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<幻影学園奇譚・学園祭パーティノベル>


CASLLと愉快な仲間達、コンサートを行く!

本日は在校アイドルと吹奏楽部がコンサートを行う日。
そしてその昼の部に、あるバンドが参加しようとしている。

―――現在控え室には、CASLL・TO、三春・風太、春日・イツル、雪森・スイの四人が最後の打ち合わせをしながら出番を待っていた。

…しかし、空気は奇妙な感じだ。
「…シオンさん、遅いですねぇ…」
ぽつりと漏らしたのは、風太だ。
彼の言うシオン先輩とは、バンドメンバーの最後の一人である、シオン・レ・ハイのことである。
確かに予定は伝えておいた筈なのに、彼は未だに到着していないのだ。
…要するに、遅刻。
とりあえずはストライキとかサボりとかではないことを祈るしかないだろう。

ちなみに他のメンバーの担当などを説明しておこう。
CASLLはギター。風太はドラム。イツルはダブルギター。スイはベース。
ボーカルはその時その時でアバウトに。…此処だけは結構適当。
遅刻している件のシオンはキーボード。…要するに、シオンがいないと色々と問題が出るわけで。
イツルが代役が出来るとはいえ、今から急に変えるのも中々難しい。
というか、メンバーはほぼ素人状態の人が半数を占めていると言う時点で大分イタタな状態ではあるのだが、『どうせ有志だし問題ないない』と適当に認可する生徒会もそれはそれで中々イタタだと思われる。
例えば風太。「やったことある楽器は〜。カスタネットにピアにかでしょ、あと笛とか…あ、お祭りで太鼓叩いたこともあるよ!」とのことで…ドラム担当が足りなかったのでドラムになったという愉快な経緯もある。
スイなど限りなく男性に近いが、性別は女性。…の割には男装+派手さ全開の衣装ではある。
…結局出来ればシオンには間に合って欲しいのだが…。

「…とりあえず、あとは出番まで休憩しないか?」

そのスイの言葉に、全員は大人しく頷いた。
まぁ、正直言ってしまえばシオンがいないので練習もしっかりできないというのがホントのところだが。

「…それにしても…」

横に置いてあった汗をかいたペットボトルを手にとって軽く飲みながら、CASLLはぽつりと呟く。
「はい?」
その呟きは、丁度隣で休憩をとっていたイツルにだけ聞こえていたらしい。
不思議そうに聞き返すイツルに、CASLLはその『泣く子も黙る』どころか『泣く子も気絶する』程の凶悪顔を不安そうに歪ませ、片手で持っていたペットボトルを両手で包むように持ち替え、口を開いた。

「…今更ですけど、このバンドのメンバーって、三春さんと雪森さんとシオンの…超絶ボケトリオがいるんですよね」
「あぁ、そうですね」

とりあえず本人達が聞いたら怒りそうな呼称だが、本人達には聞こえてないのだから別にいいだろう。
そう判断したのか頷くイツルに、CASLLは益々不安そうに顔を歪めた。
――凶悪面パワーアップ。今なら生意気なクソガキも五秒で号泣です。――
なんて思い切り失礼なナレーションを心の中で行いながら、イツルはCASLLの言葉を待つ。
するとCASLLはどこか瞳を潤ませ(凶悪さ当社比20%増)つつ、がっとイツルの両手を鷲掴む。

「どうなることか…心配で心配で…。
 ……春日さん、頑張りましょうね!!!」

まるで同士は貴方だけ!とか本日の当選者は貴方です!みたいなノリ。
驚いて目が点になるイツルをよそに、CASLLはなんだか一人で盛り上がっていく。

「CASLLさんって、疲れてるんですかねぇ?」
「……若いうちにストレスを溜めると、ハゲ易いと聞くが…」
「へぇ、そーなんですか?
 じゃあ、今度育毛剤プレゼントした方がいいですかねー?」
「…とりあえずタコ殴りにされたくなければ、やめた方がいいと思うぞ…」

そんなCASLLとイツルを見ながらの風太とスイの会話がこれ。
…自分達がその原因であるって気づいてます?キミタチ。

……まぁ、その直前の会話内容が聞こえてなかったのは幸運だったのだろう。
…主に、CASLLにとって。


「すいませーん。時間なんですけど…」


そんなCASLL達を見て、呼びに来た係の人は戸惑いつつも恐る恐る声をかけるのだった。


***

そんな感じで、まもなくコンサート開幕。


…ただし、まだシオンは到着しておりません。


「…シオンさん、間に合いますかねぇ…?」
「と言うか間に合って貰わねば困るのだが…」
「そうですよね…代理でも楽譜見ながらじゃイマイチ決まりませんし…」
「シオンは一体どこに行ってるんですかっ!!」
舞台袖で盛り上がる観客を見ながらの会話に、観客は一切出てこない。
むしろそれよりもシオンがこないことの方が重要事項だからである。

「あのー…そろそろ始めていただかないと困るんですけど…」

時間が迫ってますし…と困ったように言う進行係の声を聞いて、四人は困ったように(あくまで『ように』!)顔を見合わせる。
そして少々の間の後…CASLLが、深々と溜息を吐いた。
…だけだったのだが、何故か進行係が怯えて顔が真っ青に。そんなつもりじゃなかったのにね。ちょっとCASLL凹んでるし。
しかし気を取り直したのか、CASLLが背筋を伸ばして口を開く。

「…仕方ありません。このまま始めましょう」

「……まぁ、それしかありませんよね」
「シオンが確実に来るという確証がない以上、やるしかないだろうな」
「もー、シオン先輩ホント一体どうしたんでしょうね?」
他の三人も、CASLLの言葉に同意した。
…若干一名違うことを言ってるような気もするが否定がないのならOKなのだろう。

「…それじゃあ、このまま始めるということで」
「は、はいっ!」
CASLLの言葉に進行係は頷くと、大急ぎで身を翻す。
ばたばたと去っていく足音を聞きながら…四人は、大きく深呼吸した。

やはりこういう行事ごとで大勢の前に出るというのは何度やっても慣れないもの。
始まる直前のドキドキは、誰にだってほんの少しは存在するものなのだから。

CASLLは一際大きく息を吸って吐くと、きっと前を見据える。
凶悪顔と相まってかなり怖いことになってるが、ツッコミ担当はいないため誰もそのことは言わない。


『――――――大変長らくお待たせいたしました。
 ただいまから、コンサート昼の部を開催いたします!!!』


わ―――――――ッ!!!


「…さぁ、皆さん。行きますよ!」
「「はい」」
「あぁ」
そして四人は、頷き合って一歩踏み出した―――。

***

……で、終われればどれだけよかったことか。
ステージに出た途端、CASLLはそう思う。
…しかし、現実はそうは行かない。

わーわーと盛り上がる観客を前に逃げることなど、お天道様が許してもこの役者魂が許さない!!

…そんなわけで、CASLL達は今ステージの上に立っていた。
挨拶も終わらせて、もう後は演奏を始めるだけである。
本来ならシオンがいるべきポジションにはイツルが配置。
イツルのダブルギターはなかったことになっている。


「…それじゃあ、一曲目…」


始めますよ、とCASLLが言いかけたとき、どこからともなくざわめきが!!
一体何事!?と驚いてあちこちを見渡すと、ざわめきはどんどん伝染して広がっていく。
その声の源は舞台袖だ。
四人が一斉にそちらを見るとそこには光り輝くミラーボール…じゃなくて巨大な毛玉が。
しかもそれはどたばたと慌しい足音を伴ってこちらへやってくる。
なんだ、宇宙人の襲来か!?それとも演劇部のアドリブ劇でも始まるのか!?
「ごめんなさ―――いっ!!」
と全員が警戒しかけた時、そこから聞こえてきたのはどうやら聞き覚えのある声。

「…シオンさん?」

どこかぽかんとした風太が、ざわめきの中でぽつりとその名を呼んだ。
―――そう、光り輝く毛玉の正体は、アフロのカツラを被ったシオンだったのだ。


「すいません!遅れましたぁ―――――ぁぶすッッ!!!」


相当急いでいたのだろう。
足元を全く見ずに突っ走っていたシオンは、機材のコードに見事に足を引っ掛け、思いっきりずっこけた。


ずべしゃぁあっ!!


ある意味見事な効果音を伴いつつ、一直線に顔面スライディーング。
顔を下敷きにし、体はシャチホコの如く見事に反り返り、もうちょっとで足が頭につきそうな気さえしそうなぐらいの状態でズザザザザーッ、と舞台の中央まで滑ってきた。
もう有り得ないほど見事なコケっぷり。
正に顔面スライディング万歳だ。一緒についてきた奇声も人間らしくなくていい感じ。
そして舞台の中央についたシオンの反り返っていた体は、こてん、と舞台に静かに落ちた。


しー…ん。


…会場中に満ちる、なんだかいやーな沈黙。

「…生きてるか…?」
長い沈黙の後、スイのちょっと失礼な呟きがぽつりと出た頃、ビヨヨーン、と愉快な効果音を伴って、シオンが起き上がった。


「―――すいません!遅れました!!」


「その台詞、さっきも言いましたよね」
ビシィッ!と敬礼しながら気を取り直して叫ぶシオンに、イツルから痛烈な突っ込みが入る。
それにぐさっ!と刺さるような効果音が聞こえ、シオンがよろめく。
そんなにオーバーリアクションしなくても、誰でもわかってることだよ、オニーサン。

「…ところで、その格好はいったい…?」

よろめくシオンを見ながら、CASLLが既に疲労困憊と言わんばかりの表情で問いかける。
それにシオンはあぁ、と答えると、胸を張ってえらそうに答えた。


「コンセプトは『ナイトフィーバー』です!!
 どうですか!?」


「…いや、『どうですか』と聞かれても…」
なんだか妙に楽しそうなシオンの問いかけに、CASLLは脱力しながら呟く。

大量のラメやら電飾やらが仕込まれているのか、キラキラと輝くアフロ。見たところアフロだけでもが軽くシオンの頭三つ分くらいあるのがかなり怖い。
いっぺん燃えたりしたら無事じゃあすまないだろう。間違いなく。
服装もプレ●リーばりの白いスーツもどきに袖口広め。腕を動かすたびにひらひら動くスダレ…げふごふ。もとい、細かい布が沢山ついたような飾り。
靴先が反り返ったへんちくりんなブーツ。
これでイロモノサングラスでもかけてたらきっと誰も彼がシオンだと判断することはできなかっただろう。
っていうかぶっちゃけおとーさんが嫌っちゃう果物+日本中にありふれてる最低でも学年に一人はいそうな苗字という愉快な芸名持つ人に見えなくもないのは何故だろう。

白い目で見るCASLLをよそに、風太はじーっと彼を見た後…口を開いた。
「――シオンさん、かっこいいです!」
「え゛!?」
CASLL、予想外の言葉にビックリ。
驚いて風太を見てみれば、彼はシオンを見ながら乙女チックに組んだ手を顔の前に持っていき、キラキラ輝く純粋な瞳で尊敬のまなざしを向けている。
「…ふむ、中々趣深くて悪くはないな」
「え゛ぇ!?」
更に無表情ながら感心したように言うスイに更にビックリ。
「そうでしょうそうでしょう!?」
シオンは二人から褒められてすっかりゴキゲンだ。
心なしか背後にお花が見えるような…とりあえず薔薇ではないことだけは確かだが。

「では風太さん、スイさん、是非ご一緒にポーズをとりましょう!!」

「はい!!」
「…いや、私は遠慮しておく…」
何が『では』なのかは全く持って不明だが、そんなことは気にしてはいけません。
シオンの『夕日に向かって走ろう!』ポーズに同じく青春真っ盛りな感じで答える風太と、こう言う所はきっぱり拒否するスイ。

「そうですか…残念ですね…。
 では風太さん、行きますよ!!」
「はい、シオンさん!!」
まずは基本のポーズです!とか言いながらびしばしとポーズを取り出すシオンと風太。
会場はなんだか別の意味で異様な盛り上がりを見せている。
…それでいいのか、コンサート。

「…あぁ、どんどんコンサートがコンサートではなくなっていく…!」
決めポーズをとりまくっていろんな意味で会場を盛り上げているシオンと風太の後姿を見ながら、CASLLはわなわなと震える。
そんな彼の肩をぽむ、と叩く人一人。
……イツルだ。
「春日さん…」
情けない雰囲気なのにやっぱり凶悪面な彼は、すがるような視線すらも一種の凶器だ。
しかしイツルはそれにふっと口元を緩ませると、そのまま一言。

「……頑張ってくださいね?」

――――――自分は全放棄しちゃいますよー宣言。
そのイツルの言葉に、CASLLが更に深々と沈んだのは…言うまでも無い。


――コンサートが再開されるのは、これから数十分後のこと。
   その間、『アフロシオンと風太の決めポーズ講座』が行われていたのは…言うまでもない、か?


***

『えー…では、気を取り直しまして』

ようやく落ち着きを取り戻した会場で改めてメンバー紹介から始めなければならない理不尽さに駆られつつも、CASLLは静かに口を開いた。
既に疲労の色が濃く見えるが、凶悪面ゆえか逆に怖さを際立たせる結果にしかなってない辺りがなんともはや。

『全員揃ったところで改めてバンド名から言い直させていただきたいと思います。
 私達は…』


『「CASLLと愉快な仲間達」です!!!』


ずしゃぁっ!!

CASLLがコケた。
勿論原因はバンド名を言おうとした時に横から珍妙な名前を発したシオンさん。
今日も間違った方向で元気なご様子。

『シオンさん、それ、違いますよ?』
『え?違うんですか?』
『…なるほど、天然か…』
『天然って時には何物にも勝る凶器ですからねぇ…』

こけて悔しさからかショックからかぷるぷる震えているCASLLを無視して(一部は素で気づいてない)呑気に会話する四人。
しかもその会話はマイクを通して駄々漏れなもんだから、会場のそこかしこから噴出す音やら失笑やらがぽつぽつと。
CASLLはこのまま地の底にでも沈んでしまえたらどれだけ楽だろうかと思った。
…とはいえ、このまま凹んでても何も始まらない。
CASLLは力なく起き上がり、再度マイクを手にとって口を開いた。

『…もうバンド名に関してはこれ以上追求しない方向で行きます。シオンが来る前に話しましたしね』

そう言いながらCASLLはメンバーに合図をし、配置につくように支持する。
それに気づいたメンバーが楽器を手に取ったり準備をしたりするのを見て、CASLLはヘッドマイクを装備した。


『――――それじゃあ今度こそ気を取り直して、一曲目!!』


わ――――――っ!!!!!!
と会場が盛り上がる中、演奏が始ま…。


ギャギギュギギョギュイイィィィィンッ!!!!!!!
『『ぎゃ――――ッ!!!!』』


…った瞬間、どこからともなく発生した言葉では表せないほど恐ろしい怪音波によって、演奏は早速ストップすることになった。
会場内はステージ上のメンバーも合わせてあまりの破壊的な怪音波のせいで悶える人々続出。
とくに近くにいた人たちの被害は甚大だ。何人か気絶している人もいる。

『…すまない。失敗したようだ』

……原因はスイさんでした。
どうやらエフェクタを使って今の音波を出してしまったご様子で。
ある意味彼女の将来が心配であり、またうっかり期待してしまいそうで怖いです。


――…私、早くももうめげそうです…――

そんなモノローグをひっそり心中で語りながら、CASLLはしくしくと人知れず心の中で涙を流す。
巷で噂の気になる俳優さんに作って貰ったアクセサリーが、励ますかのようにきらりと光った。…CASLLは凹んでて気づいてませんけどね。


――――――ライブが再開されたのは、これから三十分ほどあとのことだったそうです。
         ちなみに今の怪音波によって保健室行きになった人は十数人にも及んだそうな。


***


そしてその後、ライブはつつがなく…とまではいかないが、恐ろしい怪音波は無い方向で死傷者はなく行われた。


曲はロック・ジャズ・ヘビメタ・ユーロビートやテクノ系など、様々な曲が演奏され。


CASLLによって行われたサックスによるジャズ演奏は渋く格好良く…行われるはずだったのだが、シオンの不思議な踊りによって微妙な雰囲気になったり。

ロックでハードに格好良く…を目指したのだが、イマイチ決まらず。…やっぱり目の前の巨大アフロがネックだと思います、先生。
ちなみにその時、テンションが上がった風太が唐突にドラムを放棄して観客に向かってダイブをかましたが、大慌てで避けられて床と熱烈チューしちゃったりとか。

途中でシオンと風太による二人だけの歌のコーナーが行われて、カエルの歌の輪唱やら昔懐かしゴレ●ジャーの熱唱やら、バンドとはとてつもなくかけ離れたどっちかって言うとカラオケ風な展開があったりとか。

曲と曲の間にはアフロシオンによるとてつもなく情熱的なリコーダー演奏(チャルメラ)によって観客を脱力させたりとか。

ハンドル握ると性格変わるタイプなのだろうか。
演奏が始まってから妙にキャラが変わったスイによって精霊の力を借りて幻想的な光の演出や、機械だけでは絶対に不可能なほど様々な色に変化するライトアップなどをさせて観客を沸かせたりとか。


盛り上がったには盛り上がったのだが、所々ちょっと盛り上がりのベクトルが違ったような気がする。
まぁ、盛り上がったのだからそれはそれでいいのだろう。


――――そして、終演。


『―――――最後までお付き合いいただき、有難うございました!』
『『『『有難うございました!』』』』


わ――――――――ッ!!!!!!


CASLLの締めの挨拶に他の四人が一緒に挨拶をすると、観客達が一斉に歓声をあげた。
経過はどうあれ、盛り上がりは中々良かったらしい。


ステージの興奮冷めやらぬうちに舞台袖へと引っ込んだ面々。
CASLLはどこか感動したように全員を見回し、にこりと笑った。
…ただし、凶悪面のせいか、『にこり』ではなく『にやり』の方が似合いそうな笑いだったが。

そして全員に向かって手を伸ばし、握手を求める。
全員と握手を交わすと、CASLLは感動(色んな意味で)に目を潤ませつつ、口を開く。


「―――皆さん、お手伝い、どうも有難うございました!」


その言葉に、皆も笑み(一部は笑ってるように見えた気がしただけ)を返す。
そしてその後、シオンが意気揚々と声を上げる。

「…是非、またやりたいですね!!」

「……いや、それはちょっ…」
「はい、僕も今度こそダイブを成功させたいですしね!」
「……今度は失敗せぬようにしたいな…」
「…………」
CASLLの言葉をさくっと遮って盛り上がるシオン・風太・スイ。
そんな三人を硬直して見やるCASLL。
…ぽむ、と叩かれる肩。

―――またもや、イツルだ。

「…」
今度はなんですか、と言いたげなCASLLの視線を受けながら口元を緩めたイツルは、ゆっくりと口を開く。


「……きっとまた同じことになるでしょうから、頑張ってくださいね?」


――――――言うまでもなく、CASLLはその言葉に深く深く沈みこむのだった。


その後、CASLL以外のメンバーによって二度目のライブの話が持ち上がり。
戸惑うCASLLをよそにどんどん進んでいく話に凹みかけたりもしたのだが。
…それが現実になったかどうかは、定かではない。


終。

●●登場人物(この物語に登場した人物の一覧)●●

【2254/春日・イツル/男/1−B】
【2164/三春・風太/男/1−C】
【3304/雪森・スイ/男/3−C】
【3356/シオン・レ・ハイ/男/3−C】
【3453/CASLL・TO/男/3−C】

○○ライター通信○○
大変お待たせいたしまして申し訳御座いません(汗)
なにはともあれ、ご発注、どうも有難う御座いました。
無駄にテンション高いノベルですが、如何でしたでしょうか?
しかもライブを実際に見たことないのでどんなテンションや雰囲気なのかわからず、ライブ部分は省略してます(爆)
…シオン様登場時が一番長いですね。趣味ですみません(汗)
とりあえずシオン様大暴走で、CASLL様超苦労性、と言う感じで。大分キャラ壊れてますが…大丈夫でしょうか?(滝汗)
そして便乗されたり傍観者に徹してたりと、他のお三方がそれぞれ愉快に絡められてるといいなぁ、と…(何)
風太様はノリノリで、スイ様は一線引いてるように見せかけてさりげなくボケて、イツル様は巻き込まれないように一歩下がったところで傍観、といった感じです。
色々と至らないところもあると思いますが、楽しんでいただけたなら幸いです。
それでは、またお会いできることを願って。