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<期間限定・東京怪談ダブルノベル>


高峰温泉名物?・謎の船盛り

<それもまた思い出>
「ね〜、あげはさ〜ん?」
甘味処・和の店内。
観巫和(みかなぎ)あげはがクルクルと忙しげに働く厨房のほど近くに丈峯楓香(たけみねふうか)は席を陣取っていた。
「そんなこと言われても・・・」
働きながらも楓香の相手をしているあげはは困り顔でそう言った。
「だって。あの温泉旅行で何があったのか全然覚えてないし、頼れそうなのあげはさんだけなんだもん♪」
「私も何があったのか覚えてないのよ?」
「・・でも、高峰さんじゃぜーったいはぐらかされそうだし、二見さんや郡司さんの連絡先わかんないし、功刀さんはどっか違うとこ見てそうだし、柚品さんはあんまり気にしなさそうだし・・・」
楓香は先日行った高峰温泉ツアーで何があったのかを知りたいがため、日を改めてあげはのところにやってきたのだった。

二見桐香(ふたみきりか)が怪魚?に2度襲われ、あげはと一緒に水を貰いに行ったところで記憶は途切れた。
気がつくと、同じように柚品弧月(ゆしなこげつ)・功刀渉(くぬぎあゆむ)・郡司誠一郎(ぐんじせいいちろう)、そしてあげはと楓香は温泉で倒れていたところを碇麗香などに助けられツアーは打ち切られていた。

「どーしても、あたしが倒れたなんて信じられないんだよね・・」
モグモグとあげはが作った団子を食べながらそう話す。
「・・そう言われても・・」
「あげはさん、ホントに覚えてない??」
「・・覚えていないの。ごめんなさい」
お茶を一口含み、楓香は俯いてため息をついた。
「そうだよねぇ。・・無理な事聞いてごめんなさい・・・」
シュンと肩を落とした楓香に、あげはは追加の団子を差し入れしつつ微笑んだ。

「私はいい思い出になったけど、楓香ちゃんは嫌だった? ちょっとの間だったけど、私はとても楽しかったのだけど」

その言葉に、楓香は顔を上げた。
「・・楽しかった」
「なら、また機会があったら一緒に行きましょう。ね?」
にっこりと笑うあげはに、楓香の顔に笑顔が戻ってきた。
「うん! そうだよね。また次があるもんね!」
「そうそう。楓香ちゃんは笑ってるのが1番いいわ。・・このお団子、私からのサービスね」

楓香はニコニコと差し入れられたお団子をほおばった。
次の・・いついけるかも分からない旅行へと思いをはせ、楓香の中で確実に高峰温泉の出来事は思い出として刻まれていた・・・。


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■   登場人物                  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

2346 / 功刀・渉 / 男 / 29 / 建築家:交渉屋

1582 / 柚品・弧月 / 男 / 22 / 大学生

2152 / 丈峯・楓香 / 女 / 15 / 高校生

2129 / 観巫和・あげは / 女 / 19 / 甘味処【和(なごみ)】の店主

2412 / 郡司・誠一郎 / 男 / 43 / 喫茶店経営者

1657 / 二見・桐香 / 女 / 16 / 女子高校生(隠れ魔族)

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■         ライター通信          ■
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丈峯楓香様

またお会いでき、嬉しい限りです。
このたびは『高峰温泉名物?・謎の船盛』へのご参加ありがとうございました。
コメディ傾向・・・だったはずだったんですが、どこをどう間違ったのか・・・?(^^;
このノベルは高峰温泉後日談として書かせていただきました。
今回は書き手としても少々勝手が違いまして、試行錯誤でこのような形となりました。
うまく表現できているのか、お気に召していただけるか分かりませんが、少しでも楽しんでいただければ幸いです。
それでは、またお会いできる日を楽しみにしております。
とーいでした。