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<東京怪談ウェブゲーム 界鏡現象〜異界〜>


神の剣 異聞 Invisible Blade 2 弓槻蒲公英編

 環境など違った者。
 先日に織田義明と衣蒼未刀と出会った。
 あなたの目からすれば顔もなーんも似てはいないようで、似ている。
 趣旨趣向などでなく、反応だ。
 其れがお互い可笑しいのか、意気投合している模様。

「遊びに行くか?」
「遊び? なにを?」 
 と、義明が未刀を誘う。
「まあ、お互い親睦を深めるために。」
「そうだな……」
 と、未刀は立ち上がる。
「義明」
「何?」
「服買いたいんだけど」
「じゃ、その関係に行くか」
 
 あなたも、彼ら(特に世間知らずの未刀?)が心配で仕方なく、付いていくのであった。


〈つ……付いていきます〉
 弓槻蒲公英は2人の背中を追う感じで、ちょこちょこと付いてくる。
「お、お洋服買いに行くのですね?」
「そうだよ」
 未刀が彼女の目線に合うようにしゃがみ、にっこり微笑んで蒲公英に答える。
「お、おかねは私が持っています」
 と、蒲公英も答える。
 きゅっと、お出掛け用ポシェットを握る蒲公英。
「未刀さまは、わからないこと多いですから」
 と、彼女は言う。
 未刀はまいったなと頭を掻く。
 後ろでは義明が笑っている。
「何が可笑しい? 義明」
「ん? 別に?」
 ジトメの未刀の言葉を受け流す義明。

「あ、あの」
「「なに?」」
 こんどは義昭と未刀が同時に反応。
 蒲公英はコレにピックリする。
「え……えっと、最後にペットショップに行きたいのですけど」
「かまわないよ」
 ニコリと微笑む2人。
 蒲公英は半分嬉しく、半分怒っていた。
 否、半分嫉妬である。
 なにせ、大切な未刀が義明に盗られやしないか恐ろしいからだ。
 本人は気付いていませんが。
――杞憂なんだけどねぇ(義明の心の声)
――どうしたんだろう蒲公英?(未刀君の心の声)
 ともあれ、服屋に直行するのであった。


〈しっかり者の蒲公英〉
 安くて丈夫な服を売っている店というのはなかなか無い。古着やというのは意外に高い事が多く、蒲公英の、
「あのお店は、高いのでダメです」
 という、お言葉で何軒もまわる羽目に。
 結局、大量生産系セールものになった。
 つまり、閉店か改装セールなどである。表示価格から更にレジにて最大半額という破格っぷり。
「ここでいいか?」
 未刀がきく。
「はい、此処なら大丈夫です」
 蒲公英はコクリと頷く。

 この店を探すのに1〜3時間は歩いたのかどうか定かではない。鍛えている義明や未刀は良いとして、蒲公英が疲れていそうだ。
 途中、未刀がおんぶするというのを蒲公英は頑なに断った。恥ずかしいのもあるが、敵に見せたくなかったようだ。
 敵というのは言わずとしれた、織田義明その人。
 女の子の心という物は分からないもので、義明と未刀は溜息を吐く。
「兎に角、君の財務大臣の紐は堅い。上1着、下1着、肌着下着数点でなんとか6000円あたりに……」
「5250円、です」
 鋭利な刃物の様に蒲公英ちゃんの割り込み発言。
「消費税入れて……ですから。未刀さまのお洋服はとーさまのお下がりで大丈夫です」
 そこまで計算していますか? 蒲公英ちゃん。
 さすが、家事全般については敏感のようです。
「「了解しました」」
 7歳児に仕切られる男子2人。

 くたびれた黒シャツを新品に変わるだけになりそうだが、買い物というのは楽しい。
 好みの色が似ている義明と未刀はぱっぱと候補を上げているなか、蒲公英は少しムスッとする。
「どうしたの?」
 義明が気付いて、声をかける。
「い、いえ。楽しそうですねと思いました」
 と、一寸驚くが答える蒲公英。
「じゃ、蒲公英ちゃんが未刀の服を選んでみたら?」
「え? わたくしが、ですか?」
 おどおどする蒲公英。
「ぼ、僕は、か、構わない……いや、嬉しい」
 そこでぎこちなくなるのか? 未刀君。
 と、義明は2人の邪魔はしない方向で、離れる。
 2人は固まったままだ。
 5分経過……
 10分経過……
「あ――」
 と、義明が痺れを来したときに……、
「コレが似合うと思います」
「蒲公英が言うなら、にあうとおもう」
 何とか、調子が戻ってきたようだ。

 その後と言えば、下着売り場3着1000円(税込み)で、蒲公英が頬を赤らめていたり、未刀が女性下着売り場で迷子になってしまい、女性客に白い目でみられたり、義明と未刀の中がよいことにまた拗ねている蒲公英をみて、2人揃って首を傾げたりと、楽しい時間が過ぎていった。

 未刀が買ったものは、黒いシャツと黒い綿パン。何とか抑えに抑え、蒲公英(と書いて財務大臣と読む)を説得させて5500円になりました。


〈ファミレス〉
 洋服選びに時間がかかったので、義明の個人ルートは省略された。否、するべきだ。
「こんな可愛い女の子があの世界に踏み込んじゃいけない」
 という事らしい。
 あの世界というのは、秋葉原とかその類で、蒲公英の美少女に萌えそうな輩がいるため、庇うだけで精神がボロボロになること確定なのだ。
 他に言えば、財務大臣の紐は堅い。
「お洋服、1着買えます」
 とか、言いかねない物がいっぱいだ。

 途中で義明の奢りにより、ファミレスにて昼ご飯。
 ランチセットにドリンクバー、デザート付きで。
「相変わらず甘党だな?」
「甘党が悪い?」
「甘い物好きです」
 と、何でもない会話をして昼を過ごす。
 何となく、蒲公英が窓の外をみると、何処かで見たような物体を見つけた。
 しかし、目をこすると、其れはなかった。
「気のせいでしょうか?」
 と、呟いた。
「どうした、蒲公英?」
「何でもないです」
 未刀の声に我に返って顔を赤らめる。
 
 未刀は少しソワソワしていた。
「どうされました? 未刀さま」
「ん、なんでもない」
「またそんなことを……」
 と、蒲公英が睨んでないように睨む。
「い、いや、まだ甘い物を食べたいなと……」
 と、照れくさく答えた。
 蒲公英は難しい顔をする。
 未刀が甘い物好きなのはとてもわかっている。しかし、無駄遣いはしたくないし……、それに義明さまにこれ以上負担はかけられない。
 でも、無意識に、上目遣いで義明を見ている蒲公英であった。
「其れだったら言えよ」
 苦笑する義明。
「かなりの時間歩いたんだから、ゆっくりしても良いだろう」
 と、メニューをまた貰って、未刀に選ばせる。
「すまん」
「蒲公英ちゃんも」
 と、義明が微笑んだ。
「あ、ありがとうございます」
 真っ赤になる蒲公英。
 気のせいか、未刀と彼が重なった。

 ゆっくり、のんびりしてから最後にペットショップに向かった。

 義明の出費8590円。



〈天敵K? 登場〉
 ペットショップで、動物の餌などを買う蒲公英。
 月見里家では、そこまで動物が飼えるのかと言うほどペットが多いらしく、普通のペットから、みたことがあるような奇妙なやぎ(因みに旧タイプ)がいるのだ。そのえさ代、玩具代、道具類でどれだけかかるかというと、多分、10万行くのでは? と言う。
 今回は、単に餌類だけと言うことであるが、重たいので未刀が持って帰る事になる。
「ペット飼っているのか。凄く可愛いだろうな」
「はい、かわいいです。ふかふかのハスキーさんにフェレットさん、そしてやぎさん……」
「やぎ?」
 義明が首を傾げる。
「やぎさんです。紙を食べてくれます」
「いや、わかるけど……最後に「?」なんかつかない?」
「? いいえ? それが、どうしました?」
「喋るとか、他に何か変な技持っているとか……」 
「え、えっと……」
「僕も初めて見たときは、不思議に思ったけど……沢山居る」
 未刀がフォローのつもりか、そう言った。
「そうか」
 と、義明は妙な納得をしてくれたようだ。

 会計をすますために、蒲公英がレジに向かう。
 そこには、

|Д゚) いらっしゃいませぇ〜
 かわうそ?がいた。
「お願いします」
 と、お互い気が付かないで、小麦色と蒲公英は再会をしている。
|Д゚) お会計5千250円……なり
「はい。……っ!?」
|Д゚) お客さん、どうか……

 数分、蒲公英と謎生物が見つめ合う。

蒲公英たーん(*´Д`)ノ ひさしぶりー 蒲公英たーん(*´Д`)ノ
「……ふぅ……」
 去年の花見に再来か、蒲公英は小麦色ことかわうそ?が叫ぶと同時に、気を失った。
 まるで、硬直してお人形みたいに……。
 急いで抱き留める未刀に、
「おまえ〜! 何してんだ! 蒲公英ちゃんに何かしたのか!?」
|ДT) いたいー! なにもしてないー! よっしー! へるぷー! ぎぶー!
 義明が、小麦色を絞めていた。
 ジタバタする超謎生物K?
「蒲公英! 蒲公英!」
 未刀は必死に蒲公英の名前を叫ぶ。
 店員が何事かと駆け寄って大騒ぎ。

 ナマモノ騒動なので、別段“どうでも良いや”的になったが、謝罪としてえさ代が半額、おまけ付きになったのであった。
 かわうそ?は結構人気があるらしいので(動物の躾も巧いし、お客にも人気なので、気絶する人が珍しいらしい)、クビにならなかったようである。

 河川敷。
 まだ、心配そうな未刀の横に付いてくるかわうそ?をみて、
「悪いんだけど、蒲公英をこんな目に遭わせたお前は……許せない」
|ДT) そーりー ゆるしてー
 と、言う小麦色。
――いや、気配が無くなるまで眠り姫ですが?
 小麦色には、直系10cmのたんこぶができている。叩いたのは当然義明。
「何故来る?」
 義明が言う。
|Д゚) 謝りたいから
「其れはわかるけど……お前がいたら話が進まない!」
。・゚・(ノД`)・゚・。 いやー!
 義明がかわうそ?を河に投げた。
 心地良い水の音と、高い水柱が上がり……気配は完全に消えた。
 すでに、海までながされていったようだ。

「一体何なのだ? あれ? 知り合いみたいだが」
「いや、俺にも説明し難い存在だ、あまり気にするな。名前はかわうそ?と言うのは確かだが」
「そうか……?がつくかわうそなのか……」
 それ以上、未刀はかわうそ?について何も聞かなかった。


〈その後〉
 蒲公英は気が付くと、未刀と一緒に家にいることがわかった。
 彼の膝の上でずっと眠っていたらしい。

「あれ? わたくし……?」
「疲れて眠っていたんだよ」
 と、優しく彼女の頭を撫でる。
「わたくし、また未刀さまにご迷惑を……」
「いや、君を守ると決めたのだから、謝らなくて良いよ」
 優しい笑顔。
 安堵する蒲公英。
 蒲公英の様子から、おそらくあのかわうそ?との遭遇は曖昧になっているみたいだ。蒸し返すのは悪かろう。
 ただ、蒲公英は今の状態で動いてくれない。
「蒲公英?」
「今日はこのままいたいです……」
 と、甘えてくる蒲公英。
 優しく抱きしめる未刀。

 2人きりの時間だった。

 義明は邪魔しちゃ悪いと、家まで送ったが、そのまま帰っている。
 究極のゴタゴタが有りながらも、楽しかったと願う、義明であった。

 蒲公英も未刀もそうだといいなと思っているだろう……。


To Be Continued


■登場人物
【1992 弓槻・蒲公英 7 女 小学生】

【NPC 織田・義明 18 男 神聖都学園高等部・天空剣剣士】
【NPC 衣蒼・未刀 17 男 妖怪退治屋(家離反)】
【NPC かわうそ? もう説明する必要なし】

■ライター通信
 滝照直樹です。
 『神の剣 異聞 Invisible Blade 2』に参加して下さりありがとうございます。
 前話に比べ、ギャップありすぎますが如何でしたでしょうか?

 3話目はシリアスです。

 最後にこの一言で……

 蒲公英たーん(*´Д`)ノ