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<期間限定・東京怪談ダブルノベル>


まったりしましょうよ。


 湯治を終えると、蘭は蓬莱館を探検し始めた。浴衣を上手に着こなしてとたとたとかわいく歩きながら、頭にはアヒルさんを乗せつつ両手を広げてバランスを取りながらまずは休憩室を見学する。そこには湯治に疲れた人たちがのんびりとまったりしていた。蘭も近くに置かれていた冷たい緑茶の入った湯のみを手に取って、アヒルさんと並んで休憩を楽しんだ。

 「ふ〜〜〜なの。落ちつくの!」

 ちびちびお酒のようにお茶を飲んだら、今度はアヒルさんを胸に抱いてさっきから気にしていたあの『そうち』を試してみることにした。幸い蘭がそこに行った時には誰もいなくなっていた。ずいぶん大きな椅子にちょこんと座る彼の全身をマッサージ機が揉みくだく……さすがに子どもにはまだ早いのか、こちょこちょしてくすぐったいようだ。膝に乗せていたアヒルが波に揺れるように右へ左へと揺れていた。

 「こそ、こそばゆいの〜〜〜! やめてやめてなの〜〜〜、あはははっ!」

 蘭は帰ったら真っ先に持ち主さんにマッサージ機を勧めることにしてその場を去る……そしてもふもふのくまさんリュックを持ち出して、今度はおみやげを買いに館内を駆け巡る。ところがおみやげというのは食べ物しかないらしく、さっきお食事で食べた桃まんじゅうや温泉卵がそれになるらしい。館の主人とおぼしき蓬莱という少女からは、今から買っても悪くなるだけだから帰る間際でいいんじゃないと説明された。さすがによくない食べ物を持ち主さんたちに食べさせるわけにはいかない。そして何よりもおみやげ代は持ち主さんが出してくれたものである。実際は蘭がお仕事をして稼いだお金を持ち主が管理していて、それを出しただけなのだが……さすがに大人の都合までは蘭も知り得なかった。
 残った時間は同じ年くらいのピューイと一緒に遊ぶことにした。子ども同士で遊びを考えても大した物は出てこない。ピューイと館内をかけっこしたり、かくれんぼをしたり……温泉を入った後でまたいい汗をかいてしまうほど元気に遊んでしまった。するとピューイが話す。

 「蘭くん、心配ないでぴゅ! 汗をかいたらまた温泉に入ればいいってご主人様が言ってたでぴゅ!」
 「ふに? それってホント〜? だったらもっともっと遊ぶの!」
 「ねーねー、今度は何して遊ぶぴゅ〜?」
 「あのねー、もっともっとお友達を探すの。それでもっともっと遊ぶなの!」

 蘭の温泉お友達大作戦はピューイとともに始まった。果たしてどれだけの友達と出会えることができたのか……それは帰るまでのお楽しみだ。


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■   登場人物                  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

2163/藤井・蘭     /男性/  1歳/藤井家の居候


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■         ライター通信          ■
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高峰温泉でのまったりの旅、参加された皆さんいかがだったでしょうか?
胸ときめく出会いあり、楽しい食事あり、ゆったりとした湯治ありと……いろいろありましたね。

今回は同時にご参加された場合でも、それぞれのノベルをご用意しました。
同じ内容でも視点が違ったり描写が違ったりします。その辺もお楽しみに!
蘭くんの必須アイテムのうち、アヒルさんはツボでした(笑)。いつも一緒にしちゃいました。

今回は本当にご参加ありがとうございました! また依頼やシチュノベでお会いしましょう!