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<期間限定・東京怪談ダブルノベル>


寝た子はだれだ?

●バトルの次の日の朝
 弧月は物音に目が覚めた。部屋に差し込む光の眩しさに一回強く瞼を瞑ると、体を起こす。
「ん……もう朝か……」
 寝ぼけた頭でゆっくり視線を部屋の中をさ迷わせると、部屋の隅で尻餅をついて、目を大きく見開き自分を見ている男と目があった。
 男は、不眠耐久バトルの参加者、高台寺孔志。孔志は顔面蒼白で指をつきつけ怒鳴って来た。
「てめぇー! 俺の寝てる間に何をしやがった!?」
「え? 一体何の事です?」
 まったく意味の分からない弧月が聞き返すと、更に感情的になった孔志が首に掴みかかり、言った。
「しらばっくれる気か! 大体なぁ、俺は座敷にいたはずだぞ? それが、なんでこんなところにてめぇといるんだ!?」
「ま、待ってください! お、落ち着いて……」
 ぎりぎりと首を絞めてくる孔志に今度は弧月が慌てふためく。
「は、話し合いましょ……ね!」
 必死で訴える弧月に孔志は渋々手を離した。
「はぁ……えっと、まずは何故二人でここにいるかと言いますと……」
 まずは相手を刺激せず、順序立てて話そうとし始めた弧月なのだが、その続きが出てこない。
「なんだよ……何故なんだよ?」
 憮然と尋ねてくる孔志に、弧月は苦笑を浮かべ頭を掻いた。
「何故なんでしょうね?」
「はぁ?」
「いや、分からないんですよ。俺も座敷で酒を飲んでいたはずなのに……」
 不思議だ、と首を捻る弧月に孔志もだんだん冷静を取り戻してきた様子。そういえばと眉を顰めた。
「確か、余興してて……その最中に、あんたが……いや、あんたに憑依した奴がやって来て、それから……あーダメだ! 思い出せねぇ!!」
 二人して腕組みし、必死に思い出そうとするが、寝ていたのだから何も覚えてるはずもない。
 弧月はそうだ、と顔を上げると自分の下に敷いてある布団を見た。彼の能力のサイコメトリーで過去を見ようと、布団に手を触れた。
 まず視えたのは自分。いや、自分なのだが、どこか様子が違う。その外見は弧月である男は布団の上に座っている孔志の目の前で次々浴衣を脱いでいく。
 孔志は、まったく脱ぎ散らかすんじゃないよ、とまるで女房のような口調で浴衣を畳む。そんな彼の横に座った弧月はそっと孔志の頬に手を添えた。その目はとても真剣そのもの。
「おい、どうした?」
 突然孔志に尋ねられ、心臓が飛び上がるほど驚いた弧月は顔を引き攣らせてじりじりと後ろに下がる。
「い、いえ……なんでもありませんよ。あなたは、知らない方がいいです……」
 そう。知らぬが仏とはまさにこの事だろう。まさか……自分と目の前にいる男とが、熱い接吻するなどと!
(こ、これは……一体どういう事なんだ?!)
 頭の中パニック状態で廊下の襖まで下がった弧月はガタガタと大きな音を立てながら慌てて立ち上がった。
「おい! 一体、なんだよ!?」
「す、すみません! 失礼しました!!」
 弧月はパンツ一丁のまま兎に角その場を逃げ出したのだった。
 


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■   登場人物                  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

【1582/柚品・弧月/男/22歳/大学生】

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■         ライター通信          ■
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はじめまして、壬生ナギサと申します。
今回は高峰温泉ダブルノベルにご参加頂き、有難うございます。
如何でしたでしょうか?
共通ノベルの方の犠牲者は、私の独断と偏見で決めさせて頂きましたので、怒らないで下さい。

えーっと……まずは、楽しんで頂けましたか??(汗)
なんと言いましょうか……大丈夫です!最後までは行ってませんので!!(爆)
いや〜中年すぎてもラブラブってステキですよね(爽)
…………ゴメンナサイ。
でも、スペシャルなので怒らないで下さいね☆

では、ご縁がありましたらまたお会いできる日を楽しみにしております。