コミュニティトップへ
高峰心霊学研究所トップへ 最新レポート クリエーター別で見る 商品別一覧 ゲームノベル・ゲームコミックを見る 前のページへ

<幻影学園奇譚・ダブルノベル>


●Happy Birthdayを君たちへ。〜フルーツゼリー大作戦〜

結珠編。
「陸くんや空くんは何をお願いしたのですか?」
「ボクは陸や皆が笑顔でいられますように、ってお願い事をしたんだよ」
 食事をしながら結珠は洞窟の事を思い出し、二人がどのような願いを込めたのか尋ねてみた。
 陸は願掛けをしていない様な仕草を見せたが、それも陸らしいといえば陸らしいが、お願いしたのか本当のところは定かではない。
 結珠は時間が経つごとに、沙羅と一緒に作った手作りゼリーを渡すタイミングを窺うがなかなか話題を持っていく事が出来ず手渡す事が出来ない。
 だが、話を自然と切り出したのは沙羅の方だった。
「そうだ!銀君から教えてもらったんだけど、今日は二人の誕生日なんだよね・・」
 沙羅と目が合い、結珠が半ばアイコンタクトを行い、その気持ちを察したかの様に沙羅は柔らかい物腰で話題に触れる。
「結珠ちゃんと一緒にお家でフルーツたっぷりのゼリーを作ってきたんだ・・」
「ええ、お口にあうと嬉しいです・・」
 持ち運びのしやすい軽くて小さめのクーラーボックスを沙羅と一緒に運び、陸と空の下へと帰ってくる。
 クーラーボックスを開き、結珠は冷たさが残っているかどうかを確かめる。
 決してとても冷たくて冷え切っているとはいえないが、程よい冷たさは保っている気がする。
 安心して口元を緩めて顔をあげると可愛らしく笑いかけてくれる沙羅の姿が目に入った。
「クーラーボックスに入れてきたから、なんとかまだ冷たいと思うけど・・・喜んでくれたら嬉しいな」
沙羅が告げると結珠は陸の為にゼリーを丁寧にお皿に移す。
「陸君、どうぞ・・」
「ありがとう。いただきます・・」
 対面する椅子へと結珠は腰を下ろし、ゆっくりと口元へ運ぶ陸の反応をちらちらと窺う。
「・・・・どうですか?」
「うん、美味しいよ・・」
 緊張の面持ちで見つめていた結珠の顔が見る見るうちに嬉しそうな顔へと変わる。

「改めて空君、陸君誕生日おめでとう・・」
「お誕生日おめでとうございます」
二人が食べ終わった後に沙羅が告げると、その後に続いて結珠も笑顔で二人に告げた。



日記帳【陸の日記より】
 今日は皆が海キャンプに連れて行ってくれました。
 結珠さんとは話すのが初めてで、初めは躊躇していたけど、だんだん自然に話せるようになりました。
 洞窟内では俺のペースに合わせてくれたお陰で歩きやすかった。
 結珠さんは少しだけお母さんに似ている感じがする・・かな。

 最後には俺と空に結珠さんが沙羅さんと一緒に誕生日プレゼントにフルーツゼリーを作ってきてくれました。
 フルーツゼリー、とても美味しかったです。
 来年も楽しい誕生日を迎える事ができるといいな。
 今度、また結珠さんと会う機会があった時はもっと話が出来るといいな。


□■■■■■■□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□
■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
□■■■■■■□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□
【整理番号 / PC名 / 性別 / クラス】
2480/九重・結珠(ここのえ・ゆず)/女/17/2年A組

□■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□
■         ライター通信          ■
□■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□
今回、担当をさせていただきました葵桜です。
ご参加いただいてありがとうございました。
今回、提出が遅れてしまいすみませんでした。
そろそろ、季節の変わり目・・・気温の変化が激しいですが、
お体にはお気をつけくださいね。
私はすでに風邪をひき、完治してぴんぴんしています。
二度目のご参加ありがとうございました。
陸と空はどうでしたでしょうか??
前回も海を舞台とした作品でしたが、どちらも楽しんでいただけると
幸せです。
私もゼリー作りは時々します♪
実はゼリーがとっても大好きなんです・・。
自分で作ると大き目のゼリーが作れるのでとても大好きです。

                            葵桜。