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調査コードネーム：貞操デスノート
執筆ライター ：ゆうきつかさ
調査組織名 ：草間興信所
募集予定人数 ：１人〜
------＜オープニング＞--------------------------------------
「なんだ、その‥‥貞操デスノートって？ この冬、メインキーワードになりそうな言葉だな」
久遠・美麗（くおん・みれい）に電話でラーメン屋まで呼ばれ、鬼頭・一哉（きとう・かずや）がチャーシューメンをすすって話を聞く。
本当なら美麗からジャンボパフェを奢ってもらう予定であったが、不況の煽りでお目当ての店が潰れたため、仕方なくチャーシューメンで我慢しているようである。
「やっぱりそう思ったわよね？ だから念のため検索してみたわ。パソコンを使ってね」
満面の笑みを浮かべながら、美麗がノートパソコンを開く。
パソコンの画面には耽美な壁紙が貼られており、美麗の開いたページには『該当ページは見当たりません』という文字が映っていた。
「げほげほっ！ ‥‥たくっ。そんなモンを見せるために俺を呼んだのか？｝
突然の不意打ちにすすっていた麺を吐き出し、一哉が気まずい様子で立ち上がる。
「待って！ 最後まで話を聞いて！ 貴方にも関係ある事なんだから！」
慌てて一哉の袖を掴み、美麗がブンブンと首を振る。
「関係あるって……どういう事だ？」
嫌な予感が脳裏を過ぎり、一哉が椅子に座って話を聞く。
「実はこの本‥‥。書いたシチュエーション通りに相手の貞操が失われる呪われた本なの。近所の古本屋さんで見つけてね。どうせ偽物だと思って、面白半分で書いてみたら……その……」
ソワソワとしながら辺りを見つめ、美麗が苦笑いを浮かべて汗を流す。
「……本物だったというわけか」
青ざめた表情を浮かべ、一哉が頭を抱えて溜息をつく。
美麗の性格は良く知っているため、危険な映像が頭の中に浮かんでいる。
「ただし男性限定ね。女の子は駄目みたい。なんていうのかなぁ？ 倫理の壁に守られているってカンジ？」
妙な誤解をされたため、美麗が慌てて否定した。
貞操デスノートを手に入れてから何人かの男性をターゲットにしたらしく、どんな末路を辿ったのか薔薇の花に包まれ熱く語る。
「そういう問題じゃないだろ！ ……まったく。そんな世界に目覚めさせてどうするんだよ。その本がキッカケでさ」
貞操デスノートがキッカケでそっちの世界に目覚めた男達に同情し、一哉が美麗の胸倉を掴んでブツブツと文句を言う。
「……それでね。ごめん！ ……書いちゃった。相手は草間っていう探偵さん。ほ、ほら！ 今までの人達は元々そっちのケがあったのかも知れないでしょ！ だから身近に人で試して本物かどうか、改めて確認しようかと思ったの……」
小動物のように円らな瞳をウルウルさせ、美麗が申し訳なさそうに両手を合わす。
なぜか口元だけはニンマリとしているが、和也はまったく気づいていない。
「お前なぁ〜！ 本気で怒るぞ！ そのノートは何処にある！」
貞操の危機を感じたため、一哉が烈火の如く怒りだす。
「……盗まれたわ。昨日の夜、でっかい斑の野良パンダに！」
ハンカチで顔を隠し、美麗がオヨオヨと泣く。
「……すまん。まったく想像する事が出来ないんだが……」
斑のパンダを想像できず、一哉が大粒の汗を浮かべる。
「でも探さなきゃ！ 早くしないと手遅れになるわ。ノートに書かれた事は２４時間以内に実現するから……」
耽美な世界に目覚める一哉を脳裏に浮かべつつ、美麗がラーメン屋の時計を指差した。
「マ、マジかよ！」
和也の貞操喪失まで……。
……あと３時間（ぇ
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●貞操喪失まで、あと２時間
「……良くやった。これで、やおいカップリングが思いのまま‥‥」
配下である斑のパンダを褒め称え、聖野・悪弥香（ひじりの・あみか）が不気味に笑う。
貞操デスノートさえあれば、あらゆるカップリングを現実のモノと出来るため、さっそくペンを使って書き始める。
ページ数にはかなり余裕があるため、思い浮かんだ名前をサラサラと書いていく。
「ところで‥‥誰だ、お前は‥‥」
見慣れぬ男がそばにいたため、悪弥香がジト目で睨む。
その男は上半身裸でカボチャパンツを穿いており、ピンクのコートを身に纏っている。
「‥‥私は怪しい者じゃない。偶然、そのパンダちゃんを見かけて、ココまで来た一般ピープルさ」
いかにも怪しい素振りで首を振り、リュウイチ・ハットリ（りゅういち・はっとり）がニコリと微笑んだ。
なるべく自分が無害な存在である事をアピールしようとしているが、それが逆にリュウイチの怪しさを強調し悪弥香に怪しまれている。
「見られてしまったのなら仕方がない。‥‥殺るか」
あまりにもリュウイチが怪しい雰囲気を漂わせていたため、悪弥香がリュウイチの首を掴み上げ次第に力を入れていく。
「私はこれでも口が堅い！ ‥‥だからそんな目で見ないでぇ〜！！」
嫌々と首を横に振り、リュウイチが両手を合わす。
相手を油断させるためか、妙にオドオドしているようだ。
「‥‥何をそんなに怯えている？」
リュウイチの様子がおかしかったため、悪弥香が探りを入れてくる。
「‥‥はい？ い、いやぁ、何でもございませんよ。レディ〜アハハハハハハ」
引きつった嘘臭い笑みを浮かべながら、リュウイチが気まずく視線を逸らす。
「‥‥まさかこの本に怯えているのか？」
リュウイチの身体がビクンと大きく震えたため、悪弥香が怪しく口元を歪ませた。
「そ、そんなわけないだろ‥‥。もし、もしもの話だ。もしもだよ？ その１ページに‥‥私の名前が刻まれてしまうなんて事があったら‥‥話は別だが‥‥」
危険な妄想を頭に浮かべ、リュウイチが困った様子で汗を流す。
「よし‥‥、書いておこう‥‥」
貞操デスノートをパサッと開き、悪弥香がリュウイチの名前を書いていく。
「ノオォォォォォォォォォォ！ それだけは勘弁してくれ」
悪弥香からペンを奪い取り、リュウイチがノートに手を伸ばす。
「‥‥安心しろ。私だって鬼じゃない。一通りのカップリングを試したら、許してやろう」
リュウイチの右手をぺちんと弾き、悪弥香が新しいペンを取り出した。
「この勝負パンツが仇になったのかも‥‥」
勝負パンツと死装束の意を込めて純白の褌を用意していたため、リュウイチが魂の抜けた表情を浮かべて溜息をつく。
「はははははっ‥‥、まずは基本的なシチュエーションから試してやろう。‥‥ん？」
手元から貞操デスノートがなくなっていたため、悪弥香が驚いた様子で辺りを探す。
「パンダがユーの使い魔で助かったネ！ この本は貰ったヨ」
携帯電話を使ってパンダに『テレホン・セックス』を憑依させ、ジュジュ・ミュージー（ジュジュ・ミュージー）が不気味に笑う。
最初は美麗に『テレホン・セックス』を憑依させ、パンダに関する情報を集めていたのだが、途中でパンダの姿を見かけたため、携帯電話を使って『テレホン・セックス』を憑依させたらしい。
「い、いつの間に！？」
配下のパンダが操られてしまったため、悪弥香がワナワナと拳を震わせジュジュを睨む。
「問題の部分は破棄させてもらうヨ！」
貞操デスノートのページをめくり、ジュジュが草間と鬼頭の絡みについて書かれているページを破り取る。
「‥‥パンダに携帯を持たせたのは失敗だったようだな」
貞操喪失のピンチが薄れたため、リュウイチがホッと胸を撫で下ろす。
「何っ！ 携帯電話だと！？ 私はそんなモノは持たせた覚えはないぞ！ 一体、誰が‥‥そんなモノを‥‥」
納得の行かない様子でパンダを見つめ、悪弥香が悔しそうに唇を噛む。
「それは俺さ！ このノート‥‥もらったぜ！」
貞操デスノートを奪い取り、梅・成功（めい・ちぇんごん）がパンダの頭を踏んでいく。
「ミーを騙すとはいい度胸ネ！」
成功と密約を結んでいたため、ジュジュが不満げに文句を言う。
「協力するのはノートを手に入れるまでだろ！」
貞操デスノートをペラペラとめくり、成功がペンを片手にニヤリと笑う。
「まぁ、ミーの目的は果たしたようなものだから関係ないケドね」
苦笑いを浮かべながら、ジュジュが持っていたページをビリビリに破る。
「そのノートは私が手に入れたものだ！ 行け、パンダ！ 私のノートを取り戻せ！」
ジュジュに操られていたパンダを殴り、悪弥香が成功を指差しパンダに対して命令を下す。
「その手には乗るかよ！」
自分の能力で作り出した鏡の効果で沢山の幻影パンダを出現させ、成功が貞操デスノートを開いてリュウイチの絡みに『必ず成功する』と付け加えた。
「よし、これで完璧。後は時間が経つのを待つだけ、ん、『必ず成功とする』あ、間違えて『と』を入れちゃった。消さなきゃ‥‥しまった、ボールペンで書いちゃったよ。拙い、これは拙いぞ！」
大粒の汗を浮かべながら、成功があたふたとする。
「この高ぶる感情は‥‥まさか！？」
興奮した様子で服を脱ぎ捨て、リュウイチが成功を睨む。
「ごめん。念を押しちゃった！」
恥かしそうに頬を染め、成功がてへっと舌を出す。
「やめろぉぉぉぉぉぉ！」
走馬灯の如く様々なシチュエーションが脳裏を過ぎり、リュウイチが血反吐を吐いて成功を追う。
「んじゃ、また！」
かなり気まずい雰囲気になったため、成功が再び幻影パンダを召喚し、慌てた様子で逃げていく。
「私から貞操デスノートを奪うとは‥‥よほど怖い想いをしたいようだな」
そして悪弥香は幻影パンダを蹴散らし、斑のパンダと一緒に成功を追いかけるのであった。
様々なカップリングで成功をお仕置きしようと考えながら‥‥。
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■ 登場人物（この物語に登場した人物の一覧） ■
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【整理番号／ ＰＣ名 ／ 性別 ／ 年齢 ／ 職業】
1458／聖野・悪弥香／女／999歳／やおいと耽美の邪神
4310／リュウイチ・ハットリ／男／36歳／『ネバーランド』総帥
0585／ジュジュ・ミュージー／女／21歳／デーモン使いの何でも屋（特に暗殺）
3507／梅・成功／男／15歳／お馬鹿な中学生
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■ ライター通信 ■
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どうも、ゆうきつかさです。
今回はかなり苦戦しました（汗）。
ちょっとネタが危険すぎたかも。
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