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<期間限定・東京怪談ダブルノベル>


高峰温泉名物?・謎の船盛り

<吹雪は見ていた>
「何があったんだろうねぇ? 二見さんといい、僕たちといい・・・」
温泉旅行から帰って真っ先に経営する喫茶店へと足を踏み入れた。
たった1日留守にしただけだったが、なんだか妙に懐かしかった。
郡司誠一郎(ぐんじせいいちろう)そこでようやく一息を入れ、いつの間にか近くに実体化していた吹雪へとそう問った。

旅行中、碇麗香によって謎の船盛が差し入れられた。
吹雪に何気なく聞いてみたが、怪しげなところは見受けられなかった。
だが、色々事は起こった。
麗香と共に謎の船盛について厨房に聞きに行こうとしていたとき、二見桐香(ふたみきりか)という少女が謎の怪魚?に襲われたり。
気がついたら郡司を始め、ツアー参加者の功刀渉(くぬぎあゆむ)・柚品弧月(ゆしなこげつ)・丈峯楓香(たけみねふうか)・観巫和(みかなぎ)あげは の5人が揃って温泉の中で倒れているところを発見されたり。

「吹雪は・・何か見たかい?」
椅子に座り、郡司はため息をついた。
折角の旅行だったのに、お土産も思い出も皆無といっていい。
『・・銀の魚』
吹雪が少しためらった後、そう言った。
「銀の魚?」
『うん。誠一郎が寝ちゃった後、突然起きあがったんだ。そしたら、同室に寝てた人たちもみんな起き上がって部屋を出て行ったんだ』
「・・覚えてないなぁ・・」
自分の記憶の奥底を探ってみても、そんな記憶は残っていない。
郡司は吹雪に話の続きを促した。

『僕もついていったら室内温泉に入っていって、みんなお風呂に入っちゃったんだよ
 そしたら、誠一郎や他の人が・・女の人もいたんだけど・・半身だけ魚になってた・・』

「・・それが、『銀の魚』?」
『うん。それから、あの高峰って人と蓬莱ってお姉ちゃんがきて「副作用が出るものはやめろ」って・・』
郡司は眉間を人差し指で押さえた。
功刀の言った言葉が、現実味を帯びて思い出される。

[高峰女史の所有温泉ですから、何が出てきても不思議ではないと思いますけど]

副作用とはおそらく、あの船盛のことなのだろう。
だが今郡司の体が半魚であるようなこともなく、どこにも異変は見受けられない。
それで副作用が出きったのだ・・と思いたい。

キラキラと、郡司の目を掠めて袖口から何かがこぼれた。
「・・これは・・」
落ちていくそれを、郡司は手のひらで受け止めた。

手のひらには、銀色の小さなうろこが光っていた。
『それ、誠一郎たちが魚になってた時と同じ色だ』
郡司の手のひらにのったソレをくんくんと、鼻を近づけて吹雪は匂いをかいだ。
『ほら、誠一郎の匂いがするもん』
郡司も真似して嗅いでみたが、そもそも自分の匂いというものがわからない。
と、突然喫茶店のドアが開いた。
「あれ〜? お店、やってないんですかぁ?」
誰かが、休業中の札を見ずに入ってきたようだった。

「ケーキはあいにくですが、お茶だけならすぐに出せますよ。どうぞ。ご注文は?」
にっこりと笑い、郡司はいつもの顔に戻っていった・・・。


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■   登場人物                  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

2346 / 功刀・渉 / 男 / 29 / 建築家:交渉屋

1582 / 柚品・弧月 / 男 / 22 / 大学生

2152 / 丈峯・楓香 / 女 / 15 / 高校生

2129 / 観巫和・あげは / 女 / 19 / 甘味処【和(なごみ)】の店主

2412 / 郡司・誠一郎 / 男 / 43 / 喫茶店経営者

1657 / 二見・桐香 / 女 / 16 / 女子高校生(隠れ魔族)

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■         ライター通信          ■
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郡司誠一郎様

初めまして、とーいと申します。
このたびは『高峰温泉名物?・謎の船盛』へのご参加ありがとうございました。
コメディ傾向・・・だったはずだったんですが、どこをどう間違ったのか・・・?(^^;
あまりプレイングを活かしきれない結果となってしまいまして申し訳ありません。
また、『吹雪』の口調なども書いていただいていたのですが、郡司様をどう呼ぶのかなどが分かりませんでしたので呼び捨てに書かせていただきました。
勝手に書かせていただきましたこと、お詫び申し上げます。
少しでも楽しんでいただければ幸いです。
それでは、またお会いできる日を楽しみにしております。