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温泉を支配する者たち!
場の雰囲気が悪いにも関わらず、らせんはブラックドリルガールのいる小さな露天風呂に向かってゆっくりと歩いていた。リィールという名の抑止力もあることだし、今日くらいは停戦してくれるだろうというある種の期待を持って同じ湯の中に浸かるらせん……そんな彼女の大胆な行動にブラックもさすがに驚いた。そして例のように今すぐにでも戦えるという目つきをするが、さっきのように横槍が入ると彼女も面白くない。レディの忠告もあってか、いきなりらせんを襲うということはしなかった。とりあえずケンカ腰じゃないことだけを確認すると、らせんはブラックにあることを聞く。
「あの……確かキミってあたしより胸、大きいよね?」
「情報ではそうなっている。」
「ガックリ。なんでそんなところだけ遺伝子操作するんだろう。よくわかんないな、あたし。」
周囲が見れば、このふたりは双子の姉妹に見えるだろう。しかしオリジナルよりもブラックの方がプロポーションがいいというのはどういう理由なのだろうか。前にドリルガールとして戦った際に、その辺の数値がとても気になったので質問したのだが、その結果を聞いてらせんはなおさらガッカリしてしまった。その姿を見て鼻で笑うブラック。
「心配するな、そんなところの数値ばかりが上回っているわけではない。今度の私は違う。ルーンカードを駆使してさまざまな能力を使うことができるようになった。お前など敵ではない。」
「なんですって……って、ルーンカードってなんだろう。何ができるのかさっぱりわかんない。でも、あたしは負けないわ!」
「ふふふ……数値では表現されない部分こそが私たちの共通部分なのかもしれない……誰に何と言われようとも自分を曲げず、信じたことに突き進み、魔法のドリルで邪魔するものを貫いていく。私と貴様はよく似ている。誰が何と言おうとも。」
意外な共通点を分析し、それをオリジナルに伝えるブラック。そう言われて初めてらせんは自分の性格までも相手に読まれていることを知った。そしていろんな面での考え方も何もかもがもしかしたら同じかもしれない……よく体育会系の部活で『最後の敵は自分だ』と言っているが、まさにこれがそれだと思った。だがそれと同時にらせんの脳裏にしょーもない疑問が浮かんできた。失礼にもまたそれをわざわざ確かめようとするらせん。
「あたしに似てるんだったら……もしかしてうさぎとかハムスターとか好き?」
「…………………」
「もしかして、好きなの?」
「ノーコメントだ。」
らせんはブラックのこの反応を見てなおさらガックリ来た。図星を突かれた時の表情と応対を見て、これは本当にそっくりだと確信した。らせんは頭を掻きながら、次に戦う時はいろいろと工夫しなくちゃなーと肝に銘じるのだった。ブラックのルーンカードの秘密、そしてらせんの自信を裏付ける何らかの秘密。お互いにお互いを油断できない状態になっていた……
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■ 登場人物 ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
2066/銀野・らせん /女性/ 16歳/高校生(/ドリルガール)
2644/ブラック・ドリルガール/女性/ 1歳/戦闘用クローン人間
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■ ライター通信 ■
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高峰温泉を舞台にした特撮ヒーロー系ダブルノベル、いかがだったでしょうか?
いつもとはがらっと趣向が変わってのんびりした感じが出てますね……(笑)
アカデミーの存在、幹部の能力など個別ノベルではいろいろと細工をして見ました。
皆さんの特徴やプレイングを生かしたものにしましたので、今後もお使い下さい!
ふたりのらせんちゃんは同じ個別ノベルにしました〜。だってそっくりなんだもん(笑)。
今回は本当にご参加ありがとうございました! また依頼やシチュノベでお会いしましょう!
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