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<幻影学園奇譚・ダブルノベル>


<飲茶店 文月楼 モーリス・ラジアル編>

 日も落ちかけて学園祭の喧騒も終わり、飲茶文月楼もそろそろ片づけを始めようかという時間帯。
軽いその場での打ち上げの後、他の手伝ってくれた人達が皆帰った後、モーリスは紗霧と隆美に学園祭の記念に一緒にお茶をしないか声を掛ける。

「もうお客さんもこないだろうし、後は片づけするだけだしね。
紗霧ちゃんへの良い記念にもなると思うし、一緒に三人でゆっくり、とまではできないかもしれないけどどうかな?」

 そのモーリスの言葉に小さく隆美はうなずく。

「そうね、打ち上げの三次会って事で、在庫整理をしてしまうの悪くないわね。」

 隆美は残ってしまった、在庫を見てモーリスに答える。

「そういう訳で紗霧、これから簡単な三次会をやっていくわよ。」
「そうそうやっていきましょう。」

 なにやら決意のようなものを感じさせる隆美とやたらとうれしそうなモーリスを交互に見ながら紗霧は少し困ったような声を上げる。

「まさかお姉ちゃんこの場に残ったの全部なくしちゃうつもり?」
「ええ、そのつもりだけど?モーリスが手伝ってくれるって云うし、ね。」
「そうそう手伝いますよ。」
「でも……。」

 まだどこか不安そうにしている紗霧の不安を払拭させようと隆美とモーリスが声を合わせる、が隆美の次の言葉がモーリスを愕然とさせる。

「大丈夫だって、大半はモーリスが処分してくれるんだから。」
「………え?」
「本当ですか?モーリス先輩?」

 その隆美の言葉に驚いた声を上げるモーリスと、紗霧であったが隆美がそのモーリスに追い討ちを掛けるかように微笑む。

「だってモーリスは女の子には優しいですもの、私たちに押し付けようなんて思っていないわよね?」
「………え、ええ、勿論ですよ。」

 どこか引きつった笑顔を浮かべながらモーリスは答える。
そしてここで女性の言葉を遮る事のできるモーリスではなかった。

「それじゃ、紗霧お茶を用意して、私が肉まんを用意するから」
「うん、判ったよ。」

 そういって二人は最後の打ち上げの準備を始める。
モーリスはただその様子を微笑みのこびりついた顔で見つめているしかできなかった。

だがその後は三人で楽しいティータイムを取る事ができ、モーリスはただお腹がいように膨れた事以外は満足であった。


Fin

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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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≪PC≫
■ モーリス・ラジアル
整理番号:2318 性別:男 年齢:527
職業:ガードナー・医師・調和者

≪NPC≫
■ 佐伯・隆美
職業:大学生兼古本屋

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■         ライター通信          ■
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どうもこんにちわ、ライターの藤杜錬です。
この度は幻影学園奇譚ダブルノベル『飲茶店 文月楼』にご参加いただきありがとうございます。
同じキャラクターを使いつつ、違う設定というのを活かしてみたいと思って始めた今回のダブルノベルでしたがいかがだったでしょうか?
モーリスさんはどちらかと云うと個別中心になってしまったのですが如何だったでしょうか。
モーリスさんの幻影学園が楽しめるものだったことを祈ります。

2004.10.3
Written by Ren Fujimori