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まったりしましょうよ。
将太郎は世にも珍しい妙な物体を目の前に驚きの声を上げるしかなかった。中国四千年の歴史が生み出したと思われるよくわからない形のマッサージ機が廊下に沿う形で鎮座していた。肩の高さを測るセンサーもなければ、硬貨の投入口もない。あるのはスイッチと強さ調節と思われる上下にスライドするレバーのみ。ここまで派手なのになぜこんなにちんけな機能しか搭載していないのか理解できなかったが、酒もかなり入ってご機嫌になっている将太郎にそんなことは関係ない。その椅子にどっかと腰を据えて、とりあえずスイッチオン……
「おお、動くじゃない……なんかリアルに動くなぁ、これ。なんかこう、揉まれてるって感じがするねぇ! 面白い面白い。」
別に将太郎は酔ってて感覚がないわけではないが、人に揉まれてるような感触を身体中に受けてたいそうご満悦だった。肩の位置もまったく設定していないのにバッチリの場所を揉んでくれるし、家に一台欲しいと思えるくらいのものだった。具合を試して満足した将太郎はそのままレバーを『強』にもっていき、強烈な揉み具合を全身で楽しんでいた。お尻も脚も震えるし、その機能は相当なものだった。
「ああっ、おおっ……なんかツボを知ってるって言うかなんていうか、いいねーいいねーいいよー。」
彼の口からは誉め言葉しか出てこない。そんな将太郎の近くを湯治を終えた汐耶が通りかかった。彼は驚いた様子で声をかける。
「おお、汐耶じゃないか。元気にしてるかぁ?」
「……………あなた、それに乗ってるの?」
「当たり前よ〜、つーかもう乗ってる。なんかたくさんの人に揉まれてる感じがする〜、あはははは!」
酔ってご機嫌になっている将太郎には悪いが、汐耶は心の底で彼のことを感心していた。よくこんな得体の知れない機械に乗ったなと。もうちょっと人に聞くとか何とかできなかったのかと。今の汐耶には将太郎へのツッコミの言葉しか浮かんでこなかった。
「それって、変なところ揉んだりしない?」
「おまえ、温泉に置いてある機械のどこを疑ってるんだよ。そんなことあるわけないだろ?」
「まぁ、そうなんだけど。あんまりにもあなたが嬉しそうにしてるんで気にしただけ。」
「でもこれはいいね、何とも言えないね。後からでも使ってみたらどう? あああああ、気持ちいい〜〜〜。」
将太郎は誰にも遠慮なしに気持ちよさそうな声を上げていた。このままずっと機械が動いていたら、その場で寝てしまいそうな勢いだった……
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■ 登場人物 ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
1522/門屋・将太郎 /男性/ 28歳/臨床心理士
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■ ライター通信 ■
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高峰温泉でのまったりの旅、参加された皆さんいかがだったでしょうか?
胸ときめく出会いあり、楽しい食事あり、ゆったりとした湯治ありと……いろいろありましたね。
今回は同時にご参加された場合でも、それぞれのノベルをご用意しました。
同じ内容でも視点が違ったり描写が違ったりします。その辺もお楽しみに!
お酒を飲んでのんびりゆったりまったり……将太郎さん、今後もお仕事がんばってくださいね。
今回は本当にご参加ありがとうございました! また依頼やシチュノベでお会いしましょう!
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