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<幻影学園奇譚・ダブルノベル>


それゆけやれゆけコスプレ喫茶!
〜どうしても勝てない相手〜

―――みどりは、疲れていた。

前日からの過酷なウェイトレスの仕事だけでなく、今日もウェイトレスで大仕事。
けれど自分から手伝いにきたわけだし、今更疲れたと言えるわけもなく。
…まぁ、普通に働いてるだけなら大丈夫だったんだろうけど。
崎にからかわれてそれに全力でリアクションしてしまうものだから、無駄に体力消費してるわけで。

「…うぅ、疲れたよぉ…」

歩いているみどりの足元がおぼつかなくて、本当に普通に危ない状況だ。
「おいみどり、大丈夫か?」
流石に心配になったのか、葉華が恐る恐る声をかける。

「あ、うん、だいじょう…」

ふらり。
立ちくらみ。
疲労がピークに達していたらしく、咄嗟に体を支えることも足を踏ん張ることもできない。

「みどり!?」
そのままぺたんと座り込んだみどりに驚いた葉華が声をかける。
反応がない。ただのしか…げふごふ。

「…おい、みどり…?」
まさか座り込んだまま気絶してるんじゃなかろうか。そうなら保健室に運ばないと。
色々とぐるぐる考えている葉華が、そっとみどりの肩に触れる。


――――――と。


「…私は平気だ。疲れてなどいない」

…雰囲気が変わった。
目を見開いて驚いた葉華を無視するかのように立ち上がったみどりは、取り落とした注文票を拾って歩き出す。

「……私は仕事に戻る。お前も気にせず仕事に戻れ」
「…あ、あぁ…」

ぽかんとした表情の葉華を一度だけ振り返ると、みどりはスタスタと歩き出す。
その後姿を見送った葉華は…ふと、一言だけ呟いた。

「……あれ?
 みどりの髪って…銀色じゃなくて、茶色だったんじゃ…?」

―――――気づくの、ちょっと遅い。

**

「…あれ?ハイエロファントって、何時の間にイメチェンしたの?カツラ?」
「……む…」

注文を取って戻る途中、崎がひょこっと現れてみどりの髪をつまみながらそう呟く。
みどりがむっとしているのにも構わず、崎はみどりの髪を触る。

「あー、でもキューティクルしっかりしてるしカツラじゃないよなぁ。
 染めたにしては随分綺麗に染まってるし…」
「気安く私に触れるな」

ぺしっ。
何時ものみどりらしからぬ行動。
周囲の空気は凍りつき、崎は驚いた表情で固まった。

「私の髪にべたべたと触るな。無礼者」

「……」
ぽかんとした表情でじっとみどりを見ていた崎。

しかし――――すぐに、『ぶはぁっ!』と噴出した。

「な、なんだ貴様は!?」
「やだハイエロファントってば口調までイメチェン!?
 時代劇!?時代劇なの!?
 カッコイー!!」

戸惑うみどりを無視してげらげら笑う崎。
「なっ…なんだ貴様は!?」
笑われたことに顔を赤くしてみどりが怒ると、崎は涙目になりながらごめんごめんと謝る。

「…そんじゃあお侘びの代わりに、お姫様に忠誠の証を☆」

崎はそう言いながらみどりの手をとると――――その手の甲に、ちゅっと口付ける。

「なっ…!?」
「そんじゃあ俺は仕事に戻るから、ハイエロファントも頑張ってね〜♪」

みどりが硬直している間にひらひらと手を振りながら去っていく崎。
暫くの間の後…かぁぁああっ、と顔を茹蛸並に真っ赤にしたみどりは、大声で叫んだ。


「こっ…この不埒者が――――――ッ!!!!!!」


――――その台詞に崎がまた大爆笑してしまったのは…言うまでもない、か?


終。

●●登場人物(この物語に登場した人物の一覧)●●

<3日目>
【3057/彩峰・みどり/女/2−C/ウェイトレス】

○○ライター通信○○
本当に、ほんっと――――――に!!大変お待たせいたしまして、申し訳御座いませんでした…!!(汗)
学園ダブルノベル(学園祭編)をお届けします。 …いかがだったでしょうか?
ちなみに今回もまた、残念ながら葉華と絡んで下さる方はいらっしゃいませんでした…何ででしょう?(知るか)
他のNPCには最低一人は絡んでくださっていらっしゃったので、全員出来るだけ均等に振り分けてみました。
振り分けてみると、全日よりも三日に分けたほうが人数の割合的に丁度よさげなので、三日間分担です。
また、NPC達は色々考えた結果、全員三日間全部に登場する事にしました。…そうじゃないと葉華の出番減りすぎますから…(遠い目)
文章量が予想以上に多くなったので、プレイングを見て共通で書きたかったなーと思っている部分も個別に回してしまいました。…うーん、残念(何)
特に共通では3日目が予想以上にすっきりしたので、3日目参加のお客様は量的に少々物足りないかもしれません。申し訳ない…(汗)
それでも書きたいところは全部書いたつもりなので、個人的には結構満足ですv(待て自己満足馬鹿)
なにはともあれ、どうぞ、これからもNPC達のことをよろしくお願い致します(ぺこり)

【みどり様】
ご参加どうも有難う御座いました。
崎ご氏名&衣装のご指定、まことに有難うございましたvやっぱり崎との絡みがかなり多いです☆
元々女装に慣れてる崎だったのでチャイナもまったく抵抗ありませんでしたが。声色も使えるので見た目普通に女やってたりしますこいつ(笑)
雪女モード編は個別に持ってこさせていただきましたv
変わった瞬間は口調の違いに絶対に戸惑いますよね。けどそれを気にしない雪女モードみどり様が素敵ですv(をい)
でも雪女モードでもやっぱり崎には勝てないんですね。書いててちょっと萌えましたv(待て)
きっと崎は気づいてるんですよ。でも知らないフリしてからかって遊んでるんです。…性質悪いっすね(ホントだよ)

色々と至らないところもあると思いますが、楽しんでいただけたなら幸いです。
それでは、またお会いできることを願って。