コミュニティトップへ
高峰心霊学研究所トップへ 最新レポート クリエーター別で見る 商品別一覧 ゲームノベル・ゲームコミックを見る 前のページへ

<東京怪談ウェブゲーム アンティークショップ・レン>


『連続殺人の犯人』

00■オープニング

 その日、幽玄の狭間に現れる骨董屋、アンティークショップ・レンに飛び込んで来たのは…神聖都学園高等部の制服を着た少年だった。
 彼は来るなり、クールと言うには少々厳し過ぎる瞳で店の主を見ている。何かを見定めようと言うのか、そんな風な態度だった。そして、彼はおもむろにカウンターまで歩み寄る。左足に怪我でもしているのかはたまた元々不自由なのか、やや引き摺った状態で。
 はて、何事かと店の主は煙管を持つ手を止めていた。
「この店の主の、碧摩蓮さんですね」
「ああ。その通りだがね。…ところでその不躾な目はいったい何なんだい? 初対面だよね、アンタとは?」
「はい。俺は遠山重史と申します。無礼を承知で話を伺いに参りました。先日治まった…新宿周辺で起きていた、日本刀による連続殺人事件について」
「態度だけじゃなく言う事まで不躾だね」
「そう言えば聞いてくれるかと思っただけですが」
「直球過ぎるとは思わないかい。はっきり言って気に障るよ」
「申し訳ありません。ですが、俺の調べた通りなら貴方は…碧摩蓮さんは、俺程度が下手に探りを入れても絶対に敵う訳がない方だと思いましたから。…直球で行った方がまだ見込みがあるかと」
「…そう言う理由でかい。ま、だったら話は少し変わるよ。何かアタシに突っ掛からずにはいられない事があるって顔だね? 可愛いじゃないか。…何が聞きたいのさ」
「事件を起こした妖刀の作者、二代目・五月雨黒炎の事です」
「なぁるほど、それで」
「歴代黒炎の作刀はすべてこの店から出ているんですよね。初代も、二代目も」
「ああそうだよ」
「だったら、こことは直接の伝手があって当然な訳ですよね」
「だろうね」
「それと、『二代目黒炎が亡くなった』と言う情報が、確実なものとして一番初めに出たのは、ここアンティークショップ・レンから――ですね」
「…そうだったかな?」
 はて、と考えるように蓮は首を傾げる。
「そうですよ。…歴代黒炎、特に妖刀とされる二代目の作刀そのものが流通しているアングラネットの市場であっても、ある時期までに拾えたのは信憑性に乏しい噂程度なんです。ですが…ここアンティークショップ・レンの主が二代目の死を認めた――と言う情報が出た後の日付になって、そちらのネットでも漸く、確証を得たような情報に変わっています」
「ふぅん。…ま、この店を出た後はネットで流れる事が多いって聞いてはいたけどね。だから一見無関係な水原の旦那なんかも関係者になってる訳なんだろうし?」
 ネットを使うなら黒炎の方でも専門家を頼る事もあるだろう、ってさ。
「…否定なさらないんですね」
「しないよ。確かに、歴代黒炎の刀は全部ここ通ってる、ってのはちょっと調べりゃすぐわかる事だしね」
「貴方は、歴代黒炎と非常に近い位置に居た、それで居ながら――あの事件に関しては詳しい事は何も言わなかった、敢えて静観していた――そう言う事になりますね?」
「まぁ…そうさね。言わば、二代目のお弔い、ってところかな。勿論アンタくらい事前にかっちり調べてアタシを突付きに来たんだったら誤魔化す気は無いけどね、そうでなかったら…わざわざこっちから関連を言い出す気は無かったよ」
「それは自白と考えて良いんですか」
「自白? 何のさ」
「…連続殺人の原因になった、あの双子刀を街中に持ち出したのは貴方じゃないんですか? これも調べた結果出てきた事なんですが、今まで市場に出ている歴代黒炎の記録には双子刀があるとは一切無い。けれど今回の刀は形が黒炎。だからと言って二代目の他に初代の形を継ぐ弟子も居ない…となればあの刀は――黒炎の、記録に残る訳の無い、まだ市場にさえ出ていない刀――つまり、二代目の遺作って事にはなりませんか」
「だから、市場に出す前に二代目黒炎当人と接する機会がある誰か、が刀を街中に持ち出した犯人じゃないかって訳かい」
「…ええ」
「それならアタシも容疑者のひとりになるね、確かに」
「…」
「でもね、そんな話ならアタシ以外にも…四人ばかり心当たりがあるけどね?」
 例えば…さっき名前出した水原――水原新一は二代目にとっては仕事が直接関らない唯一の友人だろ。それと、二代目の親代わりで金工――つまり刀の拵え担当――もやってる荒屋周平って職人気質の男に、業界じゃ『時計屋』で通ってる一筋縄じゃ行かない傾き者のおっさんが居る。それと、砥師の江崎無明――あいつも二代目の友人と言えるか。いや、友人と言うより同類…むしろ似た者同士と言えるね。
「今挙げた皆、アンタの言うその条件に入るよ。市場に出る前に黒炎の刀と接する機会がある人間さ」
「…知ってます」
「へえ?」
「今貴方が挙げた中に居る水原さんは俺の師匠なんですよ。…そうじゃなきゃどれだけの人数殺されようが、この件について調べようなんて思いません」
「…だったらなァんでアタシに突っ掛かる理由があるのかね?」
 被害者の親族とか友達とか、殺人事件自体が許せないとか…ってんならわかるけどね。
 水原の旦那の関係者ってんなら、アタシに突っ掛かる理由が見えて来ないよ。
「…貴方が刀を持ち出した人間だと言うなら俺は別に構わないんです」
「あン?」
「俺は、水原さんだと思いたくない…」
「師匠を信じたいってか」
「…俺は、呪術で人を殺そうとした事があります。対象さえ殺せるなら、後の事などどうなっても良いと」
「…ふむ」
 その科白を聞き、不自由そうな左足をちらと見てから重史を見返す蓮。
「それを、本当に取り返しが付かなくなる前に、止められました。他の皆さんにもですが、水原さんにも」
「へぇ、あの男が」
「そうです。でも…もし今回のこの件で、水原さんが刀を持ち出していたのなら、それは――そんな過去の俺と同じ事をしている事にはなりませんか」
「…妖刀を街中に放り出せば、何が起きるかは簡単に想像付くね。それを二代目の友人である、その刀が妖刀と熟知している水原の立場でやっているとなれば…まぁ、言いたい事はわかるよ」
「…もしそうなら、俺は許せない。他の人が何をしようと構いません。でも、俺を止めたあの人が――今更、俺と同じ事をするのは、許せないんですよ。だから調べてる。ですが…調べれば調べる程――」
「疑いたくなくても疑いが濃くなっちまうって事か。確かに水原の旦那が持ってる闇は根が深そうだからねぇ。…でも、とどのつまりは誰がやったのかはっきりさせたいって事なんだろ?」
 それが水原であるにしろ、ないにしろ。


01■遺作の片割れ

 …科学心霊捜査研究所。何処か油断ならない雰囲気を持った、スーツ姿の男性がそこに来訪していた。場所が場所――警察関係者である事は間違いない。そして、卒無く研究員に話を聞いている姿からして、捜査員――刑事のようだ。
 その刑事――来生充は事件に使用された刀の分析結果を聞いている。新宿界隈での殺人事件が終息した今、超常現象対策二課に移された事件。…事件の終息時、その場に居合わせた女性、綾和泉汐耶の手で封印されたと言う刀。こちらでの保管の際は当時緊急に刀を封印した施術者でもある彼女の手も改めて借り、科霊研へと封印の引き継ぎが行われた。…曰くこの女性は特殊強化服装着員である葉月政人の友人でもあるらしい。
 それはともあれ――分析の結果、封印されている刀自体は今の状態を見る限りはただの刀と言う事。砥ぎは下地砥ぎの途中まで――即ち、斬る事に支障が無い程度の砥ぎ――だけが施してあったとの事。刀の原料から見ても、特に呪的な効果を齎す物は含まれていないらしい。但し、それを実行犯の手から取り上げた際の政人の報告書によれば、ただの刀では有り得ない事実が確認されている。軽々しく封印を解く事はできない。
 指紋は――刀身の茎部分に幾重にも巻かれていたサラシ、その表面に当たる部分から複数見付かった。それも、かなり多く見付かったとの事。判別出来ただけで八人分、他、べったりと幾つも重なり過ぎていて判別し切れないような指紋も多かったと言う。…茎に巻かれたそのサラシ、幾重にも巻かれていた上に深く血液に染まっていたのでそのまま凝固してしまい、現在、それだけで柄のような状態になってしまってもいるそうだ。
 また、その血液だが、やはりこれも相当の人数分付着していた。示されていた疑惑――被害者と加害者がイコールで繋がる者が居るのではないかと言う疑惑――から指紋として残った皮脂と刀身に付着していた血痕からDNA抽出し、両方を照らし合わせた結果…疑惑通り幾つか同一人物と思われるものも出たらしい。
 他、聞いていてあまり気持ちの宜しくない『証拠』が多々付着していたとも言っていた。…具体的に口に出したくもない。
 科霊研によるそれらの分析結果を一通り得てから、来生はその足で警察病院へと向かう。

 来生の目的は実行犯の女性。ひどく怯えた様子はここに収監されてから変わらない。こちらが少し話す事を間違えればすぐにでも医者が飛んでくるような精神状態だ。参考人として聴取した水原から聞いた、彼自身を含めた五人の写真。黒炎に関係の深いと思われる彼らの写真を実行犯の女性に見せてみる。反応は。それを探る為にした事だったが、特に目立った反応は無かった。彼ら五人の顔は特に記憶に無いらしい。
 事件当日の行動をもう一度訊く。あの場所へは遊びに来ていただけの筈だと言っていた。夕方、駅から繁華街に向かった辺りまでははっきりしている。が、刀を入手するに至った状況はどうにも曖昧。ならば前日の行動は。仕事。その時は特に変わった事があった訳でもない様子。彼女の周囲の人間に聞いても同様の答えだった。何か憶えてはいませんかと、慎重に訊いている内に、実行犯のその女性は自分が刀を持っているその時の事を思い出したか、身体の震えがぶるりと大きくなる。たどたどしいながらも続いていた言葉が、止まった。もう限界だろうとドクターストップがかかる。ひとまず今日はここまでか。来生は諦める。
 それでもこの女性は、この事件で『実行犯』として唯一『生きて見付かった』人間。この事件の唯一の証人となり得る人間だ。いずれ思い出して――話してもらわなければ困る。また来ますと残し、来生は病室から出た。
 今の時点でわかった事。彼女の歩いた場所。何度も訊いて確認したそれらから、事件当日歩いたと思しきある程度の行動範囲は割り出せた。恐らくはその何処かで刀を入手している。
 次は――その入手経路を割り出す為の聞き込み。


06■ライバル刑事鉢合わせ

 …帯刀左京がアンティークショップ・レンに顔を出した時、中に居たのは主の碧摩蓮と事件の時にも居たシュライン・エマ、それと事件時に特撮めいた奇抜な――とは言っても実際目の前で見せられれば本当に見た目に見合った力がある事はわかる特殊なアーマースーツを着ていた刑事、葉月政人。…『奴』を何処ぞへ持って行った男だ。
 その彼は左京が入店したそのタイミングで、ちょうど用件が終わったのか、では、と店を出ようとしている様子だった。が、左京の姿を認め、ひとまず立ち止まったような感がある。そして開口一番訊かれた。貴方は確か小柄の付喪神だと仰ってましたよね、それに、あの刀は実際に貴方の話を聞いているようだった――貴方には、事件の刀に意思が宿っている事を実証する手段は何か思い付きませんか、と何処か必死な様子で続けられる。突然の事に、どうしたよと左京が問うと、持ち手だった女性の無罪を証明してあげたいんです、と政人。左京は困ったように頭を掻いた。
「証明ったってな…」
 そーゆー御上に通じる話にしようと思うとよくわからねえっての。…奴が聞き分けのねえ『赤ん坊』だってのは俺にゃ何となくわかるが。
 それだけじゃ証明にも何にもならねえだろ?
「…ですか」
 左京の答えを聞き、政人は再び考え込むような顔になる。左京は刑事ってのも大変だなと思いつつその横を通り過ぎ、やや奥に居た蓮とシュラインに、よ、と軽く声を掛けている。…そろそろ馴染みだ。
 と、そこに再び店のドアが開かれた。入って来た男。その顔と政人の顔が合った瞬間、空気が緊張した――気がした。が、来訪した男はそのまま政人を見なかったような顔をし、店の主である碧摩蓮へと丁寧に挨拶をする。警視庁超常現象対策二課の警部。ぱらりと開かれた警察手帳には来生充とある。彼はすかさずその場にいた左京とシュラインに対しても挨拶をし、ごく自然に名を聞き出してもいた。…が、政人に対してだけは殆ど無視。店へ入ってすぐに顔を合わせた時を除き、存在からして見えていないような振るまいをしている。そして、政人の方も政人の方で話に入って来ようとしない。先程の必死な様子とは一転、何処か、一線引いている。
 だが、それでもそこに居る。今度は店を出ようとはしていない。
 その間にも来生からは質問が続く。どうやら、黒炎の身内と言える人間は身近だった貴方がた五人だけと。碧摩蓮はその中のひとり。ならば事件の刀と同様の刀に見覚えは無いか。様々訊かれるそんな中――暫くは黙っていたが、やがて蓮はいい加減気になったのか、ふと質問とは関係無い話を来生に振る。
「…ところでそっちの兄さんも超常現象対策の刑事さんとか言ってたが」
 お仲間じゃ、ないのかい?
 と、蓮は政人を差し呟く。が――政人は何故か何も言わない。
 一方の来生は、そんな蓮の疑問に対し、ふ、と小さく笑った。
「彼に何か訊かれたとしても、何も話す必要はありませんよ。今はこの事件の担当をしていませんから」
「…来生さん」
 何処か唸るような――抗議したいのだが抗議できない、そんな複雑そうな政人の声が来生を呼ぶ。それを聞き、来生はここに来て初めて政人の存在を視界に入れた。話す相手として漸く認める。
「本当の事でしょう? 今、貴方ひとりが勝手に動いて何になりますか。貴方のような方では…あの実行犯の女性に対し安易に肩入れしそうな事もわかりますが…あの女性がこの事件に於いてどんな役割であったかは捜査を進めていけば自然に知れる事。無罪かも知れませんしそうでないかもしれない。…この事件はもう貴方の手を離れている事をお忘れなく」
 今になって貴方の出る幕はない。
 …いえ、この先、貴方を取調べる事にでもなるなら――それはわかりませんがね。
 来生のそんな揶揄するような呟きに、政人はそれでも抑え、怒らない。
「そんな事にはなりませんよ、来生さん」
「なら、良いのですが。空いた時間をどう使おうが貴方の自由でしょうが…捜査妨害は勘弁して下さいよ」
「…そんなつもりはありません」
「でしたら、僕ら二課の邪魔になるような事は、しないで頂きたい」
 最早政人の顔を見ようともせず、返す来生。その事に多少渋い顔をしながらも、僕はそろそろ失礼しますと来生以外の三人へと告げ、店を出た。それを見送った帯刀とシュライン、そして蓮の三人は――目の前で繰り広げられた唐突な遣り取りにやや面食らう。が、お見苦しいところを見せてしまいましたね、と来生は静かに、何事も無かったように話――事情聴取を再開。今度は事件の時の事。貴方がたは居合わせたと聞きましたが。刀への説得も試みたと言うお話でしたよね。…そんな風に対象が左京やシュラインにまで広げられ、続けられた。


13■…そろそろ本題突入可能か

 …煙管を吹かしている白髪の――『時計屋』とだけ呼ばれる男の店。綾和泉汐耶がセレスティ・カーニンガムとの通話を切ってからも結局、本題に触れているのか触れていないのかあちらこちらに話が飛び回っていて実際どうなのか判別付け難い話が続いている。そんな中、お、そういや何も出してなかったね、と時計屋は誰かを呼ぶようにぱんぱんと手を叩いた。と、奥から現れたのは着物姿の妙齢の女性。髪をきっちりと上げて纏めてある清楚な雰囲気の女性ではあるが――どうも、半透明に思えたのは気のせいか。彼女はにこりと微笑みつつ、粗茶ですが、と来訪している四人の前に湯呑みとあられ煎餅を乗せた小皿を置いている。…特に変哲の無い日本茶ところころしたあられ煎餅。
 最後に時計屋の前にも同様の物を置くと、その女性はごゆっくりどうぞ、とにっこり残して楚々と奥に去って行く。直後、なぁんとなく甘いモン駄目そうな顔があるから煎餅にしといたよと当然のように告げる時計屋。いやそんな構わないで下さいって、と言いながらも、折角なんで頂きますと笑って見せ、のほほん湯呑みに口を付けている朔夜・ラインフォード。…こんなところで危ないモン仕込む事も無いでしょうと朔夜は即座に判断した模様。一方、すぐに口をつける気は無いが一応挨拶だけは返しておく汐耶に、訝しげに時計屋を見る遠山重史。そして難しそうな顔で沈黙しているササキビ・クミノ――彼女の場合、甘い物が駄目と言うのは自分の事を指しているのだろうかと悩んでいたりした。
 そんな風に出された茶を前にしていたその時、店にまた誰か客人が現れる――が、汐耶との電話で来ると言っていたセレスティでは無く、スーツ姿の厳しい顔立ちの男が扉を開けていた。
 店の客――と言うより店主個人に何か用があるらしいその風に、時計屋の方からいらっしゃいまし刑事サン、とさくっと声を投げていた。呼ばれたスーツの男――確かに言われた通り刑事である来生充は思わず目を瞬かせ一旦立ち止まる。少しして皆の集まる、そして時計屋当人も居るカウンターまで来ると、何処かでお会いした事がありましたかと自分を刑事と呼んだ時計屋にひとまず訊く。が、いーや、でもお前さん刑事だと思ったからそう呼んでみたまで。違ってたら謝るよ? とにこにこ笑い掛けている。当たってたんなら気にせんどくれ、そのくらいわからなくて何が『時計屋』だ、ってところさ。…どうせお前さんも『そこ』まで承知で来てるんだろ、と嘯きながら時計屋は再び先程の着物姿の半透明な女性を手招いている。再び現れた半透明の彼女の手にはその場に居る客人四人と主との前に出された茶と煎餅、同じ物が一組。それが来生にも差し出された。
 来生はどうぞお構いなく、とその湯呑みと小皿を遮るよう手を差し出すが――まま、そう仰らず。ひとまずこちらに置いておきますね、とカウンターの隅、一番来生の近くに当たるそこに置き、半透明の彼女はそのまま奥へと戻って行ってしまった。
 来生はひとまず見なかった事にし、改めて、新宿界隈で起きた日本刀による連続殺人事件についてお話をお伺いしたいのですが――と警察手帳を見せつつ時計屋へと話し掛ける。そちらが本題。
「…事情聴取って奴かい?」
「ええ。二代目五月雨黒炎と呼ばれる刀工の人間関係について洗ってみたところ、やはり貴方が出てきたものですから」
 本当に水原さんの言っていた通り、二代目五月雨黒炎の人物像について詳しい話が聞けそうな人間は貴方がた五人だけのようですからね。…近所の人間はただ気味悪がって避けているようでしたから。
「ほお。行ったのかい」
「…ええ。ですが一番の不審者が刀工当人と言われてしまっては」
「…あの仕事場、不法占拠してる訳じゃ無かった筈だけどねぇ?」
「存じてます。仕事場の住所は――荒屋氏の名義になっている事は直接御本人に伺いました」
「そうかい。…でもちょっとその話一方的に進めるのは待ってくんないかな。いやね、別に兄さんに二代目について話すのが嫌ってンじゃなくってね…コチラの皆様も用件は同じ訳だからさ」
 と、時計屋は朔夜に汐耶、クミノに重史を示す。
「一緒に済ませた方が色々と話も広がりそうじゃないかい。…それともそれじゃ不都合なのかしらね?」
「いえ。折角ですからこちらに居る皆さんにもお話をお伺いしたいとは思っていましたよ。…綾和泉さんやラインフォード君は事件の際にも関っていましたしね」
 そちらの御二人も何故関っているのか、伺いたいですし、とクミノと重史にも振る。
 と、その時。
 すーっと玄関先、曇りガラス越しに銀色に煌く――恐らくはロールスロイスか何かと思しき車体が乗り付けたのが見えた。おや、漸くお出ましかしらと時計屋は呟く。その声で入口の方を見る一同。程無く、車のドアが開けられる音がした。黒服らしい姿とそれらの人物に守られるようにして降りてくる人物。そして今度こそ、時計屋の店の方の扉がその黒服の手で開けられた。
 扉を開けるなり店の中から注目を浴びている事に気付き、ステッキを突いて現れた彼――セレスティ・カーニンガムは、意外そうに目を瞬かせる。
「…どうかなさいましたか?」
「ほー。噂に違わずお美しい方じゃ御座いませんか」
「お褒めに預り光栄です。ところでこちらが、あの『時計屋』…さんで宜しいのですよね?」
「はいそうですよ。そーいうお兄さんの方はリンスター財閥の総帥さんですね? いやあ」
 …『向こう』じゃ男の人魚ってのは『愛嬌はある』って聞いてましたが――まさか本当にそれ程の美人さんだとは。いや失敬。
「おや、さすがに色々御存知のようですね」
 時計屋の科白にくすりと笑うセレスティ。…いきなりそちらから突付かれるとは思わなかった。セレスティは自分が人魚である事を――自分の社会的立場や世間一般への建前上、ある程度は隠している。それは――それ程神経質に隠している訳では無いが、少なくとも初対面の相手からいきなり言われる程知られているような素性でも無い。
 何も、無ければ。
「いえ職業柄つい気にしちまうだけなんですよ。ただの癖なんであまり気にしないで下さいな。…ともあれ、いらっしゃいまし」
 にこにこと笑いつつ、時計屋はたった今現れた麗人も――それまでの客人同様、歓迎する。

 …が、その顔の下で何を思っているのかはわからない。ひとまず椅子を借りたセレスティは、面識のある――そして事件の終息時にも居合わせその時の事を承知している汐耶と朔夜のふたりに、そちらの方は、と彼らの連れらしいクミノと重史について訊く。と、遠山君は蓮さんのところで会ったんですが――水原さんが刀を持ち出した人間じゃないかって案じて事件の事を調べてたんですよ。ササキビさんとはそんな折に蓮さんのところに居合わせて、誰が持ち出したのかはっきりさせたいって頑張ってる遠山君を手伝ってくれる事になったんです、と汐耶が告げた。俺たちは元々ちょっぴり関ってたからこの先どーなるのかなって単なる興味みたいなもんだよね、それに遠山君の目的の為にお役に立てるかもってとこもあったしさ。と朔夜も続ける。
 それを聞き、おやそこの学生さん水原絡みかいと意外そうに言う時計屋。そうです、と重史が静かに答えると、あー、あいつそういや学校の先生だったね。となるとちょっとマズいかな? とぼそり呟く。どう言う意味ですか、と重史。いやほらこーゆー殺人事件やらに深く関ると教師としちゃ居辛くなるんじゃないかね? 特に臨教となりゃ余計にさ、と時計屋。そんなちょっとした懸念に、他のトコならわかりませんけど神聖都なら大丈夫だと思いますよー、と、へらりと笑って言う朔夜。あそこひっそりワケありの方々多いみたいだし、余程の事にならない限りはまー普通にやってけそうに思えるけど? とあっさり重史にも告げてみせた。そんな科白を掛けられ、重史が朔夜をちらりと見る。朔夜は、ね? と安心させるようににこにこ微笑みを向けた。彼の言う通り、そこについてはそれ程心配する事もないだろう、とクミノも同意。
 来生もまた、彼らのそんな遣り取りをそれとなく聞いている。

 暫し後。
 話に区切りが付いたと思ったそこで、ひとつ確認したい事があるんです、と来生は本題を切り出した。スーツから取り出したのは一枚の似顔絵。見覚えはありませんか、とカウンターに滑らせる。時計屋のみならずその場に居た皆がその似顔絵を覗き込んだ。少し見て、時計屋は来生の顔をちらと見返す。
「…コイツがどうかしたんで?」
「最後の実行犯になった女性に刀を渡したと見られる男です」
 最後に刀を持っていた女性の足取りから、漸く辿れたのが――この店によく顔を出していた小男では無いかと証言が出たんです。と、来生。その科白に納得したよう、セレスティがゆっくりと頷いた。
「…やはりそうでしたか、私も同じ顔を事件の加害者であり被害者――である方の中に見付けましたから」
「そうですか。貴方も」
「それに関連して幾つか気になる事が出て来まして。…過去の刀の持ち主――つまり加害者でもあり被害者でもある方ですね。彼らの中にヒトとは違う遺伝子を持つ方が少なからず混じっていたようなのですよ」
 何度か事件の映像や情報を確かめての事なんですが。…とは言っても昨今の東京では――私も含め比較的普通に過ごしてらっしゃる『そんな方』も多々いらっしゃる訳ですから、それで直結してどうこうとは思いませんが。
 ですが、二代目さんと近しい関係者と言える五人の方の中で、人外の方々と特別関係がありそうな方がいらっしゃるとなると…この事は少し気になるんですよ。
 …だからこそ今、こうして直にお伺いしている訳で。
 来生に続いてのセレスティのその科白を受け、今度は汐耶が口を開く。…そう言えば初めに起きた事件の近所、そこに部屋があるのは江崎さんだけど――その近所には時計屋さんの取り引き相手も多く居ると荒屋さんが仰っていました、と。それを聞き、そうなんですか、と確認するセレスティ。確かにそう言っていたな、と頷くクミノ。朔夜も重史も同意。ならば余計にその辺りの事情をはっきりと伺わなければなりませんね、と来生。
 時計屋は不敵ににやりと唇を歪めてみせた。
「あらあらよくわかってるじゃないか。ああその通り。被害者の中にも加害者の中にも、アタシの客は結構居たよ。確かにね」
 そうだね。…表の客も――『裏』の客も。
 時計屋はあっさりとそう認めながら、それでも悠然と煙管を吹かしている。


15■時計屋の思惑

 …自分の客。表の客も『裏』の客も――事件の被害者の中にも加害者の中にも結構居たよ、と時計屋は平然と話している。死にたいって奴も結構居たから特に悲しいとも思わないねとも言ってのけた。特に今刑事サンに見せられたその似顔絵は――間違いなくそのクチ。ついでに新宿在住だから関係してても不思議は無いと思うけど。そうあっさり言ってのける。
 そんな中。
「…ああ、居た居た」
 軽く声を掛けつつ、がらりと店の扉を開け入ってきたのは水原新一。おう、お前さんも来たかと軽く声を掛ける時計屋。…ちなみに今の水原、煙草は喫っていないよう――即ち、通常の状態であるらしい。
「水原さん」
 どうしてここに。
「荒屋さんに教え子心配させるなってしみじみ諭されちゃってね」
 また遠山君探してた、と水原は肩を竦める。
「そんな訳で改めて言いに来た。…刀を持ち出したのは僕じゃない。誰がしたのか薄々予想は付いてるけど、それは言えない」
 本人が認めるまでは言い切れないし、証拠も無い。
 ただ、遠山君の精神衛生上の為に言っておくなら、確かな事は――刀はある程度砥がなければ使えないって事。僕と碧摩さんは刀を砥ぐ事は出来ない。道具と使い方くらいなら見様見真似程度で知ってるけど、肝心の技量が無いからやったら刀の方を台無しにしちゃうよ。で、二代目当人と荒屋さんと時計屋さんは本職じゃないけど砥ぐ事は出来る。砥師である江崎さんは当然出来るね。そして二代目が死んだのは――恐らく、刀が打ち終わって、すぐになる。
「…それじゃ」
 汐耶が声を上げる。
 水原は頷いた。
「その時点で、二代目当人が砥いだ線も消える」
 それと、自動的に僕と碧摩さんも消える。…それでも誰かに頼んだって可能性は消せないと思うけど、この場合考え難いと思うから。そもそも僕には刀の研磨が出来る知人は今挙げた四人しか居ない。
「…どうしてそれを先に言ってくれなかったんですか」
「言いたくなかったから。そこまで遠山君が思いつめるとは思わなかったからね。僕が甘かった」
 低い声で言う重史に、淡々と返す水原。…それに、僕だって砥ぎが出来たならやってた可能性は否定出来ないし、と続ける。二代目の最期の願い――言わば遺言を叶えてやったって事になるから。
「ではやはり…荒屋になるのか?」
 最期まで見取るのが約定だと言うのなら――そこまで面倒を見て然るべきでは?
 クミノのそんな科白に、でも、と朔夜が割って入る。
「今水原さん、『荒屋さんに教え子心配させるな』って言われて来た――っつってましたよね?」
 てと、荒屋さんの線も考え難くなると思うけど。さっき会った時の事も考え合わせると、荒屋さんて水原さん疑わせるのは避けたがってる風あったし。一応グレーにしておくとしても心証からして限りなく白に近いグレーに思えるんだけど。…ありゃ本気で心配してたしね。そりゃ一応刀の第一発見者だけど。
「荒屋は違うよ。奴が疑われンならアタシが疑われた方がまだマシだね」
 湯呑みの茶を啜りながら時計屋。…アタシら五人の中でも荒屋は最後まで日向に居られる奴だよ。義理堅いっつッても何でもはいはい聞く訳じゃない。譲れないところはきっぱり言うしちゃーんと切り捨てる奴さ。だけどあいつそれでもやっぱり世話焼きだしただでさえ貧乏籤引きがちだからねえ…特に黒炎に関してなんか最たるモンじゃないかしら。幾ら尽くしても二代目はああだし、騒ぎが起きれば後始末は大変だ。
 と、時計屋がそこまで言ったタイミングで携帯電話が鳴り響いた。が――先程の汐耶とは着信音が違う。誰か。水原。すぐに通話に出ると、ああ、荒屋さん。…そうですか、止められましたか、と、ほっとしたように話している。碧摩さんも無茶考えますよとぼやきながら、わかりました、と携帯電話を畳む。
「江崎さんが刀の事を認めたそうです。それで殺人が起こる事も承知とまで仰ったと。…で、居合わせた葉月さんが警察にお連れする事になったそうで」
 電話を切るなりそう言った水原に――真っ先に反応したのは来生。
「…葉月刑事がですか」
「そりゃ、居合わせちまったんじゃ連れてかない訳には行かないでしょうねぇ」
 のほほんとした時計屋のその科白に、来生はぴくりと反応する。大袈裟な反応は示さない。が――この時計屋と言う男は、すべてを見透かすような物の見方をする。…この来生に関しても、同じ事。
「ま、そう熱くなりなさんな。やる事がひとつ減ったと思えば良いじゃないのさ。取調べの方で誰かさんの鼻明かしてやりゃいいじゃないの」
 あっさりとそう告げ、時計屋はまた煙管を吹かす。皮肉なのだか励ましているのかわからない言い方。敢えて無視する事にし、では僕はそろそろ失礼する事にします、と来生は踵を返そうとする。
 が。
「結局、二代目が江崎にやらせた――それが正しいとも言えるんだろうね」
 直後呟くように言われたその言葉に、来生の足が止まる。
「江崎は完全に二代目に呑まれていたからね。元から他の奴より二代目に近かった。奴なら、二代目の望みに真っ先に気付いておかしくない。そして『二代目と同じように思う』だろうさ。『自分から』ね。…そうなれば、何したっておかしくないよ」
 ま、江崎だけじゃない。アタシも見てみたいとは思ったけどね。
「『人間と言う軛から本当に放たれた二代目』はどうなるのかを、さ」
「…それは、ひょっとして、刀を持ち出した当人ではないけれど、その後の――殺人事件が広がる手助けはしたと言う事になりますか?」
 時計屋の言い分に、ふと問うセレスティ。…加害者であり被害者である方々に、複数の心当たりがあると言うなら。そう含むセレスティの言葉に、汐耶もまた反応した。…今回の時件では色々と情報が誤魔化されているような節があった。ならば、持ち出した当人とは違っても――外側から手が差し伸べられた、その可能性は皆無とは言えないと。そんなふたりの疑念を受け、時計屋はちらりと視線を返す。
「アタシは『話した』だけさ。二代目黒炎の刀が起こした事件について。ウチに来る子に教えはしたさ」
 但し、それでどう動くかまではアタシにはわかるモンじゃない。
 もし万が一、連中がアタシが願う通りに動いていたとしても、アタシは決して――『頼んではいない』よ。
 …そう、二代目の持つ底無しの虚無に惹かれるかどうかは――話を聞いた、当人次第になるものね?
 時計屋は思わせ振りに――けれど何でもない事のように、にこりと笑い、そう告げている。


16■独白

 …ああ。備水砥まで済ませた刀を俺が渡した相手はふたりだ。一振りずつ別に渡した。いつ死んでも良いと思っているような輩は多いからな。探すのに苦労は無かった。時計屋の囲い者? …知らんよ。あの男ならやるかもしれないが俺は知らない。確かにあの辺りには時計屋の取り引き相手は多いと聞いたが――俺は奴の取り引き相手などいちいち顔も名も知らん。興味も無いからな。
 …どうした? 何か騒がしいが。…何? 事件の刀が無くなった? …何処かへ盗まれたってのか? そうか…それでこそ奴の刀だ。くくく、ははははは。
 黙れ、そんなに笑うな? …これが笑わずにいられるか。俺が居なくともまだ続く。あいつはまだ生きる。言葉は誰かが受け取るだろうよ。『二代目はまだそこに居る』。

 別に改まった異能なんぞ無くていい。
 ………………何もなくとも自然にそれを他者にやらせる事ができるモノこそ、本当の呪物。

 そうだろう? 刑事さん。


【了】



×××××××××××××××××××××××××××
    登場人物(この物語に登場した人物の一覧)
×××××××××××××××××××××××××××

 ■整理番号/PC名
 性別/年齢/職業

 ■0596/御守殿・黒酒(ごしゅでん・くろき)
 男/18歳/デーモン使いの何でも屋(探査と暗殺)

 ■2349/帯刀・左京(たてわき・さきょう)
 男/398歳/付喪神

 ■2109/朔夜・ラインフォード(さくや・-)
 男/19歳/大学生・雑誌モデル

 ■3620/神納・水晶(かのう・みなあき)
 男/24歳/フリーター

 ■4172/来生・充(きすぎ・みつる)
 男/28歳/警視庁超常現象対策2課警部

 ■1449/綾和泉・汐耶(あやいずみ・せきや)
 女/23歳/都立図書館司書

 ■1883/セレスティ・カーニンガム
 男/725歳/財閥総帥・占い師・水霊使い

 ■0086/シュライン・エマ
 女/26歳/翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員

 ■2498/倉田・堅人(くらた・けんと)
 男/33歳/会社員

 ■1855/葉月・政人(はづき・まさと)
 男/25歳/警視庁超常現象対策班特殊強化服装着員

 ■1166/ササキビ・クミノ
 女/13歳/殺し屋じゃない、殺し屋では断じてない。

 ※表記は発注の順番になってます

×××××××××××××××××××××××××××

 …以下、登場NPC

 ■江崎無明=二代目の遺志を継ぎ刀を街に出した当人、ある意味一番の被害者…?
 ■『時計屋』=二代目の遺作による殺人事件の助長に関与…?(詳細不明)
 ■荒屋周平=初代五月雨黒炎との約定による二代目の庇護者、身内を気遣い続けただけの人
 ■水原新一=身内を気遣い続けただけの人/異界登録NPC
 □碧摩蓮=身内を気遣い続けただけの人/公式NPC
 ※PC様に疑われ順に表記(…?)

 ■遠山重史/異界登録NPC(に、なりました)
 ■故・二代目五月雨黒炎→遺作の双子刀、無銘
 ■故・初代五月雨黒炎

×××××××××××××××××××××××××××
          ライター通信
×××××××××××××××××××××××××××

 この度は発注有難う御座いました。
 …また早い内に発注下さった方々の納期に掛かり始めております…(汗)
 最近日数上乗せの上に遅刻と非道な事をしまくっているような…まことにもって申し訳ありません(謝)

 そして――今回、相変わらずと言うか何と言うか本文が長いので(汗)、ライター通信は業務連絡系の話のみで失礼致します。
 代わりと言ってはなんですが(汗)取り敢えず納品確認の後に私の個人サイト(窓口下方で繋いであるところです)の雑記の方ででも…ライター通信相当?の事を書いておきますので、今回の言い訳(…)その他個人様宛てのお話等はそちらで閲覧お願いします…。お手数取らせます…。

 今回、各章タイトルの頭に数字(00〜16)が付いていますが、皆様、時々数字が抜けていると思います。が、間違って抜けているのではなく承知の上です。
 何故そうなっているかと言うと、実は今回のノベルは章タイトルで区切った部分部分を各PC様の登場・活躍シーンごとに適当に分割してそれぞれ納品してあるからです。そして、その各部分を他PC様のノベルにあるものも含めこの数字順に辿ると…長々した一本の話(汗)になって読めもする、と思われます(多分)。宜しければそんな読み方もどうぞ。
 ちなみに同じ数字の部分はそれぞれ共通になってます。結果、個別部分のある方やほぼ他PC様と共通になってる方等も居ります。

 一部の方にアイテムの配布がありますが、それは前回の「ゴーストネットOFF:殺人者に死は訪れぬ」時に話の流れで入手し、今回特に無くなってもないだろう物になります。…今回は続きに当たる話になるので、まだアイテム配布のシステムが無かった前回に入手した扱いの物を、今回お渡ししておく事にしました。

 少なくとも対価分は満足して頂ければ幸いです。
 ではまた、機会がありましたら…。

 深海残月 拝