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<東京怪談ウェブゲーム 界鏡現象〜異界〜>


神の剣 異聞 Invisible Blade 2 飛鷹いずみ編

 環境など違った者。
 先日に織田義明と衣蒼未刀と出会った。
 あなたの目からすれば顔もなーんも似てはいないようで、似ている。
 趣旨趣向などでなく、反応だ。
 其れがお互い可笑しいのか、意気投合している模様。

「遊びに行くか?」
「遊び? なにを?」 
 と、義明が未刀を誘う。
「まあ、お互い親睦を深めるために。」
「そうだな……」
 と、未刀は立ち上がる。
「義明」
「何?」
「服買いたいんだけど」
「じゃ、その関係に行くか」
 
 あなたも、彼ら(特に世間知らずの未刀?)が心配で仕方なく、付いていくのであった。


〈女の子同盟〉
――義明さんが居なければ……デートなのに
 などと、飛鷹いずみは義明と未刀の後ろで考えていた。嫉妬か拗ねているとも言う。
 その隣に、なかなかセンスの良いカジュアルな服装の長谷茜が苦笑していた。
「男友達ができて2人とも嬉しいの」
「……そ、そんなこと。わ、わかってます」
 少し、ぷいっと拗ねる。
「わかるよ。取られちゃったって言う気持ち」
 茜はうんうんと頷く。
「え?」
「だからそう言うこと」
 茜はウィンクしていずみが何をしたいか、“詳しく”知りたいらしい。
――茜自身、義明に恋をしていたのは確かだ。だが、其れもかなわなかったが、ひょんな事で恋人もできたのである。義明より大人かもしれない。故に、彼女が嫉妬していることをわかり、彼女のペースであの2人を連れ回す事にしようと決めたのだ。
「未刀くんモテそうだもんね」
「はい。服選びは私がします」
「それが良いよ。よしちゃんの趣味、極端だもん」
 苦笑する茜。
「どういうものなんですか?」
「すごく歳より趣味か、ロック感覚なのよね」
 クスクス笑う。
「其れはいけません。目だったら……」
――其れこそ大変だ。
 ロック野郎になったら、大変である。
 何が大変か? 言わずともわかるが念のため。
 未刀は顔立ちが良いので、女の子がよってたかるのだ。
 何としてでも食い止めないといけない。
「茜さん。何か良い方法ありますか?」
「手伝うよ」
 女の子同時の同盟。
 それは、男の友情より強固なものである。


〈黒い波動を感じるよっしー〉
「なぁ、未刀」
「なに?」
 義明は苦笑しながら、いずみを見る。
 彼女の顔は如何にも嫉妬してますと言うものだ。
「俺が誘ったのが悪かったのかなぁ」
「どういう事だ?」
 義明の言うことがわかっていない未刀。
 近くの茜がアイコンタクトして、ニコニコ笑っている。
――つまり、主導権をいずみに譲り、つかず離れず、奴隷となれという事らしい。
「いや、まったく。もって」
 義明は溜息を吐く。
「未刀……いずみちゃんがご機嫌斜めだから一緒に歩いた方がいい」
 義明が、未刀といずみを横に並べ、自分は茜と一緒に歩く形になった。
――暫くそれが良いだろうか?
「?? いずみ……僕何か悪いコトした?」
 未刀が、いずみに訊くが、
「何もしてません!」
 いずみは照れてそっぽ向く。
 いずみは敵対視線ビームを義明に向ける。
 其れを軽く受け流す、義明。
「えらいけど、少し違うかなぁ?」
 茜は困った顔をする。
「俺は、未刀といずみちゃんとも仲良くなりたいけどねぇ。先が見えないや」
 と、義明はごちる。
「乙女心はわからない、と言いたいわけだ」
 クスクス笑う茜だった。

 服屋に向かう間、この並び方であった。
 


〈服選び〉
「これも良いな。あ、この服もいいなぁ」
 いずみは、ニコニコと未刀の服を選んでいる。
「いや、僕はそんなにただ普段着のシャツがいるだけで」
「何を言っているんです! しっかりした服も必要です!」
「ご、ごめん」
 と、未刀は謝っているが、心なしか嬉しいらしい。
「確かに、仲良し」
 義明も茜に見立てて貰いながら、2人のやりとりを見て確信している。
「なので、つかず離れず。其れぐらいできるでしょ?」
「ま、確かに……」
 少し不満の様子。
「だから俺はそんなに派手なのは」
「良いから黙って」
「むう」

 未刀も義明も、いずみと茜の着せ替え人形と化していた。
「茜さん。これは似合うけど、お出掛けようにはイマイチじゃないかな?」
「そうねぇ。しかし普段着としては……問題が」
 未刀の服装も茜のアドバイスを少し入れる。
 普段着はかなり地味に行くため、ブティックもどきのバイトをしている茜のセンスも頼る事にしたいずみ。
 もちろん、デート用は未刀が嫌がっても、いずみの趣味100%で決まった。
 仕事用は流石に、専門に任せるしかないと茜に言われたが、やっぱり趣味に走った。
 問題は普段着である。
 女の子陣があーだこーだ悩んでいるあいだ……、
「未刀」
「なに?」
「君の未来、尻に敷かれるかもな」
「は?」
 なにもわかっていない未刀に義明は頭を抱える。
「未刀さん! コレ試着してください♪」
「よしちゃんは これね♪」
 にっこり微笑む、女の子同盟。
――逆らえない男の性がにくかったよ。
 と、義明は思った。

 もちろん言い出しっぺの義明が奢る形になる。
「7万6千375円になります」
「結構買ったなぁ……」
 途中で、現金おろすかデビットで通すか悩む義明であった。



〈引っ張り回される男性陣〉
 無事に、服を買い終えてから、いずみと茜の主導権の元、義明と未刀は連れ回されることになる。
 未刀は手ぶらだが、いずみと一緒にいて、デート状態。既に“敵”というより“雑用係”の位置づけになった義明は、荷物持ちとして働いている。
――いいか、未刀も楽しそうだし。
「茜さん。これ綺麗でないですか?」
「ほんとだね」
 女の子はワイワイ、露店のシルバーアクセサリを見ている。
「む?」
 茜は考えた。
 義明もわかったらしい。財布を確認した。

 茜がいずみに囁く。
「このシルバーの腕飾り、ペア物みたいだよ」
「え?」
 その言葉で、頬を染めてしまう。
 ようは、買ってもらえという事だ。
「名前入れるのも良いよね……」
「は、はい……済みません。これ2つ下さい。名前入りで」
「はい、わかりました」
 にこやかに笑うアクセサリを売っている女性。
「仲が良いご姉妹ですね」
「え?」
 茜といずみは顔を見合わせる。
「えっと、あのその〜」
 いずみはおどおどする。
「妹さんに彼氏がいるわけね」
「はい、そうですね。とても格好いい美少年ですよ」
 茜はサラリと答えた。
「茜……さん……もう……」
 と、結局いずみはペアの腕輪に名前を入れて貰い、茜に頼んで会計を済ませた。

――未刀&いずみ(もちろんローマ字で)と彫って


〈見付からない答え〉
 その後は、女の子を連れて行くための心構えを未刀達に教える女の子同盟に振り回される男性陣。
 “ハイハイ”と聞き流して従う義明に、言っていることに理解できていない未刀。
 その反応を見て、楽しむいずみと茜。
 其れは其れで楽しい一日では無かろうか?

 ただ、“敵”と思っていた義明が、気を利かせてくれたことに正直感謝しなくては行けないと思ういずみだが、其れを頭から離れさせる。
――未刀さんは私の大事な人なんだから
 しかし、わかっている、未刀にも男友達が必要だと。
 自分だけでは限界があることも。
――こんなに独占欲強かった?
 自問自答する。


 明確な答えが返ってくるはずがない。
 しかし、何となくわかる。
 其れが言葉に出ないだけである。


「楽しかったかな?」
 茜がいずみに訊いた。
「……はい」
 いずみは素直に返事する。
「良かった」
 茜はとても喜んでいる。
「また、いずみちゃんと遊びたいね」
「そうですね」
 お互い笑っている。


――茜とあの子が仲良くなると言うのも良いか。
 義明は、2人を見て微笑んでいた。
「義明」
「未刀」
「なんか、疲れた。買い物ってこんなの疲れるものか?」
「そうだぞ? こんな事では先が思いやられるぞ?」
 悪戯っぽく笑う義明。
「む、何かシャクに触る笑いだ」
 少し睨む未刀だが、すぐに笑った。


 既に夕暮れ、荷物を分けて、河川敷で未刀といずみは茜と義明とわかれた。

「未刀さん。プレゼントです」
 と、先ほど買った腕輪を渡す。
「あ、ありがとう」
 にっこり笑う未刀。
 ヤッパリ、変わったと思ったいずみ。
 前に比べると、何か違う。

――やはり、義明さんは……
 今は考えることはやめた。
 少し甘えて、未刀の腕に自分の腕を組む。
「い、いずみ……」
「いいから!」
 と、2人で家路に向かった。


 この腕のぬくもりに、茜というステキな友だちができたことがいずみにとって大事な一日であるだろう。



To Be Continued

■登場人物
【1271 飛鷹・いづみ 10 女 小学生】

【NPC 織田・義昭 18 男 神聖都学園高校生・天空剣士】
【NPC 衣蒼・未刀 17 男 妖怪退治屋(家離反)】
【NPC 長谷・茜 18 女 神聖都高校生・長谷家継承者】

■ライター通信
 滝照直樹です。
 『神の剣 異聞 Invisible Blade 2』に参加して下さりありがとうございます。
|Д゚) よっしー敵あつかいだってーw
義明「何か切ないよ」
 義明がかなりショックうけていますが、未刀君のモテる度合いは尋常ではないですねぇ。
義明「其れで片付けるな」
 と、いっていますが、義明はいずみさんの機嫌を損ねることはしたくないようです。

 では、次回の3話目に参加して頂ければ幸いと存じます。

滝照直樹拝