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寝た子はだれだ?
●かくれんぼ
「も〜い〜よ〜」
茉莉奈は小さく身を屈めながら、鬼の慶悟に聞こえるよう大きな声で言った。
小学生以来の久しぶりにやるかくれんぼは、胸のあたりがムズムズするような高揚感を茉莉奈に与え、それに笑い出しそうになるのを必死に堪えて茉莉奈は隠れていた。
場所は中庭。場所を変え、鬼が変わり、三人はいつの間にか中庭でかくれんぼをしている。
「茉莉奈ちゃんみ〜つけた!」
「あ。見つかっちゃった〜」
淡いピンクのツツジが咲く植え込みの影に隠れていた茉莉奈は慶悟に見つかり、立ち上がった。慶悟の後ろには良平が見える。
茉莉奈と良平は同い年なのだが、慶悟に憑依しているのは女の子で自分より幼く、小学校中学年くらいだろうと今まで一緒に遊んできて感じていた。もちろんそう感じたからこそ、かくれんぼに付き合っているというのもあるかもしれない。
「ちょっと疲れたな。休憩しようぜ」
そう言い柔らかな芝生の上に良平は寝転んだ。
「うわぁ……すっげぇ星」
良平の感嘆の声に茉莉奈も慶悟も空を見上げる。そこには東京では見る事の出来ない満天の星空。
「うわぁ〜綺麗〜」
良平に習い、芝生の上に寝転んだ茉莉奈はうっとりと目を細めた。
「あ、桜ね、あの星座なんていうか知ってるよ」
空へと腕を伸ばした慶悟が指差したのは柄杓を象った星座。
「北斗七星って言うんだよ。とおちゃんが教えてくれたんだ」
「へぇ〜物知りなんだなぁ。俺なんてぜんっぜん星座の名前知らないぜ。あれは?」
目に付いたひとつの一際大きく輝く星を良平は指差す。
「あれはね、北極星」
「ふぅん……北極星は俺でも聞いた事あるぞ」
そう言いながら、良平は大きなあくびをする。
「私、こんなにたくさんの星、はじめて見ちゃった」
まるで星空に包まれているような、そんなロマンチックな状況に茉莉奈の唇から思わず歌が流れ出た。
澄んだ歌声は耳に心地良く、伸びやかに歌うメロディは聞く者の心を安らげる不思議な力を持って三人を包み込む。静かに目を閉じ、気分のままに歌を歌い終えた茉莉奈はにっこり微笑んだ。
「ふふふ。気持ちいいね〜」
と、上半身を持ち上げて茉莉奈が良平と慶悟を見ると、二人とも静かな寝息を立てて眠っている。
そんな二人を見て茉莉奈は目を細めて微笑むと、静かに芝生の上にまた身を横たえた。
「気持ちいいね〜マール」
小さな声で言うと、相棒はぺろっと茉莉奈の頬を舐め、胸の上で丸まった。茉莉奈はマールの背中を撫でながら、静かに目を閉じた。とてもいい夢を見る事が出来そうだと感じながら……
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■ 登場人物 ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
【1421/楠木・茉莉奈/女/16歳/高校生(魔女っ子)】
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■ ライター通信 ■
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今回は高峰温泉ダブルノベルにご参加頂き、有難うございます。
如何でしたでしょうか?
共通ノベルの方の犠牲者は、私の独断と偏見で決めさせて頂きましたので、怒らないで下さい。
えー楽しんで頂けましたでしょうか?
茉莉奈さんは年齢よりも可愛らしく、書いてみました。
後半はバトルじゃなくなってしまいましたが……(汗)
では、ご縁がありましたらまたお会いできる日を楽しみにしております。
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