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<幻影学園奇譚・ダブルノベル>


科学部の危険な喫茶店

 科学部喫茶店「エディション」で飲んだハーブティーは、皆で騒いでいたり写真をとったりしたので、煮出した時間が長かったため、たいへん濃いお茶となった。
 が、それでも中に入れいていた葉がいいものだったのだろう。カモミールティーはとても美味しくいただけた。
 園芸部から分けてもらったというカモミールの葉と、オマケでミントの葉をお土産にもっていったクッキーのお礼だと言って初瀬日和はもらってきたのだ。
 今日はそれを試してみる事にする。
 またクッキーを焼いて、自分だけのためにお茶の準備をする。手間はかかるが優雅な時間が過ごせるというものだ。
 クッキーが焼きあがる直前に日和は科学室でやってもらったようににカモミールティーを作り出した。
 コーヒーメーカーに使われれいるガラスの瓶の中にお湯を沸かして、沸騰したらカモミールを入れる。
 普通、ハーブティーというものは、沸かしたお湯に葉を入れて、少し待つ程度で香はお湯に移るのだ。水から葉をいれて沸騰させたらめちゃくちゃに濃いのである。
 日和はそれを知っていたので頭の中にあるレシピどおりにカモミールティーを入れる。
 ティーパックのものではない、生の葉からとった香は、それを飲んだらティーパックのものなんて飲めない、というほど美味しいものだ。
 それにハーブティーというものは神経に若干作用する。カモミールは沈静作用がある。
 飲むと神経が落ち着くのだ。
「もうそろそろ、ハーブティーもいいかしら」
 そう言ってカモミールの状態を見る。薄い緑色に変色したお湯の香は得も言われぬいい匂いだ。
 それを確認した後、湯からカモミールを抜いて、お気に入りのカップを取り出す。
 そしてこれまたお気に入りの洋風小皿に焼きたてのクッキーを並べて椅子に座る。
 居間の白いテーブルの上には喫茶店にも負けなほどの豪華なお茶の準備ができた。
「あ、音楽もつければ最高よね」
 日和はCDデッキにピアノのCDを入れて、それを流す。
 室内に心地よいピアノの音楽が流れ出した。
 美味しいクッキーと美味しいお茶。
 そしてピアノ。
 最高級のお茶の時間だ。
(でも、やっぱり誰かと一緒に飲むお茶の方が楽しいな)
 昨日の事を思い出してぼんやりそう思った。
「明日あたり、また行こうかな」
 そう考えるとクスリと笑みが浮かぶ。
 変な喫茶店だったけど、楽しかったのは事実だったからだ。
 ハーブティーを飲みながら、暇を持て余して日和は読みかけの本を読む。
 こんなに優雅なティータイムを過ごしているにも関わらず、科学部の喫茶店にまた行こうと思うところが彼女の凄いところでもある。
           ☆END☆     



   登場人物                
【整理番号 / PC名 / 性別 / クラス】ください。

3524/初瀬 日和  / 女性  /某有名進学校の生徒

         ライター通信 
本編ではお嬢様だけど、冒険好き、という感じになりました。
個別では一人の話なので、難しかったです。
ハーブティーとクッキーとクラシック。そんな優雅なティータイムが似合いそうだったので、このような話になりました。
今回発注、有難うございました。   

 有月 加千利 拝