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<期間限定・東京怪談ダブルノベル>


己の力

 ドガ!!
 拳が、弧月の腕に着けている神聖銀手甲へと打ち込まれた!
「そこだ!!」
 瞬間弧月は、相手に向かって肩から体当たりする格好で飛び込む!虚を付かれた相手は残った手でその一撃を防ごうと前へと持って来るが、それよりも一瞬早く弧月の体がその体を揺らす!
「っ!?」
 苦悶に相手の顔が歪む!
 間髪入れず弧月は相手の顔目掛け右の掌打を放つ!それに気付いた相手がまたしても防ごうと顔の前に左腕を持って来る!
 それこそが、弧月の狙い!
「はぁ!!」
 持って来た左腕の手首を徐に掴むと、弧月は体を回転させ後ろへと!
「っ!?」
 腕を取られたまま為す術もない相手に、弧月は回転させた勢いのまま、頚骨に左の肘を叩き込む!衝撃に崩れ、力の抜けたその体を弧月は関節を極めて投げ放った!
 ゴキャァッ!!
 骨が折れる鈍い音と共に、宙に浮く体!
 ゴッ!!
 顔面から地面に叩き付けられた相手の頚骨に、弧月の膝が見事に決まる!
「はぁ!はぁ!はぁ!」
 ピクリとも動かなくなった相手を見据え、弧月はさっと間合いを取ると油断なく構える。だが、その目の前で相手の体が風に溶けるかの様に闇に溶けて行く。
 何者も無かった様に……
「終わった……のか……?」
 一人呟いた弧月は、構えを解いた。後に残るのは、静寂のみ。
「ふぅ……きつかったな……如何に何時も戦ってないかが良く分かる……」
 苦笑いを浮かべながら、弧月は懐からくしゃくしゃに潰れた煙草を取り出すと火を点けた。深く吸い込み、深く吐き出す。
 あの一瞬、自分の癖――重い一撃を放つ時に、一瞬だけ固めた拳を小さく振る――それを見付けられなければ、勝利は有り得なかっただろうと、弧月は感じていた。
 そしてまた、それを指摘してくれた友が居なければと……
「もう少し鍛えなきゃいけないな……」
 煙草を口に咥えたまま、弧月は呟いた。
 その目の前に、不意に明るい光が刺して来た。
「どうやら、あれが出口みたいだな」
 弧月は、光刺す方へと歩き始めた。その顔には、幾つ物痣と充足感があった……



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■   登場人物                  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

1582 / 柚品 弧月 / 男 /22歳 / 大学生

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■         ライター通信          ■
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 お久しぶりです、柚品さん。ライターの凪 蒼真です。

 この度は、東京怪談ダブルノベル『高峰温泉へようこそ』へのご参加有難う御座います。
 他のライター様とは違う、全くの戦闘依頼と言う事で戸惑われたのではないでしょうか?(汗)
 怪談ではなかなか戦闘依頼が無いものですから、戦闘依頼を出してみたくてこうした形になりました。共通も、殆どが個別の内容となっておりますので、楽しんで頂ければ幸いです♪

 この依頼を出した経緯には、戦闘依頼がほぼ無い怪談において、自分のキャラクターは如何にして戦うか?と言うものコンセプトにさせて頂きました。
 楽しんで頂ければ幸いです♪
 また御機会がありましたら、どうか宜しくお願いします。(深礼)

 それでは、今回はこれにて!
 御参加有難う御座いました♪