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<幻影学園奇譚・ダブルノベル>


●Happy Birthdayを君たちへ。〜ケーキよりも大切な物〜

日和編。
食事を終えて二人に遊びの話を持ちかけた。
「ねぇ、二人共・・一緒に砂のお城を作りましょう?」
「砂のお城??」
 空が問いかけ返すと、日和はスコップを用意して砂を盛り始める。
「砂で形を作っていくの?」
 察知した陸は空の隣に腰を下ろし、スコップで天辺を叩く。
「わぁ〜楽しそうだね・・」
「じゃぁ、三人で一緒に作りましょうね」
 相変わらず食いつきのいい空が嬉しそうに参加してくれるとは思っていたが、陸が自分
から近づいてくるとは日和自身予想もしていなかった。

「ふぅ。こんなものかしら・・・」
 出来上がった砂の城は予想以上に良い出来で、なにより陸が担当していた部分は空と比
べると断然器用に作り上げられていた。

「今日は二人のお誕生日なんですよね。お誕生日おめでとうございます・・」
「日和お姉ちゃんありがとう!」
 日和は二人が共にいる内に告げることができ、空が笑顔でお礼を告げると陸も後からお
礼を言う。
 二人の誕生日だからお祝いしてあげたいが、キャンプ中だとケーキ等を作ってあげる余
裕がなくて残念に思う。
 だが、これだけ大勢での誕生日は初めてだろうから、きっと大丈夫だろうと日和は少し
安心していた。
「そうそう・・スイカを皆で食べないかしら?」
 日和は近くの海に浮かべていたスイカを取り出し、器用に切りわける。
「こっちは後で皆に渡して・・・これが空君と陸君の分よ・・」
 それでも十分大きなスイカを空と陸に渡すと海辺に座って海を見ながら3人は食べ始め
る。
「美味しい・・」
 冷たくて甘いスイカに空は思わず声を出して、少し驚いた顔を見せる。
「そうだ!後でクーラーボックスの中からアイスクリームを持ってくるわね」
 暑い夏には最高の一品を日和は用意していた。
「だけど、ケーキがないと物足りなかったかしら・・」
「ううん、そんな事ないよ・・。今日は皆が沢山遊んでくれたし、初めての体験ばっかり
でちょっとだけ吃驚はしたけど・・ねっ、陸」
「うん、そうだね・・」
 意外な反応に日和は嬉しさを覚え、食べ物よりもお祝いする気持ちの大切さを改めて実
感した。


日記帳【空の日記より】
 今日は皆が海キャンプに連れて行ってくれました。
 嬉しくてはしゃぎすぎて、日和お姉ちゃんにはちょっと迷惑かけちゃったかな・・・。
 海の水はもう飲みたくないかな・・本当にしょっぱかったよ。
 日和お姉ちゃんの言うとおり、外で食べる事はなかなかないからすごく楽しかったよ。
 いつもと雰囲気も違うし、食事しながら見る海もとっても綺麗で楽しかったな。

 最後に食べたスイカとアイスはとっても美味しかったよ。
 甘くて冷たくて・・また食べられるといいな。
 日和お姉ちゃんともまた沢山お話できると嬉しいな。



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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / クラス】

3524/初瀬・日和 (はつせ・ひより)/16/女/2年B組

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■         ライター通信          ■
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今回、担当をさせていただきました葵桜です。
ご参加いただいてありがとうございました。
今回、提出が遅れてしまいすみませんでした。
そろそろ、季節の変わり目・・・気温の変化が激しいですが、
お体にはお気をつけくださいね。
私はすでに風邪をひき、完治してぴんぴんしています。
日和さんとお会いするのは2度目ですね。
前回は銀が作品にでてきたのですが、今回はオープニングのみ
でしたが、気に入っていただけたでしょうか?
気に入っていただけると幸いです。
                            葵桜。