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<東京怪談ウェブゲーム 界鏡現象〜異界〜>


神の剣 異聞 Invisible Blade 2 黒崎狼編

 環境など違った者。
 先日に織田義明と衣蒼未刀と出会った。
 あなたの目からすれば顔もなーんも似てはいないようで、似ている。
 趣旨趣向などでなく、反応だ。
 其れがお互い可笑しいのか、意気投合している模様。

「遊びに行くか?」
「遊び? なにを?」 
 と、義明が未刀を誘う。
「まあ、お互い親睦を深めるために。」
「そうだな……」
 と、未刀は立ち上がる。
「義明」
「何?」
「服買いたいんだけど」
「じゃ、その関係に行くか」
 
 あなたも、彼ら(特に世間知らずの未刀?)が心配で仕方なく、付いていくのであった。 


〈美形3人で〉
 黒崎狼と義明、未刀は街中を歩く。
 狼にとって未刀に良き友だちができたのは良いことだが、心配で仕方ない。
 と、いうのも、義明はマイペースだし、未刀は全く世間知らずだ。それ故に保護者的立場がいるのだ。
 自分が其れに相応しいかさておき、放っておけないのだ。

 本人が後悔するのはすぐだった。

 理由は簡単、美形揃いである。
 女の子が熱い視線を送るわけであり、コレはコレで問題。
「なにか、気になるんだけど」
 と、未刀は言う。
 人目に付くのが嫌なのは、狼にせよ未刀にせよ同じだ。
 義明は、
「仕方ないよ、目立つのは。2人美少年だし」
 しれっと、とんでもないこと言い放つ。
「お前も、いい顔しているぞ」
 狼が言い返す。
「気にしてはダメだ」
 おかまいなしのよっしー。
「急いで服を決めて此処から出ないと、余計大変なことになりそうだ」
 狼がぼやく。
「どうしてだ?」
 と、未刀。
「どうしてだろうね?」
 義明、ニコリと笑う。

 狼の言ったことは的中した。
「済みません。おひまですか?」
 と、女の子グループに声をかけられる、狼と未刀。
「なにか?」
「えっと? なに?」
 冷たい感じに答える狼に、驚いている未刀。
「一緒に遊びませんか?」
「暇でしたら、遊ぼう! 遊ぼうよ!」
――逆ナンパである。
「暇じゃない只通り過ぎているだけだ」
 と、狼が断るのだが、
「えーそんなぁ。そんな感じに見えない〜!」
 と、敵はかなりしぶとい。
 で、義明は一番下のランクだが、困っているのは確かだ。
 そこで、彼が一言。
「既に予約入っているんだ。どいてくれるかな?」
 と、心なし怒り気味で言った。
 いや、相手が避けたい気分にさせる口調で言ったのだ。

――う、なに? この人怖い……。

「じゃ、じゃあねぇ〜ごめんなさい〜」
 と、去っていく女の子達。

「すごいな」
 狼は感心。
「……まあ、“別物質界”の気配を真似ただけだけどね、せんせーの気配を真似た。あの人は生真面目だからね」
 義明はまた、気を戻しいつもの“彼”になった。
 未刀は、ああ、こういう事かと変な納得。
 少しだけ、威圧感に神格か闘気を乗せて追い払う。いや、義明自身が“あまり人を寄せ付けない”様務めているのだろうか?
「昔の僕にそう言うことができれば、かなり変わっていたのだろうな」
 と、未刀は呟いた。
「なに、物騒なことを言っている」
 狼が、未刀を軽く小突いた。
「いたいな、狼」

「さっくり、買うぞ」
 狼が、2人を追い越そうとする感じで導く。


〈服を買った後〉
 大体おおざっぱな義明に狼だから、未刀が欲しい物を適当に買うわけである。
「で、黒やら蒼というのも単調だけど」
「色合いで少しアクセントはあって良いかもな」
「いや、ナンパされるのはゴメンだから」
 と、何だかんだと時間がかかった。

 黒いシャツに綿パン。あと、ウェストポーチなど機動性利便性を考えた結果、地味な男の子ができた。
 否、黒に少し白と赤がアクセントで出掛けるには問題ない物になる。
 未刀も気に入ったみたいなので良しとする。
 他には、単なる黒ずくめデニムセット、ハンカチ等々。
「動きやすさを考慮しているし、汚れても、結構大丈夫なものだ」
「それは、助かる」
 狼と義明に言われ、少し喜んでいる未刀だ。

「人混みは煩わしい。早く街から出たいな」
 狼がそう言う。
「其れは僕も同じだな」
 未刀も狼に賛同している。
「そうか、そう行かないのが世の常だな」
 そう、買い物した後でも、逆ナンパ遭遇率が高いのだ。
 何とか追い払っているが、今度は厄介な者に……
「何でこう言うのに当たるんだ?」
 と、狼が溜息を吐く。
 同い年の、チンピラである。数にして10。おそらく逆ナンパを見て気にくわなかったのだろう。
「てめえら、いい気になってんじゃねぇよ」
「なってないけど?」
「どういう事だ?」
 同時に反応する義明と未刀。
「喧嘩か? 俺は買いたくないぞ?」
 狼が言う。
「其れについては同感」
 義明が頷く。
「僕も嫌だ。人傷つけるのは特にね」
 未刀も同じだ。
「なにシカトしてるんだ! こっち……!!」
 チンピラは固まった。

 3人の睨みを見た時、恐怖したのだ。
 狼だけは違う。元から幻想種故、目から出る気は鍛練を積んで神になった義明の質とは違う。
――関わると殺す
 という、念が強いのだ。

 捨て台詞も吐けないチンピラはその場でしりもちをつく。何事もなかったように3人は去っていった。
――あいつ、色ボケなら嬉々として喧嘩していただろう(狼)
――其れを言うな。あいつは俺をライバル視しているんだ(義明)
――誰だよ? そいつ(未刀)

 と、何となく心理会話がされていた。


〈たまにはこういうおつな場所で〉
 河川敷ではなく、高台にある神社で一休みしようと言う狼。
「ご神木に登るのはいけないんだが」
 と、義明は怪訝な顔をする。
「違う、そこまで罰当たりなことはしない」
 狼は苦笑した。
「ご神木より背の高い樹があるんだ。祀られているかもしれないけど、見晴らしは良いぞ」
「むむ」
 と、何とか狼が義明を説得しているわけだが、自分が神の端くれ故に気乗りしないようだ。
 そこに、未刀が、
「煙と何とかは高いところが好きという。付き合おう」
 トンデモナイコトを口にした。
「おい、未刀。凄いこと言わなかったか?」
「いや、別に?」
 と、狼が不満そうに訊くのに対し、未刀は平然と“?”で答えた。
 義明はそのやりとりに吹きだした。
「何が可笑しいんだよ。義明まで」

 途中、お菓子などを買ってから目的地に向かう。
 至って普通の神社。一応霊脈を守護する場所らしい。別段何か凄い術師が守っているとか、曰く付きであることではない。
 狼はそのまま翼を使って飛び、義明と未刀はよじ登った。
 その景色、かなりの物だった。
 自然の風景を眺めるにはこの上なく良い場所だ。
「ほぅ」
 と、未刀は感嘆の声を上げ、景色を眺めている。
「いいだろ? 菩薩樹の次にお気に入りなんだ」
 狼は満足そうだ。
「寝るところで?」
 義昭が言う。
「義明、いままで俺をどう見ていた?」
「俺に似て、寝床探ししているのんびり屋」
 義明の答えに、無言で頭にチョップする狼。
 未刀は、ぼうっと景色を見ている。
「たまにはこういう場所も悪くないだろ?」
 狼が訊くと、
「「そうだな」」
 と、同時に答える義明と未刀だ。

 あとは、3人とも景色に魅入っていた。
「「あのさ狼」」
「なんだ? ハモって」
 ジュースを飲んでいる狼に、義明と未刀がまた同時に訊いた
「「男で来るより、女の子誘ってみた方がいいのではないかと思ったんだけど? 彼女いないの?」」
 その質問に、狼はジュースを吹きだした。
「お、おい! 何故そんなことに、な、なるんだよ!」
 怒鳴る狼。
「何となく」
「何となくじゃない!」
 何時の間にこうした事を言う未刀に狼は不思議に思った。
 あの、小麦色か? それともいつも俺をからかう猫神か?
 等と、考えてみたが……
「義明、何かいらぬこと、教えたか?」
 義明に訊く狼。
「いや、なーんにも」
 と、メッコール飲んで景色を眺める義明。

 其れは結構瑣末ごと。あとは、3人で景色を眺める。日が暮れるまで。

 色々あったが、楽しい日々だった。
――平穏な日はこういう物だろう?
――そうなのか?
――そう、眠たくなる以外にも笑える日があるのさ

 と……。

To Be Continued


■登場人物
【1614 黒崎・狼 16 流浪の少年(『逸品堂』の居候)】

【NPC 織田・義昭 18 男 神聖都学園高校生・天空剣士】
【NPC 衣蒼・未刀 17 男 妖怪退治屋(家離反)】

■ライター通信
 滝照直樹です。
 『神の剣 異聞 Invisible Blade 2』に参加して下さりありがとうございます。
 狼くん、2人にからかわれましたけど、如何でしたでしょうか?
|Д゚) ←参加したいなとか思っている小麦色
 何かまたいますが、3話には出ません。シリアスなので。

|Д゚) ←ショックうけているらしい

 では、機会が有れば3話にお会いしましょう。