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<幻影学園奇譚・ダブルノベル>


月夜の石集め
〜無理はほどほどに〜

ざくざくざく…。
砂浜を踏みしめながら、総勢6人の大人数は歩く、歩く、歩く。

「……はぁ…」

メンバーの中で唯一(鎖々螺は男みたいなものなので除外)の女性であるマイは、やはり女性故か歩き通しの状況で疲れが見え始めている。
途中で何度か休憩を挟ませてもらってはいるのだが、やはり体力に自信がないのか疲れは着実に蓄積していく。
深い溜息は息を整える意味もあわせており、彼女の辛さを表す証でもある。
しかしあまりにも何度も他の人たちを立ち止まらせるのも気が引けるし…。
そう考えているうちにどんどん皆は進んで行き、マイは疲れていくという悪循環が出来上がっているのだ。
…このまま歩いていても恐らく彼等の足手まといにしかならない。
ならば……。

「…すいません…」
「どうした?」

立ち止まって小さな声で呟くと、マイのほぼ目の前を歩いていた鎖々螺が足を止める。
そして振り返って此方に近寄ってくる姿に罪悪感を感じつつも、マイは申し訳なさそうに呟いた。

「…あの…私、ちょっと疲れてきたので…。
 皆さんで、先に行ってください…」

弱弱しい声でそう呟くと、近くにあった倒木に座り込む。
鎖々螺はそんなマイの様子を暫く見た後…隣にすとんと座り込んだ。
「え…?」
「…女一人置いてけるワケないだろ」
きょとんとして見つめるマイに分かってねぇなぁ、と溜息を吐きながら答える鎖々螺。
自分も女だということは既に星の彼方に放ってきたらしい。

そんな鎖々螺のぶっきらぼうながらもささやかな気遣いに、マイは無意識のうちに微笑んだ。

「…鎖々螺様は、お優しいのですね」
「っつーか、相棒がワガママだから自然とこういう気遣いに慣れたってトコだな」

なんせ急に疲れたから休みたいですわー、とか言い出して駄々こねるようなヤツだからさ、と苦笑じみた笑みを浮かべる鎖々螺に、マイも自然と笑ってしまう。
そんな様子を見て微かに口元を持ち上げた鎖々螺は、ふいっと顔を前に向けて口を開く。

「そう言う事だから、人の気遣いは大人しく受けておけ」
「…はい」

「少ししても疲れが取れないんなら俺が背負ってってやる」
「……はい」

「俺たちに合わせて無理しなくていいからな」
「………はい」

ぽつぽつと話される言葉に、マイはどこか嬉しそうに頷く。
鎖々螺はそんなマイの様子を横目で見ながら、ゆるく微笑んで口を開いた。


「―――――折角美人なんだから、もっとそれを活用しろよ」


その言葉に嬉しいやらむず痒いやら、妙に恥ずかしいやらで、マイは仄かに頬を赤らめて頷く。


「…やっぱり…鎖々螺様はお優しい方です…」


ふわりと嬉しそうに微笑むマイの姿に―――鎖々螺は、どこか恥ずかしそうに笑うのだった。

<結果>
入手:無し。

終。

■登場人物(この物語に登場した人物の一覧)■
【整理番号/名前/性別/クラス/属性】

【0126/マイ・ブルーメ/女/3−C/闇】

■ライター通信■
大変お待たせいたしまして申し訳御座いませんでした(汗)
学園ダブルノベル(海キャンプ編)個別をお届けします。 …いかがだったでしょうか?
ちなみに今回は残念ながら巳皇と話す方はいらっしゃいませんでした…結構好きなんですけどねぇ、私は(お前の好みは関係ない)
その代わりにB地点…鎖々螺のところが予想以上に多くて驚きました。やっぱり海辺は人気高いんですかねぇ…?(何)
そして例によって例の如く、PC様によっては入手アイテムなぞつけてみました(笑)
GETした人とGETしてない人がいるのは…単に私の趣味です(ぅをい)
場所ごとにNPC達の裏事情を散りばめて見ましたが…どうでしょう?わかっていただけましたか?(笑)
実は鬼斬の裏事情が一番多いのですが、それは単に彼の裏設定が一番多く決まっていたからに他なりません(ぇえ)
裏事情を垣間見て、NPC達に更に馴染んでいただければなぁ、と考えております。
全体的に色々と謎を残す不思議な展開・奇妙な終わり方を目指しておりますので、その謎について色々と考えてくだされば嬉しいです。
なにはともあれ、どうぞ、これからもNPC達のことをよろしくお願い致します(ぺこり)

【マイ様】
ご参加どうも有難う御座いました。
短編個別で申し訳ございませんが、B地点参加者中唯一(笑)の女性だったので、鎖々螺も気を使いそうだなー、と言うイメージからこんな感じになりました(をい)
鎖々螺が妙に男前(?)ですが、なんとなく妹を持った兄貴(笑)の気分なのだと思います。
実際鎖々螺の年齢は恐らくマイ様を軽く上回っているので…正にそんな感じかと(ぇ)
マイ様はおしとやか系な女性と言うことで、なんとなくはかなさを纏った感じになるよう頑張りましたが…如何でしょう?
イメージを崩してしまっていたら申し訳ございません(土下座)

色々と至らないところもあると思いますが、楽しんでいただけたなら幸いです。
それでは、またお会いできることを願って。