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<期間限定・東京怪談ダブルノベル>


温泉を支配する者たち!


 シロクマンダーセブンに変身した凪はその後も露天風呂に入ろうとするお客たちをチェックしたりマークしたりと大忙しだった。小さな善行を積むことでヒーローへの階段を昇ることができる……凪はそう信じて疑わなかった。実際、お酒の飲み過ぎでこのまま温泉に入るとプカプカ浮いてしまいそうな人の入浴を禁止したり、ビキニを履いたまま温泉に浸かろうとする人たちに警告を発したりと大活躍。もちろん彼もそれなりの充実感を得ながらその仕事をしていた。本当は風宮のする仕事を小さいながらも全部こなす彼を見て、しばらく脱衣所で休憩していた風宮も感心してその様子を見ていた。

 「凪さまは本当にヒーローを目指しておられるんですね。」
 「僕わ、妹と一緒にヒーローになるためにコツコツがんばるので〜〜す〜〜〜〜〜。」
 「立派な心がけです。アカデミーにも凪さまのような明るい人材が欲しいものです。」
 「風宮さんわ、ヒーローではないので〜〜すか〜〜〜?」

 凪は自分と同じことをしようとしていた風宮に向かって質問する。すると彼はさわやかな笑顔とともに話し始めた。

 「私は……ヒーローを育てる側です。この世の中で自分に内在する力を知らない人たちを目覚めさせ、正しい方向へ導くために日夜活動しています。だから私がヒーローということではありません。」
 「僕から見たら、風宮さんもヒーローなので〜〜す〜〜〜〜〜!」
 「ありがとうございます、凪さま。妹君にもよろしくお伝え下さい。」
 「また出会うことがあったら、一緒にがんばろうなので〜〜〜す〜〜〜〜〜!」

 シロクマンダーセブンの凪に最大の賛辞を送る風宮。彼はさっとポーズを取った後、手を差し出す。

 「ヒーローの基本わ、お互いの信頼を表す握手からなので〜〜〜す〜〜〜〜〜。」
 「ふふ……そうですね。確かにシロクマンダーセブンの言う通りです。まだまだ凪さまからは学ぶことが多そうだ。今日は初心に返ったような気がします。本当にありがとうございました。」
 「本当に感謝されているなら、僕わまたひとつ善行を詰んだことになるので〜〜〜す〜〜〜〜〜!」

 ゆっくりと繋いだ手を上下させる凪と風宮。しかし風宮は思い出したかのように凪に質問する。

 「凪さまは……本当に温泉に入らなくてもいいのですか?」
 「僕にわまだ仕事が残っているので〜〜〜す〜〜〜〜〜。ヒーローへの道わ果てしなく遠いので〜〜〜す〜〜〜〜〜。また僕わ廊下などを警戒しなければならないので〜〜〜す〜〜〜〜〜。それでわ、またなので〜〜〜す〜〜〜〜〜!」

 遥か遠くにあるというゴールに向かって、シロクマンダーセブン・三上 凪は廊下へと走っていった……小さな善行を少しずつ積むために。


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■   登場人物                  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

2934/三上・凪       /男性/ 15歳/高校生


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■         ライター通信          ■
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高峰温泉を舞台にした特撮ヒーロー系ダブルノベル、いかがだったでしょうか?
いつもとはがらっと趣向が変わってのんびりした感じが出てますね……(笑)

アカデミーの存在、幹部の能力など個別ノベルではいろいろと細工をして見ました。
皆さんの特徴やプレイングを生かしたものにしましたので、今後もお使い下さい!
初めて凪くんを書かせていただきましたが、本当に面白い設定です。また書きたいです(笑)。

今回は本当にご参加ありがとうございました! また依頼やシチュノベでお会いしましょう!