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<幻影学園奇譚・ダブルノベル>


それゆけやれゆけコスプレ喫茶!
〜“あたし”の思い出〜

1日目、午後。
みあおは休憩時間を楽しく過ごすため、数人の生徒を誘って他の出し物を見て回っていた。
その中にはまきえも含まれている。

ある程度あちこちを回ったみなも達は、そろそろ戻ろうかと言うことになり、帰りがてらに食べ物を買って帰ることにした。

帰り道にロシアンたこやきを買ったまきえの隣を歩きながら、みあおは笑顔でジュースを飲んでいる。
そんなみあおを横目で見たまきえは、ぽつりと声をかけた。

「…楽しそう、ですね…?」

「え?」
まきえの言葉に驚いて問い返すみなもに、まきえはふわりと笑い返す。
「…いえ、なんとなく、普通よりも楽しそうに見えたもので…」
私の勘違いかもしれませんけど、と苦笑するまきえを見て、みなもは小さく苦笑した。

「…そんなに楽しんでました?あたし」

「えぇ、とても…。
 …あまりにも楽しそうに笑っていらしたので、どうしたのかな、と思いまして…」
そう言ってにこにこと微笑むまきえに笑みを返し、みなもは困ったように笑うと、両手でコップを包むように持って口を開く。

「…なんて言うか…『嬉しい』んです」
「『嬉しい』?」
「はい」

まきえの声に頷くと、みあおは何かを思い出すように瞳を閉じて話す。

「“あたし”の思い出が少しずつ増えていって…それを残せるのが、嬉しいんです。
 こうやって皆で出し物を見て回ったりとか、今回のお仕事ができることも」

勿論この衣装を着れたことも大事な思い出です、とスカートの端を摘んで笑うみあおに、まきえも優しく微笑む。
「…沢山思い出が残るのは、素敵なことですね…」
「はい」
まきえの言葉に嬉しそうに頷くみあおに、まきえはにっこりと笑うと、すっとみあおの前に手を差し出した。

その手の先には――――ほかほかと湯気を立てるたこ焼きが刺さった、爪楊枝。

「これは…?」
「…『思い出』の一つに、如何ですか…?」

まきえの言葉に、みあおが驚いて眼を見開く。
けれどそれも一瞬。みあおはふわりと、嬉しそうに微笑んだ。

「…それじゃあ、頂きます」
「はい、どうぞ」

ぱくり。
少し恐る恐るなみあおだったが、たこ焼きは無事彼女の口に収まる。
もぐもぐと租借するみあおに『どうですか』とまきえが問いかけると、みあおは少し困ったように笑った。

「……中に入ってたの、おもちでした」
「…私が食べたときは、鷹の爪丸々一本入ってましたよ…?」

どちらにしても微妙な中身。と言うかまきえの口の中は大丈夫なのだろうか。色んな意味で。
そんな不思議な会話なのに、2人は楽しそうに笑い合うのだった。


――――――教室に戻って大惨事を目撃して顔を見合わせるのは、これから十数分後の話。


終。

●●登場人物(この物語に登場した人物の一覧)●●

<1日目>
【1415/海原・みあお/女/2−C/ウェイトレス】

○○ライター通信○○
本当に、ほんっと――――――に!!大変お待たせいたしまして、申し訳御座いませんでした…!!(汗)
学園ダブルノベル(学園祭編)をお届けします。 …いかがだったでしょうか?
ちなみに今回もまた、残念ながら葉華と絡んで下さる方はいらっしゃいませんでした…何ででしょう?(知るか)
他のNPCには最低一人は絡んでくださっていらっしゃったので、全員出来るだけ均等に振り分けてみました。
振り分けてみると、全日よりも三日に分けたほうが人数の割合的に丁度よさげなので、三日間分担です。
また、NPC達は色々考えた結果、全員三日間全部に登場する事にしました。…そうじゃないと葉華の出番減りすぎますから…(遠い目)
文章量が予想以上に多くなったので、プレイングを見て共通で書きたかったなーと思っている部分も個別に回してしまいました。…うーん、残念(何)
特に共通では3日目が予想以上にすっきりしたので、3日目参加のお客様は量的に少々物足りないかもしれません。申し訳ない…(汗)
それでも書きたいところは全部書いたつもりなので、個人的には結構満足ですv(待て自己満足馬鹿)
なにはともあれ、どうぞ、これからもNPC達のことをよろしくお願い致します(ぺこり)

【みあお様】
ご参加どうも有難う御座いました。
魚のヒレと尾、まさかそう来るとは思わかなかったので本当に意表を突かれたと同時に凄く面白いと思わせていただきました。なので、喜んで採用させて頂きましたv
ただメイド服は先着の関係でピンク色になってしまったのでちょっと色バランス悪かったかもしれません。…申し訳ないです…。
個別は休憩で他の場所を回っている時のお話です。
共通で騒動の時にまきえがいなかったのは、実はみあお様と一緒に回ってたからなんです、と言う裏話も込みですが(爆)
なんだか少しシリアスになってしまいましたが、今回の副題になっているプレイングのあの一言を見たら無性に話が書きたくなりまして…すみません(をい)

色々と至らないところもあると思いますが、楽しんでいただけたなら幸いです。
それでは、またお会いできることを願って。