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<東京怪談ウェブゲーム 界鏡現象〜異界〜>


CHANGE MYSELF!〜紳士の仮面と逆十字の仮面〜


 雷鳴轟く闇の空……アカデミー日本支部の一室を怪しく照らす蒼い光。その小さな部屋の中にふたりの『教師』がいた。東京方面で精力的な活動を行うタキシードの麗人・風宮 紫苑、そして彼のバックアップをするために南米支部から転勤になったリィール・フレイソルト。ふたりはテーブルを挟んで椅子に座っていた。風宮は彼女に目もくれず報告書に目を通し、頷きながら紙をめくる。その上を華麗にペンが舞い、いくつかの問題点をまとめながら先に進んでいく。そんな調子の作業がしばらく続いていた。向こう側にいるリィールは彼に呼ばれて来たわけではない……だから彼女も別に怒りもせずそれを見ている。しかし、唐突にある話を持ちかけた。

 「風宮、東京に祈祷師を名乗る藤倉 幻馬を呼び寄せた。奴に敵を掃討するように命じておいたからな。」
 「あなた……よりによってなぜあの悪名高き幻馬などを呼び寄せたのです!?」

 風宮はそう言いながら眉間にしわを寄せた表情を彼女に見せる。そして静かにペンと書類をテーブルに置くと一応の部下に戒めの言葉を与える。

 「いけません。すぐにどこかの山奥にでも追いやりなさい。」
 「我々が知らないところですさまじい力を持った能力者が多数存在し、さらに奴らがアカデミーの目的遂行を阻止する行動をすることがわかった今、少しでも戦力を減らしていくのが我々の仕事ではないのか?」
 「……彼らはまだこの社会の原理をよく飲みこんでいないため、自分の立場に気づいていないだけなのです。あなたは敵対すると言いますが、彼らの行動はそんな明確な意思ではなく、ただ不安から来る自己防衛という方が正確なのです。こちらの確固たる考えをじっくりと話せばきっと」
 「話せばなんだ。必ず連中がアカデミーのために働くとでもいうのか?」

 リィールの口調は厳しい。それは誰であろうととにかく対話を望み、自分から能力者の存在意義を説明し納得させることで構成員を増やしていた風宮の基本方針を批判しているようでもあった。言葉に詰まる彼の顔を見て少し笑うと、リィールは立ち上がって暗い景色が広がる窓まで歩く。そしてさっきよりかはやさしい響きで言葉を紡いだ。

 「お前にはお前のやり方がある。だが、私にも私のやり方がある。今回は黙って見てるがいい……少し図に乗った連中を苦しめるだけだ、殺しはしない。優れた能力者の死は大きな損失だからな、そうだろう?」
 「しかし、幻馬ごとき外道に任せるとは……いいでしょう。私もあなたたちに同行し、そのやり方とやらを勉強させてもらいます。」
 「いい、心がけだ。」

 風宮は皮肉をこめてリィールに返事をする。彼女の満足げな表情を煌く雷が映し出していた。


 同じ頃、東京のある街に白装束を着た妖しげな男がビルの屋上で両手を大きく広げ天を仰いでいた。彼が藤倉 幻馬だ。顔を見る限りでは熟年に見えるが、しわがれた声が彼を大いに老けさせる。彼は今、この街から発せられる怨念や邪気を感じ取っている最中なのだ。足元はアパレル産業で名を馳せる会社の本社ビルだった。幻馬はここに眠る怨念を読み取ると、かっと目を見開く!

 「ぬお! 今度はなんじゃ〜! ここの社員は第一製作部の部長の首が飛ぶのを願っておるのではないか……よかろうよかろう、それほどまでに多くの者たちがこやつを恨むのなら、わしが呪い殺してくれん! しかしこの会社にはたくさんの恨みを買う人間が多くおるのぉ〜、もうこれで4人目か。年功序列で才能もないのに管理職になって威張り散らす程度の低い人間など、生きておってもなんの役にも立たんわ! よって今度も成敗じゃあぁぁぁっ! この会社がまともになるまでは、わしはここを離れんっ!」

 幻馬の側に苦しんだ人間の顔のような表情の怨霊が無数に取り囲んでいた。彼らは幻馬に付き従うようにしている……紫色の苦悩は彼の手によって晴らされるのだろうか?


 リィールの指示を受けて数日後、その会社は大混乱に陥った。次々と変死を遂げる社員たちは皆、管理職を任された人間ばかり。夜、犬の散歩中に何者かに襲われたり、夕食後に身体の変調を訴えそのまま吐き続けて死んだりと奇妙な事件が重なった。警察も殺人とも自殺とも突然死とも言えずに困り果て、地域住民もその態度や噂を聞いてはびくびくしながらその日を過ごしていた。明日は自分が死ぬかもしれない……そんななんとも言えない雰囲気が街中に漂った。そんな状況はインターネットをたどり、そしてゴシップ誌にも紹介されたのだった。


 医療器具販売から軍需産業までを担う大企業『テクニカルインターフェース日本支社』は24時間動き続けている。それを束ねるのが支社長の貴城 竜太郎だ。彼は今日も自分のテーブルに置かれた書類に目を通す。だいたいは経過報告書や面談の時間を記したメモなのだが、その中にあるものが混じっていた。それは系列会社『トレンド・イマジネーション社』に関する情報だった。世間を騒がしている謎の死亡事件がこれ以上広まると悪影響を及ぼしかねないと書かれたプリントを手に取り、彼はある場所に内線を繋いだ。

 「私だ。ナンバー1342の連絡書に関する情報を集めて下さい。この事件が発生した数時間前からの保安カメラ、衛星カメラの映像を解析し犯人を特定してもらいたいのです。」
 『わかりました、早急に調査を行います。』

 電話の主は短くそう答えると、彼はプリントをそこに置いて何気なく椅子を窓の方に向けた。

 「困ったものです。我が社の威厳に関わる事件は私自らが収めにいきましょう。」

 そういうと彼は別の場所に通信を送り、一言告げた。『ルシファーの準備を進めて欲しい』と……


 深夜になると、どこからともなく恨みの集積場と化したビルに幻馬が現れる。いつものように白装束をまとい、妖しげに杖を振り回しながら屋上を所狭しと走り回っていた。どうやらこれが彼の祈祷スタイルらしい。年の割には足腰もしっかりしているようで、少しも息を切らさず懸命に呪文のような言葉を腹の底から出している。彼が走りまわっている場所の上空には常に多くの怨霊が渦巻いていた。一般人にも見えるくらいの妖気を放ちながら、怨霊は恨みの元へと今まさに飛び立とうとしている。

 いくら他人の行動に無関心だといわれる東京でも、この行為を野放しにする人間はそうはいない。ごく少数ではあるが、周囲には藤倉 幻馬を監視する人影があった。すぐ隣のビルには異国の麗人が同じ高さの屋上に立っていた。そう、マリィである。興味本位で現場に来てみたはいいが、敵があんまりにも珍妙な踊りをしているもので止めるかどうかを悩んでいたのだ。せっかくの美貌が眉間のしわで台無しになっている。

 「あれが日本古来の呪術スタイル……なわけないわよね。どこから見てもただの変人なんだけど、上にいる恨みの集合体を見る限りは笑ってみてるわけにもいかないわ。さて、どうしましょうか。」

 同じ理由で監視しているのは何もマリィだけではない。らせんも別の場所からこの様子を見ていた。すでにドリルガールへの変身は済ませている。ディスプレイには笑えない情報が並んでいるのだが、どうしてもあの屋上まで踏みこむことができない。そう、彼の踊りはそれほどまでの破壊力を秘めたおかしさなのだ。真面目に戦えという方が酷だ。らせんは状況を考慮して口に手を当てながら監視しているが、その細い肩はしっかり上下に揺れていた。

 「な〜んか止めるのも戦うのも疲れそう。なんとなくそんな感じがする。」

 今までになくマヌケに見える敵を目の前に素直な感想を述べるらせんだった。一方で気勢を削がれる人間がいる中、真剣な眼差しをビルの屋上に向ける青年がいた。金色に染まる短い髪、銀色の瞳……カジュアルな服装の青年は会社に侵入し、屋上に向かおうとしていた。彼の目は鋭く光っている。狙いはただひとつ、幻馬の首だ。建物の外に備え付けてある非常階段を登ろうとしたその時、彼はある少年に呼び止められた。

 「あなた……霧崎 渉さんですね?」
 「だ、誰だ……?!」
 「大神 蛍って言います。やっぱりこの手の事件にも関わるんですか、『絆』って。」
 「君が……そうか。それじゃ無下には扱えないな。仲間から話は聞いているし。そうです、僕が『絆』の霧崎です。」

 年下の大神に対しても丁寧に礼をする霧崎。それを見て大神は「頭を上げてください」と慌てる。青年はその言葉で素直に頭を上げ、一度微笑むと少しだけ路地に向かって走った。大神に不安を与えない程度の距離を保ちながら話す。

 「目的は同じでしょう。それに似た者同士みたいですし、歩きながらでも話しましょうか。」

 霧崎の言葉に頷いた大神は彼の後についていくことにした。上を警戒しながら、ゆっくりと階段を踏みしめるようにして歩く。怨霊の力はまだ感じられない。そんな緊張の高まりのない中だったので、大神は思いきって『絆』や『アカデミー』に関することを聞き始めた。

 「俺……実はアカデミーの末端っていうか構成員とは何度か戦ってるんですけど、あの組織にはもっと身分の高い人がいるんですよね?」
 「ああ。あいつらに言わせれば、世界規模で暗躍する組織だからその辺はしっかりしているそうだよ。この東京で活動している教師は4人ほどいるはずだが、今のところ判明しているのは風宮 紫苑とリィール・フレイソルトだけだ。君も彼らに出会っているだろうけど、教師レベルの人間でさえ一筋縄ではいかないからね。素人が下手に手を出したらやられちゃうだけだ。」
 「そうですよね……」
 「だから『絆』としての活動もアカデミーに目覚めさせられた能力を悪用する人間を更生させるのを目的として戦っている。教師を相手にするのは僕たち初期メンバーだけなんだ。」
 「教師を相手にって……戦ったことあるんですか!」
 「風宮だけだけどね。彼は敵対してる人間にでも手加減するんだ。理由は、相手が能力者だから。再起不能にならない程度にいたぶって、自分からアカデミーに入るって言うのを待ってるんだ。殺意がないだけマシだけど、それでうちのメンバーのひとりが骨抜きにされた挙句に引き抜かれちゃって。あの時はホントに参ったよ。」

 両手を上げて降参のポーズを見せる霧崎の姿を見て、大神は身体から血の気が引いていくのを感じた。それほどまでにすさまじい風宮の能力……彼はきたるべき戦いの時を想像し、あえてその話を進めた。

 「その、風宮さんの能力って……」
 「超加速なんだけど、実はそうじゃない。その正体は神の領域に近づく恐るべき能力だよ。普通に戦ったんじゃ絶対に勝てないんだ。」
 「勝て……ない?」
 「知らないと不安だけど、わかってもどうしようもないんだよね〜。さ、そろそろ妖気が充満してきたな。大神くん、気をつけて。」
 「わ、わかってますけど、その……風宮さんの能力っていったい……」
 「実は……彼自身が早くなっているわけじゃない。彼を取り巻く時間が遅くなっているんだ。わかったかな、これで今まで君が目にしてきた超加速の論理が間違いなく証明されたはずだ。」

 大神は屋上にいる幻馬を目指す途中で呆然と立ち尽した。確かに風宮に勝てるはずもない。確かにそれを知ればどんなに頑丈な心も折られるだろうと思わず納得してしまった。もちろん彼は納得なんかしたくない。けれども、問いの答えが自分を頷かせる。もしこの場に教師たちが現れたなら……そう思うと気が気ではなかった。彼の足取りは心なしか重くなっていくような気がした。


 幻馬の踊りが止んだ。周囲に緊張が走る。いよいよ怨霊が無能な上司に向けて飛ばされる時が来たのだ。杖を空中に浮遊している怨霊たちに向け、幻馬は声高らかに宣言する。

 「行けぇぇ、この会社の怨霊どもぉ! 狙いは第一製作部の部長の首だぁぁぁ!!」
 「いけない、早く止めなきゃ……!」
 「ったく、突然やるんだからタチが悪いわ。そろそろ出ないと……」
 「聞こえたか、大神くん!」
 「魔狼覚醒して飛びあがればなんとか間に合いますけど……」

 それぞれが行動を起こそうとしたその時、その場にいた全員が何かに包まれる感触を得た。マリィはとっさにそれを分析する。

 「霊干渉を妨げる結界、いえ人為的に作られた力場……! ま、私には関係ないけど。」
 「ああ〜〜〜ん、なんで飛行ユニットが作動しないの! しかもディスプレイもジャミジャミになってて使い物にならないし……いったいどうなってるの!」

 女性ふたりが騒ぐ中、幻馬も屋上の中心で大騒ぎしていた。怨霊に指示を与えたのに連中は動こうともしない。せっかく呪文を駆使して怨霊どもに力を与えたのに、これでは今までの苦労が無駄になってしまう。彼の指示に従わない怨霊たちは徐々にその場から離れていく……

 「誰だ、わしの術の邪魔をするのはぁぁぁぁ!!」
 「術を阻害されたことに気づける……その点だけは立派ですね。そうです、今ここは脳波に干渉する電磁フィールドをあなた中心に発生させています。つまりあなたは丸裸ということになるわけだ。」

 四散していく怨霊のさらに上空、そこに白銀の悪魔が飛行ユニットを装着して立っていた! 彼は自らを『ルシファー』と名乗り、幻馬にいくつかの問いをする。

 「我が社の関連企業『トレンド・イマジネーション』を混乱に陥れた罪は見逃せるほど小さくはない。だが、あなたが私の問いに答えるならその命を助けてもいいでしょう。さて……貴方に仕事を命じた黒幕を教えてもらいましょうか。むやみに東京を混乱させたいから長年住み慣れた山を下りてきたとは到底思えない。」
 「わしはわしの判断でやっとるだけじゃ。誰の命令も受けんわぁ!」

 幻馬は雇い主がいないと答えた。だが周囲の人間はそれでは納得しない。特にマリィはそのうすっぺらい嘘に吹き出しそうになっていた。

 「……仕事を依頼した人物。やっぱりね。事前情報があるとやりやすくていいわ。しばらくルシファーさんに尋問をお任せしましょうか。その方が手間が省けていいし。」

 マリィは極めて楽にこの事態を受け止めていたが、それをルシファーがぶち壊しにする。自分の質問を無下にされても動揺せず、ゆっくりと幻馬に語りかけるルシファー。その声は冷たく感じられた。そして一言だけ幻馬に忠告する。

 「そうですか……なら、足元にお気をつけなさい。」
 「は? なんじゃそりゃ??」 

  シュゴワァ……………

 幻馬が足元を見た直後、視線の先が一瞬だけ白く輝く。それが消えたかと思うと、そこにゴルフのカップくらいの大きさの穴が開いているではないか。その穴は底が見えないくらい深い……幻馬は何が起こったのか、いまいちよく理解できていなかった。しかし、マリィとらせんは遠目にそれを見ていたのですぐに状況を把握することができた。そして素直に我が目を疑う。マリィは何度もまばたきし、らせんも視線を何度も空と屋上に飛ばし続けていた。

 「なんてもの持ってるのよ、まったく。これじゃ出るに出られないじゃないの……!」
 「え〜〜〜っ、ウソでしょ! 空からレーザーが降ってきて、それでそれで……ってなんでディスプレイが動かないのよーーーっ!」
 「貴方に一時間の猶予を与えます。これに焼かれたくなければ、素直になるといい。逃げながら頭を冷やしたまえ。」
 「くーーーっ、その力でわしの術を封じこめておるのか! おのれ、覚えておれ!!」
 「逃げても無駄です。電磁フィールドはあなたにロックオンしてありますから。私はここでしばらく待ちましょう。貴方の敵は『東京』です。」

 一切の術が使えないことがわかった幻馬はここから逃げる以外に方法がなかった。ルシファーの言う通り、まさに丸腰なのだ。今のままではどうしようもないことを悟ったのか、幻馬は身軽さを活かしてビルとビルを飛び越えていく。それはマリィやらせんが潜んでいた場所とまったく違うところに向かっていた。ずっと上の様子を聞いていた大神と霧崎だったが、彼らの頭上を幻馬が飛び越えていくのを見るとさすがに焦った。

 「急に邪魔者が入ったみたいだね……あいつが逃げたな。さて、どうするか……」
 「決まってるじゃないですか、早く追わないとまた悪さするかもしれない!」
 「同感だね。ただ普通に追ったんじゃ間に合わない。僕はここで変身させてもらうよ、はぁぁぁ……………っ!」

 髪が少しずつ輝き始めるとともに、瞳も銀から金に煌き始める! 髪が伸び、全身から長い毛が生え、その姿は獣人へと変わろうとしていた! 金狼へと姿を変える霧島を見て、大神は息を飲む。そして『絆』が獣の力を操作できないものたちを救うためのコミュニティーだったことを思い出した。そのリーダーが金狼へと姿を変えるのは至極当然なのかもしれない。彼が変身を遂げる直前、大神も両腕を腰に据え、手を上にかざしていつもの言葉を発した!

 「魔狼、覚醒っ! うおおおぉぉぉぉぉーーーーっ!!」
 「そこまで似た者同士か。なんだか笑っちゃうな、正直。」

 目の前で魔狼に変身する大神を見ながら、金狼の霧崎はそんな感想を漏らした。そして変身が終わるとふたりは頷き、鋭い爪を活かしながらビル街の中腹を縫って移動し始めた。


 幻馬が移動したことでドリルガールの装備が正常に戻る。頭上にいるのがルシファー、そして彼から逃げている幻馬。彼の周囲には衛星から発せられる電磁フィールドのせいで霊力や魔力、超能力の使用を阻害されると表記されていた。さすがのドリルガールもこれには頭を抱える。彼女を変身させているのは紛れもない魔法の力だからだ。変身が解けないだけマシだったが、幻馬の周囲に近づくと飛ぶことすらできない。追跡もままならない状態に正義のヒロインは悲鳴を上げた。

 「あーーーん、何よそれぇ! これじゃあたし役立たずじゃない……でも、これじゃ引き下がれないわ。着かず離れずで追跡するんだから!」

 常にフィールドの半径を警戒しながら追跡することを決めたらせんはその場からこっそり出ていく。ここで堂々と空を飛んでいくとルシファーに見つかってしまう。彼女はコソコソとビルから地面に向かって飛び降り、大神たちと同じようにこのコンクリートジャングルを潜り抜けていこうと考えていた。彼女はゆっくり空を飛びながらも画面を注視していると、幻馬に向かう存在が何人もいることを確認した。だが、その早さは尋常ではない。しかもフィールド内でもそのスピードが落ちない。らせんは首を傾げた。

 「なんでなんで? あたしのドリルはダメなのに、なんで他のみんなは普通に動けるのよ〜〜〜!」
 「それはね、私みたいに霊力も魔力も超能力でもない力を使ってるからよ。」
 「そっか、そうなんだ。やっとわかった……って、返事したあなたは誰!?」

 らせんが声のする方を振り向くと、ビルのベランダなどを器用に使って同じ速度で移動しているマリィがにこやかに手を振るではないか。普通ではあり得ない状況を目の当たりにしたらせんは大いに驚く。

 「えーーーっ、えーーーっ! なんでなんで?!」
 「私にしてみれば、そっちの方が『えーっ』な存在に見えるわよ。それ、魔力で飛んでるの……珍しいわね。」
 「あなたはいったい……?」
 「私? 私はマリィ。あなたは?」
 「あたしは……ド、ドリルガールよ。正義の味方。」
 「ドリルガール、ね。まさか本名じゃないでしょうけど……とりあえずそう呼ぶことにするわ。やっぱりあいつを狙ってるのはひとりじゃなかったのね。ま、そんな気はしてたけど。」
 「あいつって、あの怪しいダンスしてた人のこと?」

 らせんの表現を聞いて、マリィは隠れてそれを見ていた時のことを思い出して吹き出してしまった。やはり誰も思うことは一緒だったらしい。マリィはそのままの表情ではあったが、しっかりと前を見据えながら続ける。

 「さ、急ぐわよ。バカ弟子の知り合いの若い子が敵を追ってるかもしれないし。あんまり無茶はさせたくないしね、若い子に。」
 「あ、あたしだって十分に若いですよぉ!!」
 「正義の味方に年齢なんか関係ないわよ。それとも何かしら、名前はしっかり隠して年齢だけ世間に公表するの?」
 「うぐ。それは……その……」

 マリィはらせんの困るような冗談を言いながら幻馬を追いかけていた。


 幻馬に一時間の猶予を与えたルシファー。しかしその時間がこないうちに、獣人と化した大神と霧崎が幻馬を捉えた。敵も気配を感じたのか、誰もいないアスファルトの道路に下りた。いよいよ敵を捉えようと全速力で幻馬に向かう大神!

 「こいつ……捕まえてやる!」
 「大神くん、危ない! 後ろから車が!!」
 「なんだって! そんなバカな……さっきまで一台も動いてなかったのに!」

 先行した大神に注意を促した霧崎も我が目を疑った。その車は確かに路上駐車していたただの乗用車だったのに、いきなりエンジンがかかって動き出したのだ! しかも明らかに大神の動きを阻害する目的を持って動いている。とっさに後ろを振り返った大神は運転席を見る……しかしそこには誰もいない!

 「運転手がいない……まさか!」
 「これはあいつの能力じゃない。ルシファーとかいう奴がやってるのか!」
 「敵対する相手だって自分で言ってたくせに、なんで助けようとするんでしょう?」
 「わからない、何かを待っているのか……もしかして教師を誘き出そうとする罠なのか? 大神くん、時間をかけていられない。今すぐにでもそいつを捕まえてしまわないと!」
 「俺は一気に間合いを詰めるんで、霧崎さんは一瞬でいいですからあいつの動きを止めて下さい! それならなんとかできます!」
 「わかった、やってみよう!」

 金狼の霧崎は大神に迫る車のタイヤすべてをパンクさせ、まずはその動きを止める。そして大きな跳躍で大神はおろか幻馬まで飛び越すと、向かってくる敵を両腕でしっかりと押さえつけた!

 「ぬおぉぉぉ! 放せぇ、化物めぇぇ!」
 「大神くん、今だ!」
 「はいっ! 鬼神っ、覚醒! ウゴオオォォォォォ!!」

 今度は紅の鬼神ゼンキに変身した大神は、その両掌を地面に思いっきり打ちつける! その瞬間、幻馬の足元から無数の炎の鎖が現れた! それを見てとっさに飛び退いた霧崎は難を逃れたが、幻馬はそうはいかない。燃え盛る鎖に身を縛られ、熱さで混乱する幻馬。その鎖を大神が恐ろしいほどの強力で振り回すのだからたまらない。

 「うげぇぇぇーーーーーっ!」
 「とぉりあぁぁぁっ!!」

  どさっ!!
 「ぶげぇ……ぶはっ。」

 さすがの幻馬も年には勝てなかったのか、この一撃で完全に伸びてしまった。火傷したこともあって身体がピクピク痙攣している。この調子ではしばらく意識は戻らないだろう。大神は用心のために鎖を持ってはいたが、その炎の威力を弱くした。見事な捕獲劇を目の当たりにし、金狼の姿のまま彼に近づく霧崎は長い爪のある手で拍手を送った。

 「すばらしい、お見事だよ。こんな簡単に捕まえてしまうとは、正直思わなかった。そこまで戦えるようになるのは……相当の時間がかかったんだろうね。」
 「いえ、父や母、そして今回は霧崎さんのおかげです。あなたがいなかったらこの技は使えなかったですから。」

 鬼の顔のまま照れくさそうに頭を掻く大神。その刹那、ふたりは左側に位置していた街灯に振り向く! ほんの数秒前には誰もいなかった場所に、いつのまにかひとりの男が立っているではないか! タキシードの麗人はあいさつをしようと礼をしようとしていたが、あまりに早い反応を示すふたりに驚きを隠さなかった。金狼は叫ぶ。

 「やはり部下のピンチにやってきたか……風宮!」
 「何をおっしゃいます、霧崎様。その逆です。私は彼を野に返そうとここにやってきたのです。そのような外道はアカデミーに必要ないのです。」
 「そんなとってつけたような言い訳が通用すると思ってるのか!!」
 「いや、もしかしたら本当かもしれませんよ……霧崎さん。あの人は変に律儀なところがあるようにも思え」
 「うるさい! 能力を引き出すだけ引き出して、必要のない能力だったらおもちゃのように捨てていくような連中だ! こいつは人間の敵なんだ!」

 霧崎は人が変わったかのようにアカデミーの教師である風宮を責める。言葉を遮られた大神はその勢いに押されて言葉を飲みこんだが、リィールならともかく風宮がそれをするとはどうしても思えなかった。前の事件で彼の意外な一面を見た大神は、どうしても霧崎の怒りが実感として沸いてこない。

 「幻馬のような人間にアカデミーの柱を支えるのは無理な話です。だからこそ大神様や霧崎様のような優れた方にいつもアカデミーへの入校をお願いしているのではありませんか。」
 「前に言わなかったか……俺のことを『霧崎様』と呼ぶなと! お前たちについていくつもりは毛頭ない!!」
 「それは失礼しました。私の癖なもので……お気に障ったら申し訳ありません。大神様はこうお呼びしても結構でしょうか?」
 「え? は、はぁ……」

 大神は突然の問いかけに驚きつつも返事をする。一方、霧崎は風宮の存在自体が逆鱗らしく、気の抜けた感のある大神とは対照的に戦う姿勢を見せていた。風宮も両手を広げ、それに応じる素振りを見せていた。まさに一触即発の状況が周囲を包み込んだ。


 電磁フィールドの移動が止まった……それをサーチしたらせんはマリィとともに地面に下りた。先行していた連中が幻馬を倒したのだろうか……とにかくそれ以上前に進めないらせんは範囲外からそれを確認しようと必死になっていた。その時、ディスプレイに警告文が流れる! 空から自分に向けて突っ込んでくる存在がいるというのだ!

 「あっ、危な……はぁっ!!」
 「ぬ……やるじゃないか、お前。」
 「コンドル……いや、ロック鳥の霊? ネクロマンサーかしら、あの女性……?」

 大きな翼を利して攻撃してきたのはリィールだった! 先行している敵は風宮が、そして後ろにいたらせんとマリィはリィールが相手する手はずになっていた。ルシファーの出現により、静観していたアカデミー側も大きく行動を変更せざるを得なかったのだ。自らが推した幻馬は諦め、それを追う能力者たちとの接触に重きを置いたふたりは急に能力者たちの前に姿を現わしたのだ! いつものようにリィールは大きな翼を持ったロック鳥の霊を纏わせている……

 「バカ弟子ったら、いったいどんな組織に関わってるんだか。これじゃ命がいくつあっても足らないわよ……?」
 「マリィさん、あの人っていったい何なんですか?!」
 「お前たちに会うのは初めてだな。私は現代の能力者たちの地位向上を目指す組織『アカデミー』の教師という役職についているリィール・フレイソルト。理想を追求するために優れた仲間を探している。私の攻撃を避けたのには、正直感心した。お前は我々の仲間になる気はないか。」

 初めてアカデミーという存在に触れるらせん。マリィは静かに彼女たちのやり取りを見ていた。彼女は今の人間がどのような判断を下すのかを見てみたかった。アカデミーが理想に掲げている時代を生きた彼女にとって、それがあまり魅力的なものに感じられなかった。だが、今の時代を生きるドリルガールにとってその理想が魅力的に映るのかどうか……マリィはそれが知りたかったのだ。
 静かな時間がしばらく流れた。何分くらい経ったのだろうか……らせんはうつむきながらいろいろと考えた後、首を横に振った。

 「あたし、偉くなりたいから戦ってるわけじゃない。強い人が弱い人を助けるのが当たり前だと思って戦ってる。だからアカデミーには入らない。たとえ、アカデミーでそれができるとしても。ドリルガールはそんなんじゃなくていいと思う。」
 「そうか。せっかくの才能で期待していたのだがな。ドリルガール、お前の力はいずれアカデミーの障害になるだろう。その前に……消す。」

 そう話しているうちに白き亡霊が姿を変え、リィールの全身を包む甲羅の鎧へと変化する! 亀の霊を纏った教師は猛スピードでタックルを仕掛けてくる! 向かってくる敵に対してドリルを構えるらせん。しかしその攻撃はマリィが途中で止めた! しかも素手で止めている!!

 「な、なんだと……貴様ぁ!」
 「正義の味方ドリルガールね……面白いじゃない。そんなに若いのにそこまで言い切れるのなら立派なものよ。それをドリルと一緒に貫き通せるならもっとね。さて、私はリィールを相手になまった身体を動かしてみようかしら。そして久しぶりに、変身なんかもしておかないとね♪」
 「マリィさん、あなたいったい……?」

 そういうとマリィの姿がどんどん変化する……久々と言っていた変身とは狼の姿になることだったのだ! 鋭い牙や長い爪など身体のすべてからあの長身で美人のマリィの面影を失わせていた。さすがのらせんもこれには声が出せなかった。変身を完了させた獣人はリィールの突進を止めていた腕を振り上げる!

 「さ、まずはこの甲羅を砕きましょうか。はあぁぁぁぁっ!!」
  キィーーーン、キィーーーン!

 「は、弾いた……あの真剣のような刃を持った爪を! マリィさん、それ亀の甲羅じゃないですっ!」

 らせんのアドバイスを受けたマリィだったが、彼女の分析をそのまま飲み込めなかった。どう見ても亀の甲羅なのに、なぜこんな強度を持っているのか……マリィはそれが疑問だった。それにあのロック鳥の亡霊を纏っていた時もそうだった。あの生物があれだけの早さでビル街を飛べるわけがないという妙な確信があった。なのに、彼女はそれをいとも簡単にやってのけた。リィールの能力への疑問を胸に抱きつつも戦いを続けるマリィ。もちろん敵も反撃してくる。だが、胸にパンチを食らおうとも狼の姿になったマリィの口からは苦痛に耐えるような声は一切聞こえてこない。リィールもそれが疑問だった。

 「食らってる……はずだ。なのになぜ効かない!」
 「そうね、あなたの能力が飛躍的に伸びている理由を教えてくれたら話してあげる。」
 「くっ、お前……!」
 「ケダモノ相手にしてるんだから、もっとしっかりしなさいな! たぁぁぁっ!!」
 「っく! やるな、貴様いったい何者だ!」

 リィールの身体を防御していない頭を蹴り飛ばしたマリィは休まず攻撃を続ける。敵の攻撃を受けてもダメージがないことをいいことに、彼女の周囲を恐るべき早さで動き回って足元などにダメージを与え続けた。その時、彼女は変な声を耳にした。リィールの声ではない、別の声……それは男の発するものに聞こえた。マリィはらせんに向かって叫ぶ。

 「ドリルガール、サーチして! 敵はひとりじゃないかもしれない!」
 「サ、サーチですか? わかりました……ってあれ、なんであの人のすぐ後ろに反応が!?」
 「リィールは食いとめるから、早くそこを攻撃なさい!」
 「わかりました! ここは精神攻撃で……たあぁぁぁっ!!」

 『ぐうあぁぁぁ……まさか、まさか俺の存在に気づくとは……!』
 「ドリルガールめ……やるな! メビウス、今はいい。とにかく出ろ!」

 リィールの影を攻撃すると、そこから男の声が響く! 『メビウス』と呼ばれた男は影の中から脱出し、その姿を現した! リィールと戦っていたマリィはその場から離れ、らせんの近くに寄り添うように立った。そして出現した男に言う。

 「リィールの力を増幅させていたのは、そこのメビウスね。どうもおかしいと思ってたのよ。これでスッキリしたわ。」
 「マリィ……お前、本当に何者なんだ!?」
 「何度も同じこと言わせるのかい? ホントに野暮な女だこと。それよりもメビウスが自己紹介すべきなんじゃないかしら?」
 「ふふふふふ、すばらしい素材だ。俺はアカデミー日本支部の教師、メビウス。能力は仲間の力を増幅させることだ。」

 メビウスと名乗った男の目は暗く沈んでいる……おそらく正常な精神状態ではないのだろう。らせんはそれが気になっていたが、状況がそれを考えさせてくれなかった。リィールがまたも亡霊をロック鳥に変化させていたからだ。それに攻撃を仕掛けようとマリィを押しのけ、ドリルをかざして突っ込む!

 「今なら倒せる! ドリルガール、エンジェルフォームっ!!」

 すさまじい勢いで突っ込むらせんはその名の通り天使にも似た姿だった! しかしメビウスがまたもリィールの影に潜りこもうとしている。それを止めるためにマリィが動いたが、押しのけられた分だけ出足が遅れてしまった!

 「逃げるぞ、メビウス!!」
 「わかった。お前の能力を増幅させる……」
 「っ、しまった!」
 「覚えてろ、ドリルガール……そしてライカンスロープのマリィ!!」

 攻めて来た時と同じスピードで今度はらせんの攻撃を避けきると、そのまま空高く舞いあがり逃げていく。ふたりはそれをじっと見ているしかなかった。らせんもそれを見届けると普段のドリルガールに戻り、マリィも人間体に戻ったのだった……

 「名前、覚えられちゃったわね。」

 マリィは小さな声でそうつぶやいた……


 風宮と霧崎の戦いは熾烈を極めていた。時の流れを極限まで遅くさせる能力を駆使して戦う風宮の手の内を知り尽くしていた霧崎は縦横無尽に動き回り、加速状態を解除したその瞬間を狙って強烈な一撃を加えようとした。超加速に勝った金狼は誇り高く天に向かって吠える。しかしその時、金色の毛並みが赤い血に染まった! そう、風宮の能力はひとつだけではなかった。青く美しい髪の毛が生き物のように動いたかと思うと、勝利を確信した霧崎の身体を切り刻む!!

 「うっ、ま、まさか!!」
 「私が自分の弱点を放っておくような人間に見えましたか、霧崎様?」
 「う、うぐあぁ、あがあがががあがが!!」
 「き、霧崎さん!!」

 血しぶきを上げながら大神の足元に転がる霧崎……ゼンキのままの姿でいた彼だったが、なぜか戦おうとしなかった。それは彼が幻馬を捕らえていることが一番の原因だった。リィールは自分が用なしと判断した仲間を殺した。風宮はそうは思っていなかったが、仲間の意志は尊重されなかった。大神は逆のパターンもあり得るのではないかと思うと気が気でない。今回、風宮の手に幻馬が渡った時、もしかしたら……風宮がそんなことをする人間にも思えないが、実際にどうなるかはわからない。だから戦いに参加できないのだ。霧崎は傷だらけになりながらも立ち上がる。

 「お前は……お前は僕たちから仲間を奪った。お前は大切な仲間だった白樺 義経を奪った! 絶対に許さない!!」
 「白樺様ですか、今では立派な教師として活動中です。そんなに大切な方なら『絆』という名のコミュニティーごとアカデミーにお入りになればいいのですが……地位は保証するとあの時もお伝えしま」
 「うるさい! 義経を返せ!!」
 「霧崎さん。もしかして奪われた仲間っていうのは……」

 部外者である大神が内容を問い質す時、霧崎は思わず息を呑んだ。そして我に返った。自分は怒りに任せて冷静さを欠いていたことを今さらになって後悔した。その代償が身体中にできた傷である。彼は戒めのために自分の血を少し口に含んだ。また沈黙の時間が流れようとしたその時、間に入る者がいた。そう、白銀の悪魔だった。同じ高さに降り立った彼は静かにその口を開いた。

 「やはりあの男を操っていたのは貴方たちでしたか。彼の行いは貸しにしましょう。これからは相手を選ぶことです。」
 「これは……テクニカルインターフェース日本支社長様。我がアカデミーの人間の粗相で貴社にはご迷惑をおかけしました。このことは謝ります。また別の機会に、この貸しをお返しすることにいたします。それでは……ごきげんよう。」
 「その言葉、期待してますよ。」

 ルシファーが飛行ユニットを作動させ少し宙に浮いた刹那、風宮は幻馬を抱えて同じ場所に立っているではないか! 大神たちの注目がルシファーにいったのを確認して、彼が時間操作して幻馬を奪い返したのだった! 唯一そんなことにも無関心なのはルシファーだったが、これには大神が慌てた。

 「風宮さん、まさかあなたそいつを殺す気じゃ……!」
 「そんなことはしません、大神様。彼は現世に存在してはならない外道……元いた山に返すだけですよ。それでは、またお会いしましょう。」
 「待て! 義経はどこだ!!」
 「今に……会えますよ、霧崎様。」

 意味深な言葉を残して風宮はいつものようにその場から消え去った……誰もいなくなった道路には静寂が戻った。だが、金狼だけはアスファルトを殴って自分の愚かな行為をいつまでもいつまでも悔いていた。


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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号/ PC名 /性別/ 年齢 / 職業】

2438/マリィ・クライス /女性/999歳/骨董品屋「神影」店長
2078/大神・蛍     /男性/ 17歳/高校生(退魔師見習い)
1865/貴城・竜太郎   /男性/ 22歳/テクニカルインターフェース・ジャパン社長
2066/銀野・らせん   /女性/ 16歳/高校生(ドリルガール)


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■         ライター通信          ■
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皆さんこんばんわ、市川 智彦です。「CHANGE MYSELF!」の第3回をお送りします!
オムニバス形式で話を続けていますが、今回も新要素満載です。
依頼に参加できなかった皆さんも必見のシナリオ展開です。どうぞ楽しんで下さい!

異界に初めて登場の貴城さんです。圧倒的な強さとインパクトで周囲を圧倒しました!
今回はシナリオに深く関わってはいないんですが、いずれは大きな動きがあるんでしょうか?
この異界を大きく揺るがす存在になりそうで楽しみですね〜。

今回は本当にありがとうございました。また別の依頼やシチュノベでお会いしましょう!