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水底の娘
「あら?」
便宜上いとこということになっている少女と蓬莱館を訪れていた榊船亜真知は、ふと、見知った人間たちを見つけて声を上げた。
「あやかし荘のみなさまも、蓬莱館にいらしてたんですのね」
亜真知はとことこと、声をかけながら近づいていく。
「おお、亜真知も来ておったか」
亜真知とは親しくしている座敷わらしの嬉璃が、亜真知に向かって手を振ってくる。亜真知は手を振りかえした。
それを見て亜真知に気がついたのか、他の面々も亜真知のほうを向く。
「榊船さんじゃない。ひとりで来てるの?」
まずは、あやかし荘の管理人である因幡恵美がそう口にする。
「きっと、他の人も来てますよね?」
次に訊ねてきたのは、以前、困っていたところを助けたことがあった朝野時人だ。
「ええ……いとこと一緒ですの。でもみなさま、もしよろしかったら、ご一緒いたしませんか? その方がきっと楽しいと思いますの」
亜真知は笑顔でそう提案する。
「いいんじゃないかな。きっと部屋は違うだろうけど……温泉とかごはんとか、楽しみはたくさんあるものね」
恵美が他のものたちに訊ねる。
もちろん、反対するものは誰一人としていなかった。
嬉璃にいたっては、亜真知に会えたことが嬉しいのか、そのあたりを跳ね回っている。
「そうですわね。温泉、楽しみですわ」
亜真知はそれを微笑ましく眺めながら言った。
「どうやら、露天風呂もあるらしいぞ!」
嬉璃は亜真知に飛びつく。
「まあ、露天風呂とは風情がございますわね。すてきですわ」
あとで一緒に入りましょうねと、亜真知は嬉璃に微笑みかける。
「でもそれもまずは、荷物を部屋に置いてからね。じゃあ、行きましょうか」
ツアーコンダクターかなにかのように、恵美がぱんぱんと手を叩く。
それにしたがって、全員がぞろぞろと歩きはじめた。
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■ 登場人物 ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
【1593 / 榊船・亜真知 / 女 / 999 / 超高位次元知的生命体・・・神さま!?】
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■ ライター通信 ■
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こんにちは、5度目の発注ありがとうございます。浅葉里樹です。
今回はご参加くださいましてありがとうございました。水底の娘へご参加くださったのは亜真知さまだけでしたので、NPCとのからみを多めにとってみましたが、いかがでしたでしょうか。お楽しみいただけていれば、大変嬉しく思います。
もしよろしかったら、ご意見・ご感想・リクエストなどがございましたら、お寄せいただけますと喜びます。ありがとうございました。
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