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<幻影学園奇譚・ダブルノベル>


●Happy Birthdayを君たちへ。〜父親と母親〜

悠宇編
「そう言えば二人共今日は誕生日なんだってな!」
 陸は焼きそば、空はカレーライスを口に頬張りながら二人は悠宇の言葉に耳を傾ける。
「うん!ボク6歳になったんだよ・・」
 ちょっと大人になった事に空は嬉しく思いながら指を6本立てて嬉しそうに告げる。
「よっし、良い事を教えてやるよ。誕生日ってのは、いろいろな意味があるんだぞ。
「良い事?」
 陸は悠宇の言葉に興味を惹かれたらしく、尋ね返す。
「一つ目が生まれてきて『おめでとう』の日。もう一つが産んでくれたお母さん『ありがとう』の感謝を表す日でもあるんだぞ!」
 悠宇は小さな子供に理解できるように分かりやすく告げる。
 空は若干理解したらしく首を少し傾げつつも頷き、陸は脳裏になにかを思い浮かべた顔を見せる。
 恐らく頭の良い陸は悠宇の言葉の意味も重さも理解しているだろう。
「お母さん元気にしてるかな・・」
 突然、悲しそうな顔をして答える空の頭を悠宇は優しく撫であげると涙腺の緩んだ空が堪えきれず涙をぽたぽたと零す。
「空・・泣くなよ。きっとお母さんは空や陸が喜んで帰ってくることを楽しみにしてるよ」
「う、うん。帰ったら・・お母さんにいっぱい今日の出来事を話す・・」
 一日中笑顔を絶やさなかった空が初めて見せた表情に悠宇は戸惑いながらも優しく声をかけてあげる。
「なんだか、悠宇お兄ちゃんはお父さんみたい・・」
 父親のいない空にとっては男の悠宇の手は大きく感じ、悠宇を見上げた時に涙ながらに笑顔で嬉しそうな表情で告げた。
 もちろん、物心付く前に事故で死んでしまった父親の手の温もりは覚えていない。
 だが空にとって母親とは違う手の温もり、大きな手の温もりが母親のものではないとするときっと父親がこのような感じなのだろうと心の片隅で感じていた。

「よっし、じゃー陸と空のお母さんの為にお土産持ってかなくっちゃな。貝殻でも拾いにいくか?」
「わ〜い!!そしたら陸や悠宇お兄ちゃんよりも綺麗な貝殻を絶対見つけるよ!!」
 夕暮れ時の海辺を3人は楽しみながら母親の手土産の貝殻を探し始めた。


日記帳【空の日記より】
 今日は皆が海キャンプに連れて行ってくれました。
 皆で遊べてとっても楽しかったよ。
 悠宇お兄ちゃんはとっても頼りになって、それにたくさんお話や遊んでくれました。

 それからお兄ちゃんには『お誕生日』の意味を教えてもらったんだよ。
 ちょっと難しかったけど、ちゃんと理解できたよ。
 途中で泣いちゃって悠宇お兄ちゃんを困らせちゃったのかな。
 お父さんみたいな温もりですごく心地良かったな。

 最後に3人でした貝拾いはとっても楽しかったな♪
 誰の貝が一番大きかったかな・・・。
 ボクのだとすごく嬉しいな♪♪
 また、悠宇お兄ちゃんと一緒にたくさん遊びたいな。



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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / クラス】

3525/羽角・悠宇(はすみ・ゆう)/男/16/2年A組

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■         ライター通信          ■
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今回、担当をさせていただきました葵桜です。
ご参加いただいてありがとうございました。
今回、提出が遅れてしまいすみませんでした。
そろそろ、季節の変わり目・・・気温の変化が激しいですが、
お体にはお気をつけくださいね。
私はすでに風邪をひき、完治してぴんぴんしています。
今回は2度目のご参加ありがとうございました。
空はとっても元気なタイプなので、一緒に遊んでいただけて
嬉しく思っています。
ちなみに私は陸より空タイプ・・といっても運動神経がよい
分けではないのですが・・(苦笑)
悠宇さんは運動神経が良さそうな感じがします。
最近はあまり運動をしていないので、是非是非運動をしたいなっと
思いました。
今回はご参加いただいてありがとうございました。
                            葵桜。