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<幻影学園奇譚・学園ノベル>


神聖都学園体育祭


 ――プロローグ

『 ○月×日 午前の部九時半スタート 午後の部二時スタート

 競技内容は下記の通り。

 団体競技。
 男子棒倒し。女子綱引き。男女共同球入れ。騎馬戦。
 個人競技。
 百メートル競走。障害物競走。パン食い競争。借り物競争。二百メートル競走。
 ボーナス競技。(各色の代表者による対決)
 三色対抗ウルトラクイズ。愛のエプロン(料理対決)。
 リレー。
 女子四百メートルリレー。男子八百メートルリレー。スウェーデンリレー。三色対抗リレー。

 各組応援団を決めてください。
 尚、競技の順番は今後決定します。
 応援合戦も含めまして、体育祭では全員仮装をしていただきます。尚、仮装をしなければ体育祭に参加できませんのでご了承ください。

 実況中継者を募集しております。生徒会までお申し出ください。

 生徒会 』

 こんなチラシが掲示板に貼りだされている。
 もちろんホームルームで競技決めも行われた。
 学園祭に続いて大きなイベントである。
 A、B、C組は各それぞれ白青赤と色を決められている。

 さて体育祭の主役は誰が奪うのか。
 サボルつもりの草間・武彦にしろ、寝ているだけの深町・加門にしろ、A組の戦力には変わりない。
 どの組が勝ち抜くのか! それをダシにして賭けるのも一興かもしれない。 
 
 
 ――エピソード
 
 玉いれ競技中だった。赤組は、卑怯な作戦に出た。
 赤組の仮装は『ムック』だったので、シオン・レ・ハイのムックの衣装の隙間に玉をこれでもかと詰め込んだあと、ベーはその怪力でシオンごと玉入れのカゴへ放り投げたのである。これは誰も考え付かない妙案だった。
「おーっと赤組、人間を投げた、人間を投げたぁ、恐るべき怪力。そして赤組オウンゴール!」
 実況席の神宮寺・旭が叫ぶ。
 その通り、シオンは見事にカゴにはまったものの、なんと隣の組青組みのカゴにはまってしまったのである。
 その後のことは、とにかくもの凄かった。どこでもかしこでも、チーム一丸となって卑怯な作戦が実施された。ウェディングドレスを着ている白組は全員スカートを巻くり上げ、組体操風に身体を積み上げて、一番上に乗った中藤・美猫が一生懸命玉をカゴの中へ玉押し込んでいる。
 青組の玉は見事にシオンが入ったせいで、それ以上入らない。怒った青組は玉入れのカゴを棒倒しの勢いで引きずり倒した。
「白優位か、白優位か! それともオウンゴールの決まった青が優位か」
 ハチャメチャな玉入れは実況席へやってきた、シュライン・エマの一言で終わりを告げられた。
「あんた達、そんな勝負事は無効! 玉入れは無効よ!」
 ええー、だとかはあ? だとかブーイングがする。
「黙りなさい」
 シュラインがぴしゃりと言ったので、場は空気ががらりと変わった。
 
 
 玉入れに辿り着くまでの競技内容を振り返ってみよう。
 まずは、ラジオ体操同好会が朝礼台と前に並んで行う誰も聞いたことがないラジオ体操第十から体育祭ははじまった。ダウトは病弱を傘に来て不参加である。よくわからない運動が跳ねたり回したり入っている中前を向くと、向かって左側から白組のウェディングドレス、真ん中は青い狩り衣、そして赤組は全員ムックであった。シオン・レ・ハイは一種異様な雰囲気を感じつつ、日々積み重ねた鍛錬の賜物である、ラジオ体操を披露した。

 そしてはじまった体育祭。第一種目は女子綱引きである。
 男子は関係ないので、ウェディングドレスのまま逃亡をはかろうとした草間、加門ペアーはシュライン夕日ペアーに見事捕まり(二人とも団体には出ていなかったらしい)応援席の後ろまで連れて来られてしまっていた。
 そこへムックの雪森・雛太と三春・風太が合流する。
 お互いがお互いの仮装をゲラゲラと笑い合ってからムックは頭を取り、その場に四人は屈みこんだ。
「似合わなすぎていっそ清々しい」
 笑う雛太に、草間が言い返す。
「似合いすぎて誰だかわからん」
「ムックに似合うもなにもあるか!」
 へっへっへと四人で笑う。
 雛太はムックの着ぐるみの中から器用に券を取り出した。それはヤキソバパンの引換券である。
「なんだよ、雛っち買収する気か」
 言いながら加門が手を出す。雛太は渡さずに二人にそれを見せるだけ見せて
「バカ言え。せっかくだからよ、優勝した組にプレゼントフォーユーとか考えちゃってるわけ」
「げぇ、優勝ってお前どうしてそう面倒なこと言い出すかな」
 はあ、と加門は肩を落として下を向いた。
「そもそもウェディングドレス姿で体育祭をやること自体間違ってる」
「ムックだってそうじゃんよ」
「ムックたのしいよぉ?」
 風太はカポリとムックの頭をかぶって、楽しそうに「わっはっはっはっは」と笑った。雛太に問答無用で殴られる。
「いたーい」
「お前はバルタン星人か」
「バルタン星人はウォッホッホッホだよ、雛っち」
「うるせえ」
 またもポカリ。しかし、ムックが相手だと殴る方が痛そうだ。
「優勝だってよ、草間」
「俺興味ねえし」
「バカか? ヤキソバパンだぞ?」
「バカはお前だ、まーたヤキソバパンか……」
 そこへシュラインと夕日と美猫がやってきた。
「その賭け、私達のお弁当も入れてあげるわ。前半がんばったら、ご褒美ね」
 加門がおお、とうなる。
「だからお前すぐ物につられるのやめろよ」
 草間が半眼で加門を見る。加門は難しい顔をして草間に言い返した。
「じゃあ、なんにつられるんだ?」
「じゃあってそうだな……」
 草間はウェディングドレス姿で顎に手を当てた。
 しばらく待っても回答が出てこなかったので、加門はドレスをバサバサ揺すりながら準備体操をする。


 綱引きは如月・麗子のいる青組が圧倒的に強かったので、赤組連中は一計を案じた。
 リオン・ベルティーニがぽつりとつぶやく。
「バレ、ませんかね」
「この際そんなことはどうでもいい」
 ダウトが言い切る。
「よくないでしょうが、よくない!」
 ダウト一行は面倒なので赤組の縄を校庭の木にくくりつけてきたところだった。
「それにしたって、ムックはねえだろ、ムックは」
 ダウトが不服そうに汗を拭いながら言う。
「知りませんよ、俺に言われても」
「ガチャピンぐらい用意しろよ」
「……そういう問題なんですか!」
 ダウトは片手に持っていたペットボトルの水を飲んで、はあと溜め息をついた。
「お前等の出る競技じゃ必ず一番になるんだぞ」
 リオンとベーを指差して言う。ベーは呑気に頭の後ろで手を組んだまま
「ああ」
 生返事をした。
「私もがんばります!」
 後ろからにょっきりとシオンが顔を出した。ダウトはひらひらと手を振って、いかにも望み薄げに言った。
「ああ、期待してる、期待してる」
「赤組黄金伝説を築くのです!」
 そして頭の取れたムック姿のシオンは、とうっという掛け声と共に去って行った。
「暑ぃのに元気だなあ、あいつは」
「シオンさん応援団の旗とか作ってましたよ」
「なんだそれ、ベーお前鼻から春雨出したんだって」
「いや、最近ではビーフン」
 三人の視線は自分の席へ向かっている。シオンの振っている謎の旗には……マッチョの頭にプリンの被り物のしてある絵が描いてあった。
「旗?」
 ベーがのほほんとつぶやくと、ダウトが苦々しく言った。
「あいつの感性はわからん」


 RED・FAUSTはひっそりと物陰に隠れてじいっと体育祭の様子を見ていた。ムックの着ぐるみの上から白衣を着ているので、嫌でも目立つのだがなぜか皆彼を見なかったことにしている。
 片手に持ったまりもちゃんと共に綱引きを観戦だ。
 ぎゅっとまりもちゃんの小瓶を握り締め、赤組を応援する。
「それ! いけ! やれっ!」
 一人奮闘である。
 いつのまにかREDも引き腰で応援している。何を引っぱっているのやら、空中綱引きである。
「ああ……負けちゃったよ、まりもちゃん」
「まったくだらしないね、赤組の女子ときたら」
「そう思わないか、まりもちゃん」
 ……とまあ、まりもに向かって独り言だ。
 いつのまにか白衣のムックの隣にはかなり大きなムックが立っていて、ムックはおもむろに頭を外して呟いた。
「兄さん……」
「CASLLいつからそこに!」
 CASLL・TOでだった。
「ずっと前から」
「ひどいよね、まりもちゃん」
 REDはCASLLに気にせずまりもに話しかける。CASLLは頭が痛いように、額を押さえながらもう一度小さな声で言った。
「兄さん……」
「この際だからまた一本薬を飲んでもらおうか」
 と、兄であるREDはまりもと話している。自分ではなく、まりもと話している。
 
 
 そしてお次は応援合戦となった。
 赤組の応戦は異様である。仕方がない、ムックが一丸となって応援している様はどう見たって変なのだ。しかもおそらくCASLLの入っているムックは、何故か長ランを着ていて、しかもそれが妙に似合っている。普段CASLLの回りには約三メートルほどのパーソナルスペースが築かれる筈なのだが、着ぐるみが幸いして、今団員と大きなムックの間にはほとんど差はない。
 CASLLはなんとなく複雑に感じつつも、応援団をエンジョイしている様子だった。
 彼等の後ろの方で、シオンが自作のマッスルプリンをこれでもかという勢いで振っている。
 そうかと思えば風太の入ったムックが何度立っても着ぐるみに慣れず、何度もこけたりとムックの応援合戦はこれでもか! というほどネタよりであった。
 
 以下青組と白組の応援合戦は赤組ほど面白くなかったので割愛する。
 
 
 ローハイローハイローハイ。
 歌声が響いてきた。そして、神宮寺・旭は馬と共に登場した。
「はいよー、シルバー!」
 言っても残念ながら馬は栗色である。そして乗っているのも、眼鏡姿の神宮寺・旭である。
 二百メートル競走に出ていない面々が集まってきて、旭を遠巻きに見ていた。
「なにかしら」
 シュライン・エマが美猫と顔を合わせる。
 美猫は白組だったので、全身まっ白だった。いつもは赤い彼女だけに新鮮だ。
「なんでしょう」
「ローハイローハイローハーイ」
 旭は唄っている。
「おいエマ、馬?」
「馬よねえ……」
 草間が一瞬びびる。それを待っていたかのように、旭は片手に持っていた紐をクルクル回した。回したはいいが、見事に馬の頭にひっかかって失敗。
 見越したように馬が暴れ出し、そして迷惑な話旭はすぐに馬から放り出され、暴れ馬と化した馬によってそこらにいた生徒がガンガン跳ね飛ばされた。
「う……馬」
「神宮寺・旭」
 呟いて彼を探すも、そこにはもう旭の姿はなかった。
 逃げ足ばかりが速い男である。
 シオンは馬に目を輝かせて突進していく。
「お馬さん!」
 がっしり首にしがみつき、凄い勢いで振り落とされ尚且つ彼は馬に踏まれた。
「ああ、シオン!」
 CASLLが慌てて駆け寄るが、駆け寄ったが最後CASLLも馬にボコボコに踏まれることになった。
 シュライン達はコソコソと馬に気付かれないように起き上がり、実況の放送室へ向かった。
 
 
「少しでも参加すれば単位にも響かないし」
 と、シュライン。ウェディングドレス姿のかわいいシュラインと美猫とは対照的に、気持ち悪いのが草間のウェディング姿だ。
 旭不在の為空いていた実況席に三人は座って二百メートル走を観戦し始めた。
「赤速いです、赤、青白がんばってください」
 実況をしようにも、ムック姿では誰だかわからない。赤はムックなのである。遠目だったので、結局他の組の連中もよく見えなかった。
「ほら、チョコあんたもやってみなさいよ」
「うるせぇなあ、お前がやってりゃいいだろうが」
「……あのぉ、マイク入りっぱなしです」
 二人はがばっと前を向いて、コホンと咳払いをした。
 
 二百メートル走には、雛太風太CASLL、黒・冥月加門夕日が赤と白から出ていた。雛太は百メートル地点まで一位、その後順位を落とし三位だった。風太は独走態勢で一位。CASLLはトラックを回りきれず、大きなムックに恐怖する白組の陣地にそのまま突っ込み、辺りはどよめいていた。冥月はぶっちぎで一位を取り、加門はやる気のない走りでそれでも二位。夕日は陸上部のエースと歌われるだけあり、もちろん一位だった。


 そして恐怖の玉入れとなる。
 玉入れは見事に全員無効となり、ムックやウェディングドレス、そして狩り衣姿の自分達の滑稽さをどこにぶつけていいのかわからない生徒達が、マジになって体育祭に参加し始める。
 続くスエーデンリレー、第一走を走るのは加門と風太そして青組の名無しくんだった。
 バトンを持った加門はめんどくさそうに頭をかいて、風太とパン談義に花を咲かせていた。
「お前パンっていったらヤキソバパンだろうが」
「ええ、僕は絶対クリームパンだと思います」
「クリームパンは、お前甘いだけじゃねえか」
 と二人とも譲らない。
 しかし、残念ながらまだパン食い競争ではない。
 スエーデンリレーがスタートしたと思ったら、この二人すごい勢いで駆けていったが、風太はバトン渡しで若干ミスをして遅れをとり、ついでに言えば加門はバトンを渡すことすら放棄して駆け抜けて行った。
「白組、バトンを渡さず走ってます」
 シュラインの声がする。隣から草間が
「そういや、あいつ、リレーなんか自分一人が走った方が速いって言ってたぜ」
「白組、無効です」
 そして加門の次に走る予定だった神宮寺・夕日は、いつまでもぼんやりと立ち尽くしていた。
 彼女の気持ちを代弁するなら、「こんな仕打ちってないわ」だろうか。
 
 
 REDの元へダウトは向かいながら、障害物競走の様子を見ていた。たしかリオンやべーが出ている筈なのだが、ムックなので判別はできない。
「よぉ、RED」
 ダウトは気軽に彼に話しかけた。びくっとしたREDはダウトの姿を確認して安心すると、ダウトの隣の木に向かって話し出した。
「ボクは仮にも三年生でキミは一年生なんだから、もうちょっと口の利き方を考えなよ」
「それ、俺見て言えよ」
「ねえ、まりもちゃん」
「まりもに逃げんな!」
 REDとダウトは学園に入った当初からの付き合いになるのだが、REDとダウトが普通に会話を交わすことはない。REDは大抵化学室の観葉植物に向かってダウトへの言葉を吐くわけで、ダウトはそれに耐えつつ時折突っ込みをいれるのみだ。
「障害物走盛り上がってるな」
 とまりもにREDが言う。ダウトが一言突っ込む。
「そのまりも、きっと土産屋のおばちゃんが丸めたんだろうな」
 REDがうっと言葉を詰まらせる。
「俺ならちゃんとした自然のまりもを融通できるのに」
「ええっ、そんな」
 とRED今度はダウトの後ろの木々に向かって叫んだ。REDがこういった奴なのは、前々から知っていたのでダウトも気にする素振りはみせない。
「赤組がんばれー、白組がんばれー、青組がんばれー、次はパン食い競争だよ」
「それはいらねえよ」
 実況がいつのまにか風太と雛太に代わっている。
「僕ね、赤より白い方が好き」
「お前の趣味は聞いてねえって」
 ……アホだ。
 ダウトは意識を実況からREDへ戻した。
「どうだ、栄養補助剤と銘打ったドーピング剤とかないか」
「うー、さすがダウト、卑怯だなあ」
 今度は後ろの茂みを振り返って、REDはうなった。
「うーむ、だが融通できないこともない。もしもー、ボクのまりもちゃん百二号のお友達に本物のまりもちゃんをくれるんだったら、聞いてやってもいい」
 ダウトとまるで反対方向の柳の木に向かってREDは偉そうに胸を張る。
 ダウトは少し疲れてきた顔で
「お前、やってて楽しいか、それ」
「……」
 少し空しい風が吹いた。
 
 
 次はパン食い競争である。パン食いと言えば、シオンそして風太である。
 二人とも準備は万端に整っている。右よし、左よし、後ろよし、前よし、パンよし、パンよし。
 スタートと共に一位に躍り出たのは風太だったが、風太はパンの前で立ち止まってまごまごしていた。その後ろからきたシオンが取ろうとするパンの前に、なぜだか必ず風太が立ち塞がる。風太はクリームパンを探しているらしい。
 シオンが食べようとする、風太が邪魔をするシオンが食べようとする風太が邪魔をするシオンが食べようとする……とこの繰り返しで、最終的に実況で
「パンの取り争いはもう結構、二人ともさっさと退場してください」
 神宮寺・旭にそう言われてしまった。
 退場口で待っていた雛太が、勢いよく飛び蹴りを風太共にシオンへ食らわせる。
 しかしシオンはめげてはいなかった。再び列に並んで髪形を変えてみたり、眉毛を変えてみたりして二回目を狙う。ここは無料お弁当ゲットの場所なので、シオン的にはゆずれないところなのだ。しかし残念ながら、実況は厳しかった。
「残念ですが、シオンさんあなたのたくらみは全てばれていますよ、観念して退場なさい」
 旭の勝ち誇った声が、シオンの惨敗を告げていた。
 
 
 午前の部最後は騎馬戦の一回戦である。
 草間率いる騎馬には美猫が乗っている。草間の隣にはシュライン、後ろには加門だった。ある意味無敵っぽい騎馬だ。赤組の騎馬はムックなわけだが……一番を勤めているのはやはり大きなムックもとい、CASLLが馬になっていた。CASLLの場合ムックの頭を取ると皆怖がって寄ってこないので、頭を取っての出場だった。次の馬には風太に雛太が続きそしてその後ろに虎視眈々と獲物を狙っているダウトベーリオンシオンの最強メンバーが控えていた。

 草間の騎馬は全員のバランスがよかったのか、シュラインの掛け声がよかったのか、美猫の手の早さも加わって見事に他の組を圧倒した。……と言えば聞こえはいいが、草間は
「おらぁ、どけぇ」
 と怒鳴るわ加門は
「邪魔じゃぁ」
 と叫ぶは、まったくお行儀の悪い騎馬だった。
 そして的確にシュラインの指示が飛ぶ。
「右からくるわよ」
 すると草間と加門が右を睨む。右、青組一瞬たじろぐ。その間に鉢巻をいただいて、怒声を上げるのだった。
 そういう意味ではCASLLの騎馬は平和的だった。近付けば逃げていくので、他の騎馬に近付くことさえできない。たまに騎馬を崩して鉢巻を献上して恐ろしい! と去って行く騎馬まで現れるぐらいだ。CASLL的には若干ショック……。
 そして雛太風太組は調子よく鉢巻を稼いでいた……と思ったら雛太が相手の鉢巻に手を伸ばした瞬間に、風太がこけ、相手の騎馬と共に雛太の騎馬はもろくも崩れ去った。
 残るはダウトの騎馬だが、……ダウトの騎馬にいたっては一歩目を歩き出した瞬間に、シオンが欲求に負けて片手を離しベーのつむじを押したので、ベーの「うははははは」という高笑いと共にダウトの騎馬は撃墜されたのであった。学園の表立っては素行のいい生徒を気取っているダウトが、人前で思い切りシオンを罵倒した瞬間である。
 
 騎馬戦は白組の気合勝ちの模様で、一位草間チーム二位冥月チームとなっていた。
 赤組は惨敗だった。
 
 
 お昼休み。
 冥月と草間・零そして雛太は弁当を前に苦悶していた。
 今日はなんと零がそりゃあもう多めに弁当を用意してきてくれた記念すべき日なのだが、どうして二人きりじゃないんだ、という感は否めない。しかし、口に出すわけにもいかない。
「それでは、皆で一緒に」
「いただきます」
「イタダキマス」
 複雑な心境を抱えたまま、零の作ってきた玉子焼きに手を伸ばす。玉子焼きは絶対ダシ巻き派と決めていた雛太が、砂糖入りでもいいかなとよろりとよろける味だった。
「美味い」
「そうか?」
 冥月も零の弁当に手を伸ばす。
「まあ、こんなものか」
 彼女はそんなことを言いながら、土佐煮を口へ運んでいた。
 
 
 風太は憤慨している。
「雛っちったらね、お昼は一人で食べてろっていうんだよぉ、ひどいと思わない?」
「ひどいです、ひどすぎます。お弁当分けてもらえますか」
 シオンが熱烈に拳を振り上げて同意する。
 色気のないリオン、ダウト、ベーは空しくもカップラーメンである。
 風太だけまともな弁当を持っていた。
「ええ、嫌だよぉ、お弁当は自分のを食べてください」
「そんなっ!」
 パン食い競争で惨敗したシオンには厳しい仕打ちである。
 その横でズールズールとカップラーメンを三人はすすっている。シオンは風太からなんとかからあげを一つ奪い取ってから、三人に近付いた。
「一口ください」
「嫌だ」
 ダウトが即答する。
 シオンは食い下がる。
「せめて、スープだけでも!」
 ダウトはシオンを一瞥してから、これ見よがしにスープをゴクゴクと全部飲んでしまった。
「ああ、ひどい!」
 あまりのことに、シオンがベーのつむじを押す。するとやはり
「うはははは」
 笑ったベーは鼻に麺を詰まらせたようだった。
「すごーい、ベーさんつむじを押すと笑うんだぁ」
 きゃっきゃっと風太が喜んでベーのつむじ押しを連発する。壊れたおもちゃのように、ベーが笑うので若干気持ちが悪い。
 リオンは一人知らん顔でカップラーメンを食べている。
「今のところ不正だらけで赤組がピンチですねえ」
 リオンは得点板を見上げながら言った。スエーデンリレーで赤組も無効を食らっていたので、青白赤の順だった。
 ダウトはにやりと笑った。
「いい薬を手に入れたんだ」
「って、おいドーピングかよ!」
 リオンが反射的に突っ込むも、誰も高校の体育祭でドーピング検査なんかしまい。
 手始めにダウトはシオンにドリンク剤を持たせ、それから残りをリオンとベーに渡した。
「適当に渡してこい」
「あんたどこまでも自分の手は汚さないつもりなんだな」
「聞こえなーい」
 ベーは一本、平気な顔で飲み干している。
 
 
 白組は大勢で弁当を食べていた。
 あれほどやる気の欠片をみせなかった草間と加門が恐るべきスピードで食べている。主に、シュラインと夕日の三人前以上作ってきた筈の弁当はすでに半分なくなっている。
「……よ、よく食べるわね」
 水筒から麦茶を注ぎながらシュラインは顔を引きつらせた。
 夕日はあまり気にする様子はなく、むしろ少し嬉しそうにしていた。
 そこへシオンがやってきて二人に混じって弁当に群がる。
 美猫は驚いたように笑いながらその光景を見守っていた。
「後半はまた騎馬戦で、愛のエプロンでしょう? あとウルトラクイズ……」
 またまたボケ倒しそうなメニューである。
「二部はちゃんとリレーにも出るのよ、チョコ」
 シュラインの言葉にウェディングドレス姿の草間が振り返ってうなずく。
 得点板を指差して、草間は言った。
「抜くぞ、青」
「い、言っておくけど寝太郎あんた、今度リレーで次の走者無視したら、だ、だめよ」
 夕日が思い出したように言う。寝太郎と呼ばれた加門は、鳥の照り焼きを頬張りながら何も聞いていない顔で生返事をした。
「ああ」
「本当に大丈夫かしら」
「大丈夫でしょうか」
 シュラインに美猫が同意する。
「後半は借り物競争にリレー三昧ですね」
 美猫がプログラムを確認しながら言う。
 
 
 REDはまりもちゃんとお昼タイムだった。CASLLの分には入れなかった(陰湿ないじめ)おかずのたくさん入ったお弁当をまりもちゃんと共に食す。
 でも、やっぱり一人って寂しいかも……。
 お土産屋さんの手でこねられたまりも百一号にちょっぴりそんなことを考えてみる。
 クスンとしょんぼりしたところへ
「シオーン、見参!」
 神出鬼没のシオンが現れた。REDは相変わらずシオンとはまるで違う方向の木に向かって話しかける。
「シオン、キミはまたボクのお弁当が狙いだな」
「REDさん見てる方向が違います!」
 そしてREDが木を見ているうちに、お弁当の中の主要なおかずを口へ放り込む。
 REDが気付いたときには、全てシオンの腹の中であった。
「うわあ、なんてことを!」
「シオーン、満腹モード!」
 言いながらシオンはしゅたたたたたっと去って行った。
 
 
 CASLLは青組の如月・麗子と席を共にしている。しかも、自分は日の丸弁当だというのに、麗子が
「こんなにたくさん食べられないのに作りすぎちゃって」
 などと言っておかずを分けてくれたので、申し訳ないぐらい幸せモードである。
「おいしいです、麗子さん」
「ホント? 腕によりをかけた甲斐があったわ」
 麗子が朝四時半に加門を叩き起こして作らせた甲斐があったというものだ。
 そこへ、やはりシオンが現れた。
 たたたたたっと素早く駆けて来たシオンは、意味もなく二人の前で飛び上がってみせ、キメポーズを作りながら言った。
「お嬢さん、お弁当を分けてくれないかな」
「渋く言ってもダメ」
「ええ、そんな、ダメですかぁ」
 麗子の目が怪しく光る。
「ダメなものはダメ」
「私麗子さんが作ったお弁当も食べてみたいです」
 麗子は弁当を死守しながら
「ダメよだめ。それにこれ、どうせ加門が作ったんだから!」
 CASLLがぽかんと麗子を見つめて
「そうなんですか」
 と呟いた。麗子が顔半分青ざめている。
 そして麗子は
「てへへ」
 ……そう笑った。
 
 
 後半戦。
 愛のエプロン対決。
 白組、シュライン・エマ。青組、神宮寺・旭。赤組、シオン・レ・ハイ。
 審査員、学校の先生方。
 チーン! と音が鳴って始まった愛のエプロン、実況は雛太と零のコンビだ。
「がんばってください」
「青が途方もなくアホな料理を作ること請け合い」
 言われた旭がはっはっはと笑いながらミミガーをみじん切りにしている。
「雛太くん照れなくても私はがんばりますよ」
「照れてねぇよ!」
 たしか無難に肉じゃがだった筈なのだが、旭の鍋は何故かグラグラとお湯が沸いている。なにやら大きな物を茹でる様子だ。
 シオンはウサギのアップリケの入ったピンクのフリフリエプロンで、なにやら小麦粉を練ってキットカットをふんだんに乗せたあと、それを大量に鍋に敷き詰めて……火をつけて、そうそう忘れていたとばかりにそこへコーラを入れたので、鍋は凄いことになっている。コーラは煮えるはキットカットは溶けるわ、小麦粉は焼かれるは意味がわからない。
 そんな二人を尻目に、シュラインは材料をそれぞれ丁度いい大きさに切り、まったくいたって極普通の肉じゃがを作っていた。少し炒めてからダシを入れ、それから味付けをする。ジャガイモに火が通るのを待って、糸こんにゃくを投入。
「んー……こんなもんかしら」
「こんなものですね」
「こんなものです」
 全員そう言ったのだが、どれもこれも違いすぎる。
「えー……赤にはキットカットが入った模様です。つうかこれ肉じゃが対決じゃねえのか?」
「肉じゃが対決です」
「じゃあどうして青の鍋にヒヨコちゃんが浮いてるんだ?」
 旭の鍋にはお風呂でよく見る黄色いヒヨコが浮いている。
「はっはっは、茶目っ気ですよ」
「意味わかんねえし!」
 もちろん結果は言わずもがな、シュラインに満場一致食べない状態で決定した。
 
 
 そしてボーナス競技残すはウルトラクイズ、である。
「問題です。パンはパンでも食べられないパンは? カビたパンである、マルかバツか」
 ……参加者第一号リオンが固まった。
 バツになると、哀しい泥行きである。
 というか、これは問題自体に不備があるのではないか、と大きく疑問だった。そもそも食べられないパンはフライパンだとかジャパンだとかそういうものではないのか。
 ええい、ままよ!
 駆け出したのはバツの入り口へだ。
「おおっと、リオンくんはバツを選んだようだ! これが吉と出るか凶と出るかぁ」
 放送席へ帰った旭が熱弁を振るう。
 バシャッ! ……というわけで、リオンは豆知識を披露することなく一回戦敗退となった。
「つうかなしでしょ、あの問題なしでしょ!」
 戻って来たリオンに溜め息をついたダウトへリオンが猛烈に抗議したが、どうなるわけでもない。
「問題です。頭が丸々と大きくなる髪型は? アフロである、マルかバツか」
 参加者第二号、三春・風太は勢いよく走り出した。
 えいやっ! とバツに滑り込む。
 バチャッ、と泥水に浸かりながら風太は答えた。
「答えは、丸めるさん!」
 だから答えは間違っているのです。
「問題です。ジャズのジャンルビバップを確立させたのは、チャーリー・チャップリンマルかバツか」
 参加者第三号、雪森・雛太は軽快な足取りでバツに向かった。そして中へダイブ! なんとようやく正解である。
「問題です。六百七十五かける三十八は、二万五千六百五十である。マルか、バツか」
 雛太はちらりとだけ考えて、丸へ向かった。そしてまたも正解。
「問題です。新札の五千円札の人物は野口・秀雄である。マルかバツか」
 しばらくじいとマルバツを睨んでいた雛太は、首をひねりながらバツへ。そしてまた、正解だった。
「問題です。神宮寺・旭の今日の朝食はマヨネーズご飯だった。マルかバツか」
「知るかボケ!」
「もーんーだーいーでーすー」
 ここは天に運を任せるしかない……。旭の朝ご飯なんか知ったことではない。
 しかしなんとここでも雛太は正解し、最後に
「問題よ。この学園にいるマッチョは八人。マルかバツか」
 突然変わった女の声に訊ねられ、雛太は「れ、麗子さん……」と呟きながらバツへ直行。もう少しいてもいいだろう。
 そしてまたしても正解!
「マッチョのキミ! 放送室前までいらっしゃい! 麗子待ってまーす」
 他にもあちこちの組から参加者は出たが、結局雛太が優勝となり、赤組にドーンと点数が入ったが、不正をしまくっている赤組だったので、スズメの涙ほどの追加点にしかならなかった。


 騎馬戦の後半はあまり代わり映えがせず、またダウトの組はいきなりこけたし、草間達は行儀が悪かったし、冥月は俊敏にことを終わらせたし、CASLLの組は鉢巻を取られない上なぜか献上されるという奇特な光景にぶち当たっていたので、結果は変わらなかった。


 次は借り物競争だ。
 借り物のメモの辺りでシオンが不穏な動きをしている。
 第一陣が走り出したとき、シオンは大慌てでその場所を後にした。
 走っているのは夕日、名無し、風太、CASLL、雛太の五人である。
 まず夕日が紙を引っ掴んだ。
「……え」
 彼女の紙には深町かもん(もが逆)と書いてあったのである。彼女は颯爽と白組陣地へ走って行って後ろでダラダラしている加門を発見したはいいものの、モジモジしていて話しを切り出すことができない。
 風太の紙にはなんと
「ひゃくまんえん?」
 と書いてあった……。こうなったらおしまいである。
「誰かーひゃくまんえんくれませんかー」
 くれるわけがない。
 そして雛太の紙の内容は――……。
 雛太は一目散に白組へ駆けて行って、席で観戦していた零を捕まえ、問答無用で引き寄せて走り出した。
 雛太一着でゴール。内容は、好きな人である。
 もちろん誰にも見せずにグシャグシャにしてポケットへしまった。
 CASLLの紙にはまりもと書いてあったので、CASLLはREDの潜んでいる草叢へ行き、強引にREDを引っ掴んで駆け出した。REDは実を言うと少し嬉しそうだった。
 そして二着でゴール! REDの体育祭参加も成就!
 ……夕日と風太は未着だった。
 因みにこの後、加門がおかまを引いてしまい麗子を引っぱって行くが、ゴール寸前で内容がバレてボコボコにされる事件が起き、借り物競争はそこで打ち切りとなった。


 残すはリレーだった。
 冥月がスタートにいる。その横に同じくウェディングドレス姿の加門もいる。加門はリレーの順番待ちのようだ。
 その写真を夕日がなんとか撮ろうとしていた。
 隣にいるシュラインは遠い目をして
「夕日ちゃん、あんなのでいいの」
 色々な意味で聞いたのだが、夕日は今写真に夢中であった。
 
 すぐに夕日も加わって三回連続のリレーがスタートする。
「赤、白がんばらないでください」
 旭が正直に言う。
 赤組は冥月から零へ零から夕日夕日から加門、加門から草間とバトンが渡る。超高ペースである。負けじと白組も風太、雛太、リオン、ベーと繋いで、いつでに一位を抜ける位置につけた。赤組には謎のドリンク剤がばら撒かれていたので、ムックのテンションが異様に高い。ちょっと怖いぐらい高い。そのせいで、赤が優勢になり、赤が白を抜き一着ゴールとなる。
 終わったメンバーは顔を突き合わせてそれぞれ違う話しをしていた。
「ヤキソバパンが遠のいたな」
「お前今日一日そんなことしか考えてねえだろ」
「ちっ」
「雛っちっ、一番だよ一番!」
「なんか、絶対うちの組なんかやばい薬やってる気がする」
「雛太さんおめでとうございます」
 雛太は零に言われ、困った顔で笑った。
「お前もがんばったな」
 というか零の運動能力には舌を巻きまくりだった。
「お前の組おかしくないか」
 冥月がいぶかしげに聞いてくる。おかしいような、おかしくないような。
 ドーピングの事実を知らない雛太は、さあと首をかしげてみせた。
 ゾロゾロとリレー組が移動をはじめる。
「おつかれ」
 夕日が言ったので、加門は軽く手をあげた。
「おつかれぇ」
 間延びした声が心地よい。

 ドーピング効果があったのかリレーは赤組の圧勝で終わり、結果赤組の勝利となった。全員が仮装をといた閉会式は、なんとも平和そうだった。


 ――エピローグ

 シュラインは屋上で片づけをさぼっていた草間を見つけ、制服姿で声をかけた。
「帰るわよ」
「……ああ」
 のそりと草間が立ち上がる。
 同じく屋上でさぼっていた冥月に声をかける。
「おつかれさま」
「おつかれ」
 それから屋上を出ようとしたところへ、雛太に風太そして零がやってきた。
「お兄さん、お帰りですか」
「ああ」
「私は一休みしてから帰ります」
 ペコリとお辞儀をした零の頭を草間は撫でて、シュラインを引き連れて歩き出した。
 一階へ降りるとリオンやシオンCASLLにRED、圭とベーが下駄箱の傘立てに座って雑談をしている。
「おつかれー」
 誰に声をかけるでもなく、集団が言ったので草間もシュラインも「おつかれ」と答えて歩き出した。
 いつもの赤いリボンをつけた美猫が校庭を駆けてくる。
「どうしたの?」
「キラキラ光るものがあったから取りに行ってきたの」
 誰が落としたのかペンダントの切れ端だった。
「あら……大切なものじゃないといいわね」
「うん」
「じゃあ、お先に」
「おつかれさま」
 校門を出た先に神宮寺兄妹が言い争っている後姿が見える。
 草間に単車の運転を譲りながら、シュラインは自分のヘルメットを被った。もちろん、草間には草間用のヘルメットがある。
「疲れたわね」
「ああ、つかれた」
 単車が、音を立てて発進する。
 長い一日だった。
 
 
 ――end
 

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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【0086/シュライン・エマ/女子/2−A】
【2164/三春・風太(みはる・ふうた)/男子/1−C】
【2254/雪森・雛太(ゆきもり・ひなた)/男子/1−C】
【2449/中藤・美猫(なかふじ・みねこ)/女子/2−A】
【2778/黒・冥月(ヘイ・ミンフェ)/女子/1−A】
【3356/シオン・レ・ハイ/男子/3−C】
【3359/リオン・ベルティーニ/男子/2−C】
【3383/神宮寺・旭(神宮寺・旭)/男子/3−B】
【3453/CASLL・TO(キャッスル・テイオイ)/男子/3−C】
【3586/神宮寺・夕日(じんぐうじ・ゆうひ)/女子/2−A】
【3787/RED・FAUST(レディ・ファウスト)/男子/3−C】

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■         ライター通信          ■
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「神聖都学園体育祭」にご参加くださいまして、ありがとうございます。
ライターの文ふやかです。
かなりキツキツで書いたので、反映されていないプレイングも多いかと思います。
申し訳ありませんでした。

少しでもお気に召せば幸いです。
またお会いできることを祈っております。

文ふやか