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<東京怪談ウェブゲーム 界鏡現象〜異界〜>


神の剣 異聞 Invisible Blade 4 セレスティ・カーニンガム編

 衣蒼未刀。彼との出会いは私にとって楽しくそして大切な時間だ。今でもハッキリと覚えている。
 出生が異なりや力のあり方、心のあり方ではなく、論理的に説明できないが、私たちは何か似ていた。
 元々、論理的に説明できるほど私は賢くない。が、これだけは自信持って言えるだろう。
 魂の友であり、兄弟だ。
 其れが何かは今でもわからない、柱であり抑止の座に付き、あらゆる危機を斬る刃になった今でも。
 私は未刀と共に過ごしたかけがえのない友人の事を一生忘れることはない。
 抑止の一、光刃の柱になっていようとも。

                               影斬・現世名 織田義明

 これは、織田義明はまだその“名”を持っていたときの手記か誰かに伝えた言葉である。
 短い時間だったか、それとも長い時間だったのか……。
 彼にとって、衣蒼未刀は未来永劫、心の友で、親友であり兄弟であると言ったのだ。

 彼のこの言葉を聞くか読むのは、かなり先の話。   
 あなたは、義明と未刀と共に過ごした一番の思い出を、残していく。
 それが、『何処か』に記されるだろう。
 彼らと友人としてか仲間としてか、それ以上の存在としてかを過ごしてきたのかを。 



〈至福な未刀君〉
 私、セレスティ・カーニンガム。
 リンスター財閥の総帥です。
 男性なのですが、近頃お姫様属性が強いらしいこの頃です。
|Д゚) セレ様……お姫様属性度70%と思われ。
 ある事件を境に、織田義明くんと衣蒼未刀君に出会いました。
 2人とも、素直でいい子で、私も彼らとの生活が心地良いものだと感じています。
 何れ義明君は人を超えていき、更にどこかに行くのでしょう。
 未刀君もそうだろうと思います。
 私は人魚から変身し、不老者であるから……義明君や彼の師と同じように、人と出会い、また別れを体験しています。
 色々な思い出はありますが、その中でも大事な思い出です。


 良く覚えているとすれば、パティシエが作ったスイーツを幸せそうに食べている未刀君の顔です。
 義明君も喜んでいますが
「未刀それ以上食うと、太るぞ」
 なにやら心配している様子です。
「大丈夫。食べられるときに食べないと。
 やはり、剣を握って戦う人は肉体管理も必要なんですね。
「お菓子は逃げませんから落ち着いて下さいね」
「う、うん」
 そう言いながら、ヤッパリ至福な顔をして居る未刀君です。
 私は、ゆっくりと紅茶を飲んで微笑んでいるのが分かる。

 そこで、私は良く料理人のものを食べているのですが、自分で作ったことがないと気付きました。
 レシピは分かるのですが、実際に作ってみたいと好奇心が湧き出ました。
「義明君、未刀君」
「なんでしょうか?」
「にゃにゅひゃい? ふぇれひゅ」
「しっかり食べ終わってから話しましょうね、未刀君」


|Д゚) めっちゃ、絵になりそ

「料理を作ってみたいんです」
 その言葉に、義明君は目を丸くしています。
 あ、かわうそ?さんも驚いていますね。
 料理人達も驚いてます。
 私の側近の数人は……何か良からぬ事を考えているようですが……。

|Д゚) あい、セレ様が料理……驚いた。


「良いことですが経験は?」
「実はないんですよ」
「うーん卵を巧く割ることからだと思います」
 義明君は真剣に考え込んでいる。
 彼は壊す仕事ばかりしている分作ることにはかなり考え込むようです。
「ここだと、何かと問題がありそうなので……」
 と、やおら義明君が立ち上がり、
「俺の家にて一寸した手料理を作ってみません?」
「セレスティの料理教室か」
 未刀君は、何を考えているのか分かりませんが私をずっと見ています。
「はい♪」
 断る理由もないので返事しました。

 そして義明君の家。
|Д゚*)ノ セレ様これ
 と、かわうそ?さんが渡ししてくれた物は、
 お玉に、フリフリのエプロンでした。
|Д゚) 似合うと思う。
「何時の間につくったんだ? ナマモノ」
|Д゚) 内緒
 義明くんが苦笑しています。

「僕もあまり巧くはないんだけどね」
 と、未刀君も自分のエプロンをとりだしていました。
「目玉焼きか卵焼きだね」
 と、義明君が言います。
 オムレツは実はかなり難しいと聞きました。基本的な物自体が難しいと言うことを頭の中で理解していますが……
「卵を割ってください」
 と、指示通り割ってみます。
 黄身が破けて出てきてしまいました。
「力みすぎだよ、セレスティ」
「そ、そうですか?」
 体験して難しさを本当に分かりました。
 10回、試してやっと一個、巧く黄身を破かずに。
「他のものは、別の物に移して……未刀、かわうそ?」
|Д゚)ノ ういー
「卵焼きにするのか? 再挑戦してみる」
「ああ、それが良いだろう」
 そして、義明君が私と未刀君に卵焼きと目玉焼きの作り方を教えてくださいました。

 目玉焼きは丁度頃良い半熟に、卵焼きは私がやったので形は歪で焦げてしまいました。
「ヤッパリ料理は難しいのですね」
「流石に、そこの小麦色みたいにすんなりいくとは考えない方がいいですよ」
|Д゚) 訓練のたまもの
「訓練より謎だろ? 僕も独り暮らしだったころは卵を割ること何て出来なかった」
 と、ご飯と一緒に今日の卵料理づくしをおそろいの食器で食べているのでした。
 始めての料理は少し焦げた玉子焼きが不思議と美味しかったです。


〈朝の散歩〉
 少し遠出をして避暑地にもなる夏の海に向かったこともありました。
 流石に、私は体が弱い方なので空調の効いたところで、のんびりしており、義明君達や未刀君が窓際から見える場所で遊んでいます。
 未刀君は大丈夫のようですが、義明君は変にエアコンなどを嫌う質があるようです。聞いてみると、
「小学校か中学校の時に、クーラーとかで体こわしてイヤになったんですよ」
 と苦笑していました。
「其れに未だ、神格の制御出来ていなかったときだから……体をこわすと大事だったんです」
「義明もかなり苦労しているんだな」
 未刀君は笑って言います。

 双眼鏡から2人が極普通に遊んでいる風景を眺めていました。

|Д゚) ぷかぷかー♪

 この穴場の案内はかわうそ?さんからでしたので、彼が居てもおかしくはありません。


「セレスティさん」
「……」
「低血圧なんだ?」
 声がします……もう少し寝かせて下さい……。
「どうする?」
「どうするって……」
|Д゚*) ←抱き枕ナマモノになっていて嬉しそう
「仕方ない……本当はやりたくは無いのだけど……」
「まさか? セレスティは長寿でも身体が!」
 何か……未刀君が慌てています。
|Д゚;) ! あの技披露?
|Д゚)ノシ ジタバタジタバタ←逃げようとしているらしいがセレ様がしっかり抱きしめているので動けない

――天空拳・振動掌・活

「!?」
 徐々に私の体内の血流が活発になっていきます。
「幾ら身体が弱くても、少しは運動しないと駄目ですよ。体内調整を少ししました」
「しかし、その技は無いだろう義明」
「あ、……お、おはよう、ご、ございます」
 半分眠いのと、半分身体がかなり活発に動きたがっている複雑な起き方をしてしまいました……。
 しかし、目覚めは今までの物よりマシな方です。
|Д=) う……動けない……

「丁度アース線小麦色が役に立った」
 笑いながら義明君は歩く。
「しかし、いきなりはないんじゃないか?」
 未刀君はなにか不満そうです。
「天空剣は治療関係もできるのですか?」
 目を覚ましてからかなり快適に歩が進む私が聞きます。
「能力制御の一つ、気付の技に近いですね。寝起きの悪い茜に結構やっていたのです」
「今では、僕が犠牲に……」
「では、私が犠牲者3号ですか?」
 苦笑する私。
「小麦色がいなかったら、あの小麦色のように半日は動けなくなっていた」
「コントロールが難しいんだよねぇこの技」
「義明君、私を実験台にするなんて」
 少し、怒ってみようとすると、
「約束は守らないと」
「え? あ、ああ、そうでした……済みません」
 そうそう、私から涼しい朝の散歩を約束していたんです。
 流石に約束を破るのは行けません。

 すっかり私が低血圧と言うことを失念していました。

 朝の気持ちよい風と綺麗な砂浜の景色を楽しみ、すっかり朝のドタバタを忘れました。


――一方
|Д゚) う、うごけー!
|Д゚)ノシ じたばたじたばた
?「今のうちに毛並みを堪能……」
|Д゚) ガブ
?「ぎゃー!」


 私の付き人一名が大けがをしてしまったようですが、まあ良いでしょう。



 こういう風な思い出。
 私は不死者(イモータル)でありますが、何時しか抑止の座に付いた義明君……いえ、影斬と問題なく会ったとき、思い出話が出来れば良いと思っています。


■登場人物
【1883 セレスティ・カーニンガム 725 男 財閥総帥・占い師・水霊使い】

【NPC 織田・義明 18 男 神聖都学園高等部・天空剣剣士】
【NPC 衣蒼・未刀 17 男 妖怪退治屋(家離反)】
【NPC かわうそ? 既に説明不要というか抱き枕とか色々】

■ライター通信
 滝照直樹です。
 『神の剣 異聞 Invisible Blade 4』に参加して下さりありがとうございます。
 低血圧の人を起こす時、義明は容赦しません。
 料理体験と、力業で起こされます。
|Д゚) ガジガジ(また何か噛みついているのか)
 のんびり平和な時間を感じて下されば幸いです。

 順序よく入って下さりありがとうございます。なお義明の家に食器セットとエプロンがありますので。いつでも料理教室に来て下さいな。
|Д゚) セレ様のエプロン姿。お玉もって……
 ナマモノが何か言っています……が、私も見てみたかったり。

 

 滝照直樹拝