コミュニティトップへ
高峰心霊学研究所トップへ 最新レポート クリエーター別で見る 商品別一覧 ゲームノベル・ゲームコミックを見る 前のページへ

<東京怪談ウェブゲーム 界鏡現象〜異界〜>


 赤いランドセル
  
「あ」
 お互いにそんな声を出して、手を止める。
「こういうの、好きなの?」
 手を止めたまま、隣に立っていた青年が言う。ちらりとうかがったところ、高校生か大学生か……まだ社会人とは思えない。
「お兄さんもこういうの好きなんだ?」
 逆に問いかけると青年は素直にこくりと頷いた。
 それが狗神との出会いだった。
 コンビニでたまたま見かけた夏の心霊特集の雑誌。一冊しかなかったそれに手を伸ばしたところで、横から伸びた腕。立ち読みで済ませようかなと思っていたから、狗神に雑誌は譲ることにした。
「読み終わったら貸してね」
 冗談のつもりで言ったその言葉に狗神が頷き、何日後かにコンビニで偶然再会したときにあの雑誌を差し出した。
 それから、お互いの趣味、方向性に似通った面(怪談収集)を見つけて、情報交換、同好の友というような親交が始まった。狗神がバイトをしている人材派遣会社の事務所が学園から近いこともあり、ちょこっと寄り道をして仕入れた怖い話や都市伝説について語りあったりするようになったのだが、周囲の友人に言わせるとそれはちょっとおかしいらしい。えみりにとってはべつにおかしいことでもなんでもないのだが。
「こんにちはー」
 マンションの三階にその事務所はある。2LDKで社員は二人、狗神の親戚だという東海堂という青年が社長を勤めているのだが、かなり今後が心配される状態にあるらしい。遊びに行くと東海堂や狗神、もうひとりの社員である西園寺という男が出迎え、歓迎してくれるのだが……たまに、ここが会社という組織であることを忘れてしまうほどに仕事をしている様子が見られない。……あたしがいないときにきびきび仕事をしているんだよね……うん、きっと、そう。えみりはそうしておくことにした。そうしないと本当に今後が心配だから。
「あ、いらっしゃい」
 扉を開けると、割合に広いリビングがあり、そこが応接室として使われている。その奥には机があり、東海堂が書類とにらめっこしてはため息をつくという光景がよく見られるのだが……今日もそれだった。声をかけると顔をあげ、にこりと笑うがその笑みは少し疲れているように見える。
「あれ、狗神さんは……?」
 いつもなら応接室にいるはずの狗神の姿が見えない。かわりに見知らぬ二十代前半くらいの青年がソファに座って雑誌を読んでいる。新しいバイトの人かと思ったが、それにしては態度がそれらしくはない。
「ちょっとそこまで出ているけど、すぐに戻って来るよ。そこで適当にやっていてくれるかな」
「はーい」
「……あ、そうだ。冷蔵庫にシャーベットがあるから」
 ソファに腰をおろそうとすると思い出したように東海堂は言った。えみりはキッチンにある冷蔵庫をあけると『メロンシャーベット』と書かれたカップを取り出す。自分の分だけ用意するのもあれかなと雑誌を読んでいる青年の分も用意することにした。
「はい、これどうぞ!」
「あ。どうもっす」
 青年は頷くように会釈をするとカップとスプーンを受け取った。そのときにちらりと見えたが、どうやら読んでいる雑誌は夏の心霊特集であるらしい。目の前のこの青年もそういう話が好きなのかなと思いつつ、ソファに腰をおろし、カップのふたをあけると現れた艶やかかつ滑らかな表面にスプーンをたてる。さくりとすくいあげ、口のなかへ。
「うーん」
 その冷たさとメロンの風味に思わず頷く。さくさくと口へと運び、そろそろごちそうさまという頃に、扉が開いた。
「ただいま戻りました……と、あ、いらっしゃい」
 狗神は小学校の低学年くらいかと思われる少女を連れている。銀色の髪は肩ほど、瞳は銀色で表情はとても愛らしい。人形のような……という愛くるしさを表現する言葉があるが、まさにそれがあてはまりそうな気がした。
「おかえりなさーい。狗神さんの妹?」
 似たところはまるで見つけられなかったが、思うところを口に出してみる。
「いや、違うよ。西園寺さんに迎えに行くように頼まれたんだ。えーと、みあおちゃんだよね」
「うん、みあおだよ」
 少女はにこりと笑みを浮かべ、言った。
「あたしは、片平えみり。よろしくね、みあおちゃん」
 みあおとえみりが名前を名乗っていることを受けて、自分もしなければと思ったのか、ややあってから、青年も名前を名乗った。
「俺は、藤森耕太。よろしくっす」
「藤森さんは片平さんと同じように、怖い話が好きな人なんだよ」
 狗神はそんなことを言いながらお茶を用意する。それぞれのテーブルの前に湯飲みを置いたあと、東海堂のもとへと向かった。
「やっぱり。そうだと思った」
 他にも雑誌はあったのに、夏の心霊特集を選んでいるあたりにそれがうかがえる。えみりがくすりと笑うと、狗神はふと思い出したように口を開いた。
「あ、そうだ。面白い話を聞いたんだ。皆さんにも聞いてもらおうかな」
 
 あるところにランドセルに憧れていた女の子がいました。
 小学校にあがり、母親に憧れのランドセルを買ってもらいましたが、その色は鮮やかな赤ではなく、少しくすんだ地味な赤色で、女の子はそれを嫌がりました。
「もっときれいな赤がいい」
 女の子は駄々をこねましたが、母親はそれで我慢しなさいと言いました。仕方がないので、女の子は我慢しました。それでもランドセルを背負って学校へ行くのが楽しみだったからです。
 入学式を終え、女の子はランドセルを背負って小学校へ通いましたが、その途中、車に跳ねられて死んでしまいました。
 赤いランドセルは女の子の血によって、女の子が望んだ赤色に染まったそうです。
 
「……と、いうわけで。この話を聞いた人のところへ、三日以内に赤茶けたランドセルを背負った女の子が現れるそうです」
 狗神はにこやかな笑顔で話をそう締めくくる。そして、東海堂へ湯飲みを差し出した。湯飲みを受け取る東海堂は引きつった笑みを浮かべている。
「そ、そうなの……?」
「ええ、そうなんですよ。その女の子はいくつかの問いかけをしてくるそうです」
 お茶菓子を用意しながら狗神は話を続ける。
「へ、へぇ……」
「このランドセル、きれい?」
 それが代表的な問いかけだそうですと狗神は付け足す。
「それには、どう答えればいいんだ? ほら、あるだろう? こういう話にはつきものというか、回避呪文みたいなものが」
 そうそう。聞いたら出るという話にはそういう災難避けのような言葉が決まってあるものだ。呪文なのかどうかはわからないけれど。
「問いかけに対し、的確なことを答えれば問題ないと思いますよ。確か、答え方を間違えると、あなたの血で染めさせてとかなんとかで……切られるみたいですよ」
 それでもってランドセルが鮮やかな赤で染まるそうですと狗神は続けた。
「そ、そうなんだ……」
「たぶん、追い払う言葉みたいなものは、あるんだと思いますが……『おかむろ』や『ババサレ』とか……でも、僕、知らなくて」
 てへと狗神は笑う。
「……なのに、そんな話を聞かせたんだ。……殴っていい?」
 にこにこと引きつり気味の笑みを浮かべながら東海堂は言った。
「普段は、無償でお手伝いしているんですから、たまには僕に協力して下さいよ。本当に現れるのかどうか……それを知りたいんです」
「君のところには出たのかい?」
 しょんぼりとため息をつきつつ、東海堂は問う。そう、気になるところはそこだった。本当に……出たのかどうか。
「出ません」
 その答えを聞いた東海堂の顔色がぱっと明るくなる。
「そうか、出ないのか……!」
「僕ひとりではなんとも言えないじゃないですか。だから、僕以外の人にも話を聞いてもらって検証しようと思ったわけですよ」
 狗神はにこりと笑った。
「……」
 それ以上、東海堂は何も言わなかった。聞きたくなかったよ、そんな話という顔で書類をとんとんと整えたあと、自らの作業に没頭する。まるで、今、聞いた話を忘れようとでもするかのように。
「どう、この話。まだ、聞いたことはないよね?」
 狗神はえみりに笑いかける。
「え? うん、ないけど……あ。ひどいなぁ、狗神さん。あたし、実験台ってこと?」
 都市伝説や怖い噂、怪談を収集していることを知っていて、教えてくれたらしいが……しかし、聞いた人間のところに出るという話とは。しかも、検証、本当に出るのかどうか確かめるという意味だ。つまり、実験台。
「はは、ごめんごめん。でも、片平さんってそういうの必要以上に怖がらなさそうだから。本当に心の底から怖がっちゃう人には聞かせられない話だからね」
「もう、それ、どういう意味かなぁ。……でも、正解かも」
 基本的にそういった話は信じていない。だからこそ、収集しているというものだ。
「みあおのところにも来るんだよね、その子」
「あ、ごめんね、みあおちゃんはそういう話が好きじゃないかもしれないのに、聞かせちゃったね」
 狗神は苦笑いを浮かべるが、みあおは気にした様子を見せない。
「べつに嫌いじゃないよ」
 ……特別に好きでもないけど。みあおは笑みを浮かべたままにこりと付け足したが、狗神は聞いていなかったらしく、にこりと笑い返す。
「でも、赤いランドセルかぁ。みあおの学校もそうだけど、みんな『ぶらんどもの』だから別の意味で赤いのは少ないかなぁ」
「そうだよね。いろんな色があるもん。あたしもピンク色の欲しかったんだけど、お母さんが六年生になる頃には絶対飽きてくるからダメ!って。結局、今の話に出てきたような色のランドセルだったんだけど、お母さんの言うとおりにしてよかったかなって思ってるよ」
 みあおとえみりの言葉を聞いた藤森と狗神はなんとも言えない顔をする。
「なんか時代を感じるなぁ……」
「そうですねぇ、感じますねぇ……」
 しみじみと藤森と狗神は言い、うんうんと頷きあう。
「なんで?」
「俺たちが小学生の頃は……そりゃあ、いろんな色はあったんだけどね、女は赤、男は黒、というのが不文律だったような気がするなぁ」
「ですよね。学校によるのかもしれないけど。まあ、そういうわけで、出たら教えてね。怖くて帰れないなら、送るけど……」
「ああ、その女の子に会ったらなんて答えよう」
 どきどき。単なるありがちな話なのか、それとも……?
「……心配は無用みたいだね」
 
 話の賞味期限は三日間。
 本当に現れるのかどうか、三日ほど不安と期待(圧倒的に期待の方が大きかったりするが)の日々を過ごすことになりそうだ……と思ったのだが。
 部屋の扉を開けたとき、微妙な違和感のようなものを感じた。そこに広がっている光景は、いつもの、自分がよく知っている部屋の配置ではあるものの、何かが違う。
「あれ……?」
 部屋の照明はこんなにもぼんやりとしたものだっただろうか。部屋の空気はこんなにも湿った、どこかまとわりつくような重いものだっただろうか。
 一瞬、部屋に足を踏み入れることを躊躇った。
 しかし、迷ったのはほんの一瞬。部屋へと足を踏み入れる。一歩、二歩、三歩ほど進んだところで、背後の気配を感じ、足を止めた。
 誰か、いる!
 背中に目があるわけではないから、見えるわけがない。だが、背後に立つ誰かは自分よりも小柄であると思った。赤茶けたランドセルを背負い、赤いブラウスに赤いスカート、胸には名札をつけた肩くらいまでの黒髪の少女が俯いている姿が脳裏に浮かびあがる。
 どうしよう。
 振り向く……振り向かない……いや、振り向けなかった。身体が金縛りにあってしまったかのように動かない。心臓がどくんどくんと反応するなか、背後の気配がゆっくりと動いた。
 見えないはずなのに、少女の腕がゆっくりと自分の腕へと伸ばされている光景が見える。少女の指先が触れる……その瞬間、腕をぐっと掴まれた。氷のようなその冷たさにはっとした瞬間、身体の自由が戻ってきた。
『ねぇ』
 耳に聞こえるその声は、確かに可憐な少女のそれのはずなのに、何故か重苦しく不気味なものに感じた。
『ランドセル……私のランドセル……きれい……?』
 そう。そうやって訊ねられたら、返す言葉を考えていた。ああやって答えようか、こうやって答えようか……決まっていたはずなのに、何故かそのとき答えてはいけないと思った。
『ねぇ……このランドセル、きれい……?』
 催促するように少女の声がさらに響く。
 えみりは小さく息をつき、心を落ちつかせるとくるりと振り向いた。そこには自分よりも小柄な少女が、脳裏に浮かんだままの姿でそこにいる。背負っているランドセルは、やはり、話のとおりくすんだ赤……いや、それよりも赤茶けている。俯いている少女の顔はよく見えない……というよりも、わからない。何故か、顔の印象がさだまらない。
「きれいだと思うよ」
 えみりはランドセルを見つめ、言った。そのランドセルは思ったとおり、自分が母親に買ってもらったランドセルと同じだった。……今となっては少し赤茶けてしまっているが、それでももともとは同じ色だったと思える。
「あたし、去年まで小学生だったけど、そんな色のランドセルだったんだ。だからあたしの一番お気に入りの色だよ」
 そう言い切ると、少女の姿が遠のいた。そして、かき消すように消える。
「……」
 えみりは大きく息をついた。
 まさか、本当に現れるなんて。
 でも、現れたということは……あの話、本当なんだ……交通事故で死んでしまった女の子。そんな小さなうちに死んでしまった女の子の気持ちを考えると辛く、胸が傷む。
 えみりは胸に手を添え、しばらくその場に佇んでいた。
 
 次の日、早速、現れたという話を報告に行くと、昨日の二人もそこにいた。どうやら、二人のところにも現れたらしい。
「そっか、現れたんだね……」
 応接室のソファに腰かけ、狗神はうんうんと頷く。
「でもね、気がつくと朝だったんだ。夢かもしれない可能性もあったりして……」
 不思議なことに気づくと朝になっていた。しかも自分はいつの間にか眠っていた。いつものとおりに。こうなってくると、夢という可能性も捨てきれなくなってしまう。少女に出会ったことは確かな記憶ではあるものの、証明する証拠がない。
「うーん、微妙なところだよね……」
 そんなことを話していると、東海堂が仮眠室から現れた。
「あれ、昨日の皆さんが揃っているんだね」
「東海堂さん、どうっすか?」
 藤森の問いに、東海堂は苦笑いを浮かべながらこめかみを指でかく。
「今、それらしい夢を見たところだよ……あれ、和哉くん、お茶も出さないで。君はそういう話になっちゃうと気がきかなくなるんだよな……」
「あ、すみません。すっかり忘れていました」
 はっとして狗神はソファから立ち上がろうとする。だが、東海堂はそれをまあまあと手で制した。
「いいよ。ついでだし、俺がいれるから。話を続けてな」
「はぁ、すみません……それで、いつみさんはどうだったんですか? 女の子の問いにちゃんと答えてあげられましたか?」
 狗神はコップに麦茶を注ぐ東海堂に訊ねる。
「それがね、綺麗だよって言ったのに、左腕の内側をざっくりやられちゃったよ」
 答える言葉が違ったのかなと東海堂は苦い笑みを浮かべながら言った。
「……」
 東海堂の返答に四人は顔を見あわせる。
 自分も同じように綺麗だよと答えたはず。
「???」
 何が違うのだろう。同じ言葉であるはずなのに。それとも、東海堂はその言葉のあとにいらぬ言葉を付け足したとか?
「実際にあんな風に切られたら相当な傷だけど、よかったよ、夢で」
 そう言いながら東海堂はそれぞれのテーブルの前に麦茶の入ったコップを置く。テーブルの上にはコップが五つあった。だが、東海堂は自分の手に既にコップを持っている。
「あれ、コップ、ひとつ多くないっすか?」
 藤森は小首を傾げ、東海堂を見やる。
「いち、に、さん……そうだよ、一個多いよ?」
 その場にいるのは、自分、狗神、みあお、藤森、東海堂……五人だ。コップが六つあるのはおかしい。
「え? 多くないだろう?」
 東海堂が不思議そうな顔で答えるから、こっちが不思議そうな顔をしなくてはならなくなる。えみりはもう一度、場を見回してみた。だが、人数はやはり五人。ひとり増えているということはなかった。
「そうだよ、多くないよ」
 みあおは麦茶を飲みながらにこりと笑う。
「……あれ? そこにいた女の子はどこに行ったの?」
 不意に場を見渡した東海堂はきょとんとした表情で言った。
「そこにって……そこには誰もいなかったし、女の子はみあおちゃんと片平さんだけですよ?」
「え、でも、いたんだよ……みあおちゃんくらいの、ランドセルを背負った女の子が……ランドセル……?」
「……」
 応接室はしんと静まり返る。
「と、とにかく、よくわからないけど、わかったよ!」
 狗神はわけがわからないことを言い、凍りついたように動かない東海堂にしっかりして下さいと声をかける。
 ……あれ、東海堂さん、腕のところに……。
 えみりは東海堂の左腕の内側に斜めに大きな赤いミミズ腫れのようなものがあることに気がついた。確か、夢のなかで切られたと言っていた場所は……。
「……」
 しかし、なんだか追い打ちをかけたうえにトドメをさしてしまうような気がするので、敢えて口には出さないでおくことにしよう……えみりがそう思う横で、藤森が口を開いた。
「あれ、東海堂さん、腕のところどうしたんすか?」
 
 −完−

 
□■■■■■■□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□
■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
□■■■■■■□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□

【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

【1415/海原・みあお(うなばら・みあお)/女/13歳/小学生】
【2496/片平・えみり(かたひら・えみり)/女/13歳/中学生】
【3433/藤森・耕太(ふじもり・こうた)/男/23歳/図書館員】

(以上、受注順)

□■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□
■         ライター通信          ■
□■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□

依頼を受けてくださってありがとうございます。

相関図、プレイング内容、キャラクターデータに沿うように、皆様のイメージを壊さないよう気をつけたつもりですが、どうなのか……曲解していたら、すみません。口調ちがうよ、こういうとき、こう行動するよ等がありましたら、遠慮なく仰ってください。次回、努力いたします。楽しんでいただけたら……是幸いです。苦情は真摯に、感想は喜んで受け止めますので、よろしくお願いします。

はじめまして、片平さま。
すっかり馴染みな雰囲気で書かせていただきました。興味の方向性が同じ、片平さまは明朗快活、人懐っこいとありましたので、仲良くなるのは早かろう、と。
狗神はこういった妙な話や品物を仕入れてくるやつですが、またお相手していただけたら嬉しいです。
女の子を気遣う優しいプレイング、ありがとうございました。何故、同じ言葉を言った東海堂が切られたのか……敢えてここで語らずともなんとなくわかっているのではないかと思いますが、振り向かなかったから、です。

願わくば、この事件が片平さまの思い出の1ページとなりますように。