってたけど……やっぱりいわくありそうだな〜。』

 しかしそれをあえて司に話すことはしなかった。実際に害を与えられているわけでもなんでもない。ただお土産物屋がないだけなのだから。とりあえずお土産は食べ物関係にすることだけを心に決めてまた館内を放浪し始めた。


 そのうち卓球台が置いてある部屋を発見した恵は何も言わずにラケットを持って向こうの陣地で構える。司は何が始まるかわかっていながら、あえて何が始まるのかを姉に問い質した。

 「姉さん、まさか卓球するの?」
 「血行がよくなってるところに運動よ? これ以上の健康プランがあると思う??」

 司がラケットを握るまで、恵は一生懸命に素振りをして来るべき戦いに備えている。もう十分に健康そうな姉を相手に卓球勝負……これもすべて自分のためと思いこんで、彼はとりあえずラケットを選んで握り締めた。そのラケットは偶然少し大きめのものだった。恵から当然のようにツッコミが入る。

 「まぁ、そのくらい大きい方が司には使いやすいでしょーね! それじゃ行くわよ……ほらっ!」
 「って急にするの……おっと!」

 軽快なラリーは進む……だが時間が経つに連れて運動神経抜群の恵が司を圧倒し始める。たまに恵がミスをするくらいで、後はスマッシュだのベストショットを決められるだのして負けの数が多くなってくる司。もちろん恵は十二分に楽しんでいる。本音は勝ち負けなど関係ないのだろう……彼女は弟と遊んでいるのが楽しくってしょうがないのだ。司もそれを知って何とかがんばるが……だんだんと大振りが多くなってきてスマッシュというよりスカッシュになっていた。ラケットにピンポン玉が当たらないのだ。あんまりにも負けるもので、彼はついには片膝をついていつものセリフを吐いた。

 「か、介錯を頼む……」
 「やったーーー、私の勝ちぃ!!」

 ラケットを放り投げ、バンザイをして勝ったことを主張する姉を見て、司は小さくつぶやいた。

 「やっぱり……俺のまったりは男湯の中だけだ。」

 妙な確信が彼の中で芽生えたが、そう思った瞬間またも姉が館内の探検を始めてしまう……彼女の興味はそう簡単に尽きることはなさそうだ。


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■   登場人物                  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

2170/四方峰・恵    /女性/ 22歳/大学生


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■         ライター通信          ■
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高峰温泉でのまったりの旅、参加された皆さんいかがだったでしょうか?
胸ときめく出会いあり、楽しい食事あり、ゆったりとした湯治ありと……いろいろありましたね。

今回は同時にご参加された場合でも、それぞれのノベルをご用意しました。
同じ内容でも視点が違ったり描写が違ったりします。その辺もお楽しみに!
いつもアクティブな恵さん、我流のまったりで温泉を楽しんでもらえましたか?(笑)

今回は本当にご参加ありがとうございました! また依頼やシチュノベでお会いしましょう!